Flower Récit
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雪組ファントムが千秋楽を迎え、花組エリザベート公演が開幕し大成功を収めている。
連日満員御礼、就任当時から高い歌唱力と演技力で注目を集めていた同期トップ娘役の真彩ちゃんと、貴美は今では特集が組まれるほど大人気をはくしている
「今回も貴美大活躍ですねー」
「ほんと。望海さんも鼻高々ですねー。私も嬉しい」
私達のことを知ってるこの咲ちゃんと真彩ちゃんの二人はいつも応援してくれて時間づくりに協力してくれる、心強い味方。
活躍をにこにこと嬉しそうに話す真彩ちゃん達とは裏腹に私は恐れていた自分の黒い部分に気付いてしまって戸惑っている。
次のお休み、3人で千秋楽を観劇に行く約束をしているのだ。
今まで公演期間が被ったりで生で観に行くチャンスがなかったので、今回が花組生の貴美をはじめて生で観ることになる。
楽しみなのに沈むこの気持ち。
まさかこんな気持ちになるなんて思わなかった。
仕事なんだからといつも思ってきた。
自分だって真彩ちゃんとキスシーンとかしてるくせにキスシーン見たくないとか矛盾してる。
貴美はどうなんだろう。割り切れてるのかな。
しかも、最近よく番組とかで二人の仲睦まじい姿を見かけて。
やっぱりあのキラキラした目を他の人に向けてるのは面白くなく思ってしまう。
「貴美の私だけにが楽しみです。今話題になってるらしいですよ」
複雑な気持ちを抱えている私とは裏腹に、二人は公演パンフレットをめくりながらわいわいしてる。
私もその噂は聞いた。歴代一番の呼び声高いって。
薄化粧でも可愛い。でもこのお化粧バッチリバージョンもめっちゃいいよね。
と二人はきゃっきゃと盛り上がる一方だ。
「望海さん聞いてます?」
「え?うん聞いてる聞いてる」
「貴美に内緒なの忘れてないですよね?」
「大丈夫大丈夫」
そう、観に行くのは内緒で終演後楽屋に行ってびっくりさせようとしているみたい。
だから今回は関係者席じゃなくて後ろのはじの方から観る予定。
心ここにあらずなのがバレてしまった。
誤魔化すけど自分が1番わかってる。
頑張ってる姿を本当は観たいのに観たくない。
***************************
公演当日
千秋楽頑張ってとLINEすればしばらくして可愛いスタンプと頑張りますと返事が来た。
エリザベートが東京公演に続くため、東京に行ってしまう貴美とはしばらく会えなくなるから今日の公演後の約束を取り付けてある。
夕方まで収録があると言ってあるから私がまさか見に行くなんて思ってもないだろう。
エリザベートの登場シーンには可憐さに息をのんだ
本当に子供のような可愛さ。
声や仕草でエリザベートが大人になって成長をしていく姿をみて表現力の高さを改めて感じた。
人気も出るはずだ。幕間でも貴美を絶賛する声がどこそこで聞こえてきてなんだか嬉しい気持ち
やー。みり貴美やっぱりいいよねー。こないだ収録で二人で歩いてるの見たんだけどカメラ回ってない時もずっと二人でなんかしてるの。本当の夫婦感漂っててめっちゃ素敵だったー
やだやばいー。ほんとでもいい。二人なら応援するー
。貴美ちゃんがみりおさんを好き好き感がいいよね。みりおもかわしながらも満更でもありませんって感じが
こういう話ってわかってても予期せずして入ってくるんだよね。そりゃトップコンビの仲の良さも込みでの人気だと思うけどなんだかおもしろくない気持ちになる。
仕事スイッチが入ってるとなんて事ないのに。
スタンディングオベーションの中、さゆみちゃんがあいさつをする
