F.NOZOMI
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やっとたどり着いた。
なんて揺れる電車だったんだろう。モノレールとはあんなに揺れるのか。
いつもならそうでもないかもしれない揺れも元々乗り物に弱い今日の私にはダメだったみたい。
スマホ片手に乗り換えをチェックして人の波に乗って電車を降りたはいいもののこの勢いのまま流れに乗って進めるとは思えなくて壁に手をつこうとふらふらと横に逸れる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
横から綺麗なお姉さん?いや、お兄さん?に心配そうに見つめられる。あれ、なんか見たことあるな。
「あれ、お会いした事あります?」
相手も同じ事思ってたみたい。
でも私も思い出せないんだよなと考えてたらその人は慌てたように
「ナンパとかじゃないんですっ」
「大丈夫、そんな事思ってませんよ。私もどこかでお会いしたような気がしてました」
「良かった。そうですよね」
こんな都会のど真ん中で見たことあるかもしれないなんてレベルの話に付き合ってくれるのがありがたい。
んーと考えていたらふとひらめいた。
「あ!あすかちゃんの!」
「あ!まあ様の!」
綺麗な声と被った。
望海風斗さんだ!あすかちゃんが在団中、舞台で見た事ある。
舞台化粧じゃないから分からなかった。でも、私をご存知なのは何故だろう。
「大丈夫ですか?」
「電車酔いしちゃったみたいで」
「大変。まあ様の舞台を観に?」
「はい」
「私も今から観に行くところだったんです。良かったら一緒に行きましょう。動けそう?」
望海さんに支えられて歩き出した。こんな細い人に支えられて申し訳ない。
上着のポケットの中でぶるっと震えた携帯。見ればあすかちゃんからのLINE。
ちゃんと駅着いた?
返信しようとしたら、あ。電話かかってきた。
「望海さん、すみません。あすかちゃんから電話なので出てもいいですか?」
「もちろんもちろん」
申し訳ないと思いながら通話ボタンを押す。
「もしもし?」
「貴美?大丈夫?無事着いた?変な人に声かけられてない?」
電話の向こうで早口で話すあすかちゃんの声が聞こえてたみたいで望海さんが肩をすくめて笑ってる。
「大丈夫、でも凄い人に声かけてもらったよ」
「だれ?」
あすかちゃんの低い声にくすくす笑ってる望海さんに携帯を渡す。
あすかちゃんは昔から過保護なのだ、いつだって。
「はじめまして、お父さん。貴美さんとお付き合いさせてもらってます、望海風斗と申します。」
男役全開の声であすかちゃんを揶揄うように話す望海さん。
後で怒られても知りませんよ。
望海さんだと分かってあすかちゃんは安心したのだろう楽しそうに話す望海さんを横から眺める。
「お付き合い許可もらったよ」
「ふふっ。望海さんって面白い方ですね」
「そう?いつもね、貴美ちゃんを写真で見せてもらってたの。でもまあ様なかなか会わせてくれないから」
今日はラッキーな日だって微笑む顔が綺麗で見惚れてしまった。
こんな素敵な人が私なんかを知っててくれたことだけですごい事
会場に着いてお礼を言って別れようとしたら、終演後に一緒に楽屋にお邪魔する約束までしてしまった。
望海さんの席とは少し離れるものの舞台に目を向ければ自然と目に入る位置にいらっしゃるのでつい目がそっちに行ってしまう。
あすかちゃん、集中できません。
****
「あやちゃん、貴美」
終演後楽屋へ遊びに行けばあすかちゃんが待ってましたと言わんばかりに抱きしめてくれた。
「あすかちゃん苦しい・・・」
「まあ様過保護すぎじゃない?」
そんな私たちを見つめて苦笑いする望海さん。
「大事な大事な娘だもの。」
「娘だったんだ・・・」
「箱入り娘なんだね」
「嫁にはまだ出さん」
お母さんじゃなくて、お父さんの方か・・・。
お嫁に下さいって言ってくれた望海さんとあすかちゃんとの抗争が楽しそうで楽しそうで。
「あやちゃんならいいかな」
「本当?」
何処の馬の骨かも分からない男に取られる位なら望海さんの方がいいなんて、お見合い話のようにあれよあれよと私の嫁ぎ先が決められていくようだった。あすかちゃんの腕を掴んで制止する。
「まっ、待ってあすかちゃん」
「なに?あやちゃんじゃ不満なの?こんなにいい子なかなかいないよ」
うん、それは耳にタコができるほど聞いたからわかってる。
そういう問題じゃなくてね。
「そうじゃなくて、望海さんにも選ぶ権利があるんだよ?」
キョトンとした表情で顔を見合わせた2人。
『ぷっ』
「何で笑うの」
よく分からない。
「まあ、頑張るんだよ」
「気長に頑張ります。お父さん」
「まだ早い」
まあ2人が楽しそうだからいいか。
「お父さん、今日はお嬢さんをお食事に誘っても?」
「いいだろう。だが、門限は21時だ」
「はやっ。」
まだ2人で親子ごっこしてる。
というか、望海さんと一緒にご飯?
