ランチボックスシリーズ
「今日はごめんね、こっちまで来てもらって」
トントン、と書類をまとめながらカブさんは申し訳なさそうに言った。
「いやいや、それより大丈夫ですか?座りっぱなしだけど」
「結構もう大丈夫なんだ。ただちょっとアーマーガアに乗って遠出するのは心配でね。せっかくだから二人ともちょっと遅くなったけどお昼ごはん食べていってよ」
ジムチャレンジがあと一か月で始まる。
その前に、予めワイルドエリアの巡回エリアを決めようとカブに連絡を取ると、腰を痛めてあまり動けないのだと言った。
カブとユウリと自分を含めた三人の都合がなかなか合わず、先延ばしにしていたため、あまり時間はない。
ならばエンジンシティに行くと言うと、カブは申し訳なさそうに何度も謝っていた。
さて、と掛け声を上げてカブがソファーから立ち上がってキッチンへと向かう。
「カブさん、今から作るんですか?なんか買ってくるか出前にしましょう」
すでにエプロンをつけ始めていたカブがいや、と手を横に振った。
「実はずっと食べたかったものがあるんだけど、一人じゃ多くてね。僕の我儘でごめんね」
「私、手伝いますよ」
ユウリが立ち上がってカブの後を追ってキッチンへと入っていく。
まだ屈むのは辛いのか、カブはユウリに食材を伝える。
ユウリは冷蔵庫からキャベツと揚げ玉、紅ショウガ、ジッパーに入った白い液体のもの、棚からは小麦粉と粉末だし、白だしを取り出した。
「キバナ君、ここからホットプレート出して温めておいてくれるかい?」
キッチンの中へと入ると、カブは棚の一番上を指していた。
少し大きめのホットプレートを取り出して、テーブルの上に置く。
キッチンからはざくざくとキャベツを切る小気味のいい音がしていた。
手持ち無沙汰でその様子を眺めていると、ユウリがキャベツを粗みじん切りに切っていた。
大きなキャベツ丸々一つ使うようだ。
その間にカブは横で測りの上にボウルを置いて小麦粉、粉末だしを入れて水で溶いている。
「カブさん、その白いのは何ですか?」
「これは長芋をすりおろしたやつだよ。これがないと美味しくないからね」
ボウルの中に長芋をたっぷりと入れて混ぜ、さらに白だしも入れる。
ユウリがキャベツを切り終わると、別のボウルにキャベツ、揚げ玉、紅ショウガ、それから生地を入れてぐるぐると箸で混ぜ合わせた。
最後に卵を二つ、割入れて軽く混ぜ合わせる。
ホットプレートの上に油を敷き、ボウルの中の具をプレートに落とすと手早く丸く形を整え、上に豚バラ肉を数枚乗せた。
ジュウジュウと音を立てるプレートをそのままに、カブはキッチンへと戻る。
ちらちらとプレートの様子を見ながら手元を覗くと、今度はキャベツと油揚げにエビ、イカ、タコを混ぜ合わせたものを持って戻ってきた。
「そろそろいいかな」
生地が固まってきた具の両端にヘラを差し込んで、慣れた手つきでひっくり返すと蓋をした。
「これってお好み焼きってやつですか?」
「うん。他にもネギ焼きとかいろいろあるんだけど、今回は豚玉とシーフードミックス。あと一枚くらいできるけど、何かリクエストあるかい?」
リクエストと言われても、ガラルではあまりお好み焼きを食べることはない。
「例えば…?」
「うーん、ほかにはチーズを入れたり、明太子入れたり。お好み焼きだからね。自由なんだ」
「あ、じゃあ明太チーズと豚玉チーズがいいです!」
洗い物を終えたユウリがキッチンから顔を出してそう言うと、カブはははっと笑い声をあげた。
「いいね。僕もいろんなのが食べれるから嬉しいよ」
ホットプレートの蓋を開けると、白い煙と一緒に出汁の香りが広がった。
パチパチと跳ねる油を気にもせず、カブはヘラで器用にひっくり返す。
こんがりと焼き目のついた豚肉に、見ているだけで腹が鳴った。
「オレ、皿とか用意しますよ。勝手に開けていいですか?」