「本日はご観劇いただきましてありがとうございます。本日宝塚大劇場千秋楽でございます。みなさま本当にありがとうございます。こうして千秋楽を迎えることができ、感謝の気持ちがいっぱいです。皆さまの支えがあってこそでございます。新演出版という事で大分今までとは変わりましたがいかがでしたでしょうか。」
会場は盛大な拍手に包まれる。
「ありがとうございます。この作品は私にとっても大変思い入れのある作品でございます。皆まさにトートとしてまたお会いできたこと本当に嬉しく思っております。これからも東京公演に向けてさらなる進化を遂げてまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。では、貴美ちゃんからも一言お願いします。」
いきなり振られた事にあわあわしてる。
いつもなら娘役さんが挨拶する事ないからね。
いえ、私は・・・とか言ってるけどさゆみちゃんの貴美。の一言で観念したように一歩前に出れば拍手に包まれる。
「えっと。まさか私が皆様にご挨拶させていただけるなんて思ってもおりませんでしたので上手くお伝えできるか分かりませんが、皆様本日はお越しいただき誠にありがとうございました。
こうして宝塚大劇場千秋楽を迎えることができました事、心より御礼申し上げます。素敵な明日海さんトート閣下に黄泉の国へ連れ去られないように闘うのに必死。そんな日々でした。
これから東京公演へ続いてまいりますが、皆様にまたお会いできます事心より願っております。本日はありがとうございました。」
会場内は割れんばかりの拍手に包まれた。
「さて・・・今日はフランスからこの黄泉の国に迷い込んだ奴らがいるようだ。なあ、クリスティーヌ、ジェラルド、そして・・・ああ、ルキーニも見えるな。」
さゆみちゃんの言葉の後にスポットライトが私達を照らす。
えっ。うそっ、まさかばれちゃうなんて・・・
「私にはなんでもお見通しなのだよ」
さゆみちゃんの言葉に私たちに気付き目を見開く貴美に諦めて手を振る
「ルキーニ。早くとりに来い」
手を差し出し私を誘う。
劇中セリフに感動の拍手がおこってるけど、それは貴美をという事だろうか。
あれよあれよと舞台に上げられてしまった私達。お疲れ様を込めて抱き締めあう。
割れんばかりの拍手が劇場に溢れる。
その様子を見た咲ちゃんがぼそっと
「死が愛したのはルキーニだったのか」
「いや、ルキーニはわたしの駒だ。私が愛したのはエリザベートただ1人」
トート閣下の声でそう言いながらニヤリと笑い腰に手を回し抱き寄せるさゆみトート。
きゃーと黄色い声援がおこる
「彼女は私を愛しそして私も彼女を愛した」
「わたくしはわたくしの心のままに生きますの」
トート閣下の手をぱしりと叩くから劇場が笑いに包まれる。
「じゃじゃ馬シシィには手を焼いている」
「まあ。」
見つめ合って微笑みあう2人にチクリと心が痛んだ。
会場みんなが笑っているのにきっと私はうまく笑えてただろうか。これは舞台なんだから分かってる、分かってるのに。
そんな心を読んでかさゆみちゃんが面白がってるのがわかる。
「ルキーニ悔しいか」
「ああ。悔しいさ。エリザベートを手に入れる為一番働いたのは他でもない俺なのに」
やられたらやりかえす。ルキーニの記憶を呼び起こして、私の気持ちを乗せて応える。
お客様が喜んでくれるならいいけど、その分私の心は・・・。
*******************
「なっちゃーんっ。会いたかったよー。」
「私もだよー‼︎」
楽屋にて抱きしめ合う二人を微笑ましく見るほどさっきの気持ちを引きずった私の心は晴れやかではない。
後ろでぼーっと立ってた私に振り返って
「あやちゃんっ。お仕事じゃなかったの?」
真彩ちゃんには会いたかったで、私にはそれ?
私には会わなくてもよかった?
