K.TUKISHIRO
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もうすぐお稽古が始まるというときに
れいこが満面の笑みで走ってやってきてされた報告にびっくりしすぎて思わず噂の本人を見てしまう
前々から好きなのは知ってたし一生懸命アピールしてるけど、本人は気付く気配もなさそうだったから。
「え?本当につきあうって?」
「もちろん。嘘ついてどうするんですか」
当たり前でしょって怒ってるけどだって急展開過ぎじゃ無い?
そう思ってたら慌てたようにやってきた貴美さんを抱き寄せて堂々と恋人宣言した。
「ちょっ、れいこちゃん来てっ」
お稽古場から出て行く二人を見守る上級生の皆さんの母のような目
私は下級生ながらもどちらかというとそちら側なんだけどみんなの落胆ぶりといったら・・・。
下級生たちは憧れて本気で好きな子もたくさんいるから。
しばらくして戻ってきた2人の温度差。
貴美さんはなんだかぐったりした感じ。
れいこは何食わぬ顔で一言
「貴美さん恥ずかしがっちゃってお付き合い一旦保留になりました。これから好きになってもらうよう頑張ります」
れいこ。それはお断りされたという事なんじゃないの。
執着するタイプだとは思ってたけどそんなにタフだったのね。
それから毎日付き合ってないというのが嘘みたいにべたべたしている。
貴美さんも最初は恥ずかしいからと嫌がってたけどれいこの食い下がりように諦めたのかされるがままにされている。
近づいてくる下級生を牽制してる事に貴美さんはまだ気づいてない。
お稽古場でも貴美さんに質問したい娘役には譲ってあげてるけど、男役がやってきたら目つきが怖い。
挙句に自分が甘いの好きじゃないからどんなのが良いかわからないってお稽古終わりにお菓子売り場にお買い物するのを付き合わされる始末。
お菓子を選んでるれいこが幸せそうで何よりだし、貴美さんの為なら全然付き合うけどさお菓子より甘い光景を見せられるこちらの身にもなって欲しい。
「貴美さん、はいあーん」
「あーん」
「美味しいですか?」
「ん、美味しい」
今日も貴美さんの横を陣取って甲斐甲斐しく世話をしているれいこ。
見慣れた光景なんだけど今日はさらに
れいこが貴美さんの頬に手を当てて親指で口の端を拭ってその指をぺろりと舐めた
「あまい」
その甘さに不服そうな顔をしてる。
いや、その空気の方が甘いから。
貴美さんの方は顔真っ赤な顔して固まってる。
「さくら見てよ。ラブラブじゃんね」
「本当。お似合いですよね」
***
「珠城さん。明日貴美さんにデートに誘われました」
嬉しそうに報告に来てくれた。
多分貴美さんはデートとまでは思ってないと思うけど。
「どうしよう、初めてのキスとか、手つないだり、一緒に朝を迎えるとかあったら」
「付き合うとは言われてないんでしょ?」
「明日言われるかもしれません」
不安しかない。
「さくら、明日暇?」
貴美さんの身がとてつもなく心配になり、さくらを誘ってれいこのデートを見守りに行くことにした。
待ち合わせ時間の少し前にさくらと落ち合って、少し離れたところから見守る。さくらは私がくる少し前に来たらしいんだけど、もうすでにれいこは待ち合わせ場所にいたらしい。
それってだいぶ待ってるよね。
遠足に行く小学生の朝みたい。
あっ、来た。
今日は一段と可愛い。
れいこは貴美さんの姿を見て明らかに固まっている。
歩き出したれいこが貴美さんの方を振り返り、身体を曲げ耳元で何か甘いセリフでも言われたのだろう貴美さんは慌てふためいている。
着かず離れずでバレないように尾行、もとい見守りを敢行する。
