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「きたーーーー」
娘役らしからぬはしゃぎっぷりを見せている貴美ちゃん
私の一個上さん
今日は一個上さんたちと温泉旅行に出かけている。
「さやか、背中流しっこしようねー」
「私の背中に惚れてしまいますよー?ええんですか?」
「きゃー。かっこいいキキちゃん」
男役たっぷりの声でどんなにカッコつけても結局可愛いって流されてしまう。
キキちゃんって呼ぶときは決まって子ども扱いしているとき
いい加減私をちょっとは意識してほしいと思ってるんだけど。
「どんまい!芹香ちん」
「ゆりかさん、私めげそう」
「めげたところで他の子に取られるだけだよ」
それはいやや。絶対、絶対嫌。
旅館に着いて早速浴衣に着替えた貴美ちゃんの白いうなじが眩しくて
和服姿とかよく見るのに生地が薄いせいかなんだか色気が増している気がする。
大部屋ばんざーい。
2部屋とかに分かれたら期ごとに分かれたりするから。
夜ご飯を食べて部屋に戻れば、ずらりと2列に並べられた布団
貴美ちゃんの横がええな。チャンスは2枠しかない。
「わーい。私ここー」
一番端に陣取った貴美ちゃんの横にすっと並んで座る
「わー。キキちゃんお隣さん?」
「私が隣やないと寂しいんやないかなと思って」
「きゃー。可愛いー」
がばっと抱き着いてきた貴美ちゃんの勢いに負けて後ろに倒れる
また子供扱いして。
仮にも男役が隣で寝るんやで?
もうちょっと警戒せな。
「こら、貴美。キキを押し倒したらあかんで」
「あやかは咲とラブラブしたらいいじゃん。私はさやかとらぶらぶする」
私の上に覆いかぶさったままぎゅっと抱き着いて私の胸のあたりにくっついて、仁王立ちし私達を見下ろしている凪様をじろりと見つめた貴美ちゃん
ちょっとほっぺが膨らんでるのがかわええ。らぶらぶしたい。
このまま襲われても構わん。
「はいはい。じゃあキキの横に咲おいで。その横に私が寝るわ」
呆れたように凪様は咲を私の隣に置き、自分もその横に陣取っていた
貴美ちゃんと頭を合わせるようにゆりかさん、その隣つまり私の向かいに愛ちゃんが寝ることになった。
その隣にはちなつさんが並んだ。
「ねえねえ、あーれーってやつやりたい」
夜ご飯の席でお酒を飲んでほろ酔いの貴美ちゃんは嬉しそうに私に手招きする。
「え?私がされるん?」
「当たり前じゃん」
当然のように私の帯に手をかけた貴美ちゃんにびっくりする。
普通男役がひっぱる側じゃないの?
「良いではないか」
「おやめ下さい」
でも勝手に始まった芝居につい乗ってしまうのが悪い癖や。
みんなは面白がって動画を撮りだす始末。
くるくる回されてあっという間に帯を取られてしまった。
「やだ、キキちゃん可愛い」
「いや、ほんまあかんって」
引き寄せた帯を抱きしめて嬉しそうに近寄ってくるけど
そのまま浴衣まで剥ぎ取られそうな勢い。
帯返してー。こんなはだけたままじゃ恥ずかしいわ。
「せりかちんは貴美をくるくるしたいんだよね」
「え?私がされる側?んー。さやかがしたいならいいよ」
え?いいの?したい!したい!
