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“会いたい”
お稽古終わりに開いた携帯の通知には彼女からのメッセージ
そのメッセージに胸がぎゅっとなった。
普段は決してそんな事言ってこない彼女からの言葉に嬉しさと不安が募る。
だいぶ追い詰められてるんじゃないか。
そう思ってLINEを開けばさっき待ち受けで見たはずのメッセージは姿を消していて
代わりに
“今日もお稽古お疲れ様。あんまり無理しないでね”
というメッセージが。
おかしい。そんなはずない。
だって記念にスクショもしたもん。
写真フォルダを開いて確かめる。
うん、やっぱりある。
可愛いアイコンの横にある愛おしいメッセージ
緩む頬を抑えてもう一度LINEを開く。
“メッセージの送信を取り消しました”
よく見るとお疲れ様メッセージの上に薄い送信取り消しメッセージ。
一瞬見間違えたのかと思ったけど、間違いない。
余計にたまらなくなった。
だって彼女は折角自分の気持ちを伝えてくれたのに思い直して本心を隠してしまった。
そんな事をさせてしまった自分が悔しかった。
「本当に」
彼女なりの愛情だってわかってる。
私を困らせないためとか、そんな。
でも私が欲しいのはそんな愛じゃない。
求めること、求められることの喜びを知ってしまったから。
急いで帰り支度をして、彼女の家に向かう。
今日は満月らしく月が煌々と夜を照らしている。
私の家とは反対方向だから普段、帰りがけに少し寄って帰るとかできないから
今度はそっち方面に引っ越そうかななんて不動産サイトを見ながら。
久しぶりのおうち。
勝手に合鍵で入らせてもらって真っ暗な部屋の中を音を立てないように進む。
リビングの横の寝室の扉をそっと開け中を覗けばうっすら明かりがついている。
ベットに目を向けるけど、あれ?いない。
そう思った瞬間に寝室のベランダに続く扉が開いてパジャマ姿の人影が入ってきた。
「ひゃっ」
扉からちょこっと寝室に顔をのぞかせている私と目が合ってびっくりしたみたい。
寝室に入って彼女の方へ足を進める。
「会いたくて来ちゃいました」
出来るだけ優しい口調で声をかける。
俯く彼女の頬を両手で包んで上を向かせようとするけどぐっと力を入れられていてこちらを向いてくれない。
「あのさ、顔が見たいんだけど。久しぶりに会ったのに」
「いっ、今はちょっと」
しどろもどろになりながら誤魔化されるけど
そうくるならいいですよ。
頬に手を当てたまましゃがんで見上げる
「やっと顔見れた」
「やっ」
顔を逸らそうとするから手に力を入れて阻止する。
「なんで」
「・・・今顔見られたくないの」
「泣いたから?」
戸惑うように私に向けた視線。
目が合った、それだけでこんなにも鼓動が高まる。
なんでこんなに好きなんだろうって思うくらいすき。
目元をそっと撫でる。
「全部教えてよ。気持ち隠さないで」
「れいこちゃん・・・」
しばらくの沈黙の後小さな声で話し始めたから耳を澄ませる。
「だってね、私我儘なの」
「なんで?」
「・・・れいこちゃん一生懸命お稽古頑張って疲れてるって分かってるのに、ちょっとでいいから私に目を向けてほしいって思っちゃったの」
可愛い。
なんて可愛いのだろうか。
「会いたくなっちゃったの。だから・・・メッセージ送っちゃった。思い直して消しちゃったから知らないと思うけど」
「嬉しかった」
「え?」
「見たよ」
目を見開いて泣きそうな顔したあと
同じようにしゃがみ込んで首にぎゅっと抱きついてきた。
抱きしめ返せばさっきまで外にいたからか体は冷えちゃっててひんやりしている。
「外の空気吸うのはいいけど風邪ひかないようにね」
「今日綺麗なお月様だったから。もしかしたられいこちゃんもこのお月様見てたらいいなぁって思って」
「一緒に見ようよ」
ベランダの戸を開けて縁に腰掛けて並んで空を見上げる。
さっき一緒の空見上げてたんだな。離れてても気持ちがつながっている気がして幸せだなぁ
「幸せ」
「ん?」
「今日れいこちゃんと並んで月を見れるなんて思わなかったから。すっごく幸せ」
うん、私もすっごく幸せ。
来てよかった。
「れいこちゃん」
「なに?」
「顔がにやけてる」
「えっ、そう?」
頬に手を当てて確かめるけど確かに口元緩んじゃってる。
でも仕方ない、仕掛けてきたのはそっちなんだから責任取ってもらわなくちゃ。
「さて、体冷えちゃったね」
手を握って立ち上がって部屋に戻る。
「暖房入れようか?」
「いや、大丈夫。温めてくれるでしょう?」
耳元で囁けばちょっとだけ体温が上がったのが分かった。
スクショした画面を待ち受けにしようと思って
えっ、やだやめてよ
じゃあまた送ってくれる?
送ったらまたスクショするんでしょう?