「わー。これ可愛い」
「お揃いとかいいですよね」
立ち寄ったジュエリーショップのショーケースの前で顔を綻ばせて指輪を見つめている。
貴美さんはれいこが投げた重めな言葉に反応しなかった。
それが一番いいと思います。
「珠城さんこれ見てください、可愛い」
さくらがあげた声に店員さんが反応して気付けば試着、買ってあげる羽目に。
まあ嬉しそうな顔見れたから良しとする。
絶対言ってあげないけど。
ご飯の途中、席を立ったれいこ。
トイレかと思いきや、店をでて行ってしまった。
足早にれいこが向かったのはレストランのすぐ側、先のジュエリーショップ
さっき貴美さんが熱心に見ていた指輪を購入している。
しかもちゃっかり自分の分まで買ってお揃いにしようとしているじゃん。
爽やかな顔してやってる事はストーカーまがいだからね
まあ、なんだかんだで暴走まではしてないし大丈夫そう。
もうすっかり日も暮れて暗くなってしまった。
れいこが名残惜しそうに手を握った後、別れて歩き出した貴美さんを呼び止めて後ろからぎゅっと抱きしめている。
こんな公衆の面前でなんてことを。
身を捩ってれいこの方を向いた貴美さんが抱きついたのにびっくりして、さくらを手招くように呼んだ。
「ちょっ、さくら見て・・・あれ?さくら?」
斜め後ろにいたはずのさくらがいない。
散々探し回って見つけたさくらの両手にはクレープ
「何してるの」
「長期戦になりそうだったので何か甘いものをと思いまして」
「もう帰っちゃったよ絶対」
足速にさくらの手を引いて連れて戻ればまだいる。
同じ格好で。
まじか・・・。
「ほら」
「いや、結構時間経ったよ?」
「れいこさんですから」
なんだかさくらの方がれいこのことちゃんと分かってるみたいで悔しいけど。
そして翌日れいこに延々とデート報告を聞かされるはめとなる。
「押して押してはやりすぎなんじゃない?」
「そうですか?落ちてくれるまで押して押して・・・あっ、そうか」
「はい?」
「そうですよね。押してダメならほっておけですよね」
閃いたようにぱあっと笑顔になったれいこにまたもや嫌な予感しかしない。
***
私変なこと言っちゃったかな。
やっぱりあの日かられいこの様子がおかしい。
今までの甘が嘘のように貴美さんに寄り付かなくなった。
いや、理由は分かっているんだけどしょうもなさすぎて口出しする気にもなれない。
貴美さんもれいこの変化が気にはなっているみたい。
わざと他の子と楽しそうに並んで歩いてみたり、
でも貴美さんがどんな反応してるかちらっと見てるし相変わらずみんなが近づく邪魔はしてる。
後からばれたら絶対貴美さん怒るよ、知らないからね。
ある日のお稽古終わり、廊下を歩いてたら何やら揉めている様子の2人。
貴美さんにしがみつくれいこを引きはがそうと押し問答しているみたいで、出来ることならここを通りたくない。
でもここを通らないと帰れないしなぁ。
「何してるの、れいこ」
思った以上に呆れたような声が出た。
こちらを向いた貴美さん、これは怒ってるな。
「たまちゃん、この犬あげる」
「やだ。捨てないで」
「面倒くさそうだからいらないです」
「珠城さんも止めて下さいよ、貴美さん私の事大好きなのに私を捨てようとしてるんですよ」
貴美さんに纏わりついたまま必死の訴えをしてるけど、れいこの作戦が功を評して両思いになれたのかな。
でもれいこの事だから作戦の事うっかり口を滑らせちゃって怒られてるってとこかな。
「離してれいこちゃん」
「やだ」
「早く行かないと大事な約束したあの可愛い娘役さんに怒られるよ」
「え、なにれいこ二股?」
可愛い娘役さん?
大事な約束?