「うん、ごめんね。冷蔵庫にお好みソースってのとマヨネーズも青のりも入っているから。飲み物は好きなの選んでいいよ」
冷蔵庫を開けると、ドアポケットに調味料が並んでいた。
その中から容器に詰め替えられたマヨネーズ、ソース、青のりの他に、カブが一人で飲むとは思えないほどのジュースやコーヒー、紅茶などの大容量ペットボトルが入っている。
なんだか逆に気を使わせてしまったのかもしれないと思いつつ、ユウリにコップに注いでもらう。
「カブさんは何飲みます?」
「僕は緑茶かな。一枚目が焼けたから食べようか」
皿に移されたお好み焼きは綺麗に四等分に切り分けられていた。
ホットプレートの上ではもう次のお好み焼きが焼き始められている。
「カブさん、こんな感じでいいですか?」
二つのボウルを持ってユウリがカブに中身を見せる。
どうやら三枚目のお好み焼きの具を作っていたようだ。
「うん、こんな感じかな。ありがとうね」
グラスに注いだ飲み物を手に戻ってくると、それぞれの皿に取り分けられたお好み焼きには、ソースとマヨネーズ、鰹節に青のりが振られていた。
「いただきまーす」
ユウリは席に座ると、お好み焼きを一口頬張って、美味しいと声を上げた。
程よい大きさに箸で割って口に運ぶと、出汁の香りが広がる。
豚肉の油とキャベツの甘味、濃厚だけれど少し甘いソース。そのソースを良い具合にまろやかにするマヨネーズ。
ふんわりとした生地の中に凝縮された様々な具が綺麗に纏まっていた。
「お好み焼きってこんなにふんわりしてたかな」
何よりも驚いたのはその食感だった。以前、露店かどこかで食べたお好み焼きはもっとずっしりとしていて、どこか粉っぽく、パサパサしていたような覚えがある。
「それは長芋だね。長芋を入れないと重たくなるんだ」
「カブさん!これひっくり返してみてもいいですか?」
「いいけど、難しいよ?」
へぇ、とうなずく間もなくユウリの声が割って入る。
どうやらお好み焼きをひっくり返してみたくてたまらないようだ。
さっそく両端にヘラを入れ、何度か試してみるもなかなか持ち上がらない。
ようやく持ち上がったお好み焼きを一気にひっくり返して、ほっと息をついたのもつかの間、まだ生焼けだった部分からシーフードがあたりに散らばった。
「ああ…失敗しちゃったぁ。ごめんねカブさん、キバナさん。形崩れちゃった」
幸いにも飛び散ったのはプレートの上で、それらをカブは手早く生地の中へ押し込んでいく。
「結構難しいでしょ。みんな失敗するんだよ。もっと小さく作ってやった方がいいかもね」
再び蓋をして蒸し焼きにしていく間に、皿に残っていたお好み焼きを口に運ぶ。
シーフードが焼けると今度はチーズを乗せたもの、明太子とチーズを入れたものの二枚をユウリが焼き始めた。
シーフード入りは海鮮の味がしっかりとしていて、入れたシーフードの食感の違いが楽しめたし、チーズはねっとりとした溶けたチーズが少し重たく感じた。けれど明太子入りは少しピリッとしていてチーズとよく合う。
初めて食べる味に少し驚きながら、全部食べ切るころには腹が膨れて苦しくなっていた。
「美味しかったぁ。カブさんありがとう!」
「お好み焼きって美味しいですね。ご馳走様でした」
二人で礼を言うと、カブは照れ臭そうに笑った。
「いやいや。僕こそありがとう。いつも一人だと面倒でなかなか作らないんだ。一人でやっててもなんだか寂しくてね。よかったらまた来てね」
ちらりと窓の外に視線を向けると、夕暮れが近づいているようだ。
重たい腹を少しこなそうと皿やプレートを持って立ち上がる。
そのままキッチンへ行って洗い物を始めると、どこからかロコンがやってきてユウリの膝の上でくつろぎ始めていた。
別の部屋にいたのか、ウィンディやキュウコンまでもが出てきて、カブとユウリの周りを囲んでいる。
ユウリの周りにはポケモンが集まる。
ポケモンだけではなく、そのトレーナーも集まってしまうのだから、不思議なものだ。