もちろん
お稽古終わりに開いた携帯の通知には彼女からのメッセージ
そのメッセージに胸がぎゅっとなった。
普段は決してそんな事言ってこない彼女からの言葉に嬉しさと不安が募る。
だいぶ追い詰められてるんじゃないか。
そう思ってLINEを開けばさっき待ち受けで見たはずのメッセージは姿を消していて
代わりに
“今日もお稽古お疲れ様。あんまり無理しないでね”
というメッセージが。
おかしい。そんなはずない。
だって記念にスクショもしたもん。
写真フォルダを開いて確かめる。
うん、やっぱりある。
可愛いアイコンの横にある愛おしいメッセージ
緩む頬を抑えてもう一度LINEを開く。
“メッセージの送信を取り消しました”
よく見るとお疲れ様メッセージの上に薄い送信取り消しメッセージ。
一瞬見間違えたのかと思ったけど、間違いない。
余計にたまらなくなった。
だって彼女は折角自分の気持ちを伝えてくれたのに思い直して本心を隠してしまった。
そんな事をさせてしまった自分が悔しかった。
「本当に」
彼女なりの愛情だってわかってる。
私を困らせないためとか、そんな。
でも私が欲しいのはそんな愛じゃない。
求めること、求められることの喜びを知ってしまったから。
急いで帰り支度をして、彼女の家に向かう。
今日は満月らしく月が煌々と夜を照らしている。
私の家とは反対方向だから普段、帰りがけに少し寄って帰るとかできないから
今度はそっち方面に引っ越そうかななんて不動産サイトを見ながら。
久しぶりのおうち。
勝手に合鍵で入らせてもらって真っ暗な部屋の中を音を立てないように進む。
リビングの横の寝室の扉をそっと開け中を覗けばうっすら明かりがついている。
ベットに目を向けるけど、あれ?いない。
そう思った瞬間に寝室のベランダに続く扉が開いてパジャマ姿の人影が入ってきた。
「ひゃっ」
扉からちょこっと寝室に顔をのぞかせている私と目が合ってびっくりしたみたい。
寝室に入って彼女の方へ足を進める。
「会いたくて来ちゃいました」
出来るだけ優しい口調で声をかける。
俯く彼女の頬を両手で包んで上を向かせようとするけどぐっと力を入れられていてこちらを向いてくれない。
「あのさ、顔が見たいんだけど。久しぶりに会ったのに」
「いっ、今はちょっと」
しどろもどろになりながら誤魔化されるけど
そうくるならいいですよ。
頬に手を当てたまましゃがんで見上げる
「やっと顔見れた」
「やっ」
顔を逸らそうとするから手に力を入れて阻止する。
「なんで」
「・・・今顔見られたくないの」
「泣いたから?」
戸惑うように私に向けた視線。
目が合った、それだけでこんなにも鼓動が高まる。
なんでこんなに好きなんだろうって思うくらいすき。
目元をそっと撫でる。
「全部教えてよ。気持ち隠さないで」
「れいこちゃん・・・」
しばらくの沈黙の後小さな声で話し始めたから耳を澄ませる。
「だってね、私我儘なの」
「なんで?」
「・・・れいこちゃん一生懸命お稽古頑張って疲れてるって分かってるのに、ちょっとでいいから私に目を向けてほしいって思っちゃったの」
可愛い。
なんて可愛いのだろうか。
「会いたくなっちゃったの。だから・・・メッセージ送っちゃった。思い直して消しちゃったから知らないと思うけど」
「嬉しかった」
「え?」
「見たよ」
目を見開いて泣きそうな顔したあと
同じようにしゃがみ込んで首にぎゅっと抱きついてきた。
抱きしめ返せばさっきまで外にいたからか体は冷えちゃっててひんやりしている。
「外の空気吸うのはいいけど風邪ひかないようにね」
「今日綺麗なお月様だったから。もしかしたられいこちゃんもこのお月様見てたらいいなぁって思って」
「一緒に見ようよ」
ベランダの戸を開けて縁に腰掛けて並んで空を見上げる。
さっき一緒の空見上げてたんだな。離れてても気持ちがつながっている気がして幸せだなぁ
「幸せ」
「ん?」
「今日れいこちゃんと並んで月を見れるなんて思わなかったから。すっごく幸せ」
うん、私もすっごく幸せ。
来てよかった。
「れいこちゃん」
「なに?」
「顔がにやけてる」
「えっ、そう?」
頬に手を当てて確かめるけど確かに口元緩んじゃってる。
でも仕方ない、仕掛けてきたのはそっちなんだから責任取ってもらわなくちゃ。
「さて、体冷えちゃったね」
手を握って立ち上がって部屋に戻る。
「暖房入れようか?」
「いや、大丈夫。温めてくれるでしょう?」
耳元で囁けばちょっとだけ体温が上がったのが分かった。
スクショした画面を待ち受けにしようと思って
えっ、やだやめてよ
じゃあまた送ってくれる?
送ったらまたスクショするんでしょう?
もちろん
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