ジンクス本編外
「キバナさん、今日はきのみを採りに行きませんか?」
めっきり気温が下がり、秋の訪れを感じ始めた休日の朝。
ユウリは朝食のホットサンドを頬張りながら、コーヒーを飲んでいるキバナに提案した。
「あーオレさまもそろそろきのみ補充しないとな」
夏の間冷蔵庫に保存していたきのみも残り少なくなっていた。冬に備えて少しずつ備蓄を増やしたいところである。
「キャンプもして、カレーも食べましょう!」
採れたてのきのみと、珍しく手に入ったモーモーチーズ。
辛みの効いたきのみで作る辛口チーズまみれカレーを想像して、ユウリはごくりと唾液を飲み込む。
そうと決まれば支度だとユウリは残りのホットサンドを口に詰め込んでバタバタと準備を始めた。
◆◇◆
フライゴンに乗って、晴れ渡った大空を見るのがユウリは大好きだ。
日差しは夏よりも和らぎ、風はどこか秋を感じさせる。気温も暑すぎず寒すぎず。キャンプをするには絶好の日。
キバナと一緒に何も予定がない休日というだけでテンションが上がる。思わず鼻歌を歌ってしまうほどに。
適度に開けた場所にフライゴンが降り立ち、その背から飛び降りてぐいっと伸びをすると、フライゴンが楽しそうにくるくるとユウリの周りを飛び回る。
「キバナさん、あっちから周りましょう」
ワイルドエリア中に点在する木の一本を指して先に駆け出す。
「はぐれるなよー」
はい!と、くるりと振り返って元気よく返事をする。
目的の木の前でユウリはホシガリスとヨクバリス対策にインテレオンを出した。
のんびりとした足取りでキバナとフライゴンが追いつくと、木を揺らす。
いくつかのきのみが足元に散らばり、インテレオンが拾って袋に入れていく。
「キバナさん、あれ、採れませんか?」
カレーに必要なクラボの実が一番高いところに実っていて、ユウリの身長では届かない。
「クラボの実か?」
はい、と頷いてもう一度手を伸ばしてみるが、手は空を描くだけだ。
よし、と一言呟いてキバナがジャンプをすると、大きな手がきのみを弾いた。
ユウリ、と呼ばれて振り向けば、突然視界が高くなる。
まるでワンパチを抱きあげるかのように軽々と持ち上げられ、今度は自分の手できのみを収穫する。
その後も2人で黙々ときのみを拾い、次の木へ。
移動の合間には手を繋いだり腕を絡めたりして、他愛もない会話が永遠と続けられた。
ある程度集まったところでテントを張り、カレーの準備を始める。
「いっぱい採れましたね」
「これだけあればしばらくは大丈夫だろ」
キバナの横にはパンパンに詰まった大きな袋の山。
準備の手を止めてユウリもキバナの横に座り、一緒に空を眺める。
流れている雲をポケモンに例えて遊んでいると、ぼそりとキバナが何かを呟いた。
「何か言いました?」
「んー?いや…こういうのんびりした日もいいなぁってさ」
予定もない、時間も気にする必要がない、好きな人と過ごす休日。
「また一緒に来ましょう」
こてんとキバナの肩に寄りかかって、ユウリは再び青空を見上げた。
めっきり気温が下がり、秋の訪れを感じ始めた休日の朝。
ユウリは朝食のホットサンドを頬張りながら、コーヒーを飲んでいるキバナに提案した。
「あーオレさまもそろそろきのみ補充しないとな」
夏の間冷蔵庫に保存していたきのみも残り少なくなっていた。冬に備えて少しずつ備蓄を増やしたいところである。
「キャンプもして、カレーも食べましょう!」
採れたてのきのみと、珍しく手に入ったモーモーチーズ。
辛みの効いたきのみで作る辛口チーズまみれカレーを想像して、ユウリはごくりと唾液を飲み込む。
そうと決まれば支度だとユウリは残りのホットサンドを口に詰め込んでバタバタと準備を始めた。
◆◇◆
フライゴンに乗って、晴れ渡った大空を見るのがユウリは大好きだ。
日差しは夏よりも和らぎ、風はどこか秋を感じさせる。気温も暑すぎず寒すぎず。キャンプをするには絶好の日。
キバナと一緒に何も予定がない休日というだけでテンションが上がる。思わず鼻歌を歌ってしまうほどに。
適度に開けた場所にフライゴンが降り立ち、その背から飛び降りてぐいっと伸びをすると、フライゴンが楽しそうにくるくるとユウリの周りを飛び回る。
「キバナさん、あっちから周りましょう」
ワイルドエリア中に点在する木の一本を指して先に駆け出す。
「はぐれるなよー」
はい!と、くるりと振り返って元気よく返事をする。
目的の木の前でユウリはホシガリスとヨクバリス対策にインテレオンを出した。
のんびりとした足取りでキバナとフライゴンが追いつくと、木を揺らす。
いくつかのきのみが足元に散らばり、インテレオンが拾って袋に入れていく。
「キバナさん、あれ、採れませんか?」
カレーに必要なクラボの実が一番高いところに実っていて、ユウリの身長では届かない。
「クラボの実か?」
はい、と頷いてもう一度手を伸ばしてみるが、手は空を描くだけだ。
よし、と一言呟いてキバナがジャンプをすると、大きな手がきのみを弾いた。
ユウリ、と呼ばれて振り向けば、突然視界が高くなる。
まるでワンパチを抱きあげるかのように軽々と持ち上げられ、今度は自分の手できのみを収穫する。
その後も2人で黙々ときのみを拾い、次の木へ。
移動の合間には手を繋いだり腕を絡めたりして、他愛もない会話が永遠と続けられた。
ある程度集まったところでテントを張り、カレーの準備を始める。
「いっぱい採れましたね」
「これだけあればしばらくは大丈夫だろ」
キバナの横にはパンパンに詰まった大きな袋の山。
準備の手を止めてユウリもキバナの横に座り、一緒に空を眺める。
流れている雲をポケモンに例えて遊んでいると、ぼそりとキバナが何かを呟いた。
「何か言いました?」
「んー?いや…こういうのんびりした日もいいなぁってさ」
予定もない、時間も気にする必要がない、好きな人と過ごす休日。
「また一緒に来ましょう」
こてんとキバナの肩に寄りかかって、ユウリは再び青空を見上げた。