K.TUKISHIRO
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ー貴美ちゃんの大阪の仕事に合わせて組まれた私のパーソナル本の撮影。
外部から女優さんの参加は珍しくさらに相手が貴美ちゃんだからみんな力が入ってる。
あれから私たちは東京にいる間に何度かお茶したり、ドライブに出かけたりかなりの速度で距離を縮めれたと思う。
縮めに行ったという言葉のほうがぴったりかもしれない。
休演日の度にいそいそと出かけていく私をみんなは温かい目で見守ってくれた。
大事なお休みを私との時間に費やしてくれるなんて本当にありがたい。
仕事で一緒となるとやはり話はまた別で。
かなり緊張してるんだけど。
大好きな人との撮影、しかも色々ラブラブシチュエーションで撮るんだから私の心臓が持つかとか月城かなとでいられるかとか考えてはくはくしている。
これ見よがしにカップルショットを選んだ私のせいだけど。
いざ始まればスタジオ撮影は概ね順調で
向かい合って座って私が貴美ちゃんの頬に手を当て親指だけ唇に当ててそのまま見つめあう。
どんどんと入るリクエストに応えてポーズを取っているのだが
カメラのシャッター音と共に後ろから黄色い声が聞こえる。
貴美ちゃんは後ろ向きで、私がカメラ目線で貴美ちゃんの後頭部に手を当ててキスしてるようなショット
見せつけて牽制してやろう。
彼女は私とお似合いだと認めさせたい。
このまま本当にしてしまおうか。
今なら奪えるその唇
「その鋭い目かなりいいです。貴美さん側からも撮りますね。貴美さんは目をつぶったままで大丈夫です。」
カメラマンさんが貴美ちゃん側に廻ってやっと一息ついた
貴美ちゃんに視線だけ向ければ、微動だにしない。息してる?
「大丈夫?」
「なんか近くて緊張しちゃって」
「そう?」
そう。そうやってもっと私を意識して。
頭の中が私でいっぱいになればいい。
「そうですよね、れいこさんは慣れてらっしゃるもの。」
目をつぶって。
その指示は忠実に守ったまま小声で呟く。
そんな訳ない。他の子じゃどきどきしないだけ。
今、私だってどきどきしてるし、その唇奪ってしまおうかとさえ考えているのに。
「このままキスしちゃう?」
「なっ!からかわないでくださいっ!」
ぱっと目を開いて真っ赤な顔して怒ってる貴美ちゃんが可愛すぎて笑っちゃう
貴美ちゃんだからこそ緊張するけど力こんな事言いながら撮影できてると思うから感謝しかない。
ああ、この撮影のデータ全て欲しい。
あとで頼んでみよう。
スタジオを出て外での撮影は、自然の中でナチュラルデートがテーマ
大きな公園の原っぱのど真ん中で2人で並んで立つ
私の薬指と小指に貴美ちゃんの人差し指を絡め振り返る
貴美ちゃんはぺったんこの靴なのですごく小さく見える
下から見上げられた感じが幼く見えて頬が緩んだ。
「何かすごく小さく見える」
「ですよねー。れいこさんがいつもより大きく見えます。」
「何かかわいい」
「えっ。恥ずかしいです・・・。」
頭に手を乗せれば、微笑む
風がそよいでこの撮影の為にわざわざ美容院に行ってくれたらしいそのサラサラの髪をさらっていく。
手触りの良い柔らかい髪。ずっと触ってたくなる
「だってれいこさんの大事な本の撮影ですもの」
くるりと回って見せてくれる。
ふわっとスカートがひるがえり
映画のワンシーンみたいにスローに見えた
「うん、可愛いよ」
「れいこさんの為ならいくらでも可愛くなりたいです」
満面の笑みでそんな事言われたらどきどきしちゃうけど、あんまり可愛くなってもらっても困る。
ライバルは少ない方がよいのだから。
そのまま歩いて移動した原っぱの大きな木の下でレジャーシートを敷いて横並びで座る。
二人の真ん中にはお弁当。
貴美ちゃんが本当に作ってきてくれたもので、お重サイズのお弁当箱には卵焼きや煮物が入ってる。
和食が好きな私の為に和風にしてくれたらしい。
「すっごく美味しい」
心配そうにのぞき込む貴美ちゃんににこりと微笑んで答えるけど顔をじっと見たまんま返事がない
「どうした?」