あんなに貴美さんに執着してるれいこがそんな事するはずがない。
あり得なさすぎて変な声が出た。
泣きそうな顔をして凄い勢いで首を振るれいこ。
髪乱れちゃってるよ。
「違いますっ。次号のGRAPHの打ち合わせが」
「大事な約束って言ったじゃん」
「やきもち妬いてくれるかなって」
ちょっとはにかんだような顔に貴美さんの顔が少しだけ緩くなる。
なんだかんだでれいこに甘いんだよな。
「れいこちゃんなんて嫌い」
「嘘でしょう。貴美さんに捨てられたら私死んじゃいます」
「どうぞ」
「やだやだ。まだ貴美さんとしたい事が沢山あるんです死にたくない」
「もう面倒くさい」
堂々巡りだなこれは。
別れないと約束するまで打ち合わせに行かないと駄々こねだした。
結局、別れないと約束した貴美さんに好きだと私の前で公開告白させて打ち合わせにしぶしぶ向かった。
ああ、甘すぎて胃がもたれそう。
何度も何度も振り返りながら打ち合わせへ向かう背中を貴美さんと並んで見送る。
「貴美さん、れいこに甘いよね」
「え?やっぱり?」
ぼそっと私が呟いた言葉に反応して許すの止やめようとしている貴美さんにれいこが曲がりかけた角を戻ってきて止めに入る。
「もう早く行きなよ、いつまで待たせるつもりなの?」
「絶対待っててくださいね」
「待ってるから」
「はい。寂しいですけど少し待っててくださいね」
貴美さんを抱き寄せてキスして走って去っていった。
しばらく呆然としていた貴美さんは手で顔を覆ってしゃがみこんだ
「たまちゃん、私もうだめかも」
「好きすぎて?」
「心臓もたないよ」
「ふふっ。貴美さんが幸せならいいじゃない」
しゃがんだままこちらに顔を向けた貴美さんはとっても幸せそうな顔をしていて
恋っていいものだなって心から思った。
さあ帰りましょう。どっちの家に帰ります?
え?劇団出たらばいばいでしょ
ちょっと言ってる意味が分かりません。じゃあ今日はうちにしましょう
いやれいこちゃんの方が意味がっ
初めての夜、どきどきしますね
たっ・・・たまちゃん、たすけて
もう手に負えません
.
れいこが満面の笑みで走ってやってきてされた報告にびっくりしすぎて思わず噂の本人を見てしまう
前々から好きなのは知ってたし一生懸命アピールしてるけど、本人は気付く気配もなさそうだったから。
「え?本当につきあうって?」
「もちろん。嘘ついてどうするんですか」
当たり前でしょって怒ってるけどだって急展開過ぎじゃ無い?
そう思ってたら慌てたようにやってきた貴美さんを抱き寄せて堂々と恋人宣言した。
「ちょっ、れいこちゃん来てっ」
お稽古場から出て行く二人を見守る上級生の皆さんの母のような目
私は下級生ながらもどちらかというとそちら側なんだけどみんなの落胆ぶりといったら・・・。
下級生たちは憧れて本気で好きな子もたくさんいるから。
しばらくして戻ってきた2人の温度差。
貴美さんはなんだかぐったりした感じ。
れいこは何食わぬ顔で一言
「貴美さん恥ずかしがっちゃってお付き合い一旦保留になりました。これから好きになってもらうよう頑張ります」
れいこ。それはお断りされたという事なんじゃないの。
執着するタイプだとは思ってたけどそんなにタフだったのね。
それから毎日付き合ってないというのが嘘みたいにべたべたしている。
貴美さんも最初は恥ずかしいからと嫌がってたけどれいこの食い下がりように諦めたのかされるがままにされている。
近づいてくる下級生を牽制してる事に貴美さんはまだ気づいてない。
お稽古場でも貴美さんに質問したい娘役には譲ってあげてるけど、男役がやってきたら目つきが怖い。
挙句に自分が甘いの好きじゃないからどんなのが良いかわからないってお稽古終わりにお菓子売り場にお買い物するのを付き合わされる始末。
