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「おはよう」
「おっ、おはようございます」
昨日遅くまでお話してしまったから泊めていただいてしまったのだけど、目を覚ませばもうすでに起きていらして見つめられていた。
寝顔を見られていたなんて恥ずかしい。
綺麗な瞳に吸い込まれそうな目力。
「目ぇ逸らさんどって」
恥ずかしすぎて顔を背けようとしたけど、芹香さんの大きな手で頬を包まれ目を逸らすことを許して貰えない。
心臓の音聞こえてしまいそうな位限界まで高鳴っている鼓動。
いよいよ見てられない位くらい恥ずかしくてぎゅっと目を瞑れば耳元で色っぽい声がこだまする。
「幸せ噛み締めてた」
「へ」
「好きな子の寝顔見つめるだけでこんなに幸せなんて知らんかったわ」
「もう。からかわないで下さいっ」
「本気なんやけど」
耐えられず芹香さんに背中を向けた私を抱き寄せて耳に唇を寄せてこられる。
息が直にかかってぞわぞわする。
でもお腹に手を回されてしっかりホールドされているので逃れることも出来ない。
「なあ、こっち向いて?キスしてもええ?」
「きっ聞かないでください」
「言ってほしいやん」
「恥ずかし過ぎます」
「ねえ、どう?キスしたくない?」
やっとの思いで振り返り、目を開ければ数秒お互い何も言わず見つめあって結局その瞳の誘惑に負けた。
「キス・・・したいです」
「可愛い。たまらんく可愛い」
そっと触れた唇は甘くてその甘い誘惑から抜け出せそうにもなかった。
軽く触れた後息も出来ないくらいのキスに翻弄されるままもう頭の中はもう芹香さんでいっぱい。
名残惜しく離れた唇を思わずじっと見つめる。
形の整った綺麗な唇。この唇とキス・・・したんだな。
「お昼からお稽古やんね」
「はい」
「名残惜しいわほんま。なぁ、今日終わったらまたおいで」
今日も芹香さんといれる。その甘いお誘いに頷きそうになるけど、この誘惑に乗ったらもうずっと帰りたくなくなりそう。
「そうや迎えに行くわ」
「え?そんなだめです。上級生さんにそんな事させられません」
「上級生である前に恋人やと思ってるんやけど」
「それはそうなんですけど」
「じゃあええやん」
流されるままに行きまで送ってもらう事となってしまった。
劇場から少し離れた所に停めてもらおうと思ったんだけど、芹香さんはまあまあ劇場に近いところに車を付けた。
これじゃ送ってもらっちゃったのばればれだ。
「私に送ってもらったんやってみんなに見せつけときたくて」
ハンドルに伏せるように腕を乗せこちらを向いてふわっと微笑んだ。
ちょっとした独占欲?のようなものに心浮かれてしまう。
お稽古前にこんな浮き足立ってていいのかな、私。
「ああ、キスは夜までお預けなんが辛いわ」
私の口元に芹香さんの視線を感じる。
そしてその一言に今朝の一件を思い出して恥ずかしくなった。
「夜、沢山キスしよな」
もうだめ。お稽古に集中できる自信がなくなった。
車を降りようとしてふと少し先に、のぞさまの会さんがいらっしゃるのに気づいた。
ふとこちらを見たのぞさまとフロントガラス越しに目があった。
芹香さんはのほほんと手を振ってるけどみるみる顔が険しくなっていくのが分かる。
会の方々に断りを入れたのだろう、ごめんねと手を合わせてこちらに走ってきた。
「ちょっと待って、キキ。話がある」
先にお稽古場へ行くように促された私はのぞさまの会の前を会釈しながら通る。何だか温かい目で見られて恥ずかしい。
私と入れ替わりで助手席にのぞさまが乗り込んだけど芹香さん大丈夫かな。
お稽古場に入って随分時間が経ったけどのぞさまは一向に現れない。
お稽古開始時間ぎりぎりに入ってこられたのぞさまはなんだかげっそりしてらっしゃる。
「のぞさま」
「まだ嫁には行かせたくない」
ぎゅっと抱きしめられるけどまだ嫁に行く予定はございません。
そして抱きしめたままため息をついた。
「はあ、こんな事ならもっとちゃんと隠しとくんだった」
「望海さん、運命ならいつかしら巡り合いますから」
「やだ、運命じゃないって信じたい。うちの娘が」
