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大好きな同期が卒業を決めた。
それは大きな一歩で、私は背中を押すことしかできない。
物凄く悩んだんだろう。
「東京の千秋楽のお花、お願い出来ないかな」
伺うように控えめに聞いてきた彼女に二つ返事でOKしたのはもう1年も前のこと。
本音を言えば出来る事なら来てほしくなかったこの日
今日の公演のお手伝いさせて貰って久しぶりに演じるところを間近で見て、このまままた明日もこの舞台に立っているんじゃないかと錯覚してしまう位だった。
でも彼女は次のステージへと行ってしまう。
最後のご挨拶に向けて袴姿に着替えているのを見ると現実が押し寄せてくる。
「なあ、口紅私が引きたい」
「え?さやかが?・・・嬉しい」
一瞬目を見開いて綻ぶように笑った。
椅子に座るよう促して前にしゃがむ。
私をじっと見つめてるから照れ臭くなる。
「あんまり見られたら緊張してはみ出るかもしらん」
「えっ、それはいやー。最後くらい綺麗でいさせて」
そう言って笑いながら目を瞑った。
パフを小指に引っ掛けてブラシを持って綺麗に紅を引く
「いつだって綺麗やで」
「ありがとう、さやか」
ぎゅっと抱き合って最後の時をかみしめる。
前の子が呼ばれるのと合わせて離れ難い思いをぐっとこらえて階段へ上る準備をする背中を見送る。
「さやかがいてくれてよかった。ありがとう。心から大好きだよ」
そう微笑んで階段を登っていった。
ずるいわ、そんなん。
名前を呼ばれて階段を下りてくるのを袖で見守りながら自分が呼ばれるのを待つ
組からのお花と同期からのお花です
同期からのお花は宙組の芹香斗亜が駆けつけてくれました。
紹介されて、お辞儀をして舞台の真ん中までいく。
目があった瞬間もう泣きそうになった。最近涙もろくてかなわん
風斗ちゃんがお花を渡した後、私もお花を渡す。
これで彼女の宝塚人生は終わるんだ。
「なあ、私にこの先の人生くれへん?」
「えっ」
渡す時に何を言おうかなんてとっくの昔から決まっていた。
今までにないくらい目を見開いてびっくりした顔してるのをよそに
私は微笑んで舞台袖に下がる。
最後の挨拶を聞きながら私の方が泣いてしまった。
晴れ晴れとした顔で幕を下ろした舞台。
「さやかー」
ぱたぱたと走って飛び込んできたことろを抱き止める。
「お疲れ様」
「なんて事してくれるの。頭まっ白になっちゃったじゃん」
「ふふっ。力抜けたやろ」
逆に緊張しちゃって何て言おうとしてたか忘れちゃったよとぷりぷりしてる。
そんなそぶり見せない素晴らしい挨拶やったで、私を泣かせるくらいには
「返事は?」
「そっ、それってさ・・・さやかは私の事・・・」
「すき」
核心を言い淀んだ彼女に被せる様に想いを伝える。
というか、私の想い気づいてなかったん?
「くれる?」
「最後まで面倒みてくれるの?」
「当たり前」
「もらってください」
きゅっと抱きしめる力を強めた彼女の温かみが私の心に色をつける。
これからどんなに離れたとしても絶対に離さないから
私の片想いだと思ってた
私を好きな事知ってたで。それなのに打ち明けずに私を置いてくんかと思ったわ
そうしようと思ってた
この手は絶対に離さんって約束して
それは大きな一歩で、私は背中を押すことしかできない。
物凄く悩んだんだろう。
「東京の千秋楽のお花、お願い出来ないかな」
伺うように控えめに聞いてきた彼女に二つ返事でOKしたのはもう1年も前のこと。
本音を言えば出来る事なら来てほしくなかったこの日
今日の公演のお手伝いさせて貰って久しぶりに演じるところを間近で見て、このまままた明日もこの舞台に立っているんじゃないかと錯覚してしまう位だった。
でも彼女は次のステージへと行ってしまう。
最後のご挨拶に向けて袴姿に着替えているのを見ると現実が押し寄せてくる。
「なあ、口紅私が引きたい」
「え?さやかが?・・・嬉しい」
一瞬目を見開いて綻ぶように笑った。
椅子に座るよう促して前にしゃがむ。
私をじっと見つめてるから照れ臭くなる。
「あんまり見られたら緊張してはみ出るかもしらん」
「えっ、それはいやー。最後くらい綺麗でいさせて」
そう言って笑いながら目を瞑った。
パフを小指に引っ掛けてブラシを持って綺麗に紅を引く
「いつだって綺麗やで」
「ありがとう、さやか」
ぎゅっと抱き合って最後の時をかみしめる。
前の子が呼ばれるのと合わせて離れ難い思いをぐっとこらえて階段へ上る準備をする背中を見送る。
「さやかがいてくれてよかった。ありがとう。心から大好きだよ」
そう微笑んで階段を登っていった。
ずるいわ、そんなん。
名前を呼ばれて階段を下りてくるのを袖で見守りながら自分が呼ばれるのを待つ
組からのお花と同期からのお花です
同期からのお花は宙組の芹香斗亜が駆けつけてくれました。
紹介されて、お辞儀をして舞台の真ん中までいく。
目があった瞬間もう泣きそうになった。最近涙もろくてかなわん
風斗ちゃんがお花を渡した後、私もお花を渡す。
これで彼女の宝塚人生は終わるんだ。
「なあ、私にこの先の人生くれへん?」
「えっ」
渡す時に何を言おうかなんてとっくの昔から決まっていた。
今までにないくらい目を見開いてびっくりした顔してるのをよそに
私は微笑んで舞台袖に下がる。
最後の挨拶を聞きながら私の方が泣いてしまった。
晴れ晴れとした顔で幕を下ろした舞台。
「さやかー」
ぱたぱたと走って飛び込んできたことろを抱き止める。
「お疲れ様」
「なんて事してくれるの。頭まっ白になっちゃったじゃん」
「ふふっ。力抜けたやろ」
逆に緊張しちゃって何て言おうとしてたか忘れちゃったよとぷりぷりしてる。
そんなそぶり見せない素晴らしい挨拶やったで、私を泣かせるくらいには
「返事は?」
「そっ、それってさ・・・さやかは私の事・・・」
「すき」
核心を言い淀んだ彼女に被せる様に想いを伝える。
というか、私の想い気づいてなかったん?
「くれる?」
「最後まで面倒みてくれるの?」
「当たり前」
「もらってください」
きゅっと抱きしめる力を強めた彼女の温かみが私の心に色をつける。
これからどんなに離れたとしても絶対に離さないから
私の片想いだと思ってた
私を好きな事知ってたで。それなのに打ち明けずに私を置いてくんかと思ったわ
そうしようと思ってた
この手は絶対に離さんって約束して