「いや、笑顔が綺麗だなと思って」
「なに、もー。恥ずかしいよ」
カメラマンさんからの指示で貴美ちゃんに膝枕をしてもらう。
仰向けに横になる私に貴美ちゃんは少し休んでもいいと言ってくれるけどこの瞬間を堪能していたいからそんな勿体ない事出来るわけない
「忙しくてお疲れだろうなと思って。髪触ってもいいですか?」
「ありがと。いいよ」
髪型が崩れないよう気を遣って触れてくれるのが分かる。
優しい手になんだかふわふわしてきた時、貴美ちゃんがふと小さい声で
「何か私の方が眠くなってきました」
「なにそれ。退屈ってこと?」
「まさか!なんか癒されるんです。たまにはこういうのいいなって」
「確かに。貴美ちゃんの手気持ちいい」
「ふふっ」
木にもたれかかって座って、手を繋ぐ。
カメラのレンズを変えている間、風の音だけが耳に心地よく流れる
肩に重みがかかったと思ったら貴美ちゃんが眠ってしまったらしく肩にもたれてた。
可愛いなあ。無防備とはこのことを言うんだろうな。
「このまま撮らせてもらってもいいですか?」
準備が終わったらしく貴美ちゃんを起こさないように私に声をかけられる
貴美ちゃんを見つめる目が素敵とほめてもらったけど、そりゃ愛おしいもの・・・。
自然にそんな目になっちゃうんです。
「んっ。あれっ」
「寝ちゃってたよ」
「なんてことをっ。昨日緊張して眠れなくて。すみません」
「可愛い顔見れたからいい」
「もうっ」
大劇場に場所を移して大人のデートシーンをイメージした撮影
ハイヒールに黒いタイトなロングドレス姿からはお昼と一緒の人なんて思えない。
スリットががっつり入っててかなりセクシーじゃない?
「変じゃないですかね・・・」
「全然!すごく素敵」
紅いルージュのせいか、にこりと微笑んだだけなのに妖艶さを醸し出す。
ギャップにやられるってこういうことなのかな。
きっとみんなこれ見たら卒倒だな
私のジャケットを貴美ちゃんの肩にかけて
細い腰に手を添えて階段をあがる
「少し振り返ってください」
貴美ちゃんは私の胸元に手を添えて少し私に頭を傾けて振り返る
色っぽいなー。こんな事されたら誰でも勘違いしちゃうだろうな・・・。
「最後に貴美さんの自然などきっとした表情が欲しいので月城さんちょっとお願いできますか」
「えー。難しいですね・・。頑張ってみますけど」
こっそりと与えられた指令。
待ち時間と称された、私の指令タイム
そっと後ろから抱きしめて、貴美ちゃんの耳元で囁く。
折角だから本当の気持ちを言ってみるのも悪くない。
引かれたとしても仕事だからでごまかせるしなんて臆病な私のずるい言い訳。
「ねえ、貴美。もう離したくない。このまま奪って逃げてもいいかな」
「えっ」
パシャパシャパシャ
カメラの音が盛大に響く
「最高にいい表情でした。さすが月城さん。女の子をときめかせる方法よくご存知ですね。なんておっしゃったんですか?」
「あ。そうか・・・。そうだよね」
小さく呟くように聞こえた声。
「二人だけの秘密です」
「気になりますー」
嬉しそうなカメラマンさんと裏腹に貴美ちゃんの本当の表情は見て取れない。さっき一瞬素の貴美ちゃんだったのにすっかり女優さんの顔してる。
最後のシーンの撮影に入るために着替えに向かう廊下では何となく気まずい気がしてしまう。
「貴美ちゃん、さっきのさ・・・」
「もー。ドキッとしたじゃないですかー。意地悪」
微笑む顔は女優の顔で私の入り込めない壁。
その壁を壊してみたい。
素の感情が、本当の感想が聞きたい。
「仕事じゃない。」
「へ?」
「本当の気持ち。」
それだけはどうしても言っておきたかったから、言うだけいって先を歩く
「れっ・・・れいこさん待って」
後ろから追いかけてくる貴美ちゃんの方を振り向く勇気はない。
言っちゃった。どうしよう
「待って」
腕を掴まれたと思ったら、ぐっとひっぱられ
時間が止まった。
「どうか今すぐ私を連れ去って」
背伸びした貴美ちゃんが耳元で言った言葉を理解するのには時間がかかった
「えっ」
「私の本当の気持ち言っておきたかったので。では、最後のお衣装に着替えてきます。」