まるで両親の会話みたいな真彩さんとのぞさま。
お2人みたいな素敵な関係性になれたらいいな。
お稽古を終えて劇団を出れば芹香さんの車が。
隣に立つのぞさまは大きなため息をついて私の背中を押した。
「くれぐれも清く正しいお付き合いするんだよ。手を繋いだり、ちゅーとかそれ以上とかだめだよ」
「あはは、はい」
ちゅーはしてしまいました、今朝。なんで絶対言えない。
「ああ、私の可愛い娘。キキに取られるなんて」
「お父様、大好き」
のぞさまにぎゅっと抱きつけばきつく抱きしめ返して下さった。
「もう、やだ。父は悲しい」
「お父様、そろそろよろしいでしょうか」
「だめ。それにお父さんだなんてまだ早い。絶対に嫁にはやらん」
いつの間にか車を降りて私達のすぐ後ろにいらした芹香さんにそっと引き離される。
険しくも心配そうなのぞさまに見送られて車に乗り込む。
本当に芹香さんのお家に帰ってきてしまった。
こんなずっと一緒にいさせてもらったら離れ難くなりそうで怖い。
一緒に夜ご飯を作って食べて、お風呂も借りてお部屋着でのんびりテレビを並んで見る。
「風斗ちゃんは過保護過ぎやろ」
「昔からお父様なので。清く正しいお付き合いをって言われました」
「ふーん。じゃあ今夜の事ばれたらお父様に怒られてまうなぁ」
とんっと肩を押されて体を支えれなくて後ろに倒れる。
見下ろす姿もかっこよくて目が離せない。
「清く正しく。な」
唇が触れそうになった瞬間にけたたましく鳴ったテーブルの上の携帯
びっくりして離れて画面を見ればのぞさま。
「なんやセンサー付いてんとちゃう?私と何センチ以内に近づいたら風斗ちゃんに報告いくみたいな」
ぷっと吹き出して携帯を取り上げて電源をオフにした芹香さん。
ああ、明日絶対怒られる。
今度は芹香さんの携帯がけたたましく鳴った。
小さなため息をついた後通話ボタンを押した。
「はいはい。え?何?聞こえへん。お父さん過保護すぎやで。もう私のもんや」
ぴっと終話を押して携帯を伏せてテーブルに置いた、
「大丈夫でしょうか」
「心配せんでええ。私だけ見てればええの」
芹香さんの唇に誘われ長い長い夜の始まり
「おっ、おはようございます」
昨日遅くまでお話してしまったから泊めていただいてしまったのだけど、目を覚ませばもうすでに起きていらして見つめられていた。
寝顔を見られていたなんて恥ずかしい。
綺麗な瞳に吸い込まれそうな目力。
「目ぇ逸らさんどって」
恥ずかしすぎて顔を背けようとしたけど、芹香さんの大きな手で頬を包まれ目を逸らすことを許して貰えない。
心臓の音聞こえてしまいそうな位限界まで高鳴っている鼓動。
いよいよ見てられない位くらい恥ずかしくてぎゅっと目を瞑れば耳元で色っぽい声がこだまする。
「幸せ噛み締めてた」
「へ」
「好きな子の寝顔見つめるだけでこんなに幸せなんて知らんかったわ」
「もう。からかわないで下さいっ」
「本気なんやけど」
耐えられず芹香さんに背中を向けた私を抱き寄せて耳に唇を寄せてこられる。
息が直にかかってぞわぞわする。
でもお腹に手を回されてしっかりホールドされているので逃れることも出来ない。
「なあ、こっち向いて?キスしてもええ?」
「きっ聞かないでください」
「言ってほしいやん」
「恥ずかし過ぎます」
「ねえ、どう?キスしたくない?」
やっとの思いで振り返り、目を開ければ数秒お互い何も言わず見つめあって結局その瞳の誘惑に負けた。
「キス・・・したいです」
「可愛い。たまらんく可愛い」
そっと触れた唇は甘くてその甘い誘惑から抜け出せそうにもなかった。
軽く触れた後息も出来ないくらいのキスに翻弄されるままもう頭の中はもう芹香さんでいっぱい。
名残惜しく離れた唇を思わずじっと見つめる。
形の整った綺麗な唇。この唇とキス・・・したんだな。
「お昼からお稽古やんね」
「はい」
「名残惜しいわほんま。なぁ、今日終わったらまたおいで」
今日も芹香さんといれる。その甘いお誘いに頷きそうになるけど、この誘惑に乗ったらもうずっと帰りたくなくなりそう。
「そうや迎えに行くわ」
「え?そんなだめです。上級生さんにそんな事させられません」
