第三者side

ある日…とある家族が久しぶりに集まったので全員で買い物をして帰る途中でふらふらと幼い少女が目の前を歩いていた。

中学生だったリンド、リツカたちはその子供に気づいて不思議に思う。
何であの子はあんなにもボロボロでふらふらとしているんだろう？と

同時に母親は周りに親らしき姿も見えずあんな姿をしているのを見て…悲し気に細ませた。

もしかしたら…「捨て子」そんなキーワードが頭に浮かんだ。
やがて、ふらふらとした足取りは力尽きたのか目の前でぱたりと倒れた。


倒れた子供の安否を確認するリンド
助けたいと願う純粋な子供たちの願いを母は強くうなずいた。

病院で検査を受けて「虐待されて衰弱している」という検査結果が出てきた。

栄養を与えるために数週間の入院が決定した
点滴を毎日つけて、栄養のある食事をとる。
体力が戻れば退院していいということだった。

倒れてから数日が経った日ようやく彼女が目を覚ました。

名前は雪奈というらしい。
苗字が無い覚えていることはその時の記憶だけだった。

精神的ショックで心を閉ざし記憶喪失になってしまったらしいという診断結果が出て

リツカ、リンドと母が相談にでて
彼女を引き取ることにした。

身寄りのない彼女

言葉こそ、そんなには発しない
警戒心が強く中々に心を開こうとはしなかったが

退院して数日間家で過ごすうちに
嘘偽りのない純粋な家族だと認識し始めてから自分から声をかけるようになっていった。

子供姿である彼女には不思議な力が宿っていた
その力はまた「グリモワール」と同じような

禁断の力だった。


時が流れて，一年間リンドはイギリスへ留学するために留守にしていた。

リツカは高校二年生となった
雪奈は5歳となった。
拾われたのは3歳の時。栄養失調や痣などから察して虐待を受けていたようだ。

2年という月日でかなり短いと感じて居というともいるだろう。
だけどそれは彼女やリツカたちにとってはとても長い時間だったのだ。

初めは言葉を話すのさえ怯えていたくらいだからだ。今ではすっかり私たちに懐いてくれて心を開いてくれてとても嬉しく思ったのが記憶に新しい。

今日その兄が帰ってくる日‥‥

また家族が全員揃い平穏な日々が続くと思うとその日が待ち遠しくなっていたが


この時まだ知らなかった運命の歯車がかみ合い
動き出したことを‥‥。