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なあなあどこ行くんー?
置いてかんとって
どんなにそう訴えても届くことはない。
いや、届いてはいるはずなの。
でもお仕事ってやつに行かないかんのやって。
私の缶詰の為に。
缶詰なんてなくてもいいからお家におって
「ごめんね、早く帰ってくるから」
今日も扉の前まで一緒について行くけど、この先は連れて行ってもらえない。
毎回顎を撫で撫でして、私がほわーっとなってる間に行ってくるねという言葉と共にパタンとドアが閉まる。
今日こそその手には乗らん・・・から・・・な・・・
「キキごめんね、行ってきます」
「あ、またやられた。あー、置いてかんでー」
行ってらっしゃいと見送れた事はない。
しばらく扉をカリカリしてみたり鳴いてみたりするけど、この扉の向こうから返事はない。
最近は爪も短く切られちゃって、肉球で壁をなでてるだけ。
この扉の向こうに何があるん。
なんでそんなに長い時間閉じこもるん。
その仕事ってとこはこの扉開けたままじゃだめなん?
私ひとりぼっちは寂しい。
鳴き疲れてとぼとぼとリビングに戻る。
しーんとした部屋にひとりぼっちだった頃を思い出させて寂しくなる。
「寂しい。はよ帰ってきて」
お部屋をうろうろしてみたり、ふて寝してみたり。
「はっ。帰ってくる」
気配が近づいてくるのが分かる。
お布団の残り香で寂しさを紛らわしてたけど
飛び起きて玄関まで行って座って待ってる。
どんだけ私が待ってたかこれで分かるやろ
ガチャっと言う音と共に駆け寄っておかえりを言う。
「キキー。ただいま。今日もいい子だった?」
「めっちゃいい子で待ってたんよ。褒めて褒めて」
抱きあげられて一緒にリビングに戻る。
「あ、キキー。これはかじっちゃダメだって言ったでしょ」
「これは私の獲物や」
めっと頭をぽんとされるけど取ったもん勝ちや。
私も大きくなったらお仕事ってやつに行って自分で缶詰捕まえてやるんや。
だから狩りの練習しとかな。
「キキ。キキ起きて」
「んー、夢見てた。小さい頃の」
「小さいキキも可愛かったなぁ」
しみじみ思い出すように小さい頃の私の写真を眺めてる。
今の私かて可愛いやろ?
「もちろん今のキキも可愛くて大好きだよ」
「包容力もあるやろ?」
「うん。ほわっとしてるのにかっこよくてずるい」
私の心を読んだかのように顔を赤らめて言う姿が可愛くて思わず抱きしめた。
人は悲しい時じゃなくても抱きしめたくなるんやな。
ぎゅっと抱きしめ返されて心がぽかぽかする。
腕が緩められたと思ったらちゅっと唇に柔らかい感触。
「発情した」
「へ?」
「今のはあかんやろ。誘ってるとしか思えへん」
「そっ、そんなんじゃ。しかもそんなストレートに」
そうなん?本にそう書いてあったけどなぁ。
「じゃあなんて言うん」
「わっ、分かんないよっ」
へえ。なんでも知ってると思ってたけど、分からん事もあるんや。
「じゃあ、私と分かろう」
そっと服に手をかけた。
んー、何ていうんやろなぁ。
その純粋な目が怖いよ、私
もっと勉強しとくわ
もっ、もうこれ以上勉強しなくて大丈夫
置いてかんとって
どんなにそう訴えても届くことはない。
いや、届いてはいるはずなの。
でもお仕事ってやつに行かないかんのやって。
私の缶詰の為に。
缶詰なんてなくてもいいからお家におって
「ごめんね、早く帰ってくるから」
今日も扉の前まで一緒について行くけど、この先は連れて行ってもらえない。
毎回顎を撫で撫でして、私がほわーっとなってる間に行ってくるねという言葉と共にパタンとドアが閉まる。
今日こそその手には乗らん・・・から・・・な・・・
「キキごめんね、行ってきます」
「あ、またやられた。あー、置いてかんでー」
行ってらっしゃいと見送れた事はない。
しばらく扉をカリカリしてみたり鳴いてみたりするけど、この扉の向こうから返事はない。
最近は爪も短く切られちゃって、肉球で壁をなでてるだけ。
この扉の向こうに何があるん。
なんでそんなに長い時間閉じこもるん。
その仕事ってとこはこの扉開けたままじゃだめなん?
私ひとりぼっちは寂しい。
鳴き疲れてとぼとぼとリビングに戻る。
しーんとした部屋にひとりぼっちだった頃を思い出させて寂しくなる。
「寂しい。はよ帰ってきて」
お部屋をうろうろしてみたり、ふて寝してみたり。
「はっ。帰ってくる」
気配が近づいてくるのが分かる。
お布団の残り香で寂しさを紛らわしてたけど
飛び起きて玄関まで行って座って待ってる。
どんだけ私が待ってたかこれで分かるやろ
ガチャっと言う音と共に駆け寄っておかえりを言う。
「キキー。ただいま。今日もいい子だった?」
「めっちゃいい子で待ってたんよ。褒めて褒めて」
抱きあげられて一緒にリビングに戻る。
「あ、キキー。これはかじっちゃダメだって言ったでしょ」
「これは私の獲物や」
めっと頭をぽんとされるけど取ったもん勝ちや。
私も大きくなったらお仕事ってやつに行って自分で缶詰捕まえてやるんや。
だから狩りの練習しとかな。
「キキ。キキ起きて」
「んー、夢見てた。小さい頃の」
「小さいキキも可愛かったなぁ」
しみじみ思い出すように小さい頃の私の写真を眺めてる。
今の私かて可愛いやろ?
「もちろん今のキキも可愛くて大好きだよ」
「包容力もあるやろ?」
「うん。ほわっとしてるのにかっこよくてずるい」
私の心を読んだかのように顔を赤らめて言う姿が可愛くて思わず抱きしめた。
人は悲しい時じゃなくても抱きしめたくなるんやな。
ぎゅっと抱きしめ返されて心がぽかぽかする。
腕が緩められたと思ったらちゅっと唇に柔らかい感触。
「発情した」
「へ?」
「今のはあかんやろ。誘ってるとしか思えへん」
「そっ、そんなんじゃ。しかもそんなストレートに」
そうなん?本にそう書いてあったけどなぁ。
「じゃあなんて言うん」
「わっ、分かんないよっ」
へえ。なんでも知ってると思ってたけど、分からん事もあるんや。
「じゃあ、私と分かろう」
そっと服に手をかけた。
んー、何ていうんやろなぁ。
その純粋な目が怖いよ、私
もっと勉強しとくわ
もっ、もうこれ以上勉強しなくて大丈夫