「上級生である前に恋人やと思ってるんやけど」
「それはそうなんですけど」
「じゃあええやん」
流されるままに行きまで送ってもらう事となってしまった。
劇場から少し離れた所に停めてもらおうと思ったんだけど、芹香さんはまあまあ劇場に近いところに車を付けた。
これじゃ送ってもらっちゃったのばればれだ。
「私に送ってもらったんやってみんなに見せつけときたくて」
ハンドルに伏せるように腕を乗せこちらを向いてふわっと微笑んだ。
ちょっとした独占欲?のようなものに心浮かれてしまう。
お稽古前にこんな浮き足立ってていいのかな、私。
「ああ、キスは夜までお預けなんが辛いわ」
私の口元に芹香さんの視線を感じる。
そしてその一言に今朝の一件を思い出して恥ずかしくなった。
「夜、沢山キスしよな」
もうだめ。お稽古に集中できる自信がなくなった。
車を降りようとしてふと少し先に、のぞさまの会さんがいらっしゃるのに気づいた。
ふとこちらを見たのぞさまとフロントガラス越しに目があった。
芹香さんはのほほんと手を振ってるけどみるみる顔が険しくなっていくのが分かる。
会の方々に断りを入れたのだろう、ごめんねと手を合わせてこちらに走ってきた。
「ちょっと待って、キキ。話がある」
先にお稽古場へ行くように促された私はのぞさまの会の前を会釈しながら通る。何だか温かい目で見られて恥ずかしい。
私と入れ替わりで助手席にのぞさまが乗り込んだけど芹香さん大丈夫かな。
お稽古場に入って随分時間が経ったけどのぞさまは一向に現れない。
お稽古開始時間ぎりぎりに入ってこられたのぞさまはなんだかげっそりしてらっしゃる。
「のぞさま」
「まだ嫁には行かせたくない」
ぎゅっと抱きしめられるけどまだ嫁に行く予定はございません。
そして抱きしめたままため息をついた。
「はあ、こんな事ならもっとちゃんと隠しとくんだった」
「望海さん、運命ならいつかしら巡り合いますから」
「やだ、運命じゃないって信じたい。うちの娘が」
まるで両親の会話みたいな真彩さんとのぞさま。
お2人みたいな素敵な関係性になれたらいいな。
お稽古を終えて劇団を出れば芹香さんの車が。
隣に立つのぞさまは大きなため息をついて私の背中を押した。
「くれぐれも清く正しいお付き合いするんだよ。手を繋いだり、ちゅーとかそれ以上とかだめだよ」
「あはは、はい」
ちゅーはしてしまいました、今朝。なんで絶対言えない。
「ああ、私の可愛い娘。キキに取られるなんて」
「お父様、大好き」
のぞさまにぎゅっと抱きつけばきつく抱きしめ返して下さった。
「もう、やだ。父は悲しい」
「お父様、そろそろよろしいでしょうか」
「だめ。それにお父さんだなんてまだ早い。絶対に嫁にはやらん」
いつの間にか車を降りて私達のすぐ後ろにいらした芹香さんにそっと引き離される。
険しくも心配そうなのぞさまに見送られて車に乗り込む。
本当に芹香さんのお家に帰ってきてしまった。
こんなずっと一緒にいさせてもらったら離れ難くなりそうで怖い。
一緒に夜ご飯を作って食べて、お風呂も借りてお部屋着でのんびりテレビを並んで見る。
「風斗ちゃんは過保護過ぎやろ」
「昔からお父様なので。清く正しいお付き合いをって言われました」
「ふーん。じゃあ今夜の事ばれたらお父様に怒られてまうなぁ」
とんっと肩を押されて体を支えれなくて後ろに倒れる。
見下ろす姿もかっこよくて目が離せない。
「清く正しく。な」
唇が触れそうになった瞬間にけたたましく鳴ったテーブルの上の携帯
びっくりして離れて画面を見ればのぞさま。
「なんやセンサー付いてんとちゃう?私と何センチ以内に近づいたら風斗ちゃんに報告いくみたいな」
ぷっと吹き出して携帯を取り上げて電源をオフにした芹香さん。
ああ、明日絶対怒られる。
今度は芹香さんの携帯がけたたましく鳴った。
小さなため息をついた後通話ボタンを押した。
「はいはい。え?何?聞こえへん。お父さん過保護すぎやで。もう私のもんや」
ぴっと終話を押して携帯を伏せてテーブルに置いた、
「大丈夫でしょうか」
「心配せんでええ。私だけ見てればええの」
芹香さんの唇に誘われ長い長い夜の始まり