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「今日も遅そうやな」
自主稽古中に送ったLINEはまだ未読のまま。
携帯を握りしめてため息をつく。
彼女は普通の企業に勤めている。
彼女も責任ある立場だから中々毎日終わるの遅いみたい。
私もお稽古終わるの遅いんやけど、彼女は翌日朝早くから仕事やし電話もままならない。
「会いたいなぁ」
「ああ、抱きしめたいなぁ」
横にどかっと座ったゆりかさんがにやりとこちらを向いた。
「でしょ?」
「そらぁもちろん」
会うだけじゃ足りんのはわかっている。
抱きしめてそれから・・・。
って想像してしまうやん、余計悲しくなるからやめて。
「相変わらず忙しいの?」
「うん。そうみたい。寂しい」
しょんぼり携帯を握りしめる。
「キャンちゃんのお散歩でおうちの近くまで足伸ばしてみたら」
「余計会いたなって切なくなるだけやん」
と言ったくせに気がつけば彼女の住むマンションの側まで来てしまった。
キャンディも会いたかったんやろ、いつものお散歩コースを外れて貴美の家の方向にすっと歩き出した時は頭の良さに抱きしめたくなった。
いつもどおりキャンディのペースで歩いていると急に走り出した。
「ちょっ、どないしたん」
私走るの嫌いやってば。
リードが伸びて距離が離れそうになるけど
必死についていけば曲がり角を曲がったところで小さな悲鳴が聞こえた。
「キャンちゃん?」
「貴美」
「さやちゃん」
キャンディを抱き留めて目をまんまるにした貴美が立っていた。
嘘やん。本当に会えた。
「どうしたのこんなところで」
会いたかった!って反応を期待してしまった私に返ってきたのは意外とあっさりした反応だった。
なんや覇気ないなぁ。想像以上に疲れてる感じやな。
「キャンディの散歩でちょっと足伸ばしてみた」
「そうなんだ」
「今帰りなんやね、遅くまでお疲れ様」
「さやちゃんも」
気付いてない風を装って微笑めばお茶でもと誘ってもらったのでそのままお家にお邪魔することとなった。
部屋に入って、いつもの定位置である専用のクッションに座ったキャンディ。
着替えに行く背中を見つめてなんだか切なくなる。
来たらあかんかったかな。
明日も仕事なんやろうにこんな時間に押しかけて迷惑だったのではと1人へこんでいた。
部屋着に着替えた貴美はすたすたとこちらにやってきて無言で私の横に座る。
いつもと違う固い雰囲気に変に緊張してしまった私
ぎゅっと抱きつかれるなんて思いもよらなかったものだから勢いに負けて後ろにぽすんと倒れてしまった。
「ちょっ、貴美?」
「会いたかった」
泣きそうな声
小さいけどちゃんと聞こえた。
その瞬間にじわっと暖かさが一気に心に広がる。
私もや。会いたかった。会いたくて会いたくて仕方なくてここまで来てしもたんやで。
そっと抱きしめ返してあやす様にとんとんと背中を撫でれば本格的に泣き出しちゃったみたいで肩が震えてる。
「頑張り過ぎや」
「もっと頑張らなきゃいけないの」
「自分に優しくしたらんと」
ぐすぐすいいながら更にぎゅうぎゅうに抱きついてくる。
「さやちゃん。寂しかった。もっと近くにきて」
「なんなん、それ。可愛すぎやろ」
これでもかってくらい力を込めて抱きしめる。
あほみたいにお互いぎゅうぎゅうに抱き合って先に降参したのは貴美。
「さやちゃんっ、苦しっ」
「私の愛を思い知れー。おりゃー」
「あははっ。もっ、だめー」
仕方なく力を緩めればぷはっと顔を上げたので両頬を手で挟む
「なんで1人で抱えるん」
「だってさやちゃんも頑張ってるのに私ばっかり愚痴ってられないよ」
「2人分くらい抱える覚悟あるんやけど」
眉を下げたまましーんとなるからなんか返事してやと思ってたら貴美に唇奪われた。
「すき。だいすき」
「私の方が好きや。貴美は全然会いにもきてくれへんし」
「それは」
「さやちゃん、お稽古で疲れてるかもだしとか言うんやろ」
遠慮しいで気い遣いいな貴美らしい考えやけど、それじゃ寂しすぎる。
疲れた時にこそ会いたい、触れたいんやで。
「そや、お引越ししよ」
「え?」
「3人で暮らそうよ。そしたら貴美が辛い時、疲れた時ぎゅうぎゅうに抱きしめてあげられんで」
なんだか嬉しそうな、不安そうな複雑な表情してる。
「でもぼろぼろな私をさやちゃんに晒したくない」
「どんな貴美だって受け止めるって」
貴美が1人で辛い思いをしてるのは私も苦しい。
「毎日私の温もり感じられるんやで」
「・・・それは嬉しい」
「1人で泣かんとって」
「さやちゃ、」
「今日は一緒に寝よか」
「うん」
抱きしめて眠りにつけば暖かくて私の方がすぐにまどろんでしまった。
「さやちゃん、ありがとう。大好き」
「貴美、だーい好きや・・・」
遠くから貴美の声が聞こえてゆっくりだけど彼女への思いを紡いだ
最近、トイプードルを連れたイケメンが会社の近くに出没するって噂が流れてるんだけど
え?私のこと?お散歩ルート変えたんよ。偶然会えたらなぁって
おうちに帰れば会えるのに
