バレンタイン
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「え?ないんですか?」
「ごめんね、今年作る時間がなくて」
嘘だって言ってほしい。
貴美さんからのチョコを期待していた私
朝から衝撃の一言にもう今日のお稽古を頑張れそうにもない。
私達の会話が聞こえていたらしい組子達も肩を落としている。
昨日お休みだったのに。
忙しかったのかな。
といっても私はお付き合いをしている訳でもないただの片想いなのでチョコが無いからと言ってだだをこねられるはずもない。
「仕方ないです。また来年期待してます。それよりなんだか今日は一段とお洒落な髪形ですね」
「ありがとう、なんだか早くに目が覚めちゃって」
この、ほめた時にはにかんだような笑顔が好きで貴美さんの変化にいち早く気づきたくていつも観察している。
そんな事言ったら引かれるだろうか。
今日という日をせめても長く一緒に居たくて終わってから自主稽古の約束を取り付けてお稽古の準備に入る。
自分のシーンが終わって席に戻ろうとした時、稽古場の端の方で珠城さんと貴美さんが小さくなってこそこそ話しているのが目に入った。
気になって荷物を取るふりをしてこっそり後ろを通ってみる。
「貴美さん、作ったんですか?」
「うん。休憩中に渡そうかなって思ってる」
なにっ。も、もしかしてチョコの話ですか
誰かに作ったって事?
まさか本命になのかな
貴美さんに好きな人がいたってことだけでも結構ショック。
毎年貴美さんの手作りチョコを手にするためみんながどんなにアピールしているか分かっていないんだ。
盗み聞いていい事などない。この言葉に尽きる。
「貴美さんお昼行かないんですか」
「あ、うん。ちょっと寄るとこがあって」
お昼休憩、なんだかそわそわしてる貴美さんに声をかけた。
それって本命さんに渡しに行くって事ですよね。
気持ちは沈んだまま食堂へと歩き出した。
落ち込んでもご飯はちゃんと入るもので
食堂で他の組の子とかにチョコ貰ったりしたけど、その時もこんなやって今貴美さんは本命さんにチョコを渡してるんだろうなとか考えて心ここに在らずだった。
早めにお稽古場に戻ってストレッチとかしようかとも思ったが、何となくそんな気になれずぼーっと食堂で過ごしていた。
いけない、そろそろ戻らないと。
重い腰を上げてお稽古場へと戻る廊下へ出た。
貴美さんの幸せが一番だって分かってる。
でも貴美さんの幸せそうな顔を見て祝福出来るだろうか
「れいこちゃんっ」
呼ぶ声に振り返れば小走りでこちらに向かってくる貴美さん
「これ」
貴美さんの手の中の箱
え?それって。いや、落ち着け私。
そんなわけない。
「それは?」
「あのね、チョコレート」
言葉尻が小さくなっていく。
「作ってないって言ってませんでした?」
まさかだけど、私が落胆した様子を見かねて買ってきてくれたとか。
優しい貴美さんの事だからあり得なくもない
「れいこちゃんだけに作っちゃったから言えなかったの」
「え?私だけに?」
それって・・・。
期待しちゃってもいいんですか
「受け取ってくれる?」
「断る理由がありません。でもあなたの思いを聞きたいです」
「れいこちゃんが・・・すき」
「私も大好きですよ」
初めてお稽古や、舞台じゃなくて抱きしめた貴美さんは想像以上に小さくて。
私だけのものにしたくて。
出来ることなら今すぐこのまま連れ帰りたい。
「そうだ、今日の自主稽古はなしでお願いします」
「あ、うん分かった」
その表情、絶対意味分かってない。
「お稽古終わったら私と一緒に帰るってことですよ」
「え?」
「今日はバレンタインです。少しでも長く一緒に二人でいたいと思いませんか」
「・・・思う」
ああ、早くお稽古終わらないかな。
もうこれから過ごす夜の事しか考えられない。
今日は帰しませんよ。
先に言ったら警戒されそうだから言わないけど。
手の中のチョコレートに緩む頬を隠せないままお稽古場に戻るのだった。
皆さーん、私貴美さんからチョコもらいましたよー
ちょっ、れいこちゃんっ