あすかちゃんがいるとはいえ画面越し、話ごしにしか知らないからなんだか緊張しちゃうな。
「じゃあ行こうか。」
「はい。あすかちゃん、待ってるね。」
「待ってるのは私の方だけど?」
先に店に向かって席に着いたものの、明らかに2名掛けのテーブル
えっと、2人きり?
しかもこんなおしゃれなお店緊張しちゃうよ。
「あの・・・」
「ん?」
「あすかちゃんは・・・」
「え?2人だけだけどダメだった?」
いや、ダメとかじゃなくて
緊張で喉も通らないというか・・・。
「折角のデートなんだからお父さんは抜きね」
そうウインクを1つ飛ばして微笑む望海さんが綺麗で思わず見とれた。
***
自然に誘えたかな。
ずっと会いたかった子。
まあ様の話に出てきて、写真を見せてもらってた。
いつもまあ様を観に来てるから私になんて気付いてないと思うけど、私は一方的に知り合いのつもりで舞台の上から視線を送りながらなんだか内心ドキドキしていた。
まあ様が過保護すぎてなかなか会わせてくれないから今日奇跡的に出会えて本当に嬉しい。
まさかあんなところで会えると思いもしなかったから一瞬分からなかった自分を殴りたい。
お酒も進んで、たわいもない話で盛り上がって気づけばもう20時半をまわっていた。
「今日はまあ様のお家に泊まるの?」
「はい」
「いいなー」
「あすかちゃんと仲良くしてくださってありがとうございます」
「そうじゃなくて貴美ちゃんと過ごせるまあ様がうらやましいって言ってるんだよ」
えっ・・・そんなと頬を赤らめて俯いた。
この勢いで言ってしまえ、私。
「私ね、ずっと前から貴美ちゃんの事が好きなんだ」
「へ?」
「その・・・私の彼女になってくれないかなって」
「私なんかで良いんでしょうか」
「貴美ちゃんじゃなきゃだめなの」
真っ赤な顔のままうなづいた貴美ちゃん
ああ、今すぐ抱きしめたい衝動に駆られていてもたってもいられなくなってしまった。
「ねえ、今日うちに泊まらない?」
「望海さんのお家にですか」
「まあ様は説得する」
お店を出て早速まあ様に電話をする。
許して貰えるだろうか。
2コールで電話口からはまあ様の声。
早いな。
「お父様」
「まだ早い」
「外泊許可をください」
「は?だめだめ!お泊りなんて。不純だわ」
「ありがとうございます。ではまた」
「ちょっ、あやちゃん」
まだ言いたいことがあるらしいまあ様、終話ボタンを押してぽっけに携帯をしまう。
なんだか携帯が震えてるけど気にしない。
「いいって」
「本当ですか?あすかちゃんが良いって言うなんて」
心底びっくりした顔の貴美ちゃんの手を引いて家路につく
本当に過保護だ。
もうちゃんとした大人なんだから少しくらい冒険もありでしょう。
「なんかあすかちゃんから物凄く着信が・・・」
携帯をふと見た貴美ちゃんが呟く。
手から取り上げて通話ボタンを押す。
今日を逃すつもりはないから絶対連れて帰るからね。
夜はまだ長いから沢山話してもっとお互いを知ろう。
抱き寄せて口付けくらい許されるかな。
考えるだけで心が熱くなった帰り道。
もしもし
ちょっ・・・なんであやちゃんが出るの?貴美は?まさかあやちゃん、貴美にはれんちな・・・
いや、まだ帰り着いてないんで
まだってなに。だめよだめ、絶対。まだ早い!
