ジンクス本編外
「これが、キョダイマホイップクリーミーフルーツパフェ……」
「そうですよー。一日2食限定で、しかもこの大きさだから一人じゃ来れなかったんです」
「マリィとか、それこそホップを誘えば良かっただろ」
「マリィは最近ダイエット中で、ホップはキバナさんと同じく甘いものがそんなに好きじゃないんですよ」
目の前に置かれたパフェグラスには、下からアイス、フルーツ、ホイップクリーム、ソフトクリーム、可愛らしいポケモンたちが描かれたチョコプレート。
その一つ一つの量が通常のパフェの2倍はある。ソフトクリームは器の高さを遥かに超え、ホイップクリームはサンドされている分だけではなく、色々な味のホイップクリームがソフトクリームを囲んでいる。さらにその隙間には大き目にカットされたフルーツ。
ポケスタ映えすると有名なパフェだが、それぞれの素材も拘っていて、通常の量のパフェですらいいお値段だ。
甘いものは大好きだし、このお店のフルーツもホイップクリームもとても美味しくて飽きない。
コーヒーも紅茶も高級品ばかりを扱っていて、特にコーヒーは苦みも酸味もあるが、甘ったるくなった口には丁度いい。
少しずつ、小さくて長いスプーンでソフトクリームの山を削っていく。
新鮮なモーモーミルクを使ったソフトクリームは、味は濃いのにくどくない。
「オレさまが甘いもの苦手だって知ってて食わせるか?そりゃ少しなら食べるけどこの量は……」
「全部なんて言ってませんよ。半分……最低でも三分の一くらい手伝ってくれれば」
「三分の一でも結構あるぞ……」
渋々といった様子でキバナさんは反対側からソフトクリームを削っていく。
苦手なものなどないと思われがちなキバナさんの唯一の弱点。
焼き菓子やチョコレートなど、食べないことはないがそれでも積極的に食べようとしない。
それに気づいたのは、付き合ってからだった。
カフェに入ってアイスやケーキ、パフェを頼んで一口勧めても食べようとしなかった。
実は苦手なのだとその時に初めて聞いたのだ。
それから、デートをしていても勧めはしなくなった。
ただ、こういう大きいものや美味しいものをシェアできないのは、少し寂しかった。
とはいえ、苦手なものを無理に食べることはない。私が食べていてもコーヒーを飲んで待っていてくれるし、特に不満はなかったのだ。
「昨日の仕返しだな……?」
「そうですよ?」
「ごめん、悪気はなかったんだって」
言いつつも、キバナさんの方はほとんどソフトクリームはなくなり、フルーツとホイップクリームの山に進んでいる。
コーヒーはまだ手つかずだ。
「わかってますよ。今日ここに連れてきてくれて、一緒に食べてくれてるのでもういいです。でも……実は美味しいと思ってません?」
「……思ってたより美味い。ソフトクリームも生クリームも甘いんだけどさっぱりしてるし」
「でしょう?でもこの量食べたらさすがに太っちゃうなーって思っていつも諦めてたんです」
「でもな。居心地はあんまり良くねぇ」
「フェアリータイプですもんね、マホイップ」
ニコニコと笑って店内のあちこちにいる色とりどりのマホイップ達にどうやらキバナさんは弱点を突かれているような気分のようだった。
くすくすと笑うとテーブルの下で長い脚がつま先を突いた。
「仕返しなので。我慢してください」
ぱくりと口に含んだホイップクリームは、とてもミルキーな味だった。
「そうですよー。一日2食限定で、しかもこの大きさだから一人じゃ来れなかったんです」
「マリィとか、それこそホップを誘えば良かっただろ」
「マリィは最近ダイエット中で、ホップはキバナさんと同じく甘いものがそんなに好きじゃないんですよ」
目の前に置かれたパフェグラスには、下からアイス、フルーツ、ホイップクリーム、ソフトクリーム、可愛らしいポケモンたちが描かれたチョコプレート。
その一つ一つの量が通常のパフェの2倍はある。ソフトクリームは器の高さを遥かに超え、ホイップクリームはサンドされている分だけではなく、色々な味のホイップクリームがソフトクリームを囲んでいる。さらにその隙間には大き目にカットされたフルーツ。
ポケスタ映えすると有名なパフェだが、それぞれの素材も拘っていて、通常の量のパフェですらいいお値段だ。
甘いものは大好きだし、このお店のフルーツもホイップクリームもとても美味しくて飽きない。
コーヒーも紅茶も高級品ばかりを扱っていて、特にコーヒーは苦みも酸味もあるが、甘ったるくなった口には丁度いい。
少しずつ、小さくて長いスプーンでソフトクリームの山を削っていく。
新鮮なモーモーミルクを使ったソフトクリームは、味は濃いのにくどくない。
「オレさまが甘いもの苦手だって知ってて食わせるか?そりゃ少しなら食べるけどこの量は……」
「全部なんて言ってませんよ。半分……最低でも三分の一くらい手伝ってくれれば」
「三分の一でも結構あるぞ……」
渋々といった様子でキバナさんは反対側からソフトクリームを削っていく。
苦手なものなどないと思われがちなキバナさんの唯一の弱点。
焼き菓子やチョコレートなど、食べないことはないがそれでも積極的に食べようとしない。
それに気づいたのは、付き合ってからだった。
カフェに入ってアイスやケーキ、パフェを頼んで一口勧めても食べようとしなかった。
実は苦手なのだとその時に初めて聞いたのだ。
それから、デートをしていても勧めはしなくなった。
ただ、こういう大きいものや美味しいものをシェアできないのは、少し寂しかった。
とはいえ、苦手なものを無理に食べることはない。私が食べていてもコーヒーを飲んで待っていてくれるし、特に不満はなかったのだ。
「昨日の仕返しだな……?」
「そうですよ?」
「ごめん、悪気はなかったんだって」
言いつつも、キバナさんの方はほとんどソフトクリームはなくなり、フルーツとホイップクリームの山に進んでいる。
コーヒーはまだ手つかずだ。
「わかってますよ。今日ここに連れてきてくれて、一緒に食べてくれてるのでもういいです。でも……実は美味しいと思ってません?」
「……思ってたより美味い。ソフトクリームも生クリームも甘いんだけどさっぱりしてるし」
「でしょう?でもこの量食べたらさすがに太っちゃうなーって思っていつも諦めてたんです」
「でもな。居心地はあんまり良くねぇ」
「フェアリータイプですもんね、マホイップ」
ニコニコと笑って店内のあちこちにいる色とりどりのマホイップ達にどうやらキバナさんは弱点を突かれているような気分のようだった。
くすくすと笑うとテーブルの下で長い脚がつま先を突いた。
「仕返しなので。我慢してください」
ぱくりと口に含んだホイップクリームは、とてもミルキーな味だった。