あれから僕は目を覚ましていつものように部屋に幽閉される生活を続けていた。
たまにジュダルさんに首輪をつけられて・・

王宮内を連れ出してくれるけど・・みんなの視線が嫌だった・・

これじゃあ・・まるで・・飼い主とペットみたいじゃん・・
僕は・・人間だよ・・？


炎兄も許可を出したみたいだし・・何を考えているのかさっぱりわからない・・


部屋にいるときは、たまに龍兄や紅覇兄が遊びに来てくれるから暇を潰せたけど・・
炎兄は炎兄で・・仕事の合間に僕の世界のことをなどをしつこく聴いて来る・・
話せることは話したよ・・少しだけね・・

でも・・これじゃあだめだと僕は思った・・。
ジュダルという人はいないみたい・・
どうやらお仕事でバルバットという国に行っているらしい・・
行きたかった・・

バルバット・・僕が行きたかった場所・・
そして友達が約束を果たしに向かっているかもしれない場所だから・・

でもこの鎖がある限り・・僕に自由はない・・
この部屋からまず出られない限り・・僕は動けない・・。

行動を起すなら早くしないと・・

僕は窓からこっそりと抜け出して・・
広くて人がいなさそうな場所を捜し歩いた。
ジュダルさんが連れてきてくれた・・あの場所なら・・いけるかもしれない・・

僕は魔法書を取り出してそこへ向かった。

「・・何々・・天候を支配する水と雷の合成魔法「雷豪雨(テンペスト)」

そして・・氷の槍を飴のように洗い流す「降り注ぐ氷の槍(ザルグ・アルサーロス)

・・・っ！あった・・これなら・・・いけるかも・・・」

そこに書かれていたのは・・遠い場所でもすぐに移動できる瞬間転送魔法・・についてかかれていた

さっそく僕は杖を取り出して魔法をやろうとした

「よし・・やってみるか！すぅ・・空間移動魔法「スペーステレポーション」

パァアアアア

ピィイイ
僕の足元に魔方陣が現れてにじいろのルフたちがたくさん集まりだし鳴き始めた。
風が吹き溢れて窓ががたがたと音を立てる。

兵「なんだ？広場が騒がしいな！」
　「まさか！」

兵たちが何かを感じた瞬間に部屋に入り確認すると少女はおらずに驚きを隠せないでいた。
そして広場のほうへ足を踏み入れる・・
紅炎もそれに気がついたみたいでルフが肉眼で見える広場へと向かう。

紅炎「！・・これは・・雪奈」

ビクッ・・

「・・炎兄！」
炎兄が・・僕に駆け寄ってくきて手を伸ばした。
届く寸前で魔方陣の輝きが強くなり僕はその広場から消えた

取り残された紅炎たちは唖然としていた。
魔法書に目をやりそれを手に取ると移動魔法が掛かれていた
それをみてすべてを把握してふっと笑った。

紅炎「必ず・・連れ戻す・・待っていろ雪奈」