そんな心にもない言葉が頭の中でぐるぐると巡るのをグッと抑えて絞り出す
「びっくりした?」
「うん。でもすっごく嬉しい。夜まで会えないと思ってたからあやちゃんにこんなに早く会えてほんとうれしい。来てくれてありがとう」
にこにこと笑う貴美に心が解れていく。
今私だけを見つめて私だけを求めてるんだと実感して嬉しくなる。自分がこんなに独占欲の塊だったとは。
ステージ上で会えて嬉しくてほんとは抱きつきたかったけど、やっぱりそういうのはだめだから頑張って我慢しただなんて言われたら抱きしめない訳にいかないよね。
「なんでそんな可愛い事いうの」
「え?」
「私だって貴美を抱きしめたかったよー。奪って逃げようかと思ったよー」
「あやちゃん苦しいよー」
こんな簡単に心が晴れるなんて・・・。
あーもう。咲ちゃん達に笑われてるけど構わない。
頬に手をあてて顔を近づけたら貴美に制される
「あやちゃんだめっ。」
「なんで」
「みんな見てる・・・」
咲ちゃんが後ろから真彩ちゃんの目を手で覆ってるけどその隙間からちらちら見てる真彩ちゃんと、そしていつの間にかさゆみトートが入口に仁王立ち
「私のエリザベートに手を出すとはいい度胸じゃないか」
「もう私のですー」
「じゃあ私はお前のクリスティーヌをいただこう。」
「はわっ。」
真彩ちゃんを抱き寄せたさゆみちゃんに私で我慢しろと貴美は制した。
「・・・自ら差し出してきたが・・・どうするだいもん?」
さゆみちゃんの顔は笑いをこらえきれないと言わんばかり
「貴美・・・。私を捨ててさゆみちゃんを取るの・・・」
「あっごめっ。そんなつもりじゃ。だってなっちゃん大好きだから黄泉へ連れ去られたら私無理。それにあやちゃんの大事な相手役さんだもん。取られたら困るでしょ?」
「私も貴美が1番大好き。だから貴美が幸せなのが私も幸せよ」
貴美を優しく抱きしめる真彩ちゃんだけど、
うん。それは私は二番ってことかな?相手役なのに同期に負ける私って・・・。
私は隙があれば狙ってまーす
えー。そこは私もとなるとこでは・・・
そんなん面白くないでしょー。人生奪ってなんぼ
たしかに・・・。
わたしの良さにそのうち気づくはず
咲ちゃん、納得しない。絶対だめ
.
連日満員御礼、就任当時から高い歌唱力と演技力で注目を集めていた同期トップ娘役の真彩ちゃんと、貴美は今では特集が組まれるほど大人気をはくしている
「今回も貴美大活躍ですねー」
「ほんと。望海さんも鼻高々ですねー。私も嬉しい」
私達のことを知ってるこの咲ちゃんと真彩ちゃんの二人はいつも応援してくれて時間づくりに協力してくれる、心強い味方。
活躍をにこにこと嬉しそうに話す真彩ちゃん達とは裏腹に私は恐れていた自分の黒い部分に気付いてしまって戸惑っている。
次のお休み、3人で千秋楽を観劇に行く約束をしているのだ。
今まで公演期間が被ったりで生で観に行くチャンスがなかったので、今回が花組生の貴美をはじめて生で観ることになる。
楽しみなのに沈むこの気持ち。
まさかこんな気持ちになるなんて思わなかった。
仕事なんだからといつも思ってきた。
自分だって真彩ちゃんとキスシーンとかしてるくせにキスシーン見たくないとか矛盾してる。
貴美はどうなんだろう。割り切れてるのかな。
しかも、最近よく番組とかで二人の仲睦まじい姿を見かけて。
やっぱりあのキラキラした目を他の人に向けてるのは面白くなく思ってしまう。
「貴美の私だけにが楽しみです。今話題になってるらしいですよ」
複雑な気持ちを抱えている私とは裏腹に、二人は公演パンフレットをめくりながらわいわいしてる。
私もその噂は聞いた。歴代一番の呼び声高いって。
薄化粧でも可愛い。でもこのお化粧バッチリバージョンもめっちゃいいよね。
と二人はきゃっきゃと盛り上がる一方だ。
「望海さん聞いてます?」
「え?うん聞いてる聞いてる」
「貴美に内緒なの忘れてないですよね?」
「大丈夫大丈夫」