お菓子を選んでるれいこが幸せそうで何よりだし、貴美さんの為なら全然付き合うけどさお菓子より甘い光景を見せられるこちらの身にもなって欲しい。
「貴美さん、はいあーん」
「あーん」
「美味しいですか?」
「ん、美味しい」
今日も貴美さんの横を陣取って甲斐甲斐しく世話をしているれいこ。
見慣れた光景なんだけど今日はさらに
れいこが貴美さんの頬に手を当てて親指で口の端を拭ってその指をぺろりと舐めた
「あまい」
その甘さに不服そうな顔をしてる。
いや、その空気の方が甘いから。
貴美さんの方は顔真っ赤な顔して固まってる。
「さくら見てよ。ラブラブじゃんね」
「本当。お似合いですよね」
***
「珠城さん。明日貴美さんにデートに誘われました」
嬉しそうに報告に来てくれた。
多分貴美さんはデートとまでは思ってないと思うけど。
「どうしよう、初めてのキスとか、手つないだり、一緒に朝を迎えるとかあったら」
「付き合うとは言われてないんでしょ?」
「明日言われるかもしれません」
不安しかない。
「さくら、明日暇?」
貴美さんの身がとてつもなく心配になり、さくらを誘ってれいこのデートを見守りに行くことにした。
待ち合わせ時間の少し前にさくらと落ち合って、少し離れたところから見守る。さくらは私がくる少し前に来たらしいんだけど、もうすでにれいこは待ち合わせ場所にいたらしい。
それってだいぶ待ってるよね。
遠足に行く小学生の朝みたい。
あっ、来た。
今日は一段と可愛い。
れいこは貴美さんの姿を見て明らかに固まっている。
歩き出したれいこが貴美さんの方を振り返り、身体を曲げ耳元で何か甘いセリフでも言われたのだろう貴美さんは慌てふためいている。
着かず離れずでバレないように尾行、もとい見守りを敢行する。
「わー。これ可愛い」
「お揃いとかいいですよね」
立ち寄ったジュエリーショップのショーケースの前で顔を綻ばせて指輪を見つめている。
貴美さんはれいこが投げた重めな言葉に反応しなかった。
それが一番いいと思います。
「珠城さんこれ見てください、可愛い」
さくらがあげた声に店員さんが反応して気付けば試着、買ってあげる羽目に。
まあ嬉しそうな顔見れたから良しとする。
絶対言ってあげないけど。
ご飯の途中、席を立ったれいこ。
トイレかと思いきや、店をでて行ってしまった。
足早にれいこが向かったのはレストランのすぐ側、先のジュエリーショップ
さっき貴美さんが熱心に見ていた指輪を購入している。
しかもちゃっかり自分の分まで買ってお揃いにしようとしているじゃん。
爽やかな顔してやってる事はストーカーまがいだからね
まあ、なんだかんだで暴走まではしてないし大丈夫そう。
もうすっかり日も暮れて暗くなってしまった。
れいこが名残惜しそうに手を握った後、別れて歩き出した貴美さんを呼び止めて後ろからぎゅっと抱きしめている。
こんな公衆の面前でなんてことを。
身を捩ってれいこの方を向いた貴美さんが抱きついたのにびっくりして、さくらを手招くように呼んだ。
「ちょっ、さくら見て・・・あれ?さくら?」
斜め後ろにいたはずのさくらがいない。
散々探し回って見つけたさくらの両手にはクレープ
「何してるの」
「長期戦になりそうだったので何か甘いものをと思いまして」
「もう帰っちゃったよ絶対」
足速にさくらの手を引いて連れて戻ればまだいる。
同じ格好で。
まじか・・・。
「ほら」
「いや、結構時間経ったよ?」
「れいこさんですから」
なんだかさくらの方がれいこのことちゃんと分かってるみたいで悔しいけど。
そして翌日れいこに延々とデート報告を聞かされるはめとなる。
「押して押してはやりすぎなんじゃない?」
「そうですか?落ちてくれるまで押して押して・・・あっ、そうか」
「はい?」
「そうですよね。押してダメならほっておけですよね」
