目が覚めると真っ暗な一室のベッド上に寝かせられていた。
「‥‥ん、ここ‥‥は？」

どこだ？そういえばリースリングに車に乗せられる前に薬をかがされて意識が飛んだんだっけ‥‥

ということはここは奴らのアジトの中なのか？
まだぼーっとする頭を無理やり覚醒させて重たい身体を起こした

そしてベッドから降りようとしたとき右手に違和感を覚えたのと同時にカシャんと金属音がなりバランスが崩れて落ちそうになった。

「うわっ！」

間一髪反射神経を作動させて何とか落ちる前に踏ん張らせて体制を整えた。よくみると右手には鎖が繋がれていた。
よくみると手枷のようなものだった。

空手家ということを聞いて念には念を入れて拘束したのか‥‥
と一人で勝手に納得させる。

さてアジトで探索でもしてあわよくば新一たちが飲んだAPTX4869のサンプルでも見つけられたら…いいんだが。

なんて危険なことを考えてたら哀ちゃんに怒られるのはまず間違いないな‥‥苦笑)

哀ちゃんといえば携帯をもう片方の手で探ってみる
入れておいたはずの携帯が無いということは回収されたのかもしれない‥‥

まぁ電話帳には何も履歴や登録番号はないがな
僕は自慢じゃないが瞬間記憶能力と分析能力が存在していた

それは今初めて明かしたのだが前世から存在していたために
警察官でもそれを武器に活躍していたのだ。

それが奴らにバレれば恐らく悪用されることは間違いないがな…
だから口が裂けてもこれがばれるわけにはいかない。

それから数分が経っても誰かが入ってくる気配はなかった
仕方なくベッドの上で横になりおとなしくしていると
ガチャリと扉が開いて誰かが入ってきた‥…

入ってきたのは銀髪の男ジンだった。

ジン「目が覚めたのか‥‥久しぶりだな‥‥」

と口角を上げたジンがゆっくりと近づいてきた
動けないので睨みつけておいた

「‥‥僕なんかを入れたところで役には立たないと思いますけど？

なんで僕なんですか…？」

ジン「ふん‥‥あの方がそう指示をしてきたんでな‥

てめぇの能力を見越してこちら側に引き入れろとお達しがあったんでな‥‥」

能力‥‥？なんのことだ？
まだ記憶能力のことは誰にも言っていないし‥‥それに分析能力のことも新一でさえ知らない‥‥

なんでそのボスが知ってるんだ？
冷汗が流れる‥‥

「‥‥能力‥‥って‥‥？」

ジン「‥‥てめぇのその運動神経と反射神経だ‥‥

こちらの技術を覚えればそれなりに役に立つだろうとな…」

何だ…能力ってそっちか‥‥
安堵の溜息を心の中で吐く。
「僕の携帯は？貴方が持っているんでしょう？」

ジン「‥‥あぁ、携帯を調べたが何も登録されていなかったからな…だがな一応こちらはしばらく預かっておく

てめぇにはしばらくこの部屋にいてもらう。
組織のやり方などを覚えてもらう。
逃げようなんて考えるなよ？このアジトじゃあてめぇは逃げることは出来ねぇんだからな…」

そういってジンはドアのほうへ歩き出した


「ちょっ！！まさかこの手錠をつなげたまま24時間いろと！？

それは無理がある！！」

ジン「心配するな‥‥定期的に誰かがくるから要件はそいつらにいえ…」

扉がパタンとしまってしばらくの間は放心状態だった。
「‥…新一‥…ごめん‥‥哀ちゃんも‥…」