ゆりかさんが私の思いを代弁してくれたのでそそくさと貴美ちゃんから私の帯を奪い整える
「おやめ下さい、お代官様」
「よいではないか。今宵こそ私のものになれ」
「あーれー」
綺麗にくるくると回ってぽてっと床に手をついて倒れた。
はだけた浴衣から覗く白い太ももに目が釘付けになってしまう。
「さやか見過ぎ」
「みっ、見てへん」
愛ちゃんの一言にはっとなり、慌てて目を背ければみんなにくすくす笑われた。
なんなんもう。
「さやか、もっと見る?」
ちょっと低めの声でそんな事言って浴衣の肩を落として見せるから目の毒なんてものじゃない。
「なーんて。どきどきしたぁ?」
「貴美ちゃんのばかばかっ」
「なっ、ばかとはなによー!」
「でもすき」
「ん?なんて?」
小さく付け足したすきはみんなの笑い声にかき消された。
なんでこんなにわたしばっかり好きなんやろ。
完全に相手にされてない
皆で枕投げもして、夜も深まったので床に就いた。
「せりかちん、貴美に襲われるなよー」
「なっ。淑女だもん。そんな事しないもん」
悪い顔でにやにやしてるゆりかちんにほっぺたを膨らませた貴美ちゃん
いや、私が襲いたいくらいなんやけど。
「貴美の寝相の悪さはぴかいちだからね。せりかちん気をつけなよ」
受け止めますよ全部。例え腕が降ってきても、蹴りが飛んできても。
逆に寝ぼけたふりして貴美ちゃんの布団に潜ったりとか
抱きついてみたりとか
許されるんちゃうかな・・・なんて不埒なこと考えてたけど暖かいお布団と心地よい疲れで重い瞼を閉じた。
「んー。さやかぁ」
夜中、いつの間にか私の布団に潜り込んできた貴美ちゃんに抱きつかれていた。
いや、願ってもないチャンスやけど。
相手は完全に寝ぼけている。目開いてへんやん、むしろ寝てるわ。
この状態を利用してちゅ、ちゅーとか許されるんやないかな。
いや、同意なしにそんな事したらあかん。
「んー」
小さい唸り声?と共に私の上を乗り越えていった。
ぐるりと全身を使って私を下敷きにして。
いや何でなん。しかし軽いな
「んー。咲ぃ」
「んー、貴美さん?」
「ちゅう」
「んー?」
「ちゅーしよ?」
私を乗り越えた貴美ちゃんは咲の布団に潜り込み始めた
いやいや、あかんやろ。
「貴美ちゃんは私とちゅーするんやろ」
「あー、さやかいた。探したんだよ?」
慌てて起き上がって、貴美ちゃんに起こされてぼーっとしてる咲に覆いかぶさりそうになってるところを止めに入る。
会話噛み合ってないし。
こちらを向かせればふにゃっと笑った。
「貴美ちゃん浮気はあかんよ」
「そっか。咲はあやかのだもんね。ごめんね、咲」
「ちゃうやん。貴美ちゃんは私が好きなんやろ?咲とちゅーしたら浮気や」
「じゃあさやかとちゅーする」
んーっと目を閉じて私の首に腕を伸ばしてきた貴美ちゃん
じゃあってなんなんって思ったけど、なんでもええわ。
貴美ちゃんの腰を抱いて引き寄せた。
「はーい、そこまでー」
ゆりかちんに引き剥がされる。
ああ、もう少しやったのに
「ここは大部屋です。盛らないで下さい」
「ゆりかー。んー」
「ちょっ、貴美」
がばっと抱きついた貴美ちゃんはゆりかさんを押し倒してちゅっと口付けた。
「あはは。ゆりかの負けー」
けらけらと笑ってぱたりとゆりかさんに体を預け、また眠ってしまったよう。
その背中をあやすようにぽんぽんと撫でた。
「本当寝相が悪いんだよ。せりかちん大丈夫だった?」
寝相ってレベルじゃないと思うんやけど。
いや、いつもあんなんなってんの?
