花の魔法使い
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セブルスが訪れてから数日経った。
とうとうこの日が来た。来てしまった。
ホグワーツに不死鳥の騎士団と共に乗り込む。
変わり果ててしまったホグワーツにつきりと胸が痛む。宙に浮いたキャンドルが明るく照らしていた広間は、必要最低限の灯りだけになってしまっていた。
マクゴナガル教授とセブルスが杖を交える。
「臆病者!!!」
黒い靄になり逃げて行くセブルスにマクゴナガル教授はそう言う。胸が苦しくて呼吸するのが辛い。
誰よりも勇気ある人なの。誰よりも愛情深い人なの。
そう言ってしまいたい。それが出来なくて、歯痒くて。涙が出そうだ。
それを悟られないようにポーカーフェイスを務める。
誰も私とセブルスが恋人同士なんて分からないだろう。セブルスが生徒達をどれだけ大切に思ってるかを知らないだろう。
死喰い人がホグワーツに押し寄せ、瞬く間にそこは悲惨な戦場へと変わり果てた。
私はまだ魔法も未熟な1年生、2年生を安全な場所へ避難させていた。
地下の隠し部屋へと誘導をする。不安そうな顔をしている生徒達を安心させるように一人一人へと気休め程度の保護魔法を掛ける。
隠し部屋に着きそこへ生徒達を隠す。何重にも保護魔法を掛け決して突破されぬようにと。
魔法を掛け終わり、私も前線へと上がる。
あちらこちらで閃光が飛び散り、瓦礫が崩れる。自分に向かってくる呪文を跳ね返し、戦っている生徒達を守るように自分も戦う。
何時間たったのだろうか。怪我も増え魔力も底を尽きそうだった。生徒達は私以上にフラフラだった。
その時だった。
目の前のグリフィンドール生に緑色の閃光が向かって行った。冷や汗が流れる。緑色は死の呪いだ。
身体が無意識に動き、生徒を突き飛ばす。
全てがスローモーションに見えた。
その緑は私を貫いた。
身体に衝撃が走る。
目が霞んで次第に音も聞こえなくなった。
これが死なのか。
「あの人の為になら命だって捧げるのなんて惜しくない」
ただ闇が広がった。
Skullcap 【私の命を捧げます】
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