組織との接触後‥‥僕は工藤邸に帰っていった。
それから数日の間何事もなく平和に過ごせてきてはいたのだが

確かに誰かに見られる視線がまた感じられた。
この視線は…あのジンが言っていた見張っているという

あの言葉、それが本当であれば組織の仲間が僕をつけまわしているということになる。
そんな僕がおめおめと哀ちゃんに会いに行き危険に晒すことは出来ない‥‥‥。


どうるするか、遅かれ早かれどのみち決断を急がなければならない
そんなことを考えていると‥‥

通り道の家々の間から手が伸びてきて僕はその隙間に引っ張られた
誰だ！叫ぼうとするが口を塞がれて声が出せない…
人気のないところに連れていかれてようやく犯人が声を出した。

「シー‥…大声を出さなでちょうだい‥‥そうすれば悪いようにはしないわ…」

と女の人の声が聞こえた。
初めはベルモットかと思ったが…聞いたことのない声だった
何が目的かはわからないが声は出さないと頷くと口から手をはなされたので後ろを振り返ると‥‥

外国人っぽい女の人が立っていた。
「‥…貴方は…だれだ？」


「‥‥私の名は「リースリング」よ‥‥この「コードネーム」を聞けば‥‥貴方も判断が付くはず‥‥」

「‥‥酒の名前…ということはあんたらは組織の‥‥」

と言いかけるとコクンと頷いた。
「‥‥それでリースリングは僕に一体なんのようできたんだ？

ただ‥‥話に来た…というわけでもなさそうだが」

リースリング「ジンにこの間組織に入るかの選択を迫られたのを覚えているかしら？‥…あなたが組織に入るというのなら歓迎するし‥‥断るならこの場であなたを消せと命令が出ているの‥‥


貴方の答えを聞こうじゃない？」

やはり‥‥あの時の視線は‥‥彼女のものだったのか

仕方ない‥…これはやはり異端者として覚悟を決めて潜入捜査をするべきだと思う。
捜査といっても警察官ではないが、元警察官として
僕は組織を野放しにはしておけないと考えた。
「‥‥‥わかった、僕は組織に入る‥‥ただし、条件がある」

リースリング「何かしら？」

「僕の周りの人間には一切手を出さないでくれ

それが条件だ‥…」

リースリング「わかったわ‥‥それは貴方が裏切らなければ成立する契約よ…行動や言動に注意することね

じゃあ‥‥案内するわ」

と言ってリースリングが黒の車のドアを開けてこちらをみた。
新一…ごめんな‥‥

僕が手を汚すことを‥‥許してほしい‥…
これもお前たちを護るためなんだ