そのころ…優希は

‥…くそっ…

完全に油断した‥‥
まさか僕が捕まった後に和葉ちゃんが捕まるなんて‥‥

原作はどうあがいても変えられない‥‥そういって僕を嘲笑っているかのようだ‥‥

それが一番腹立つ
決められた運命なんて最初からありはしない。

原作だろうが
物語だろうが‥‥
この世界の人たちは確かに生きているんだ‥‥

この世界の人の運命は彼ら自身が決めること‥…

そんなこと考えなくてもわかり切っていたことなのに‥‥

どうして気づかなかったんだ。


こんな小さなことで悩んでいた自分が恥ずかしいくらいだ。

心なしか僕は怖かったのかもしれない‥‥僕がいることで話の内容が変わり死ぬはずのない人が死ぬことを‥‥

僕はどこかで恐れていたのかもしれない‥‥。


だがそんな悩みもこれまでだ
誰も死なせはしない。

誰かを護るために僕は空手を習ったんだ‥…


大切な人を‥‥守るために。


拘束しているものは鎖だが
僕の本気を出せばこんなのぶち破れる！！


「‥‥っぐ、うぉおおおおー！！！！！」


ぶっちィぃいん！

鎖の破片がパラパラと床に零れ落ちた。
ふぅ…と安どのため息を吐くと人の気配がこちらに近づいてきのがわかり気配を消して小さな細い柱の後ろに隠れた


もしかしたら犯人たちが戻ってきたのかもしれないから‥‥

たたたた‥‥

ガチャ…キィイイバタン
重たい扉がゆっくりと閉じられた
「鍵がかかっとって扉が開きません！！」

犯人たちの焦った声が聞こえる。斧を持って来いと指示を出している西条さんの声が聞こえた。

和葉「この部屋…私と優希が押し込めれとった部屋や…」

平次「ほんまか！じゃあ…あいつはここにいたっちゅうんか！」

和葉「うん…でも姿がみぃひん

もしかしたら男たちに別の部屋に移動させられてもうたかも！」

和葉ちゃん無事だったんだな…よかった…
平次も何とか生きているみたいだな…←

平次「破られるのは時間の問題やな！武器になるもんなんかないんか…‥‥！？なんや？えらい引き出しが多いタンスやのぉ…」

和葉はあの時閉じ込められていた時に部下の一人が刀をタンスにしまったのを思い出して伝えた。

弁慶の引き出しを探せば何とかなるかもと思いその引き出しを探すが犯人たちは斧で破ろうとしている