危険すぎるやろ。完全に餌食になりに行ってる子ウサギや
ゆりかちんはゆりかちんでちゅーされ慣れてるやん
「貴美ちゃんは私じゃなくてもいいん?」
「せりかちん?」
涙が溢れてくる。
なんで誰かれ誘うん。
私が好きなんやないん。いつになったら大人として見てくれるん
「貴美、ほら起きて。貴美のせいでせりかちん泣いちゃったよ」
「んー」
揺り起こされて眠いまなこを擦りながら私の方を見た貴美ちゃんはびっくりしたように目を見開いた。
「さやかどうしたの?どっか痛いの?」
「痛い」
「どうした」
「心が痛い」
ゆりかさんの胸から離れて四つん這いでこちらにやってきた貴美ちゃんは私をぎゅっと抱きしめて頭を撫でる。
「どうしたら治る?」
「貴美ちゃんが私だけ愛してくれたら治る」
「ふふっ。キキちゃんは本当可愛いねぇ」
「すぐ子供扱いする」
私を覗き込んだ貴美ちゃんはそんな事ないよって眉を下げた
「どうしたら信じてくれる?」
「ちゅーして。でもゆりかさんと同じのじゃ嫌や」
「しょうがないなぁ」
首に抱きついてそっと触れた唇。
待ち望んだそれは柔らかくて温かくて気持ちいい。
そんな事考えてたら貴美ちゃんの舌が割って入ってきて舌ごと絡め取られて何も考えられへん位ふわふわする。
「んぱっ。さやか痛いの治った?」
「は、え?あ・・・」
「せりかちん放心状態になってんじゃんか。貴美やりすぎ」
「え?さやかの痛いの治ればいいなと思って」
もっと欲しい。
ちゃんと私だけ見て。
にこにことゆりかさんを見つめる貴美ちゃんの頬を捉えて私から唇を近づけた。
「ん、さやっ」
びっくりして私の腕をトントンしてる貴美ちゃんに体重をぐっとかけて押し倒す。
「んんっ」
さっきの感覚が堪らなくて
またしてほしい
私から絡めるけどなんかちゃう。
お願い、さっきみたいにして。
「ちょっ、さやか。攻められた事とかないから恥ずかしいよっ」
恥ずかしそうに顔を背ける姿が新鮮で可愛くて堪らないんだけど
「あーあ。見せつけてくれるよね」
「でもねせりかちん、貴美は明日この事覚えてないからね残念ながら」
「へ?」
「貴美の寝相の悪さは半端じゃないから」
「それって寝相って言わへんのやないかな」
「とにかく、寝るよ?明日も早いんだから」
ゆりかさんの言葉で各々布団に戻った
「貴美ちゃん、はだけてる」
こちらを向いて寝そべっている浴衣の襟元がはだけて白い肌が晒されてるから襟元を整えてあげる。
こんなとこでみんながいる所で襲うほど飢えてないと思ってるけど好きな人の素肌はやっぱり目に毒や。
「ん、さやかありがと」
「高いで」
「体で払うわ」
ゆっくりと目を閉じていく貴美ちゃんを見つめてたら後ろからやたらと高い声が
「ちょっ、凪様変なアテレコせんとって」
「でも払うって言われたら受けるやろ?」
そりゃあ・・・
ぐっくり眠ってしまった貴美ちゃんの頭を撫でながらしみじみ思う。
「がんばり、キキ。応援してんで。この天然少女を口説き落とせるか」
「ほんまに応援してくれてます?」
「もちろんや。うちの可愛い可愛い妹やからな大事にしてもらわなあかんけどな」
いつか貴美ちゃんの隣にいるのが私でありますように、そう願いながら瞼を閉じた。
朝目覚めたら隣の布団は空で。
貴美ちゃんは?
起き上がって辺りを見渡せば、てねちゃんもおらんなあ。
お風呂行ったのかな。
私もさっぱりしてから出かけたいし、お風呂行こう
貴美ちゃんがいたらラッキーやな、そう思った瞬間昨日のはだけた浴衣から覗く白いお肌を思い出してしまい頭を振って邪な思考を必死にどこかへ追いやりながらお風呂へ向かった。
「ちなつー。どうしよう」
「いいじゃん、キキはいい子なんだし」
「そうだけど、私が だって知ったら愛想尽かされちゃう」
「大丈夫だってキキなら全部受け止めてくれるって」
貸切風呂の大きな湯船に並ぶ二つの背中。
なんかよく聞こえへんかったけど私の事話してるん。
私が何だって知ったらあかんの。
「まあ、じっくり考えなよ」
貴美ちゃんの肩を叩いて湯船から上がってこちらにくるてねちゃんと目があった。
にこりと微笑んだ後、すれ違い際に頑張りなよと囁かれた。
意を決して湯船につかってる貴美ちゃんに近づく。
私に気づいて微笑んでくれた。
「さやか、おはよう」
「私じゃ貴美ちゃんの恋人にはなれない?」
「・・・そんな事ないよ」
「じゃあ」
「私、その・・・ね・・・」
言い淀んだ貴美ちゃんにどんな重大なお話があるのだろうと身構える。
「経験ないの」
「・・・は?」
恥ずかしそうに目を伏せる仕草さえも色っぽさがにじみ出ている。
待って。あんなエロいちゅーとかしといて?
人を押し倒しまくって?
いや、ありえへんやろそんなん。
でもまだ誰にも暴かれてへんってことやもんね。
え?私が・・・?
