F.NOZOMI
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
7月7日 七夕
「織姫と彦星か」
久しぶりにお休みが被って、出掛けた先に飾ってあった七夕飾り。
大きな笹の前に願い事かけるように短冊が置いてあって、折角だから願い事書いていこうと2人で足を止めた。
一生懸命考えてうんうん言ってる貴美をよそに早々と書き終わった私は横の七夕伝説の解説を読んでいた。
1年に1回しか会えない・・・。
私だったらそんなの耐えられないな。
毎日でも会いたいって思ってるのに。
「あやちゃん、あやちゃーん」
「へ?」
「ぼーっとして。疲れちゃった?」
「ううん、大丈夫。考え事してただけ。」
いつの間にか願い事書き終わってた事に気づかなかった。
じゃあ、行こうかと歩き出してしばらくして貴美が興味深々そうに首を傾げながら短冊の願い事を聞かれた。
「ひみつー」
「けち」
「願い事は言ったら叶わなくなるんだよ」
そっか。と立ち止まって一瞬考え込んで、じゃあ私も誰にも言わないっ。とにこにこしながら数歩先にいた私のところへ小走りできて並んで歩き出す。
「でもさ、1年に1回しか会えないなんて私なら耐えれないな」
そうだよねーって言われると思った。私もって。
でも彼女は一瞬驚いたような顔をした後微笑んでこう言った。
「私は1年に1回でもいいよ」
「え?」
今度は私の足が止まった。
貴美も毎日でも会いたいって思ってくれてるかなって思ったのに。貴美は私と会えなくても平気なの?
「だって、1年に1回は必ず会えるって約束されてるんだよ。嬉しくない?」
「うっ・・・うん」
目をキラキラさせて力説されるけど、なんだか複雑。
まあ、そう言われればそうなんだけど。
確かにね、絶対会える保証が付いてるって事だもんね。
そう考えれば悪くないような気もしてきた。
「それに、会えない間も毎日あやちゃんを想って頑張るから幸せなの。寂しくないんだー」
自慢げな顔で笑った後、そのまま前を向いて先に歩き出してしまう貴美。
もう、敵わないな。でもやっぱり
「私は1年に1度じゃやだ」
「あやちゃん・・・」
私の方を振り返って何だか嬉しそうな顔してる貴美を追いかけて手を取った。
「だから、これあげる」
貴美の手のひらに乗せたそれを見て泣き出した私の織姫さん。
「一緒に住もっか。ね?」
言葉なくうなづいた貴美は今まで1番綺麗だった。
あやちゃんがずっと幸せでありますように。
その隣に私が居れますように。
貴美の行く道が幸せで溢れますように。
その隣は私が歩けますように。
.