そう、観に行くのは内緒で終演後楽屋に行ってびっくりさせようとしているみたい。
だから今回は関係者席じゃなくて後ろのはじの方から観る予定。
心ここにあらずなのがバレてしまった。
誤魔化すけど自分が1番わかってる。
頑張ってる姿を本当は観たいのに観たくない。
***************************
公演当日
千秋楽頑張ってとLINEすればしばらくして可愛いスタンプと頑張りますと返事が来た。
エリザベートが東京公演に続くため、東京に行ってしまう貴美とはしばらく会えなくなるから今日の公演後の約束を取り付けてある。
夕方まで収録があると言ってあるから私がまさか見に行くなんて思ってもないだろう。
エリザベートの登場シーンには可憐さに息をのんだ
本当に子供のような可愛さ。
声や仕草でエリザベートが大人になって成長をしていく姿をみて表現力の高さを改めて感じた。
人気も出るはずだ。幕間でも貴美を絶賛する声がどこそこで聞こえてきてなんだか嬉しい気持ち
やー。みり貴美やっぱりいいよねー。こないだ収録で二人で歩いてるの見たんだけどカメラ回ってない時もずっと二人でなんかしてるの。本当の夫婦感漂っててめっちゃ素敵だったー
やだやばいー。ほんとでもいい。二人なら応援するー
。貴美ちゃんがみりおさんを好き好き感がいいよね。みりおもかわしながらも満更でもありませんって感じが
こういう話ってわかってても予期せずして入ってくるんだよね。そりゃトップコンビの仲の良さも込みでの人気だと思うけどなんだかおもしろくない気持ちになる。
仕事スイッチが入ってるとなんて事ないのに。
スタンディングオベーションの中、さゆみちゃんがあいさつをする
「本日はご観劇いただきましてありがとうございます。本日宝塚大劇場千秋楽でございます。みなさま本当にありがとうございます。こうして千秋楽を迎えることができ、感謝の気持ちがいっぱいです。皆さまの支えがあってこそでございます。新演出版という事で大分今までとは変わりましたがいかがでしたでしょうか。」
会場は盛大な拍手に包まれる。
「ありがとうございます。この作品は私にとっても大変思い入れのある作品でございます。皆まさにトートとしてまたお会いできたこと本当に嬉しく思っております。これからも東京公演に向けてさらなる進化を遂げてまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。では、貴美ちゃんからも一言お願いします。」
いきなり振られた事にあわあわしてる。
いつもなら娘役さんが挨拶する事ないからね。
いえ、私は・・・とか言ってるけどさゆみちゃんの貴美。の一言で観念したように一歩前に出れば拍手に包まれる。
「えっと。まさか私が皆様にご挨拶させていただけるなんて思ってもおりませんでしたので上手くお伝えできるか分かりませんが、皆様本日はお越しいただき誠にありがとうございました。
こうして宝塚大劇場千秋楽を迎えることができました事、心より御礼申し上げます。素敵な明日海さんトート閣下に黄泉の国へ連れ去られないように闘うのに必死。そんな日々でした。
これから東京公演へ続いてまいりますが、皆様にまたお会いできます事心より願っております。本日はありがとうございました。」
会場内は割れんばかりの拍手に包まれた。
「さて・・・今日はフランスからこの黄泉の国に迷い込んだ奴らがいるようだ。なあ、クリスティーヌ、ジェラルド、そして・・・ああ、ルキーニも見えるな。」
さゆみちゃんの言葉の後にスポットライトが私達を照らす。
えっ。うそっ、まさかばれちゃうなんて・・・
「私にはなんでもお見通しなのだよ」
さゆみちゃんの言葉に私たちに気付き目を見開く貴美に諦めて手を振る
「ルキーニ。早くとりに来い」
手を差し出し私を誘う。
劇中セリフに感動の拍手がおこってるけど、それは貴美をという事だろうか。
あれよあれよと舞台に上げられてしまった私達。お疲れ様を込めて抱き締めあう。
