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「そうねえ、振り返る時にもう少しこうしたらどうかな?」
お稽古終わり、れいこちゃんのシーンの意見を求められた。
娘役の私に聞くよりちなつとかに聞いた方がいいのでは?と思いながら
男役目線じゃない意見が欲しいのかもと私なりに答えてみたのにれいこちゃんはじっと私の顔を見つめたまま何も言わない。
「れいこちゃん?」
「へっ?あ、はい」
「聞いてた?」
「すっ、すみません。もう一回いいですか」
お疲れなのかな。
トップさんは忙しいし大変だもんな。
もう一度同じように伝えれば閃いたように大きな瞳を輝かせてうなづいた。
「ああ!そうですね、そうしてみます」
・・・のにまたじっと顔を見たまま。
「えっと、他・・・なんか気になる所ある?」
「えっ?あ。いや大丈夫です。ありがとうございます」
はっとした顔をしたあと、首を大きく横に振ってお辞儀して去っていった。なんだろ。なんか変だったな。
「ちなつー、なんか顔に付いてる?」
「んー?特に」
れいこちゃんの様子が気になって、ちょうど通りかかったちなつに聞いてみたけど特に変な所はないみたい。
もしかして私のアドバイス物足りなかったかな。
もう少し考えて捻り出したアドバイスを伝える為れいこちゃんを探した。少し離れたお稽古場、のぞいた扉の向こうに姿を見つけたので
声をかけようとお稽古場の扉に手をかけた時、声が聞こえて何だか先ほどの話をしているようだった。
「さっきものすごい勢いで聞きに行ってたね」
「うん、でもこれからはもう聞くのやめる」
ああ、アドバイス全然役に立たなかったのかな。
申し訳ないなぁ。
そっとドアにかけた手を離した。
「なにしてんの?」
「ひゃっ」
ふと後ろからちなつが肩を叩くからびっくりして変な声が出た。
「いや、さっきのアドバイス足りなかったかなって思って」
「追加アドバイスしにきたんだ?」
「うん。でも必要なさそう」
「なんで?そんな事無いと思うよ」
きょとんとした顔で首を傾げるちなつ。
そんなことあるんだよ。もう聞かないって言われたんだし。
「あれ?お2人どうしたんですか?」
扉が開いてれいこちゃんが私達に声をかけた。
「れいこちゃんに話があるってさ」
「えっ、ちなつ」
ぽんと背中を押されたかられいこちゃんとの距離がぐっと近づいてしまう。思わず俯けばれいこちゃんが身を屈めて覗き込んできた。
「リフレッシュコーナー行きます?」
「え?あ、うん」
別にここでもよかったけど。
リフコまでの道のりが異様に長く感じた。
もう要らないと言われたアドバイスを追加しようとしてるんだもん、不安しかない。
「で、お話って」
「さっきのアドバイスなんだけど、足りなかったかなと思って追加を伝えにきたの」
「え」
「要らないかなとは思ったんだけど」
「まさか。嬉しいです」
でもと口籠るれいこちゃん。
何かあるのかなと首を傾げれば何でもないと言われたのでそのままアドバイスを伝える。
真剣な眼差しでこちらを見てるから何だかドキドキしてしまう。
伝え終わったのにまたれいこちゃんはじっと見つめたまま動かない。
「れいこちゃん?」
「へっ、あっはい」
「もう。れいこちゃん私の話聞いてなさすぎ」
「すみません、つい見惚れちゃって話が頭に入って来ないんです」
「え?」
「見惚れてもらえたらなぁと思うんですけどいつも私の方が見惚れて終わりなんですよね。どうにかならないかなって思ってます」
どういう言い訳。
そういう冗談言う子だっけ。
「話ってそれだけですか?」
「え?うん」
「そっか」
え?まだ足りなかったかな。
何だか期待はずれみたいな顔してるけど
なんかもっと面白い話持ってくるべきだったかな。
「アドバイス足りなかった?」
「まさか。そんな事ないです」
「今度から他の子に頼んだ方がいいかも」
「いや、他の人じゃ意味がないです」
「なんで」
「そんなの他の人に聞いたってあなたの素敵だと思う男役にはなれないからに決まってるじゃないですか」
さらっとキザな事言ったな。
不覚にもドキッとしてしまったじゃないの。
「話があるって言われたからてっきり告白とかかと思ってたのに」
「こっ、告白?」
「私の事好きでしょう?」
「え?下級生としては好きだけど、そういう」
「大丈夫。すぐ好きになりますよ、私の事」
射抜くような鋭い視線に追い詰められた私に逃げ場はないと悟った。
もう聞かないって言われたから意見が役に立たなかったんだと思った。
あなた真面目な人だから、もっとアドバイスをとか思いそうで。
うっ、うん。思うかも
そしたら他の男役にも目がいく可能性がある、そんなのとてつもなく嫌ですもん。あなたが見ていいのは私だけ。そうでしょ?