カブとユウリの年の差は親子ほどあるのに、今も時々笑い声が聞こえてくる。
これも、ユウリの才能の一つなのかもしれない。
「カブさん、洗い物全部終わりました。それじゃあオレらはそろそろ帰ります」
「ああ、ありがとう。楽しかったよ。来月までには腰も治しておくからよろしくね」
ユウリは少し名残惜しそうにカブのポケモンを撫で、小さなバッグを肩にかける。
見送りに出ようとしたカブを止めて門の前でフライゴンを出し、ユウリを前に乗せて飛び立つ。
ユウリはリビングの窓から見送っているカブに見えなくなるまで手を振っていた。
「ねぇ、キバナさん。今度うちでもお好み焼きやりましょう。その時はカブさんも誘って」
「旨かったからなぁ。また食べたいな。次はジムチャレンジ終わった後にでも誘ってみるか」
「はい!」
フライゴンはまっすぐワイルドエリアを抜けていく。
湿気を含んだ生ぬるい風に、今年もジムチャレンジがもう近いのだと肌で感じた。
~関西風お好み焼き~
(約四枚分)
キャベツ 半分(一枚200g)
小麦粉 1/2カップ
水 1/2カップ
粉末だし 個包装1袋
白だし 約50cc
長芋 180~250g(一切れ分)
卵 一枚につき一個
その他お好みの具材
ソース等
①キャベツを粗みじん切りにする
②ボウルに小麦粉を入れ、ダマができないように混ぜ合わせて粉末だし、白だし、すりおろした長芋を入れて混ぜる
③別のボウルにキャベツ、揚げ玉、紅ショウガなどの具を入れてお玉1~2杯くらいの生地を入れてよく混ぜる。
④卵を一個入れてさっくり混ぜる(混ぜすぎないこと)
⑤ホットプレート、もしくはフライパンに油を敷いて焼く。豚肉を乗せる場合はここで。
⑥下の生地が固まってきたら(大体五分くらい)ひっくり返す。ヘラよりフライ返しがおすすめ。
⑦蓋をして蒸し焼きにする。(大体十分くらい)
⑧膨らんでいて生地が生焼けでないようだったら出来上がり。心配ならもう一度ひっくり返して蒸し焼きにする
トントン、と書類をまとめながらカブさんは申し訳なさそうに言った。
「いやいや、それより大丈夫ですか?座りっぱなしだけど」
「結構もう大丈夫なんだ。ただちょっとアーマーガアに乗って遠出するのは心配でね。せっかくだから二人ともちょっと遅くなったけどお昼ごはん食べていってよ」
ジムチャレンジがあと一か月で始まる。
その前に、予めワイルドエリアの巡回エリアを決めようとカブに連絡を取ると、腰を痛めてあまり動けないのだと言った。
カブとユウリと自分を含めた三人の都合がなかなか合わず、先延ばしにしていたため、あまり時間はない。
ならばエンジンシティに行くと言うと、カブは申し訳なさそうに何度も謝っていた。
さて、と掛け声を上げてカブがソファーから立ち上がってキッチンへと向かう。
「カブさん、今から作るんですか?なんか買ってくるか出前にしましょう」
すでにエプロンをつけ始めていたカブがいや、と手を横に振った。
「実はずっと食べたかったものがあるんだけど、一人じゃ多くてね。僕の我儘でごめんね」
「私、手伝いますよ」
ユウリが立ち上がってカブの後を追ってキッチンへと入っていく。
まだ屈むのは辛いのか、カブはユウリに食材を伝える。
ユウリは冷蔵庫からキャベツと揚げ玉、紅ショウガ、ジッパーに入った白い液体のもの、棚からは小麦粉と粉末だし、白だしを取り出した。
「キバナ君、ここからホットプレート出して温めておいてくれるかい?」
キッチンの中へと入ると、カブは棚の一番上を指していた。
少し大きめのホットプレートを取り出して、テーブルの上に置く。
キッチンからはざくざくとキャベツを切る小気味のいい音がしていた。
手持ち無沙汰でその様子を眺めていると、ユウリがキャベツを粗みじん切りに切っていた。
大きなキャベツ丸々一つ使うようだ。
その間にカブは横で測りの上にボウルを置いて小麦粉、粉末だしを入れて水で溶いている。