割れんばかりの拍手が劇場に溢れる。
その様子を見た咲ちゃんがぼそっと
「死が愛したのはルキーニだったのか」
「いや、ルキーニはわたしの駒だ。私が愛したのはエリザベートただ1人」
トート閣下の声でそう言いながらニヤリと笑い腰に手を回し抱き寄せるさゆみトート。
きゃーと黄色い声援がおこる
「彼女は私を愛しそして私も彼女を愛した」
「わたくしはわたくしの心のままに生きますの」
トート閣下の手をぱしりと叩くから劇場が笑いに包まれる。
「じゃじゃ馬シシィには手を焼いている」
「まあ。」
見つめ合って微笑みあう2人にチクリと心が痛んだ。
会場みんなが笑っているのにきっと私はうまく笑えてただろうか。これは舞台なんだから分かってる、分かってるのに。
そんな心を読んでかさゆみちゃんが面白がってるのがわかる。
「ルキーニ悔しいか」
「ああ。悔しいさ。エリザベートを手に入れる為一番働いたのは他でもない俺なのに」
やられたらやりかえす。ルキーニの記憶を呼び起こして、私の気持ちを乗せて応える。
お客様が喜んでくれるならいいけど、その分私の心は・・・。
*******************
「なっちゃーんっ。会いたかったよー。」
「私もだよー‼︎」
楽屋にて抱きしめ合う二人を微笑ましく見るほどさっきの気持ちを引きずった私の心は晴れやかではない。
後ろでぼーっと立ってた私に振り返って
「あやちゃんっ。お仕事じゃなかったの?」
真彩ちゃんには会いたかったで、私にはそれ?
私には会わなくてもよかった?
そんな心にもない言葉が頭の中でぐるぐると巡るのをグッと抑えて絞り出す
「びっくりした?」
「うん。でもすっごく嬉しい。夜まで会えないと思ってたからあやちゃんにこんなに早く会えてほんとうれしい。来てくれてありがとう」
にこにこと笑う貴美に心が解れていく。
今私だけを見つめて私だけを求めてるんだと実感して嬉しくなる。自分がこんなに独占欲の塊だったとは。
ステージ上で会えて嬉しくてほんとは抱きつきたかったけど、やっぱりそういうのはだめだから頑張って我慢しただなんて言われたら抱きしめない訳にいかないよね。
「なんでそんな可愛い事いうの」
「え?」
「私だって貴美を抱きしめたかったよー。奪って逃げようかと思ったよー」
「あやちゃん苦しいよー」
こんな簡単に心が晴れるなんて・・・。
あーもう。咲ちゃん達に笑われてるけど構わない。
頬に手をあてて顔を近づけたら貴美に制される
「あやちゃんだめっ。」
「なんで」
「みんな見てる・・・」
咲ちゃんが後ろから真彩ちゃんの目を手で覆ってるけどその隙間からちらちら見てる真彩ちゃんと、そしていつの間にかさゆみトートが入口に仁王立ち
「私のエリザベートに手を出すとはいい度胸じゃないか」
「もう私のですー」
「じゃあ私はお前のクリスティーヌをいただこう。」
「はわっ。」
真彩ちゃんを抱き寄せたさゆみちゃんに私で我慢しろと貴美は制した。
「・・・自ら差し出してきたが・・・どうするだいもん?」
さゆみちゃんの顔は笑いをこらえきれないと言わんばかり
「貴美・・・。私を捨ててさゆみちゃんを取るの・・・」
「あっごめっ。そんなつもりじゃ。だってなっちゃん大好きだから黄泉へ連れ去られたら私無理。それにあやちゃんの大事な相手役さんだもん。取られたら困るでしょ?」
「私も貴美が1番大好き。だから貴美が幸せなのが私も幸せよ」
貴美を優しく抱きしめる真彩ちゃんだけど、
うん。それは私は二番ってことかな?相手役なのに同期に負ける私って・・・。
私は隙があれば狙ってまーす
えー。そこは私もとなるとこでは・・・
そんなん面白くないでしょー。人生奪ってなんぼ
たしかに・・・。
わたしの良さにそのうち気づくはず
咲ちゃん、納得しない。絶対だめ
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