お稽古終わり、れいこちゃんのシーンの意見を求められた。
娘役の私に聞くよりちなつとかに聞いた方がいいのでは?と思いながら
男役目線じゃない意見が欲しいのかもと私なりに答えてみたのにれいこちゃんはじっと私の顔を見つめたまま何も言わない。
「れいこちゃん?」
「へっ?あ、はい」
「聞いてた?」
「すっ、すみません。もう一回いいですか」
お疲れなのかな。
トップさんは忙しいし大変だもんな。
もう一度同じように伝えれば閃いたように大きな瞳を輝かせてうなづいた。
「ああ!そうですね、そうしてみます」
・・・のにまたじっと顔を見たまま。
「えっと、他・・・なんか気になる所ある?」
「えっ?あ。いや大丈夫です。ありがとうございます」
はっとした顔をしたあと、首を大きく横に振ってお辞儀して去っていった。なんだろ。なんか変だったな。
「ちなつー、なんか顔に付いてる?」
「んー?特に」
れいこちゃんの様子が気になって、ちょうど通りかかったちなつに聞いてみたけど特に変な所はないみたい。
もしかして私のアドバイス物足りなかったかな。
もう少し考えて捻り出したアドバイスを伝える為れいこちゃんを探した。少し離れたお稽古場、のぞいた扉の向こうに姿を見つけたので
声をかけようとお稽古場の扉に手をかけた時、声が聞こえて何だか先ほどの話をしているようだった。
「さっきものすごい勢いで聞きに行ってたね」
「うん、でもこれからはもう聞くのやめる」
ああ、アドバイス全然役に立たなかったのかな。
申し訳ないなぁ。
そっとドアにかけた手を離した。
「なにしてんの?」
「ひゃっ」
ふと後ろからちなつが肩を叩くからびっくりして変な声が出た。
「いや、さっきのアドバイス足りなかったかなって思って」
「追加アドバイスしにきたんだ?」
「うん。でも必要なさそう」
「なんで?そんな事無いと思うよ」
きょとんとした顔で首を傾げるちなつ。
そんなことあるんだよ。もう聞かないって言われたんだし。
「あれ?お2人どうしたんですか?」
扉が開いてれいこちゃんが私達に声をかけた。
「れいこちゃんに話があるってさ」
「えっ、ちなつ」
ぽんと背中を押されたかられいこちゃんとの距離がぐっと近づいてしまう。思わず俯けばれいこちゃんが身を屈めて覗き込んできた。
「リフレッシュコーナー行きます?」
「え?あ、うん」
別にここでもよかったけど。
リフコまでの道のりが異様に長く感じた。
もう要らないと言われたアドバイスを追加しようとしてるんだもん、不安しかない。
「で、お話って」
「さっきのアドバイスなんだけど、足りなかったかなと思って追加を伝えにきたの」
「え」
「要らないかなとは思ったんだけど」
「まさか。嬉しいです」
でもと口籠るれいこちゃん。
何かあるのかなと首を傾げれば何でもないと言われたのでそのままアドバイスを伝える。
真剣な眼差しでこちらを見てるから何だかドキドキしてしまう。
伝え終わったのにまたれいこちゃんはじっと見つめたまま動かない。
「れいこちゃん?」
「へっ、あっはい」
「もう。れいこちゃん私の話聞いてなさすぎ」
「すみません、つい見惚れちゃって話が頭に入って来ないんです」
「え?」
「見惚れてもらえたらなぁと思うんですけどいつも私の方が見惚れて終わりなんですよね。どうにかならないかなって思ってます」
どういう言い訳。
そういう冗談言う子だっけ。
「話ってそれだけですか?」
「え?うん」
「そっか」
え?まだ足りなかったかな。
何だか期待はずれみたいな顔してるけど
なんかもっと面白い話持ってくるべきだったかな。
「アドバイス足りなかった?」
「まさか。そんな事ないです」
「今度から他の子に頼んだ方がいいかも」
「いや、他の人じゃ意味がないです」
「なんで」
「そんなの他の人に聞いたってあなたの素敵だと思う男役にはなれないからに決まってるじゃないですか」
さらっとキザな事言ったな。
不覚にもドキッとしてしまったじゃないの。
「話があるって言われたからてっきり告白とかかと思ってたのに」
「こっ、告白?」
「私の事好きでしょう?」
「え?下級生としては好きだけど、そういう」
「大丈夫。すぐ好きになりますよ、私の事」
射抜くような鋭い視線に追い詰められた私に逃げ場はないと悟った。
もう聞かないって言われたから意見が役に立たなかったんだと思った。
あなた真面目な人だから、もっとアドバイスをとか思いそうで。
うっ、うん。思うかも
そしたら他の男役にも目がいく可能性がある、そんなのとてつもなく嫌ですもん。あなたが見ていいのは私だけ。そうでしょ?