K.TUKISHIRO
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「れいこさん、お誕生日に欲しいものとかって」
「貴美さん」
「えっと」
「貴美さん」
今年はれいこさんの欲しいものをプレゼントにしようと思ってお稽古の休憩中に台本を読んでるれいこさんの所へリクエストを聞きに行ったらまさかの物じゃないものをご所望のようで。
冗談かなと思ったけど割と真面目な眼差しをしてらっしゃるので本気のようです。
「楽しみにしてる」
ぱたんと台本をたたみ微笑んで立ちあがったれいこさんは、そのままお稽古場を出ていってしまった。
え、リクエスト遂行への圧がすごい。
「あの、れいこさん」
私の小さな声など届くはずもなく。
え、どうしよう。貴美さんに来てもらうしかないけど。
でも退団なさってお仕事が忙しく中々お会いする事さえ叶わないお方。
さてどうしたものか。
小さなため息と共にポケットからスマホを取り出した。
12月30日のお稽古が今年の最後の日になるのでお稽古後にれいこさんのお誕生日会。
「おめでとうございまーす!」
「ありがとう。わー、美味しそう」
でっかいケーキを準備してみんなでお祝い。
ハッピーバースデーソングも歌って。
蝋燭を吹き消した後ケーキを写真に収めていらっしゃる間にプレゼントを用意する。
「れいこさん、すみません。貴美さんは仕事の予定的に来ていただけなくて・・・」
「そっか」
「代わりにこれをお預かりしてきましたっ」
明らかに落胆なさっているれいこさんを励ますべく貴美さんにおめでとうメッセージを書いてもらった四つ切りサイズの写真を差し出す。
「これは」
「世に出てないらしいですよ」
「来年のカレンダーのオフショットじゃん。嘘でしょ」
そうなの?
とっても感動して下さってるけどさすがれいこさん。
抜かりなく貴美さん情報チェックされてるんだな。
在団中から貴美さんの事大好きでいらっしゃったし。
あまり娘役さんに好き好きな感じを表に出したりしないれいこさんがメロメロになりその愛を爆発させたとさえ言われている。
私を通さなくても直接言えばもらえたレベルだと思う。
「ありがとう!」
「喜んでいただけて良かったです」
「でもさ」
「はい」
「風間は会ったって事でしょ?」
「え?ええ」
写真を見つめながらふーんという言葉がぴったりな程何かいいたげ。
「いいなぁ」
「まっ、また今度会えますよ」
「うん」
「フォトフレームも用意しましたので飾ってください」
れいこさんはもう写真に夢中で全然聞いてない。
ほっぺたゆるんじゃってますよ。
「ではそろそろ一枚写真を」
スタッフさんがカメラを構えてくれてみんなれいこさんを囲んで座る。
「はいちーず」
「なんで風間が言うの」
普通とる人が言うよね、とくるっと後ろに立っている私を振り返り笑うれいこさん。
「え?こういうのもありかなって思って」
「いいけどさー」
「じゃあ気を取り直して、はいちーず」
数枚撮ってもらってれいこさんにスタッフさんの所へ写真を確認してもらうよう促す。
何で私がやらないのか不服そうなれいこさんの後ろからそろそろと着いていく。
差し出されたカメラの画面を覗きこんだれいこさんは固まっていた。
「え?」
「どうかしました?」
カメラから顔を上げて並んでいる組子達の方をぐるっと見回す。
「わあっ。え?」
「れいこちゃんお誕生日おめでとう」
「え?」
「え?なに、どうしたの」
「いや、ありえないものが見える」
「なによ、人をおばけみたいに」
ぴょこぴょこと飛び跳ねてれいこさんに手を振る人。
貴美さんとサプライズ登場を仕掛けていたのだ。
聡いれいこさんが気づいてしまわないかひやひやだったけど。