「引いたでしょ?」
「まさか貴美ちゃん私がそんな事で嫌いになるとでも思ったん?」
「だっ、だってさぁこの歳でって感じじゃない」
「そんなことない。逆にうれしい」
恥ずかしそうに微笑んだ姿に胸がギュッとなった。
「さやか、すき」
「私の方がずーっと前から好きや」
きゅっと抱きついてきた貴美ちゃん
でもな、私ら裸やん。
そんなことされたらかなわんわ。
おっぱい当たってるからな。
「なあ、裸やって分かってやってる?」
「へ?」
そっと横から胸をつんとすれば、ざばっと水の音と共に後ずさるから腕を掴んで引き寄せる。
「なっ、何するの」
「ここでしよ」
「まっ、待って」
「部屋戻ったらみんなおるんやもん」
「だっ、だめだって。さやか」
もう全てがたまらなく愛おしくて
我慢なんて出来るわけも無く手を出しましたよ。
「さっ、さやか・・・も、だめ」
あかん、やりすぎたのは自覚してる
だって可愛すぎて堪らんかってんもん。
腕の中でぐったりとしてしまった貴美ちゃんを慌てて抱き上げて脱衣所に運んでタオルで包んで長椅子に寝かせ、うちわで扇ぐ
「おっ、さやかおはー。って貴美さんっ?」
脱衣所に入ってきた愛ちゃんは私達の現状を見て慌てて駆け寄ってきてくれるけど
「いや、それが・・・・」
「なんて事してんのよ」
当然の事ながら呆れられてしまった。
目を覚ました貴美ちゃんにはこっぴどく怒られ、彼女の我儘を忠実にきく僕の様な状態がしばらく続いたのは言うまでもない。
まあ、どれも可愛い我儘やからなんてことないけど。
「さやか、隣に座って」
「はい、お嬢様」
「ぎゅってして」
「はい、お嬢様はほんまに私が好きですねー」
「すき」
仕掛けたはずがストレートに打ち返されるから身悶えるのはいつも私の方。
初体験をお風呂で経験させるとはキキえらい破廉恥やな
凪様・・・だって可愛すぎて。思わず
のぼせさせる程攻めるってせりかちんど変態
ゆりかさんまでそんな事言わんどってくださいよ
まあ、貴美に誘われたらねぇ
てねちゃん、誘われても誘いに乗ったらあかんよ
娘役らしからぬはしゃぎっぷりを見せている貴美ちゃん
私の一個上さん
今日は一個上さんたちと温泉旅行に出かけている。
「さやか、背中流しっこしようねー」
「私の背中に惚れてしまいますよー?ええんですか?」
「きゃー。かっこいいキキちゃん」
男役たっぷりの声でどんなにカッコつけても結局可愛いって流されてしまう。
キキちゃんって呼ぶときは決まって子ども扱いしているとき
いい加減私をちょっとは意識してほしいと思ってるんだけど。
「どんまい!芹香ちん」
「ゆりかさん、私めげそう」
「めげたところで他の子に取られるだけだよ」
それはいやや。絶対、絶対嫌。
旅館に着いて早速浴衣に着替えた貴美ちゃんの白いうなじが眩しくて
和服姿とかよく見るのに生地が薄いせいかなんだか色気が増している気がする。
大部屋ばんざーい。
2部屋とかに分かれたら期ごとに分かれたりするから。
夜ご飯を食べて部屋に戻れば、ずらりと2列に並べられた布団
貴美ちゃんの横がええな。チャンスは2枠しかない。
「わーい。私ここー」
一番端に陣取った貴美ちゃんの横にすっと並んで座る
「わー。キキちゃんお隣さん?」
「私が隣やないと寂しいんやないかなと思って」
「きゃー。可愛いー」
がばっと抱き着いてきた貴美ちゃんの勢いに負けて後ろに倒れる
また子供扱いして。
仮にも男役が隣で寝るんやで?
もうちょっと警戒せな。
「こら、貴美。キキを押し倒したらあかんで」
「あやかは咲とラブラブしたらいいじゃん。私はさやかとらぶらぶする」
私の上に覆いかぶさったままぎゅっと抱き着いて私の胸のあたりにくっついて、仁王立ちし私達を見下ろしている凪様をじろりと見つめた貴美ちゃん
ちょっとほっぺが膨らんでるのがかわええ。らぶらぶしたい。
このまま襲われても構わん。
「はいはい。じゃあキキの横に咲おいで。その横に私が寝るわ」
呆れたように凪様は咲を私の隣に置き、自分もその横に陣取っていた
貴美ちゃんと頭を合わせるようにゆりかさん、その隣つまり私の向かいに愛ちゃんが寝ることになった。
その隣にはちなつさんが並んだ。
「ねえねえ、あーれーってやつやりたい」
夜ご飯の席でお酒を飲んでほろ酔いの貴美ちゃんは嬉しそうに私に手招きする。
「え?私がされるん?」
「当たり前じゃん」
当然のように私の帯に手をかけた貴美ちゃんにびっくりする。
普通男役がひっぱる側じゃないの?
