蘭side

新一との連絡が取れなくなってから半年が経ったころ
毎日のように空手の稽古でもあっていた優希が忽然と姿を消した

電話をかけても音信不通で、学校も休んでいる状況。
何でだろう‥‥すごく嫌な予感がする

トロピカルランドで新一が怪しい黒い服をきた人たちを追いかけていった時のように‥…


もう二度と‥‥会えないような‥…
そんな気がして‥‥

私は、事あるごとに電話をかけて留守電を入れてみたり
家に覗いたりしたけど‥‥やはり二人が帰ってきた形跡がない。

二人とも‥‥どこに行っちゃったの？

私を置いて‥‥行かないでよ‥…

お願いだから…私を一人にしないで

気が付くと私は携帯電話を握りしめて泣いていた。

早くあなたの姿を見せて‥…

心配なの‥‥二人が‥…あんなに傍にいたのに、何も言わずにいなくなるところ‥…二人は似ていた。

やっぱり双子なのね…と自傷気味に笑いながら
部屋に置いておいた小さな写真楯を見つめる

その写真には小学生にあがるころにとった
工藤家一家と私のお父さんとお母さんとの集合写真。

出来れば…もう一度‥‥あの頃に‥‥戻りたい。


そして私は今日も、普通の毎日を過ごしていく
推理バカの双子兄弟がいない…この生活を‥…。

蘭side end

灰原side

工藤君から聞いたあの時の出来事に私は驚いた‥‥

貴方まで深く組織に関わってしまったのね‥‥

何て運命は残酷なの‥‥
私が愛した者たちが‥‥次々と組織に目をつけられて消されていく

いずれ‥‥彼も‥‥そうなってしまうのかしら‥‥

私はどことなく不安で胸が押しつぶされそうになるの‥…

アラスカ‥‥優希らしいコードネームといえばそうね‥‥

何故ならアラスカの意味は「偽りない心」という意味だから
優希は高校生にしては珍しい純粋で正義感溢れる頼もしい人だった。

正義感だけで優越感に慕っているのではなく
ちゃんと周りを見て、頭で考えて自分の大切な人たちを守ろうとする正義の心を持っていた。

そんな彼が組織に入ったなんて信じられなかった

でも実際優希と会うことが出来ていないまま行方不明という形で数日が経った今FBIの監視下にあると聞いて

辻褄があってしまったの…


ごめんなさい‥…あなたまで


危険な目に合わせてしまって‥‥


色んな人を巻き込んでしまった私だけど


もう‥‥逃げないと決めたから

貴方だけでも守と決めたから




だから‥‥早く目を覚まして






・・・・・優希