Flower Récit
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今日は午前中のうちに絶対電話するって決めてて。
でも昨日の夜から考えが纏まらないまま迎えた朝。
結局朝にソファーで力尽きて目が覚めたらもう16時を回ってた。起きた時の絶望感。何してんの私
でも結局起きてからのぼーっとタイムは回避できなかったけど。ここからまた同じように考えてたら明日になっちゃう。
もう、こうなったら出たとこ勝負だ。と勢いに任せてシャワーを浴びて出かけれるよう準備をする。
いつも通りのお化粧もあの子に会うためと思えば何だかいつもより念入りに準備しちゃったり。
服を何着ていくかとかあーでもないこうでもないしてる間にも時間は無常に過ぎていく。
やっと納得のいく準備が完了したのは17時半を過ぎてからだった。
Lulululu
長い呼び出し音の後聞こえてきた貴美の声はいつもと違って。きっとこの電話に出るまで泣いてたんだろう。
「今、大丈夫?」
でも気付かないふりして話し続ければ、何かあったのかと言い出す。
他人行儀だなー何かないと電話しちゃだめなの?
結構仲良いつもりだし、何もなくても電話してもおかしくない仲だと思ってる。
でも今日は何もなくて電話した訳ではない。
一番に伝えたかった事を聞いて欲しくて。
「私ね、トップになる事が決まったの」
「そうなんですね!!おめでとうございます」
電話越しの声が少しだけ明るくなったのが分かるけど、ありがとうと言った後の会話が続かなくて少しの沈黙
貴美も言いたいことあるはずだから。
きっと言ってくれるはずだから言葉を待つ。
「私、花組に組替えがきまりました。」
意を決したようにしっかりとした言葉で彼女の口から聞く事ができた。
私がトップになる予定だと言われた時に他の組み替えの子の話にもなって聞いてしまってはいたが、やっぱり直接聞くと現実味を帯びて心が締め付けられるような気がする。
本当は貴美に雪組を支えて欲しいけど、貴美がもっと自分を自由に表現できるチャンスがあるなら応援したい。
「さゆみちゃんの相手役さんになるんだね」
「はい。ご存知でしたよね、きっと。私頑張ります」
「貴美なら大丈夫」
頑張りたい気持ちとプレッシャーと組を離れる寂しさや不安と色々気持ちが混じってるのが分かる。
私が組み替えした時もそうだったから。
ましてやトップ娘役で組み替えになるのはまだ若い彼女にはかなりのプレッシャーだろう
頑張ってる貴美に頑張ってって言葉をかけるのは違うから。貴美なら大丈夫、それがぴったりだと思った。
ぴーんぽーん
電話越しのインターホンの音
「あ。誰か来たみたい?」
宅配だろうから出なくても大丈夫とこのまま電話を続けようとしてくれるから慌てて確認するよう促して電話を切る。
話の途中なのを気にしてか、名残惜しそうにするからこっちも罪悪感に駆られたけど出てもらわなきゃ困るのよ
耳元の携帯から聞こえるぴっと言う終話音の後に、今度はインターホン越しに貴美の声が聞こえてくる。
そう、これは完全に押しかけなんだけどどうしても直接話したくて。
回りくどいこの方法を昨日の夜中ずっと考えてたのだ。
モニター付きだから顔でバレたら意味ないので服しか見えない位かなり近寄って声を低めに話す
「宅配便を届けにまいりました。差出人は・・・望海風斗様と記載がございます」
「えっ?わっ分かりました。少々お待ちください」
入り口のオートロックが解除され無事潜入成功したけど、これ普通なら危険なやつだよ。
後でちゃんと注意しなきゃなんて自分は騙して入るようなことしておいて、自分の行動との矛盾を抱えながら貴美の部屋の前までいく。
一呼吸してインターホンを押す。
「はいっ」
がちゃっとドアが開いた瞬間ドアに掛けられた手を引き寄せて貴美を抱きしめる。
突然の事にびっくりした貴美は腕から逃れようともがいてる
「あまりに無防備じゃない?」
「えっ。うそ。」
声で私だと分かったらしい貴美は腕の中で固まっている。
抱きしめる腕を緩めて、顔を覗き込む
「そんな簡単に開けたら危ないでしょー」
「のっ望海さんっ・・・」
「会いに来ちゃった」