「良いではないか」
「おやめ下さい」
でも勝手に始まった芝居につい乗ってしまうのが悪い癖や。
みんなは面白がって動画を撮りだす始末。
くるくる回されてあっという間に帯を取られてしまった。
「やだ、キキちゃん可愛い」
「いや、ほんまあかんって」
引き寄せた帯を抱きしめて嬉しそうに近寄ってくるけど
そのまま浴衣まで剥ぎ取られそうな勢い。
帯返してー。こんなはだけたままじゃ恥ずかしいわ。
「せりかちんは貴美をくるくるしたいんだよね」
「え?私がされる側?んー。さやかがしたいならいいよ」
え?いいの?したい!したい!
ゆりかさんが私の思いを代弁してくれたのでそそくさと貴美ちゃんから私の帯を奪い整える
「おやめ下さい、お代官様」
「よいではないか。今宵こそ私のものになれ」
「あーれー」
綺麗にくるくると回ってぽてっと床に手をついて倒れた。
はだけた浴衣から覗く白い太ももに目が釘付けになってしまう。
「さやか見過ぎ」
「みっ、見てへん」
愛ちゃんの一言にはっとなり、慌てて目を背ければみんなにくすくす笑われた。
なんなんもう。
「さやか、もっと見る?」
ちょっと低めの声でそんな事言って浴衣の肩を落として見せるから目の毒なんてものじゃない。
「なーんて。どきどきしたぁ?」
「貴美ちゃんのばかばかっ」
「なっ、ばかとはなによー!」
「でもすき」
「ん?なんて?」
小さく付け足したすきはみんなの笑い声にかき消された。
なんでこんなにわたしばっかり好きなんやろ。
完全に相手にされてない
皆で枕投げもして、夜も深まったので床に就いた。
「せりかちん、貴美に襲われるなよー」
「なっ。淑女だもん。そんな事しないもん」
悪い顔でにやにやしてるゆりかちんにほっぺたを膨らませた貴美ちゃん
いや、私が襲いたいくらいなんやけど。
「貴美の寝相の悪さはぴかいちだからね。せりかちん気をつけなよ」
受け止めますよ全部。例え腕が降ってきても、蹴りが飛んできても。
逆に寝ぼけたふりして貴美ちゃんの布団に潜ったりとか
抱きついてみたりとか
許されるんちゃうかな・・・なんて不埒なこと考えてたけど暖かいお布団と心地よい疲れで重い瞼を閉じた。
「んー。さやかぁ」
夜中、いつの間にか私の布団に潜り込んできた貴美ちゃんに抱きつかれていた。
いや、願ってもないチャンスやけど。
相手は完全に寝ぼけている。目開いてへんやん、むしろ寝てるわ。
この状態を利用してちゅ、ちゅーとか許されるんやないかな。
いや、同意なしにそんな事したらあかん。
「んー」
小さい唸り声?と共に私の上を乗り越えていった。
ぐるりと全身を使って私を下敷きにして。
いや何でなん。しかし軽いな
「んー。咲ぃ」
「んー、貴美さん?」
「ちゅう」
「んー?」
「ちゅーしよ?」
私を乗り越えた貴美ちゃんは咲の布団に潜り込み始めた
いやいや、あかんやろ。
「貴美ちゃんは私とちゅーするんやろ」
「あー、さやかいた。探したんだよ?」
慌てて起き上がって、貴美ちゃんに起こされてぼーっとしてる咲に覆いかぶさりそうになってるところを止めに入る。
会話噛み合ってないし。
こちらを向かせればふにゃっと笑った。
「貴美ちゃん浮気はあかんよ」
「そっか。咲はあやかのだもんね。ごめんね、咲」
「ちゃうやん。貴美ちゃんは私が好きなんやろ?咲とちゅーしたら浮気や」
「じゃあさやかとちゅーする」
んーっと目を閉じて私の首に腕を伸ばしてきた貴美ちゃん
じゃあってなんなんって思ったけど、なんでもええわ。
貴美ちゃんの腰を抱いて引き寄せた。
「はーい、そこまでー」
ゆりかちんに引き剥がされる。
ああ、もう少しやったのに
「ここは大部屋です。盛らないで下さい」
「ゆりかー。んー」
「ちょっ、貴美」
がばっと抱きついた貴美ちゃんはゆりかさんを押し倒してちゅっと口付けた。
「あはは。ゆりかの負けー」
けらけらと笑ってぱたりとゆりかさんに体を預け、また眠ってしまったよう。
その背中をあやすようにぽんぽんと撫でた。
「本当寝相が悪いんだよ。せりかちん大丈夫だった?」
寝相ってレベルじゃないと思うんやけど。
いや、いつもあんなんなってんの?