「カブさん、その白いのは何ですか?」
「これは長芋をすりおろしたやつだよ。これがないと美味しくないからね」
ボウルの中に長芋をたっぷりと入れて混ぜ、さらに白だしも入れる。
ユウリがキャベツを切り終わると、別のボウルにキャベツ、揚げ玉、紅ショウガ、それから生地を入れてぐるぐると箸で混ぜ合わせた。
最後に卵を二つ、割入れて軽く混ぜ合わせる。
ホットプレートの上に油を敷き、ボウルの中の具をプレートに落とすと手早く丸く形を整え、上に豚バラ肉を数枚乗せた。
ジュウジュウと音を立てるプレートをそのままに、カブはキッチンへと戻る。
ちらちらとプレートの様子を見ながら手元を覗くと、今度はキャベツと油揚げにエビ、イカ、タコを混ぜ合わせたものを持って戻ってきた。
「そろそろいいかな」
生地が固まってきた具の両端にヘラを差し込んで、慣れた手つきでひっくり返すと蓋をした。
「これってお好み焼きってやつですか?」
「うん。他にもネギ焼きとかいろいろあるんだけど、今回は豚玉とシーフードミックス。あと一枚くらいできるけど、何かリクエストあるかい?」
リクエストと言われても、ガラルではあまりお好み焼きを食べることはない。
「例えば…?」
「うーん、ほかにはチーズを入れたり、明太子入れたり。お好み焼きだからね。自由なんだ」
「あ、じゃあ明太チーズと豚玉チーズがいいです!」
洗い物を終えたユウリがキッチンから顔を出してそう言うと、カブはははっと笑い声をあげた。
「いいね。僕もいろんなのが食べれるから嬉しいよ」
ホットプレートの蓋を開けると、白い煙と一緒に出汁の香りが広がった。
パチパチと跳ねる油を気にもせず、カブはヘラで器用にひっくり返す。
こんがりと焼き目のついた豚肉に、見ているだけで腹が鳴った。
「オレ、皿とか用意しますよ。勝手に開けていいですか?」
「うん、ごめんね。冷蔵庫にお好みソースってのとマヨネーズも青のりも入っているから。飲み物は好きなの選んでいいよ」
冷蔵庫を開けると、ドアポケットに調味料が並んでいた。
その中から容器に詰め替えられたマヨネーズ、ソース、青のりの他に、カブが一人で飲むとは思えないほどのジュースやコーヒー、紅茶などの大容量ペットボトルが入っている。
なんだか逆に気を使わせてしまったのかもしれないと思いつつ、ユウリにコップに注いでもらう。
「カブさんは何飲みます?」
「僕は緑茶かな。一枚目が焼けたから食べようか」
皿に移されたお好み焼きは綺麗に四等分に切り分けられていた。
ホットプレートの上ではもう次のお好み焼きが焼き始められている。
「カブさん、こんな感じでいいですか?」
二つのボウルを持ってユウリがカブに中身を見せる。
どうやら三枚目のお好み焼きの具を作っていたようだ。
「うん、こんな感じかな。ありがとうね」
グラスに注いだ飲み物を手に戻ってくると、それぞれの皿に取り分けられたお好み焼きには、ソースとマヨネーズ、鰹節に青のりが振られていた。
「いただきまーす」
ユウリは席に座ると、お好み焼きを一口頬張って、美味しいと声を上げた。
程よい大きさに箸で割って口に運ぶと、出汁の香りが広がる。
豚肉の油とキャベツの甘味、濃厚だけれど少し甘いソース。そのソースを良い具合にまろやかにするマヨネーズ。
ふんわりとした生地の中に凝縮された様々な具が綺麗に纏まっていた。
「お好み焼きってこんなにふんわりしてたかな」
何よりも驚いたのはその食感だった。以前、露店かどこかで食べたお好み焼きはもっとずっしりとしていて、どこか粉っぽく、パサパサしていたような覚えがある。
「それは長芋だね。長芋を入れないと重たくなるんだ」
「カブさん!これひっくり返してみてもいいですか?」
「いいけど、難しいよ?」
へぇ、とうなずく間もなくユウリの声が割って入る。
どうやらお好み焼きをひっくり返してみたくてたまらないようだ。