いつもの笑顔で微笑んで、小走りで駆け出し私を置いて行ってしまう。
敵わないや。
貴美ちゃんの素直な言葉なんだと分かったら嬉しさで足取りも軽くなる。
もうだめ、大好きだ。
たとえあれが演技だったとしても構わないとさえ思う。
最後の撮影はチャペルでの撮影
白いドレス姿の貴美ちゃんは一段とまぶしくて。
オフショルダーのドレスで綺麗なデコルテにしみじみ見入ってしまう。
結婚式みたいなショット
「私とずっと一緒にいようね」
「はい」
「いいですよー。その感じ欲しかったんですー」
両手を出した、私の手の上に手を重ねた貴美ちゃんに小声で話しかけられる
「れいこさん」
「なあに?」
「本気にしてもいいんでしょうか・・・さっきの」
「逆に私信じていいのかな?さっきの言葉。もう戻れないけどいい?本当に連れ去っちゃうけど」
「はい。れいこさんだけのものになりたいです」
恥ずかしそうに見上げてそんな殺文句なんてずるい。
「じゃあ私だけのものにしちゃうよ?」
撮影用にと準備してたお揃いの指輪をポケットから出す。
「受取ってくれる?」
「はいっ」
真っ赤な顔をして頷く貴美ちゃんの左手を取り指輪をはめる。
「私もれいこさんにはめてもいいですか?」
「嬉しい」
少し震えた手を取って抱き寄せる。
「みんなに見せつけてもいい?」
そう言ってお姫様抱っこすれば、ぎゅっと抱きつかれた。
イエスだととるよ?
「さて、行こうか。ほらカメラ見て」
「恥ずかしい」
「今更?」
お姫様抱っこのまま、片手は私の首に
片手でブーケを投げる。
これは絶対に使って欲しい。
シャッター音と共に拍手が起こる。
「お疲れ様でした」
最後に特典用にメッセージを撮影する
「はい。今日はとても幸せな一日でした。素敵な月城かなとさんの新しい魅力の世界に参加させていただけて嬉しいです。皆様が楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。えっと・・・れいこさん大好きです。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。今日は大変充実した一日でした。貴美ちゃんのお陰で素敵な写真がたくさん撮れたと思います。一ファンから少し前進した気がします。貴美ちゃん本当にありがとうこれからもよろしくお願いします。大好きです」
ネットでは話題騒然となっていた。
公開告白
外部に嫁をつくるれいこさん。でも貴美ちゃんならいい
貴美ちゃんの笑顔が眩しすぎる。
外部から女優さんの参加は珍しくさらに相手が貴美ちゃんだからみんな力が入ってる。
あれから私たちは東京にいる間に何度かお茶したり、ドライブに出かけたりかなりの速度で距離を縮めれたと思う。
縮めに行ったという言葉のほうがぴったりかもしれない。
休演日の度にいそいそと出かけていく私をみんなは温かい目で見守ってくれた。
大事なお休みを私との時間に費やしてくれるなんて本当にありがたい。
仕事で一緒となるとやはり話はまた別で。
かなり緊張してるんだけど。
大好きな人との撮影、しかも色々ラブラブシチュエーションで撮るんだから私の心臓が持つかとか月城かなとでいられるかとか考えてはくはくしている。
これ見よがしにカップルショットを選んだ私のせいだけど。
いざ始まればスタジオ撮影は概ね順調で
向かい合って座って私が貴美ちゃんの頬に手を当て親指だけ唇に当ててそのまま見つめあう。
どんどんと入るリクエストに応えてポーズを取っているのだが
カメラのシャッター音と共に後ろから黄色い声が聞こえる。
貴美ちゃんは後ろ向きで、私がカメラ目線で貴美ちゃんの後頭部に手を当ててキスしてるようなショット
見せつけて牽制してやろう。
彼女は私とお似合いだと認めさせたい。
このまま本当にしてしまおうか。
今なら奪えるその唇
「その鋭い目かなりいいです。貴美さん側からも撮りますね。貴美さんは目をつぶったままで大丈夫です。」
カメラマンさんが貴美ちゃん側に廻ってやっと一息ついた
貴美ちゃんに視線だけ向ければ、微動だにしない。息してる?