危険すぎるやろ。完全に餌食になりに行ってる子ウサギや
ゆりかちんはゆりかちんでちゅーされ慣れてるやん
「貴美ちゃんは私じゃなくてもいいん?」
「せりかちん?」
涙が溢れてくる。
なんで誰かれ誘うん。
私が好きなんやないん。いつになったら大人として見てくれるん
「貴美、ほら起きて。貴美のせいでせりかちん泣いちゃったよ」
「んー」
揺り起こされて眠いまなこを擦りながら私の方を見た貴美ちゃんはびっくりしたように目を見開いた。
「さやかどうしたの?どっか痛いの?」
「痛い」
「どうした」
「心が痛い」
ゆりかさんの胸から離れて四つん這いでこちらにやってきた貴美ちゃんは私をぎゅっと抱きしめて頭を撫でる。
「どうしたら治る?」
「貴美ちゃんが私だけ愛してくれたら治る」
「ふふっ。キキちゃんは本当可愛いねぇ」
「すぐ子供扱いする」
私を覗き込んだ貴美ちゃんはそんな事ないよって眉を下げた
「どうしたら信じてくれる?」
「ちゅーして。でもゆりかさんと同じのじゃ嫌や」
「しょうがないなぁ」
首に抱きついてそっと触れた唇。
待ち望んだそれは柔らかくて温かくて気持ちいい。
そんな事考えてたら貴美ちゃんの舌が割って入ってきて舌ごと絡め取られて何も考えられへん位ふわふわする。
「んぱっ。さやか痛いの治った?」
「は、え?あ・・・」
「せりかちん放心状態になってんじゃんか。貴美やりすぎ」
「え?さやかの痛いの治ればいいなと思って」
もっと欲しい。
ちゃんと私だけ見て。
にこにことゆりかさんを見つめる貴美ちゃんの頬を捉えて私から唇を近づけた。
「ん、さやっ」
びっくりして私の腕をトントンしてる貴美ちゃんに体重をぐっとかけて押し倒す。
「んんっ」
さっきの感覚が堪らなくて
またしてほしい
私から絡めるけどなんかちゃう。
お願い、さっきみたいにして。
「ちょっ、さやか。攻められた事とかないから恥ずかしいよっ」
恥ずかしそうに顔を背ける姿が新鮮で可愛くて堪らないんだけど
「あーあ。見せつけてくれるよね」
「でもねせりかちん、貴美は明日この事覚えてないからね残念ながら」
「へ?」
「貴美の寝相の悪さは半端じゃないから」
「それって寝相って言わへんのやないかな」
「とにかく、寝るよ?明日も早いんだから」
ゆりかさんの言葉で各々布団に戻った
「貴美ちゃん、はだけてる」
こちらを向いて寝そべっている浴衣の襟元がはだけて白い肌が晒されてるから襟元を整えてあげる。
こんなとこでみんながいる所で襲うほど飢えてないと思ってるけど好きな人の素肌はやっぱり目に毒や。
「ん、さやかありがと」
「高いで」
「体で払うわ」
ゆっくりと目を閉じていく貴美ちゃんを見つめてたら後ろからやたらと高い声が
「ちょっ、凪様変なアテレコせんとって」
「でも払うって言われたら受けるやろ?」
そりゃあ・・・
ぐっくり眠ってしまった貴美ちゃんの頭を撫でながらしみじみ思う。
「がんばり、キキ。応援してんで。この天然少女を口説き落とせるか」
「ほんまに応援してくれてます?」
「もちろんや。うちの可愛い可愛い妹やからな大事にしてもらわなあかんけどな」
いつか貴美ちゃんの隣にいるのが私でありますように、そう願いながら瞼を閉じた。
朝目覚めたら隣の布団は空で。
貴美ちゃんは?