一緒に帰りたいやん
・・・お散歩する時連絡ちょうだい
ふふっ、ええよ
自主稽古中に送ったLINEはまだ未読のまま。
携帯を握りしめてため息をつく。
彼女は普通の企業に勤めている。
彼女も責任ある立場だから中々毎日終わるの遅いみたい。
私もお稽古終わるの遅いんやけど、彼女は翌日朝早くから仕事やし電話もままならない。
「会いたいなぁ」
「ああ、抱きしめたいなぁ」
横にどかっと座ったゆりかさんがにやりとこちらを向いた。
「でしょ?」
「そらぁもちろん」
会うだけじゃ足りんのはわかっている。
抱きしめてそれから・・・。
って想像してしまうやん、余計悲しくなるからやめて。
「相変わらず忙しいの?」
「うん。そうみたい。寂しい」
しょんぼり携帯を握りしめる。
「キャンちゃんのお散歩でおうちの近くまで足伸ばしてみたら」
「余計会いたなって切なくなるだけやん」
と言ったくせに気がつけば彼女の住むマンションの側まで来てしまった。
キャンディも会いたかったんやろ、いつものお散歩コースを外れて貴美の家の方向にすっと歩き出した時は頭の良さに抱きしめたくなった。
いつもどおりキャンディのペースで歩いていると急に走り出した。
「ちょっ、どないしたん」
私走るの嫌いやってば。
リードが伸びて距離が離れそうになるけど
必死についていけば曲がり角を曲がったところで小さな悲鳴が聞こえた。
「キャンちゃん?」
「貴美」
「さやちゃん」
キャンディを抱き留めて目をまんまるにした貴美が立っていた。
嘘やん。本当に会えた。
「どうしたのこんなところで」
会いたかった!って反応を期待してしまった私に返ってきたのは意外とあっさりした反応だった。
なんや覇気ないなぁ。想像以上に疲れてる感じやな。
「キャンディの散歩でちょっと足伸ばしてみた」
「そうなんだ」
「今帰りなんやね、遅くまでお疲れ様」
「さやちゃんも」
気付いてない風を装って微笑めばお茶でもと誘ってもらったのでそのままお家にお邪魔することとなった。
部屋に入って、いつもの定位置である専用のクッションに座ったキャンディ。
着替えに行く背中を見つめてなんだか切なくなる。
来たらあかんかったかな。
明日も仕事なんやろうにこんな時間に押しかけて迷惑だったのではと1人へこんでいた。
部屋着に着替えた貴美はすたすたとこちらにやってきて無言で私の横に座る。
いつもと違う固い雰囲気に変に緊張してしまった私
ぎゅっと抱きつかれるなんて思いもよらなかったものだから勢いに負けて後ろにぽすんと倒れてしまった。
「ちょっ、貴美?」
「会いたかった」
泣きそうな声
小さいけどちゃんと聞こえた。
その瞬間にじわっと暖かさが一気に心に広がる。
私もや。会いたかった。会いたくて会いたくて仕方なくてここまで来てしもたんやで。
そっと抱きしめ返してあやす様にとんとんと背中を撫でれば本格的に泣き出しちゃったみたいで肩が震えてる。
「頑張り過ぎや」
「もっと頑張らなきゃいけないの」
「自分に優しくしたらんと」
ぐすぐすいいながら更にぎゅうぎゅうに抱きついてくる。
「さやちゃん。寂しかった。もっと近くにきて」
「なんなん、それ。可愛すぎやろ」
これでもかってくらい力を込めて抱きしめる。
あほみたいにお互いぎゅうぎゅうに抱き合って先に降参したのは貴美。
「さやちゃんっ、苦しっ」
「私の愛を思い知れー。おりゃー」
「あははっ。もっ、だめー」
仕方なく力を緩めればぷはっと顔を上げたので両頬を手で挟む
「なんで1人で抱えるん」
「だってさやちゃんも頑張ってるのに私ばっかり愚痴ってられないよ」
「2人分くらい抱える覚悟あるんやけど」
眉を下げたまましーんとなるからなんか返事してやと思ってたら貴美に唇奪われた。
「すき。だいすき」
「私の方が好きや。貴美は全然会いにもきてくれへんし」
「それは」
「さやちゃん、お稽古で疲れてるかもだしとか言うんやろ」
遠慮しいで気い遣いいな貴美らしい考えやけど、それじゃ寂しすぎる。
疲れた時にこそ会いたい、触れたいんやで。
「そや、お引越ししよ」
「え?」
「3人で暮らそうよ。そしたら貴美が辛い時、疲れた時ぎゅうぎゅうに抱きしめてあげられんで」
なんだか嬉しそうな、不安そうな複雑な表情してる。
「でもぼろぼろな私をさやちゃんに晒したくない」
「どんな貴美だって受け止めるって」
貴美が1人で辛い思いをしてるのは私も苦しい。
「毎日私の温もり感じられるんやで」
「・・・それは嬉しい」
「1人で泣かんとって」
「さやちゃ、」
「今日は一緒に寝よか」
「うん」
抱きしめて眠りにつけば暖かくて私の方がすぐにまどろんでしまった。
「さやちゃん、ありがとう。大好き」
「貴美、だーい好きや・・・」
遠くから貴美の声が聞こえてゆっくりだけど彼女への思いを紡いだ
最近、トイプードルを連れたイケメンが会社の近くに出没するって噂が流れてるんだけど
え?私のこと?お散歩ルート変えたんよ。偶然会えたらなぁって
おうちに帰れば会えるのに
一緒に帰りたいやん
・・・お散歩する時連絡ちょうだい
ふふっ、ええよ