.
なんて揺れる電車だったんだろう。モノレールとはあんなに揺れるのか。
いつもならそうでもないかもしれない揺れも元々乗り物に弱い今日の私にはダメだったみたい。
スマホ片手に乗り換えをチェックして人の波に乗って電車を降りたはいいもののこの勢いのまま流れに乗って進めるとは思えなくて壁に手をつこうとふらふらと横に逸れる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
横から綺麗なお姉さん?いや、お兄さん?に心配そうに見つめられる。あれ、なんか見たことあるな。
「あれ、お会いした事あります?」
相手も同じ事思ってたみたい。
でも私も思い出せないんだよなと考えてたらその人は慌てたように
「ナンパとかじゃないんですっ」
「大丈夫、そんな事思ってませんよ。私もどこかでお会いしたような気がしてました」
「良かった。そうですよね」
こんな都会のど真ん中で見たことあるかもしれないなんてレベルの話に付き合ってくれるのがありがたい。
んーと考えていたらふとひらめいた。
「あ!あすかちゃんの!」
「あ!まあ様の!」
綺麗な声と被った。
望海風斗さんだ!あすかちゃんが在団中、舞台で見た事ある。
舞台化粧じゃないから分からなかった。でも、私をご存知なのは何故だろう。
「大丈夫ですか?」
「電車酔いしちゃったみたいで」
「大変。まあ様の舞台を観に?」
「はい」
「私も今から観に行くところだったんです。良かったら一緒に行きましょう。動けそう?」
望海さんに支えられて歩き出した。こんな細い人に支えられて申し訳ない。
上着のポケットの中でぶるっと震えた携帯。見ればあすかちゃんからのLINE。
ちゃんと駅着いた?
返信しようとしたら、あ。電話かかってきた。
「望海さん、すみません。あすかちゃんから電話なので出てもいいですか?」
「もちろんもちろん」
申し訳ないと思いながら通話ボタンを押す。
「もしもし?」
「貴美?大丈夫?無事着いた?変な人に声かけられてない?」
電話の向こうで早口で話すあすかちゃんの声が聞こえてたみたいで望海さんが肩をすくめて笑ってる。
「大丈夫、でも凄い人に声かけてもらったよ」
「だれ?」
あすかちゃんの低い声にくすくす笑ってる望海さんに携帯を渡す。
あすかちゃんは昔から過保護なのだ、いつだって。
「はじめまして、お父さん。貴美さんとお付き合いさせてもらってます、望海風斗と申します。」
男役全開の声であすかちゃんを揶揄うように話す望海さん。
後で怒られても知りませんよ。
望海さんだと分かってあすかちゃんは安心したのだろう楽しそうに話す望海さんを横から眺める。
「お付き合い許可もらったよ」
「ふふっ。望海さんって面白い方ですね」
「そう?いつもね、貴美ちゃんを写真で見せてもらってたの。でもまあ様なかなか会わせてくれないから」
今日はラッキーな日だって微笑む顔が綺麗で見惚れてしまった。
こんな素敵な人が私なんかを知っててくれたことだけですごい事
会場に着いてお礼を言って別れようとしたら、終演後に一緒に楽屋にお邪魔する約束までしてしまった。
望海さんの席とは少し離れるものの舞台に目を向ければ自然と目に入る位置にいらっしゃるのでつい目がそっちに行ってしまう。
あすかちゃん、集中できません。
****
「あやちゃん、貴美」
終演後楽屋へ遊びに行けばあすかちゃんが待ってましたと言わんばかりに抱きしめてくれた。
「あすかちゃん苦しい・・・」
「まあ様過保護すぎじゃない?」
そんな私たちを見つめて苦笑いする望海さん。
「大事な大事な娘だもの。」
「娘だったんだ・・・」
「箱入り娘なんだね」
「嫁にはまだ出さん」
お母さんじゃなくて、お父さんの方か・・・。
お嫁に下さいって言ってくれた望海さんとあすかちゃんとの抗争が楽しそうで楽しそうで。
「あやちゃんならいいかな」
「本当?」
何処の馬の骨かも分からない男に取られる位なら望海さんの方がいいなんて、お見合い話のようにあれよあれよと私の嫁ぎ先が決められていくようだった。あすかちゃんの腕を掴んで制止する。
「まっ、待ってあすかちゃん」
「なに?あやちゃんじゃ不満なの?こんなにいい子なかなかいないよ」
うん、それは耳にタコができるほど聞いたからわかってる。
そういう問題じゃなくてね。
「そうじゃなくて、望海さんにも選ぶ権利があるんだよ?」
キョトンとした表情で顔を見合わせた2人。
『ぷっ』
「何で笑うの」
よく分からない。
「まあ、頑張るんだよ」
「気長に頑張ります。お父さん」
「まだ早い」
まあ2人が楽しそうだからいいか。
「お父さん、今日はお嬢さんをお食事に誘っても?」
「いいだろう。だが、門限は21時だ」
「はやっ。」
まだ2人で親子ごっこしてる。
というか、望海さんと一緒にご飯?
