目が覚めると「初音ぇええー！」という叫び声が聞こえた…あたりを見渡すとみんなが悲しそうな表情をしている。

僕が横になっている椅子の向かいには小五郎のおじさんが眠るように座っており机の下にはコナンが潜んでいた…

蘭ちゃんも涙目になりながらその光景を見守っていた。

どうやら事件は解決したらしい…。
僕はそんなに長い時間気を失っていたのか…？

あの不思議な火事現場は一体…？

コナンside

俺は悲しい真実を伴場さんとその場のみんなに推理を伝えた…。

伴場「初音ぇええー！！」

伴場さんの絶叫が雨音を切り裂き木霊した
彼女が何故焼身自殺を選んだかは定かではないが
もしかしたら彼女はやり直すために戻りたかったかのしれない‥‥

二人をこんな運命に導いた…あの

炎の中で…

結局事件が解決するまで兄貴は目覚めなかった‥
そんなに酷い状態なら早く病院に運んだほうがいいと考えていたのだが…

流星「…無事に、事件は解決したようだね…」

コナン「あ、…兄貴！いつの間に起きたんだ？！」
眠っていたはずの兄貴が起きていたことに気づかなかった…。

流星「あぁ、…伴場さんの声が聞こえた時にね…」

切なそうな顔しながら伴場さんをみる兄貴の顔
もしかして…こいつはもうわかっていたんじゃねぇか？

あの人たちが双子だったっていうことを…。
いつ…わかったんだ？


コナン「もしかして…二人が双子だっていうのを

知ってたのか？‥‥いつ？」

流星「彼女たちが何もしなくても考えが通じ合うっていうところあたりから薄々気づいていた…」

コナン「えっ？！」

そんな前から！？なら…

コナン「なら、なんで言わなかったんだよ！！

そうじゃなかったら初音さんが死ぬことなんてなかったのに！！」

俺はらしくもないことを八つ当たりしてしまった。

俺の声に気づいた蘭が俺たちに声をかけてきた
蘭「どうしたの？コナン君…そんなに大きな声を出して…って流星くん！起きたのね！？

大丈夫？体は…もうだるくない？」

流星「…はい、大丈夫です…少し疲れが出ちゃったみたいで…すみません

心配をかけて」

ー仕方なかったんだ…。その時は双子かもという推理をしたが、確信できるものが無かったんだ…。

僕も、思うよ…あの時、初音さんが出ていく前にその可能性があると話していたら…
止めていたらって…
あの人は死なずに済んだのかもしれない…
未来が変わったのかもしれないってね…

そう思うと胸が苦しくなるんだ

兄貴の声が俺の中に伝わってきた…

悲しそうに俯く兄貴を見て
俺は気づいた…何をしてんだ…俺は
兄貴を責めたって…意味ネェじゃねぇか…

兄貴は…伴場さんは何も悪くないんだって…

こんな運命に導いたのは…

かれら自身の…運命だったのかもしれないから…。


コナン「…悪りぃ」

その日俺たちは雨の中事件現場を後にした。