組織に連れ戻されてから時はどれくらい経ったのだろう
一室の部屋の電気は小さなランプぐらいで特に明るいわけでもないために暗さに慣れてしまっている状況

ここ数週間も空手の稽古をしていないために
身体が訛ってしまわないか心配である…
それに真たちにも連絡をしていないからきっと心配しているに違いない…早くもとの平和な日常に戻れたら…

ただそれだけを願っていた。

そのためには早く情報を掴み赤井さんたちに連絡しなくては
覚悟を決めて部屋の一室にあるPCの電源を入れた

数日前とある幼いころの夢を見た

それは前世での瞬間的記憶能力の開花したときのこと
警察官を目指していた僕は勉強した資料を全て記憶していた。
だからそんな能力を使いたくて使っているわけでもないが無意識だった

その能力は前世にいる時は嫌だったがこの世界では必要なものだ
今こそ全てを開花させるとき

意識を集中させて組織の情報SYSTEMに侵入した

あらゆる幹部の情報を盗み見ることに成功した
そして侵入した時の痕跡を消してついでに新一たちが飲まされたAPTX4869のDATAが入っているものをみた

全てを記憶させる‥‥。

これがシェリー(志保)こと哀ちゃんが開発した薬の成分か
確かに彼女は若いながらにも優秀な科学者のようだ。
そしてすべてを記憶し終えた後…

僕は目を休ませるためにベッドにもぐりこんだ‥‥
深い眠りに落ちそうなとき…
辺りはさらに暗くなり…不思議な声が部屋全体に響き渡った

？≪‥‥久しぶりだな…アラスカ≫

この機会交じりの声は‥‥組織のNo2…

「貴方は‥‥Rum‥‥」

ラム≪元気そうで何よりだよ…それにしても残念だ…

君が不審な行動とるとは‥‥≫

「一体‥‥なんのことですか？」

ラム≪ククッ知らないとは言わせないよ…この施設全体は私が支配しているのでね…組織の人間の行動はこちらで全て把握しているんだよ…≫

だから君の行動も全てお見通しというわけさと続けるラムに
冷汗が止まらないでいた。

「‥‥僕はただ組織に関するDATAを改めて確認しただけですよ？

これからまた仕事が入ったとき誰が幹部なのか誰が組織の人間か知らなければ渡すこともできませんしね」

ラム≪それはジンを通せと言っているはずだが？

君は…実に惜しい人材だよ‥‥その「能力」に関しては我々も喉から手が出るくらい欲しいものだ≫

金縛りにあったかのように動けないでいた。
この人は全てを見通しているかのように話しているからか…