あすかちゃんがいるとはいえ画面越し、話ごしにしか知らないからなんだか緊張しちゃうな。
「じゃあ行こうか。」
「はい。あすかちゃん、待ってるね。」
「待ってるのは私の方だけど?」
先に店に向かって席に着いたものの、明らかに2名掛けのテーブル
えっと、2人きり?
しかもこんなおしゃれなお店緊張しちゃうよ。
「あの・・・」
「ん?」
「あすかちゃんは・・・」
「え?2人だけだけどダメだった?」
いや、ダメとかじゃなくて
緊張で喉も通らないというか・・・。
「折角のデートなんだからお父さんは抜きね」
そうウインクを1つ飛ばして微笑む望海さんが綺麗で思わず見とれた。
***
自然に誘えたかな。
ずっと会いたかった子。
まあ様の話に出てきて、写真を見せてもらってた。
いつもまあ様を観に来てるから私になんて気付いてないと思うけど、私は一方的に知り合いのつもりで舞台の上から視線を送りながらなんだか内心ドキドキしていた。
まあ様が過保護すぎてなかなか会わせてくれないから今日奇跡的に出会えて本当に嬉しい。
まさかあんなところで会えると思いもしなかったから一瞬分からなかった自分を殴りたい。
お酒も進んで、たわいもない話で盛り上がって気づけばもう20時半をまわっていた。
「今日はまあ様のお家に泊まるの?」
「はい」
「いいなー」
「あすかちゃんと仲良くしてくださってありがとうございます」
「そうじゃなくて貴美ちゃんと過ごせるまあ様がうらやましいって言ってるんだよ」
えっ・・・そんなと頬を赤らめて俯いた。
この勢いで言ってしまえ、私。
「私ね、ずっと前から貴美ちゃんの事が好きなんだ」
「へ?」
「その・・・私の彼女になってくれないかなって」
「私なんかで良いんでしょうか」
「貴美ちゃんじゃなきゃだめなの」
真っ赤な顔のままうなづいた貴美ちゃん
ああ、今すぐ抱きしめたい衝動に駆られていてもたってもいられなくなってしまった。
「ねえ、今日うちに泊まらない?」
「望海さんのお家にですか」
「まあ様は説得する」
お店を出て早速まあ様に電話をする。
許して貰えるだろうか。
2コールで電話口からはまあ様の声。
早いな。
「お父様」
「まだ早い」
「外泊許可をください」
「は?だめだめ!お泊りなんて。不純だわ」
「ありがとうございます。ではまた」
「ちょっ、あやちゃん」
まだ言いたいことがあるらしいまあ様、終話ボタンを押してぽっけに携帯をしまう。
なんだか携帯が震えてるけど気にしない。
「いいって」
「本当ですか?あすかちゃんが良いって言うなんて」
心底びっくりした顔の貴美ちゃんの手を引いて家路につく
本当に過保護だ。
もうちゃんとした大人なんだから少しくらい冒険もありでしょう。
「なんかあすかちゃんから物凄く着信が・・・」
携帯をふと見た貴美ちゃんが呟く。
手から取り上げて通話ボタンを押す。
今日を逃すつもりはないから絶対連れて帰るからね。
夜はまだ長いから沢山話してもっとお互いを知ろう。
抱き寄せて口付けくらい許されるかな。
考えるだけで心が熱くなった帰り道。
もしもし
ちょっ・・・なんであやちゃんが出るの?貴美は?まさかあやちゃん、貴美にはれんちな・・・
いや、まだ帰り着いてないんで
まだってなに。だめよだめ、絶対。まだ早い!
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