Nouvelle
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「あれー。さやちゃんがいない」
ここにいますが?
「あれー」
リビングで台本を読んでる私の後ろをすっと通り過ぎて、寝室の方へ行ってしまった。どう言う事?
「おかしいな。昨日来て、確かにここにいたはずなのに」
寝室から首を傾げながら出てきて、意味不明な一言。
確かに昨日の夜から一緒に過ごしてるはずなのに。
ご飯だって一緒に食べたし、夜はほら、いちゃいちゃしたやん。
変なことを言い出すから台本に集中出来なくなってしまった。
今度はローテーブルの下を覗いてる。
サイズ的にどう考えてそんなとこ入らへんけどなぁ。
まさかだけど、私が見えてないとか・・・
いや、そんな漫画みたいな事ないよね。
「さやちゃんどこ行っちゃったのー」
「あのさ」
「なあに」
泣きそうな声で今度はキッチンの方に行ってしまった彼女に声をかければ普通に返事が返ってきたので声は聞こえてるみたい。
こちらは見ないまま、まだ私を探してるみたいだけど。
「私、ここにおるけど」
「うん」
いや、うんて答えになってない。
痺れを切らした私は席を立ってキッチンでまだウロウロしてる彼女を後ろから抱きしめた。
「ほら、ここにおるて」
「さやちゃん・・・」
顔は見えなくても声色で嬉しそうな顔してるのが分かる。
「そうじゃないの」
あっさり私の腕をすり抜けてリビングに舞い戻って私が入りそうも無いようなとこまで覗いてる。そしてまた寝室に戻っていった。
なんかよく分からないけど、取り敢えずさっきまで座ってた椅子に戻る。
「あー!いたー。よかったー。さやちゃん、いたよ」
しばらくガサゴソと寝室の方から音がした後、嬉しそうな顔で戻ってきた彼女の手には私が表紙の歌劇。
昨日来たは、昨日届いたって事みたい。
なんやねーん、なんて紛らわしい。
でも、そんな可愛い顔して歌劇を抱きしめる姿に嬉しいような悔しいような。
「私は抱かんのに、歌劇の私はそんな愛おしそうに抱くん」
「何それ」
くすくすと笑いながら、抱きしめてほしいのー?って嬉しそうにきゅっと後ろから抱きついてくるから許しそうになるのをぐっとこらえて口を尖らせ振り返る。
「ちゅーしてくれな、いやや」
「さやちゃんは甘えん坊さんやなー」
ぎこちない関西弁がなんだか可愛くて。
そして何だかんだでちゅーしてくれるしほんま大好きや。
このページのさやちゃんの視線が最高にかっこいいの。
そうやろー。誰のこと考えながら撮影したと思てんの
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