さっきれいこさんが振り返った瞬間も貴美さんはぱっとしゃがんで隠れてくれ、はるかが前に立ってくれたからバレずに済んだ。
「夢?」
「夢じゃないよ」
「だってつねっても痛くない」
「つねってるの私の頬ですからね」
それはそうでしょうよ。
横に立っていた私の頬に伸びてきたその手は思いっきり私を抓った。そういう時は自分の頬をつねってください。
「お仕事終わらせてきたよー」
「え、嬉しすぎる。どうしよう」
「さ、行こうか」
「行くってどこへ?」
「私ん家」
れいこさんの前まで小走りでやってきて手を取った貴美さんの発言に目をまんまるにして完全に固まってしまった。
「私今日下着どんなのだったかな」
ぼそっとつぶやいたれいこさん。
いや、飛躍しすぎでは。
「ご飯とご希望のプレゼント用意しといたよ」
「それって」
「私が欲しいんでしょう?」
ふふっと可愛く笑った貴美さんを見つめて数秒固まった後思いっきり抱きしめるれいこさん。
「くれるんですか」
「あげてもいいよ」
「えー!もうどうしよう好き」
「ふふふっ」
お稽古場は黄色い歓声で包まれて、もう誕生日会どころじゃなさそうなれいこさん。
というかここがお稽古場なの完全に忘れてらっしゃいそうな。
「じゃじゃーん」
「え、アクスタ・・・?」
「はい。私をあげましょう」
「アクスタ・・・」
「ほら若い子には刺激的過ぎでしょ?だから」
貴美さんがこそっと言ったのが聞こえてしまった。
なんて大人な世界なんだ。
「ありがとうございます。いただきます」
「はーい」
言わんとする事を悟ったらしく、きらっきらの笑顔で両手でアクスタを握りしめる我らがトップスター。
「あの、手、繋いでもいいですか」
「いいよ」
「わあ、小さい。ではみんな良いお年を」
「よ、良いお年をー」
颯爽とお稽古場を出ていく後ろ姿を見送った。
あれ、このまま貴美さん家で年越しちゃうやつだな。
誕生日を迎える瞬間一緒にいれるってことですよね
1番にお祝い言ってもいい?さっき一回言っちゃったけど
もちろん。だって恋人としてはまだ言ってもらってませんから
「貴美さん」
「えっと」
「貴美さん」
今年はれいこさんの欲しいものをプレゼントにしようと思ってお稽古の休憩中に台本を読んでるれいこさんの所へリクエストを聞きに行ったらまさかの物じゃないものをご所望のようで。
冗談かなと思ったけど割と真面目な眼差しをしてらっしゃるので本気のようです。
「楽しみにしてる」
ぱたんと台本をたたみ微笑んで立ちあがったれいこさんは、そのままお稽古場を出ていってしまった。
え、リクエスト遂行への圧がすごい。
「あの、れいこさん」
私の小さな声など届くはずもなく。
え、どうしよう。貴美さんに来てもらうしかないけど。
でも退団なさってお仕事が忙しく中々お会いする事さえ叶わないお方。
さてどうしたものか。
小さなため息と共にポケットからスマホを取り出した。
12月30日のお稽古が今年の最後の日になるのでお稽古後にれいこさんのお誕生日会。
「おめでとうございまーす!」
「ありがとう。わー、美味しそう」
でっかいケーキを準備してみんなでお祝い。
ハッピーバースデーソングも歌って。
蝋燭を吹き消した後ケーキを写真に収めていらっしゃる間にプレゼントを用意する。
「れいこさん、すみません。貴美さんは仕事の予定的に来ていただけなくて・・・」
「そっか」
「代わりにこれをお預かりしてきましたっ」
明らかに落胆なさっているれいこさんを励ますべく貴美さんにおめでとうメッセージを書いてもらった四つ切りサイズの写真を差し出す。
「これは」
「世に出てないらしいですよ」
「来年のカレンダーのオフショットじゃん。嘘でしょ」
そうなの?
