このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ジンクス本編外

「は…ぁ…」
呼吸をするだけで必死だった。
手を伸ばしてどうにか首に腕を回して、何度も何度も押し寄せる快楽に必死でキバナさんにしがみつく。
数えきれないくらいしているのに、今だ残る羞恥心。ようやく最近、彼の様子を気にする余裕が出てきた。
キバナさんからすれば少しそれが面白くはないようだけれども、気怠そうに髪をかき上げたり荒く息をする様を見られるのが今は私だけなんだなぁと思うと嬉しい。
ヘッドボードに寄りかかって長い足を投げ出しているキバナさんの手を取る。
長い指を絡ませて遊んでいると、わしゃわしゃと頭を撫でられた。
顔を上げると綺麗な水色の瞳とぶつかる。
絡ませたばかりの手をほどいて重怠い体をなんとか起こして、肩に手をついて唇を重ねた。
目を閉じる間際に驚いたような顔をした彼の唇を、唇ではむはむと甘噛みするとぬるりと分厚い舌が口内を荒らしていく。
「んっ…ふっ…」
どちらのものかわからない唾液が顎へ伝った。余韻の残る体は勝手に震え、支えるように背中に置かれた手の感触にすらひくっと跳ねる。
下半身に再び熱が蘇って腰を少し引くと下腹部に長い指が這った。
厭らしい水音が響いて口の中を蹂躙されて、熱が大きく膨らんでいく。
「…キス、したかっただけなのに」
手の甲で唾液を拭って見上げた瞳は確実に熱情を含んでいて背筋が震えた。
「知ってる」
耳元で囁かれる言葉にすらビリビリと電気が走るような感覚を感じて再び彼に身をゆだねる。
与えられてばかりの快楽になんとなく罪悪感を覚えるものの、私の戯れのような攻撃は効果ばつぐんのようで。さらに倍に膨れ上がって自身に返ってくるだけだった。
ここは大人しく、空腹のドラゴンに身を差し出す方が賢明なようだ。もし明日動けなくなればそれはそれで彼は嬉しそうに甲斐甲斐しく世話を焼き出すだろう。
それも存外、悪くはないなと離れた唇をもう一度合わせた。

43/81ページ
スキ