起き上がって辺りを見渡せば、てねちゃんもおらんなあ。
お風呂行ったのかな。
私もさっぱりしてから出かけたいし、お風呂行こう
貴美ちゃんがいたらラッキーやな、そう思った瞬間昨日のはだけた浴衣から覗く白いお肌を思い出してしまい頭を振って邪な思考を必死にどこかへ追いやりながらお風呂へ向かった。
「ちなつー。どうしよう」
「いいじゃん、キキはいい子なんだし」
「そうだけど、私が だって知ったら愛想尽かされちゃう」
「大丈夫だってキキなら全部受け止めてくれるって」
貸切風呂の大きな湯船に並ぶ二つの背中。
なんかよく聞こえへんかったけど私の事話してるん。
私が何だって知ったらあかんの。
「まあ、じっくり考えなよ」
貴美ちゃんの肩を叩いて湯船から上がってこちらにくるてねちゃんと目があった。
にこりと微笑んだ後、すれ違い際に頑張りなよと囁かれた。
意を決して湯船につかってる貴美ちゃんに近づく。
私に気づいて微笑んでくれた。
「さやか、おはよう」
「私じゃ貴美ちゃんの恋人にはなれない?」
「・・・そんな事ないよ」
「じゃあ」
「私、その・・・ね・・・」
言い淀んだ貴美ちゃんにどんな重大なお話があるのだろうと身構える。
「経験ないの」
「・・・は?」
恥ずかしそうに目を伏せる仕草さえも色っぽさがにじみ出ている。
待って。あんなエロいちゅーとかしといて?
人を押し倒しまくって?
いや、ありえへんやろそんなん。
でもまだ誰にも暴かれてへんってことやもんね。
え?私が・・・?
「引いたでしょ?」
「まさか貴美ちゃん私がそんな事で嫌いになるとでも思ったん?」
「だっ、だってさぁこの歳でって感じじゃない」
「そんなことない。逆にうれしい」
恥ずかしそうに微笑んだ姿に胸がギュッとなった。
「さやか、すき」
「私の方がずーっと前から好きや」
きゅっと抱きついてきた貴美ちゃん
でもな、私ら裸やん。
そんなことされたらかなわんわ。
おっぱい当たってるからな。
「なあ、裸やって分かってやってる?」
「へ?」
そっと横から胸をつんとすれば、ざばっと水の音と共に後ずさるから腕を掴んで引き寄せる。
「なっ、何するの」
「ここでしよ」
「まっ、待って」
「部屋戻ったらみんなおるんやもん」
「だっ、だめだって。さやか」
もう全てがたまらなく愛おしくて
我慢なんて出来るわけも無く手を出しましたよ。
「さっ、さやか・・・も、だめ」
あかん、やりすぎたのは自覚してる
だって可愛すぎて堪らんかってんもん。
腕の中でぐったりとしてしまった貴美ちゃんを慌てて抱き上げて脱衣所に運んでタオルで包んで長椅子に寝かせ、うちわで扇ぐ
「おっ、さやかおはー。って貴美さんっ?」
脱衣所に入ってきた愛ちゃんは私達の現状を見て慌てて駆け寄ってきてくれるけど
「いや、それが・・・・」
「なんて事してんのよ」
当然の事ながら呆れられてしまった。
目を覚ました貴美ちゃんにはこっぴどく怒られ、彼女の我儘を忠実にきく僕の様な状態がしばらく続いたのは言うまでもない。
まあ、どれも可愛い我儘やからなんてことないけど。
「さやか、隣に座って」
「はい、お嬢様」
「ぎゅってして」
「はい、お嬢様はほんまに私が好きですねー」
「すき」
仕掛けたはずがストレートに打ち返されるから身悶えるのはいつも私の方。
初体験をお風呂で経験させるとはキキえらい破廉恥やな
凪様・・・だって可愛すぎて。思わず
のぼせさせる程攻めるってせりかちんど変態
ゆりかさんまでそんな事言わんどってくださいよ
まあ、貴美に誘われたらねぇ
てねちゃん、誘われても誘いに乗ったらあかんよ