さっそく両端にヘラを入れ、何度か試してみるもなかなか持ち上がらない。
ようやく持ち上がったお好み焼きを一気にひっくり返して、ほっと息をついたのもつかの間、まだ生焼けだった部分からシーフードがあたりに散らばった。
「ああ…失敗しちゃったぁ。ごめんねカブさん、キバナさん。形崩れちゃった」
幸いにも飛び散ったのはプレートの上で、それらをカブは手早く生地の中へ押し込んでいく。
「結構難しいでしょ。みんな失敗するんだよ。もっと小さく作ってやった方がいいかもね」
再び蓋をして蒸し焼きにしていく間に、皿に残っていたお好み焼きを口に運ぶ。
シーフードが焼けると今度はチーズを乗せたもの、明太子とチーズを入れたものの二枚をユウリが焼き始めた。
シーフード入りは海鮮の味がしっかりとしていて、入れたシーフードの食感の違いが楽しめたし、チーズはねっとりとした溶けたチーズが少し重たく感じた。けれど明太子入りは少しピリッとしていてチーズとよく合う。
初めて食べる味に少し驚きながら、全部食べ切るころには腹が膨れて苦しくなっていた。
「美味しかったぁ。カブさんありがとう!」
「お好み焼きって美味しいですね。ご馳走様でした」
二人で礼を言うと、カブは照れ臭そうに笑った。
「いやいや。僕こそありがとう。いつも一人だと面倒でなかなか作らないんだ。一人でやっててもなんだか寂しくてね。よかったらまた来てね」
ちらりと窓の外に視線を向けると、夕暮れが近づいているようだ。
重たい腹を少しこなそうと皿やプレートを持って立ち上がる。
そのままキッチンへ行って洗い物を始めると、どこからかロコンがやってきてユウリの膝の上でくつろぎ始めていた。
別の部屋にいたのか、ウィンディやキュウコンまでもが出てきて、カブとユウリの周りを囲んでいる。
ユウリの周りにはポケモンが集まる。
ポケモンだけではなく、そのトレーナーも集まってしまうのだから、不思議なものだ。
カブとユウリの年の差は親子ほどあるのに、今も時々笑い声が聞こえてくる。
これも、ユウリの才能の一つなのかもしれない。
「カブさん、洗い物全部終わりました。それじゃあオレらはそろそろ帰ります」
「ああ、ありがとう。楽しかったよ。来月までには腰も治しておくからよろしくね」
ユウリは少し名残惜しそうにカブのポケモンを撫で、小さなバッグを肩にかける。
見送りに出ようとしたカブを止めて門の前でフライゴンを出し、ユウリを前に乗せて飛び立つ。
ユウリはリビングの窓から見送っているカブに見えなくなるまで手を振っていた。
「ねぇ、キバナさん。今度うちでもお好み焼きやりましょう。その時はカブさんも誘って」
「旨かったからなぁ。また食べたいな。次はジムチャレンジ終わった後にでも誘ってみるか」
「はい!」
フライゴンはまっすぐワイルドエリアを抜けていく。
湿気を含んだ生ぬるい風に、今年もジムチャレンジがもう近いのだと肌で感じた。
~関西風お好み焼き~
(約四枚分)
キャベツ 半分(一枚200g)
小麦粉 1/2カップ
水 1/2カップ
粉末だし 個包装1袋
白だし 約50cc
長芋 180~250g(一切れ分)
卵 一枚につき一個
その他お好みの具材
ソース等
①キャベツを粗みじん切りにする
②ボウルに小麦粉を入れ、ダマができないように混ぜ合わせて粉末だし、白だし、すりおろした長芋を入れて混ぜる
③別のボウルにキャベツ、揚げ玉、紅ショウガなどの具を入れてお玉1~2杯くらいの生地を入れてよく混ぜる。
④卵を一個入れてさっくり混ぜる(混ぜすぎないこと)
⑤ホットプレート、もしくはフライパンに油を敷いて焼く。豚肉を乗せる場合はここで。
⑥下の生地が固まってきたら(大体五分くらい)ひっくり返す。ヘラよりフライ返しがおすすめ。
⑦蓋をして蒸し焼きにする。(大体十分くらい)
⑧膨らんでいて生地が生焼けでないようだったら出来上がり。心配ならもう一度ひっくり返して蒸し焼きにする