貴美の泣き腫らしたであろう真っ赤な目が見開かれて揺れる。
まだ信じられないらしい貴美は自分のほっぺたをつねってる。夢じゃないよ、現実だよ。
「本物ですか」
「本物だよー笑。中々会えなくなっちゃうなんて寂しくて会いに来ましたー」
笑いながら言えば、これからもたまには会いたいとまた涙で潤み始めた瞳で見つめられる。
たまにでいいの?私はたまにじゃ足りないよ。
危うく玄関先で想いが溢れそうになった瞬間、取り敢えず中に入るよう促されてお邪魔する
マンションの前まで送った事とかあるけど、そう言えば中に入った事とか無かったな。
お邪魔しまーすと一応小さな声で挨拶して靴を脱ぐ
「どうぞよければおかけになって下さい」
すすめられたソファーに腰掛けると貴美はいそいそとキッチンに消えていった。
「良かったらどうぞ」
テーブルに置かれた紅茶のいい香りが鼻をくすぐる。貴美はテーブルの横にぺたんとラグの上に座って、また何かあったのかと問いかけてきた。
「だから‼︎会いたかったから会いにきたんだってば」
なんか無いと会えないの?何にもなくてもただ会いたいと思ったら会いに行く、そんな関係になりたいの。
「そういえば、聞いて良いのか分からないですけど相手役さんはどなたなんですか?」
聞かれるって事はまだ真彩ちゃん言って無いって事だよね。
私なら同期には直接自分で言いたいしな。
しかも真彩ちゃんと仲良しだし尚更私から言うべきでは無い気がする。
「相手役は楽しみにしててほしい」
公式発表まで言えないと取ったのか申し訳なさそうに謝られるからそうじゃないと言いかけた時に貴美の携帯がけたたましく鳴って慌ててキッチンに置かれた携帯を取りに行く。
そうじゃないって言ってじゃあ理由をどう言うのって自分の心の中で苦笑いした。
「出て大丈夫だよ。」
「同期です。後でかけ直すので大丈夫です。」
「出ていいよ?」
もしかしたら真彩ちゃんかなと思った。
でもその名前を口に出してしまえばきっと勘がが良い貴美は気づいてしまうかもしれないから黙っていよう。
少しだけすみません、と通話ボタンを押しながら寝室の方に消えていく姿を見送って私は紅茶を口にして気持ちを落ち着ける。
戻ってきたらちゃんと言わなくちゃ
戻ってきた貴美は何とも複雑そうな表情だった。
後ろ手で扉を閉める貴美と目が合う
「なっちゃんなんですね」
「うん」
「だから教えてくださらなかったんですね」
「直接言いたいだろうと思って、真彩ちゃんが」
「なっちゃんから直接聞けて良かったです」
相手が真彩ちゃんなら余計に雪組生として側で私たちを見ていたい気持ちもあるんだと小さい声で言った後、深呼吸して私達に負けないようにさゆみちゃんを支えていくと私をまっすぐに見つめる貴美の目にはもう迷いが無さそうだった。
私ももう迷わない。例えダメだったとしても
「貴美はさ、好きな人いるの?」
急に話題が変わりすぎて、何を言い出すんだと言わんばかりに目がまんまる
「私、貴美の事好きなの。もし好きな人とか居なかったらさ、私の事見てもらえないかなって。」
今日1番伝えたかった事はこれ。
でももっと付き合ってくださいとかはっきり言いたかったのに、いざとなると弱腰になってしまう。
一方の貴美は更にびっくりしたみたいでぱちぱちと瞬きをして少し考えて口を開いた
「好きな人・・・います。」
「そうなんだっ。ごめん」
あっさり玉砕。見て欲しいとか言っちゃったけど、先に答え聞いてから言うべきだったのに。
ああ、泣きそう。貴美とは離れ離れだし、見守ることも許されない。
でもその好きな人と結ばれるのを側で見るのもつらいかもしれない。
「雪組の子?」
私のばか、聞いてどうする。
でもこの暗くなった空気を断ち切るには何か話すしかない。
「貴美が幸せになる為なら全力で応援するよ」
応援なんて出来るわけない。分かってるのに。
でも幸せであってほしいと思うのは本当だから。
「はい、雪組の望海さんが好きです」
そんな照れたような可愛い笑顔で言われたらその人に勝てっこないよ。・・・って私?
「離れてもずっと好き。だからずっとそばにいて」
「はい」
抱きしめた体は暖かくて心の真ん中まで満たされた。
なにー?だいもんうまくいったの?