閃いたようにぱあっと笑顔になったれいこにまたもや嫌な予感しかしない。
***
私変なこと言っちゃったかな。
やっぱりあの日かられいこの様子がおかしい。
今までの甘が嘘のように貴美さんに寄り付かなくなった。
いや、理由は分かっているんだけどしょうもなさすぎて口出しする気にもなれない。
貴美さんもれいこの変化が気にはなっているみたい。
わざと他の子と楽しそうに並んで歩いてみたり、
でも貴美さんがどんな反応してるかちらっと見てるし相変わらずみんなが近づく邪魔はしてる。
後からばれたら絶対貴美さん怒るよ、知らないからね。
ある日のお稽古終わり、廊下を歩いてたら何やら揉めている様子の2人。
貴美さんにしがみつくれいこを引きはがそうと押し問答しているみたいで、出来ることならここを通りたくない。
でもここを通らないと帰れないしなぁ。
「何してるの、れいこ」
思った以上に呆れたような声が出た。
こちらを向いた貴美さん、これは怒ってるな。
「たまちゃん、この犬あげる」
「やだ。捨てないで」
「面倒くさそうだからいらないです」
「珠城さんも止めて下さいよ、貴美さん私の事大好きなのに私を捨てようとしてるんですよ」
貴美さんに纏わりついたまま必死の訴えをしてるけど、れいこの作戦が功を評して両思いになれたのかな。
でもれいこの事だから作戦の事うっかり口を滑らせちゃって怒られてるってとこかな。
「離してれいこちゃん」
「やだ」
「早く行かないと大事な約束したあの可愛い娘役さんに怒られるよ」
「え、なにれいこ二股?」
可愛い娘役さん?
大事な約束?
あんなに貴美さんに執着してるれいこがそんな事するはずがない。
あり得なさすぎて変な声が出た。
泣きそうな顔をして凄い勢いで首を振るれいこ。
髪乱れちゃってるよ。
「違いますっ。次号のGRAPHの打ち合わせが」
「大事な約束って言ったじゃん」
「やきもち妬いてくれるかなって」
ちょっとはにかんだような顔に貴美さんの顔が少しだけ緩くなる。
なんだかんだでれいこに甘いんだよな。
「れいこちゃんなんて嫌い」
「嘘でしょう。貴美さんに捨てられたら私死んじゃいます」
「どうぞ」
「やだやだ。まだ貴美さんとしたい事が沢山あるんです死にたくない」
「もう面倒くさい」
堂々巡りだなこれは。
別れないと約束するまで打ち合わせに行かないと駄々こねだした。
結局、別れないと約束した貴美さんに好きだと私の前で公開告白させて打ち合わせにしぶしぶ向かった。
ああ、甘すぎて胃がもたれそう。
何度も何度も振り返りながら打ち合わせへ向かう背中を貴美さんと並んで見送る。
「貴美さん、れいこに甘いよね」
「え?やっぱり?」
ぼそっと私が呟いた言葉に反応して許すの止やめようとしている貴美さんにれいこが曲がりかけた角を戻ってきて止めに入る。
「もう早く行きなよ、いつまで待たせるつもりなの?」
「絶対待っててくださいね」
「待ってるから」
「はい。寂しいですけど少し待っててくださいね」
貴美さんを抱き寄せてキスして走って去っていった。
しばらく呆然としていた貴美さんは手で顔を覆ってしゃがみこんだ
「たまちゃん、私もうだめかも」
「好きすぎて?」
「心臓もたないよ」
「ふふっ。貴美さんが幸せならいいじゃない」
しゃがんだままこちらに顔を向けた貴美さんはとっても幸せそうな顔をしていて
恋っていいものだなって心から思った。
さあ帰りましょう。どっちの家に帰ります?
え?劇団出たらばいばいでしょ
ちょっと言ってる意味が分かりません。じゃあ今日はうちにしましょう
いやれいこちゃんの方が意味がっ
初めての夜、どきどきしますね
たっ・・・たまちゃん、たすけて
もう手に負えません
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