「大丈夫?」
「なんか近くて緊張しちゃって」
「そう?」
そう。そうやってもっと私を意識して。
頭の中が私でいっぱいになればいい。
「そうですよね、れいこさんは慣れてらっしゃるもの。」
目をつぶって。
その指示は忠実に守ったまま小声で呟く。
そんな訳ない。他の子じゃどきどきしないだけ。
今、私だってどきどきしてるし、その唇奪ってしまおうかとさえ考えているのに。
「このままキスしちゃう?」
「なっ!からかわないでくださいっ!」
ぱっと目を開いて真っ赤な顔して怒ってる貴美ちゃんが可愛すぎて笑っちゃう
貴美ちゃんだからこそ緊張するけど力こんな事言いながら撮影できてると思うから感謝しかない。
ああ、この撮影のデータ全て欲しい。
あとで頼んでみよう。
スタジオを出て外での撮影は、自然の中でナチュラルデートがテーマ
大きな公園の原っぱのど真ん中で2人で並んで立つ
私の薬指と小指に貴美ちゃんの人差し指を絡め振り返る
貴美ちゃんはぺったんこの靴なのですごく小さく見える
下から見上げられた感じが幼く見えて頬が緩んだ。
「何かすごく小さく見える」
「ですよねー。れいこさんがいつもより大きく見えます。」
「何かかわいい」
「えっ。恥ずかしいです・・・。」
頭に手を乗せれば、微笑む
風がそよいでこの撮影の為にわざわざ美容院に行ってくれたらしいそのサラサラの髪をさらっていく。
手触りの良い柔らかい髪。ずっと触ってたくなる
「だってれいこさんの大事な本の撮影ですもの」
くるりと回って見せてくれる。
ふわっとスカートがひるがえり
映画のワンシーンみたいにスローに見えた
「うん、可愛いよ」
「れいこさんの為ならいくらでも可愛くなりたいです」
満面の笑みでそんな事言われたらどきどきしちゃうけど、あんまり可愛くなってもらっても困る。
ライバルは少ない方がよいのだから。
そのまま歩いて移動した原っぱの大きな木の下でレジャーシートを敷いて横並びで座る。
二人の真ん中にはお弁当。
貴美ちゃんが本当に作ってきてくれたもので、お重サイズのお弁当箱には卵焼きや煮物が入ってる。
和食が好きな私の為に和風にしてくれたらしい。
「すっごく美味しい」
心配そうにのぞき込む貴美ちゃんににこりと微笑んで答えるけど顔をじっと見たまんま返事がない
「どうした?」
「いや、笑顔が綺麗だなと思って」
「なに、もー。恥ずかしいよ」
カメラマンさんからの指示で貴美ちゃんに膝枕をしてもらう。
仰向けに横になる私に貴美ちゃんは少し休んでもいいと言ってくれるけどこの瞬間を堪能していたいからそんな勿体ない事出来るわけない
「忙しくてお疲れだろうなと思って。髪触ってもいいですか?」
「ありがと。いいよ」
髪型が崩れないよう気を遣って触れてくれるのが分かる。
優しい手になんだかふわふわしてきた時、貴美ちゃんがふと小さい声で
「何か私の方が眠くなってきました」
「なにそれ。退屈ってこと?」
「まさか!なんか癒されるんです。たまにはこういうのいいなって」
「確かに。貴美ちゃんの手気持ちいい」
「ふふっ」
木にもたれかかって座って、手を繋ぐ。
カメラのレンズを変えている間、風の音だけが耳に心地よく流れる
肩に重みがかかったと思ったら貴美ちゃんが眠ってしまったらしく肩にもたれてた。
可愛いなあ。無防備とはこのことを言うんだろうな。
「このまま撮らせてもらってもいいですか?」
準備が終わったらしく貴美ちゃんを起こさないように私に声をかけられる
貴美ちゃんを見つめる目が素敵とほめてもらったけど、そりゃ愛おしいもの・・・。
自然にそんな目になっちゃうんです。
「んっ。あれっ」
「寝ちゃってたよ」
「なんてことをっ。昨日緊張して眠れなくて。すみません」
「可愛い顔見れたからいい」
「もうっ」
大劇場に場所を移して大人のデートシーンをイメージした撮影
ハイヒールに黒いタイトなロングドレス姿からはお昼と一緒の人なんて思えない。
スリットががっつり入っててかなりセクシーじゃない?