うん。だから貴美に手出さないでね
んーそれは保証できないねー。なーんてね、でも嫉妬しないでよ
・・・それは保証できない
でも昨日の夜から考えが纏まらないまま迎えた朝。
結局朝にソファーで力尽きて目が覚めたらもう16時を回ってた。起きた時の絶望感。何してんの私
でも結局起きてからのぼーっとタイムは回避できなかったけど。ここからまた同じように考えてたら明日になっちゃう。
もう、こうなったら出たとこ勝負だ。と勢いに任せてシャワーを浴びて出かけれるよう準備をする。
いつも通りのお化粧もあの子に会うためと思えば何だかいつもより念入りに準備しちゃったり。
服を何着ていくかとかあーでもないこうでもないしてる間にも時間は無常に過ぎていく。
やっと納得のいく準備が完了したのは17時半を過ぎてからだった。
Lulululu
長い呼び出し音の後聞こえてきた貴美の声はいつもと違って。きっとこの電話に出るまで泣いてたんだろう。
「今、大丈夫?」
でも気付かないふりして話し続ければ、何かあったのかと言い出す。
他人行儀だなー何かないと電話しちゃだめなの?
結構仲良いつもりだし、何もなくても電話してもおかしくない仲だと思ってる。
でも今日は何もなくて電話した訳ではない。
一番に伝えたかった事を聞いて欲しくて。
「私ね、トップになる事が決まったの」
「そうなんですね!!おめでとうございます」
電話越しの声が少しだけ明るくなったのが分かるけど、ありがとうと言った後の会話が続かなくて少しの沈黙
貴美も言いたいことあるはずだから。
きっと言ってくれるはずだから言葉を待つ。
「私、花組に組替えがきまりました。」
意を決したようにしっかりとした言葉で彼女の口から聞く事ができた。
私がトップになる予定だと言われた時に他の組み替えの子の話にもなって聞いてしまってはいたが、やっぱり直接聞くと現実味を帯びて心が締め付けられるような気がする。
本当は貴美に雪組を支えて欲しいけど、貴美がもっと自分を自由に表現できるチャンスがあるなら応援したい。
「さゆみちゃんの相手役さんになるんだね」
「はい。ご存知でしたよね、きっと。私頑張ります」
「貴美なら大丈夫」
頑張りたい気持ちとプレッシャーと組を離れる寂しさや不安と色々気持ちが混じってるのが分かる。
私が組み替えした時もそうだったから。
ましてやトップ娘役で組み替えになるのはまだ若い彼女にはかなりのプレッシャーだろう
頑張ってる貴美に頑張ってって言葉をかけるのは違うから。貴美なら大丈夫、それがぴったりだと思った。
ぴーんぽーん
電話越しのインターホンの音
「あ。誰か来たみたい?」
宅配だろうから出なくても大丈夫とこのまま電話を続けようとしてくれるから慌てて確認するよう促して電話を切る。
話の途中なのを気にしてか、名残惜しそうにするからこっちも罪悪感に駆られたけど出てもらわなきゃ困るのよ
耳元の携帯から聞こえるぴっと言う終話音の後に、今度はインターホン越しに貴美の声が聞こえてくる。
そう、これは完全に押しかけなんだけどどうしても直接話したくて。
回りくどいこの方法を昨日の夜中ずっと考えてたのだ。
モニター付きだから顔でバレたら意味ないので服しか見えない位かなり近寄って声を低めに話す
「宅配便を届けにまいりました。差出人は・・・望海風斗様と記載がございます」
「えっ?わっ分かりました。少々お待ちください」
入り口のオートロックが解除され無事潜入成功したけど、これ普通なら危険なやつだよ。
後でちゃんと注意しなきゃなんて自分は騙して入るようなことしておいて、自分の行動との矛盾を抱えながら貴美の部屋の前までいく。
一呼吸してインターホンを押す。
「はいっ」
がちゃっとドアが開いた瞬間ドアに掛けられた手を引き寄せて貴美を抱きしめる。
突然の事にびっくりした貴美は腕から逃れようともがいてる
「あまりに無防備じゃない?」
「えっ。うそ。」
声で私だと分かったらしい貴美は腕の中で固まっている。
抱きしめる腕を緩めて、顔を覗き込む
「そんな簡単に開けたら危ないでしょー」
「のっ望海さんっ・・・」
「会いに来ちゃった」
貴美の泣き腫らしたであろう真っ赤な目が見開かれて揺れる。
まだ信じられないらしい貴美は自分のほっぺたをつねってる。夢じゃないよ、現実だよ。
「本物ですか」