まあ本命のみしか準備してないみたいなので諦めてくださいね
もっ、もう
「ごめんね、今年作る時間がなくて」
嘘だって言ってほしい。
貴美さんからのチョコを期待していた私
朝から衝撃の一言にもう今日のお稽古を頑張れそうにもない。
私達の会話が聞こえていたらしい組子達も肩を落としている。
昨日お休みだったのに。
忙しかったのかな。
といっても私はお付き合いをしている訳でもないただの片想いなのでチョコが無いからと言ってだだをこねられるはずもない。
「仕方ないです。また来年期待してます。それよりなんだか今日は一段とお洒落な髪形ですね」
「ありがとう、なんだか早くに目が覚めちゃって」
この、ほめた時にはにかんだような笑顔が好きで貴美さんの変化にいち早く気づきたくていつも観察している。
そんな事言ったら引かれるだろうか。
今日という日をせめても長く一緒に居たくて終わってから自主稽古の約束を取り付けてお稽古の準備に入る。
自分のシーンが終わって席に戻ろうとした時、稽古場の端の方で珠城さんと貴美さんが小さくなってこそこそ話しているのが目に入った。
気になって荷物を取るふりをしてこっそり後ろを通ってみる。
「貴美さん、作ったんですか?」
「うん。休憩中に渡そうかなって思ってる」
なにっ。も、もしかしてチョコの話ですか
誰かに作ったって事?
まさか本命になのかな
貴美さんに好きな人がいたってことだけでも結構ショック。
毎年貴美さんの手作りチョコを手にするためみんながどんなにアピールしているか分かっていないんだ。
盗み聞いていい事などない。この言葉に尽きる。
「貴美さんお昼行かないんですか」
「あ、うん。ちょっと寄るとこがあって」
お昼休憩、なんだかそわそわしてる貴美さんに声をかけた。
それって本命さんに渡しに行くって事ですよね。
気持ちは沈んだまま食堂へと歩き出した。
落ち込んでもご飯はちゃんと入るもので
食堂で他の組の子とかにチョコ貰ったりしたけど、その時もこんなやって今貴美さんは本命さんにチョコを渡してるんだろうなとか考えて心ここに在らずだった。
早めにお稽古場に戻ってストレッチとかしようかとも思ったが、何となくそんな気になれずぼーっと食堂で過ごしていた。
いけない、そろそろ戻らないと。
重い腰を上げてお稽古場へと戻る廊下へ出た。
貴美さんの幸せが一番だって分かってる。
でも貴美さんの幸せそうな顔を見て祝福出来るだろうか
「れいこちゃんっ」
呼ぶ声に振り返れば小走りでこちらに向かってくる貴美さん
「これ」
貴美さんの手の中の箱
え?それって。いや、落ち着け私。
そんなわけない。
「それは?」
「あのね、チョコレート」
言葉尻が小さくなっていく。
「作ってないって言ってませんでした?」
まさかだけど、私が落胆した様子を見かねて買ってきてくれたとか。
優しい貴美さんの事だからあり得なくもない
「れいこちゃんだけに作っちゃったから言えなかったの」
「え?私だけに?」
それって・・・。
期待しちゃってもいいんですか
「受け取ってくれる?」
「断る理由がありません。でもあなたの思いを聞きたいです」
「れいこちゃんが・・・すき」
「私も大好きですよ」
初めてお稽古や、舞台じゃなくて抱きしめた貴美さんは想像以上に小さくて。
私だけのものにしたくて。
出来ることなら今すぐこのまま連れ帰りたい。
「そうだ、今日の自主稽古はなしでお願いします」
「あ、うん分かった」
その表情、絶対意味分かってない。
「お稽古終わったら私と一緒に帰るってことですよ」
「え?」
「今日はバレンタインです。少しでも長く一緒に二人でいたいと思いませんか」
「・・・思う」
ああ、早くお稽古終わらないかな。
もうこれから過ごす夜の事しか考えられない。
今日は帰しませんよ。
先に言ったら警戒されそうだから言わないけど。
手の中のチョコレートに緩む頬を隠せないままお稽古場に戻るのだった。
皆さーん、私貴美さんからチョコもらいましたよー
ちょっ、れいこちゃんっ
まあ本命のみしか準備してないみたいなので諦めてくださいね
もっ、もう