「変じゃないですかね・・・」
「全然!すごく素敵」
紅いルージュのせいか、にこりと微笑んだだけなのに妖艶さを醸し出す。
ギャップにやられるってこういうことなのかな。
きっとみんなこれ見たら卒倒だな
私のジャケットを貴美ちゃんの肩にかけて
細い腰に手を添えて階段をあがる
「少し振り返ってください」
貴美ちゃんは私の胸元に手を添えて少し私に頭を傾けて振り返る
色っぽいなー。こんな事されたら誰でも勘違いしちゃうだろうな・・・。
「最後に貴美さんの自然などきっとした表情が欲しいので月城さんちょっとお願いできますか」
「えー。難しいですね・・。頑張ってみますけど」
こっそりと与えられた指令。
待ち時間と称された、私の指令タイム
そっと後ろから抱きしめて、貴美ちゃんの耳元で囁く。
折角だから本当の気持ちを言ってみるのも悪くない。
引かれたとしても仕事だからでごまかせるしなんて臆病な私のずるい言い訳。
「ねえ、貴美。もう離したくない。このまま奪って逃げてもいいかな」
「えっ」
パシャパシャパシャ
カメラの音が盛大に響く
「最高にいい表情でした。さすが月城さん。女の子をときめかせる方法よくご存知ですね。なんておっしゃったんですか?」
「あ。そうか・・・。そうだよね」
小さく呟くように聞こえた声。
「二人だけの秘密です」
「気になりますー」
嬉しそうなカメラマンさんと裏腹に貴美ちゃんの本当の表情は見て取れない。さっき一瞬素の貴美ちゃんだったのにすっかり女優さんの顔してる。
最後のシーンの撮影に入るために着替えに向かう廊下では何となく気まずい気がしてしまう。
「貴美ちゃん、さっきのさ・・・」
「もー。ドキッとしたじゃないですかー。意地悪」
微笑む顔は女優の顔で私の入り込めない壁。
その壁を壊してみたい。
素の感情が、本当の感想が聞きたい。
「仕事じゃない。」
「へ?」
「本当の気持ち。」
それだけはどうしても言っておきたかったから、言うだけいって先を歩く
「れっ・・・れいこさん待って」
後ろから追いかけてくる貴美ちゃんの方を振り向く勇気はない。
言っちゃった。どうしよう
「待って」
腕を掴まれたと思ったら、ぐっとひっぱられ
時間が止まった。
「どうか今すぐ私を連れ去って」
背伸びした貴美ちゃんが耳元で言った言葉を理解するのには時間がかかった
「えっ」
「私の本当の気持ち言っておきたかったので。では、最後のお衣装に着替えてきます。」
いつもの笑顔で微笑んで、小走りで駆け出し私を置いて行ってしまう。
敵わないや。
貴美ちゃんの素直な言葉なんだと分かったら嬉しさで足取りも軽くなる。
もうだめ、大好きだ。
たとえあれが演技だったとしても構わないとさえ思う。
最後の撮影はチャペルでの撮影
白いドレス姿の貴美ちゃんは一段とまぶしくて。
オフショルダーのドレスで綺麗なデコルテにしみじみ見入ってしまう。
結婚式みたいなショット
「私とずっと一緒にいようね」
「はい」
「いいですよー。その感じ欲しかったんですー」
両手を出した、私の手の上に手を重ねた貴美ちゃんに小声で話しかけられる
「れいこさん」
「なあに?」
「本気にしてもいいんでしょうか・・・さっきの」
「逆に私信じていいのかな?さっきの言葉。もう戻れないけどいい?本当に連れ去っちゃうけど」
「はい。れいこさんだけのものになりたいです」
恥ずかしそうに見上げてそんな殺文句なんてずるい。
「じゃあ私だけのものにしちゃうよ?」
撮影用にと準備してたお揃いの指輪をポケットから出す。
「受取ってくれる?」
「はいっ」
真っ赤な顔をして頷く貴美ちゃんの左手を取り指輪をはめる。
「私もれいこさんにはめてもいいですか?」
「嬉しい」
少し震えた手を取って抱き寄せる。
「みんなに見せつけてもいい?」
そう言ってお姫様抱っこすれば、ぎゅっと抱きつかれた。
イエスだととるよ?
「さて、行こうか。ほらカメラ見て」
「恥ずかしい」
「今更?」
お姫様抱っこのまま、片手は私の首に
片手でブーケを投げる。
これは絶対に使って欲しい。
シャッター音と共に拍手が起こる。
「お疲れ様でした」
最後に特典用にメッセージを撮影する
「はい。今日はとても幸せな一日でした。素敵な月城かなとさんの新しい魅力の世界に参加させていただけて嬉しいです。皆様が楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。えっと・・・れいこさん大好きです。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。今日は大変充実した一日でした。貴美ちゃんのお陰で素敵な写真がたくさん撮れたと思います。一ファンから少し前進した気がします。貴美ちゃん本当にありがとうこれからもよろしくお願いします。大好きです」
ネットでは話題騒然となっていた。
公開告白
外部に嫁をつくるれいこさん。でも貴美ちゃんならいい
貴美ちゃんの笑顔が眩しすぎる。