昌豊「信玄様？！」
信玄「俺のために誰かを犠牲にするなんて‥そんなこと「もう」できるかよ」

血を飲むことを否定する信玄‥その時二人は耳をぴくりと動かした
何者かがこちらに近づいてくるようだ。

信玄「敵か？」
昌豊「時間を稼いできます…ですからその間に！」

昌豊は一も草に気配のする方へと飛び出していった。
信玄はゆっくりと立ち上がると結月も立ち上がる。

結月「信玄さん」
信玄「そんな顔をするな」

その時結月たちの周りには既に沢山の厄魔が取り囲んでいた。
結月「厄魔！？」

信玄は結月を庇うように前に出ると厄魔たちが襲い掛かってくる
そのたびに信玄は刀を振るい厄魔を蹴散らしていくのだが
咳が収まらないのか膝をついた

結月「信玄さん！？」
よろめきながらも信玄は安心させるように「来るな！」と声を上げる

信玄「大丈夫だ俺はこんなところでは負けねぇ！
お前のことも死なせねぇ！！はぁあああー」

最後の数匹も一気に薙ぎ払い汗をかきながら安心させるように微笑む信玄

信玄「な？お前のことは…おれが…」

と言いかけたところで気を失ったようでふらりと倒れる
それを受け止めたのは信春だった
いつの間にか家臣たちが全員集合した。

信春「無茶をしおって」
昌景・昌豊「信玄様！」
昌信「ご無事ですか！？」

信春は冷静に信玄の腕を肩にまわした。
信春「取りあえず安全な場所へいくぞ」
一行は一時その場を離れることにした

昌豊「何ものだったのかな？」
信春「厄魔のどさくさに紛れて逃げられちゃったね」

その何者かが意外と近くの木の裏で身を潜めて結月たちを監視していたとはこの時誰も気づいていなかった。

ー織田城ー

一人玉座に座る男の前に跪いている男は静かにいう

？「申し訳ありません」

信長「…武田と豊臣か……「光秀」上杉の城へ行け」
光秀と呼ばれた男は「はっ！」と御意という意を見せてその場を後にした。

その次の日の朝…
結月たちはすっかり回復した信玄たちを見送るために外に出ていた

結月「もう大丈夫なんですか？」
信玄「あぁ！お前のお陰だ、秀吉も世話になったな」
秀吉「くれぐれも道中気を付けて…」


信玄「あぁ、…っと忘れるところだった結月」

結月「？」
信玄は小さく手招きをした後近づいてきた結月に耳元でとあることを伝えた…それは先日信玄が結月に何かを言いかけたことを伝えるためだった。

結月は驚いて「えっ？！」と声を上げた
結月「それは本当ですか！？」
信玄「あぁ、間違いない俺も一度会ったからな」
結月「そう…ですか…よかった…」

結月は初めて一粒の涙を見せた…
信玄「っ！？」

結月「教えてくれてありがとうございます…
これまでで一番のいい知らせです」

ニコッと微笑む結月に顔を赤くさせながら「あぁ」と答える

信玄「遅くなってすまない」

結月「いえ…あのあの子は元気そうでしたか？」
信玄「あぁ、初めは警戒されていたがな…すぐに懐いてくれた
元気いっぱいだったぞ…お前のことも心配していた早く会いたいと…」
結月「そうでしたか…私も早く会いたいです」

信玄「いつか俺達が合わせてやるからな」
結月「！はい、楽しみにしています道中お気をつけて」

信玄は自分の馬に乗り「おう」と答えた

背を向けて馬を走らせる
信玄「結月！何か困ったことがあればいつでも呼びな

必ず助けに行くぞ！」