「本物だよー笑。中々会えなくなっちゃうなんて寂しくて会いに来ましたー」
笑いながら言えば、これからもたまには会いたいとまた涙で潤み始めた瞳で見つめられる。
たまにでいいの?私はたまにじゃ足りないよ。
危うく玄関先で想いが溢れそうになった瞬間、取り敢えず中に入るよう促されてお邪魔する
マンションの前まで送った事とかあるけど、そう言えば中に入った事とか無かったな。
お邪魔しまーすと一応小さな声で挨拶して靴を脱ぐ
「どうぞよければおかけになって下さい」
すすめられたソファーに腰掛けると貴美はいそいそとキッチンに消えていった。
「良かったらどうぞ」
テーブルに置かれた紅茶のいい香りが鼻をくすぐる。貴美はテーブルの横にぺたんとラグの上に座って、また何かあったのかと問いかけてきた。
「だから‼︎会いたかったから会いにきたんだってば」
なんか無いと会えないの?何にもなくてもただ会いたいと思ったら会いに行く、そんな関係になりたいの。
「そういえば、聞いて良いのか分からないですけど相手役さんはどなたなんですか?」
聞かれるって事はまだ真彩ちゃん言って無いって事だよね。
私なら同期には直接自分で言いたいしな。
しかも真彩ちゃんと仲良しだし尚更私から言うべきでは無い気がする。
「相手役は楽しみにしててほしい」
公式発表まで言えないと取ったのか申し訳なさそうに謝られるからそうじゃないと言いかけた時に貴美の携帯がけたたましく鳴って慌ててキッチンに置かれた携帯を取りに行く。
そうじゃないって言ってじゃあ理由をどう言うのって自分の心の中で苦笑いした。
「出て大丈夫だよ。」
「同期です。後でかけ直すので大丈夫です。」
「出ていいよ?」
もしかしたら真彩ちゃんかなと思った。
でもその名前を口に出してしまえばきっと勘がが良い貴美は気づいてしまうかもしれないから黙っていよう。
少しだけすみません、と通話ボタンを押しながら寝室の方に消えていく姿を見送って私は紅茶を口にして気持ちを落ち着ける。
戻ってきたらちゃんと言わなくちゃ
戻ってきた貴美は何とも複雑そうな表情だった。
後ろ手で扉を閉める貴美と目が合う
「なっちゃんなんですね」
「うん」
「だから教えてくださらなかったんですね」
「直接言いたいだろうと思って、真彩ちゃんが」
「なっちゃんから直接聞けて良かったです」
相手が真彩ちゃんなら余計に雪組生として側で私たちを見ていたい気持ちもあるんだと小さい声で言った後、深呼吸して私達に負けないようにさゆみちゃんを支えていくと私をまっすぐに見つめる貴美の目にはもう迷いが無さそうだった。
私ももう迷わない。例えダメだったとしても
「貴美はさ、好きな人いるの?」
急に話題が変わりすぎて、何を言い出すんだと言わんばかりに目がまんまる
「私、貴美の事好きなの。もし好きな人とか居なかったらさ、私の事見てもらえないかなって。」
今日1番伝えたかった事はこれ。
でももっと付き合ってくださいとかはっきり言いたかったのに、いざとなると弱腰になってしまう。
一方の貴美は更にびっくりしたみたいでぱちぱちと瞬きをして少し考えて口を開いた
「好きな人・・・います。」
「そうなんだっ。ごめん」
あっさり玉砕。見て欲しいとか言っちゃったけど、先に答え聞いてから言うべきだったのに。
ああ、泣きそう。貴美とは離れ離れだし、見守ることも許されない。
でもその好きな人と結ばれるのを側で見るのもつらいかもしれない。
「雪組の子?」
私のばか、聞いてどうする。
でもこの暗くなった空気を断ち切るには何か話すしかない。
「貴美が幸せになる為なら全力で応援するよ」
応援なんて出来るわけない。分かってるのに。
でも幸せであってほしいと思うのは本当だから。
「はい、雪組の望海さんが好きです」
そんな照れたような可愛い笑顔で言われたらその人に勝てっこないよ。・・・って私?
「離れてもずっと好き。だからずっとそばにいて」
「はい」
抱きしめた体は暖かくて心の真ん中まで満たされた。
なにー?だいもんうまくいったの?
うん。だから貴美に手出さないでね
んーそれは保証できないねー。なーんてね、でも嫉妬しないでよ
・・・それは保証できない
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