とっても感動して下さってるけどさすがれいこさん。
抜かりなく貴美さん情報チェックされてるんだな。
在団中から貴美さんの事大好きでいらっしゃったし。
あまり娘役さんに好き好きな感じを表に出したりしないれいこさんがメロメロになりその愛を爆発させたとさえ言われている。
私を通さなくても直接言えばもらえたレベルだと思う。
「ありがとう!」
「喜んでいただけて良かったです」
「でもさ」
「はい」
「風間は会ったって事でしょ?」
「え?ええ」
写真を見つめながらふーんという言葉がぴったりな程何かいいたげ。
「いいなぁ」
「まっ、また今度会えますよ」
「うん」
「フォトフレームも用意しましたので飾ってください」
れいこさんはもう写真に夢中で全然聞いてない。
ほっぺたゆるんじゃってますよ。
「ではそろそろ一枚写真を」
スタッフさんがカメラを構えてくれてみんなれいこさんを囲んで座る。
「はいちーず」
「なんで風間が言うの」
普通とる人が言うよね、とくるっと後ろに立っている私を振り返り笑うれいこさん。
「え?こういうのもありかなって思って」
「いいけどさー」
「じゃあ気を取り直して、はいちーず」
数枚撮ってもらってれいこさんにスタッフさんの所へ写真を確認してもらうよう促す。
何で私がやらないのか不服そうなれいこさんの後ろからそろそろと着いていく。
差し出されたカメラの画面を覗きこんだれいこさんは固まっていた。
「え?」
「どうかしました?」
カメラから顔を上げて並んでいる組子達の方をぐるっと見回す。
「わあっ。え?」
「れいこちゃんお誕生日おめでとう」
「え?」
「え?なに、どうしたの」
「いや、ありえないものが見える」
「なによ、人をおばけみたいに」
ぴょこぴょこと飛び跳ねてれいこさんに手を振る人。
貴美さんとサプライズ登場を仕掛けていたのだ。
聡いれいこさんが気づいてしまわないかひやひやだったけど。
さっきれいこさんが振り返った瞬間も貴美さんはぱっとしゃがんで隠れてくれ、はるかが前に立ってくれたからバレずに済んだ。
「夢?」
「夢じゃないよ」
「だってつねっても痛くない」
「つねってるの私の頬ですからね」
それはそうでしょうよ。
横に立っていた私の頬に伸びてきたその手は思いっきり私を抓った。そういう時は自分の頬をつねってください。
「お仕事終わらせてきたよー」
「え、嬉しすぎる。どうしよう」
「さ、行こうか」
「行くってどこへ?」
「私ん家」
れいこさんの前まで小走りでやってきて手を取った貴美さんの発言に目をまんまるにして完全に固まってしまった。
「私今日下着どんなのだったかな」
ぼそっとつぶやいたれいこさん。
いや、飛躍しすぎでは。
「ご飯とご希望のプレゼント用意しといたよ」
「それって」
「私が欲しいんでしょう?」
ふふっと可愛く笑った貴美さんを見つめて数秒固まった後思いっきり抱きしめるれいこさん。
「くれるんですか」
「あげてもいいよ」
「えー!もうどうしよう好き」
「ふふふっ」
お稽古場は黄色い歓声で包まれて、もう誕生日会どころじゃなさそうなれいこさん。
というかここがお稽古場なの完全に忘れてらっしゃいそうな。
「じゃじゃーん」
「え、アクスタ・・・?」
「はい。私をあげましょう」
「アクスタ・・・」
「ほら若い子には刺激的過ぎでしょ?だから」
貴美さんがこそっと言ったのが聞こえてしまった。
なんて大人な世界なんだ。
「ありがとうございます。いただきます」
「はーい」
言わんとする事を悟ったらしく、きらっきらの笑顔で両手でアクスタを握りしめる我らがトップスター。
「あの、手、繋いでもいいですか」
「いいよ」
「わあ、小さい。ではみんな良いお年を」
「よ、良いお年をー」
颯爽とお稽古場を出ていく後ろ姿を見送った。
あれ、このまま貴美さん家で年越しちゃうやつだな。
誕生日を迎える瞬間一緒にいれるってことですよね
1番にお祝い言ってもいい?さっき一回言っちゃったけど
もちろん。だって恋人としてはまだ言ってもらってませんから