K.TUKISHIRO
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みてしまった。
見てはいけないものを。
お稽古場の隅の方で寝そべり誘うちなつさんに愛おしそうに覆い被さるれいこさんを見て心がざわざわしている。
あまりに美しくて、神秘的。
その言葉に尽きる。
ガラス越しに見てはいけない世界を覗いてしまった感覚で、もう少しで唇が触れる瞬間見てられなくてその場を立ち去った。
お二人はそういう関係だったの?
れいこさんは私に飽きちゃったのかな。
考えてみれば最近連絡少ない気もするし、あんな魅力的な方から誘われたら私なんかより・・・。
動揺し過ぎたのか私は落ち着こうとリフコでいつもは買わないような甘い飲み物、いちごミルクのボタンを押していた。
「へこむー」
「どうした?」
「わっ、ゆのちん」
そのいちごミルク片手にテーブルに身を預けぐったりとしていれば後ろから声がして顔を上げれば我が同期のゆのちん
「なんかあった?」
「んー。大丈夫」
正直大丈夫ではないけど、ゆのちんに話してもれいこさんと同じ組だし気を遣わせるだけ。
それよりまだ真実を知る覚悟ができていなかった。
「無理せずね」
「うん。ゆのちんだーい好き」
「相変わらずだね」
「え?」
「貴美は本当に。私だから良いけど、そんな事言って誘惑ばっかりしてるとれいこさんに怒られるよ」
誘惑なんてしたことないし、私みたいなのにひっかかる人なんていないと思う。
でも1人くらい誘惑されてくれたられいこさんに少しくらいヤキモチ焼いてもらえるんじゃ・・・なんて、ありえないか。
「誰か誘惑されてくれるかな」
「もういるじゃん、誘惑されてる人」
「え、誰」
「れいこさん」
「・・・ないない」
だっていつもれいこさんは余裕だもの。
好き好き言ってるのは私だし。
れいこさんに好きって言われた事なんて数えるくらいだし。
私みたいな子供より大人の色気のあるちなつさんに惹かれても何にも不思議じゃない。
ゆのちんは大きなため息をついて首を振って苦笑いした。
「まあ、思い知る時がくるよ」
数日後の劇団。
れいこさんとお稽古終わりにご飯を食べて帰る約束をしていた。
あの目撃以来のれいこさんだからなんか変に緊張してしまって私よりもお稽古時間の長いれいこさんを待つ間、無駄にロッカーの片付けとかしちゃって気づけば約束の時間になっていた。
慌てて待ち合わせ場所に行けばれいこさんはやはりもういらしてて慌てて駆け寄る。
立ってるだけで様になるのに更に微笑まれた日には胸が苦しい。
好き。でもどうしてもちなつさんの顔がちらついてしまって、不安定な心を隠してどこでご飯を食べるか話しながら歩き出す。
「どうしたの?」
「へ?」
「なんか上の空って感じだから」
「だっ、大丈夫です」
れいこさんに悟られてはいけない。
私とちなつさんを天秤にかけているのかもしれないのに。
いつもならついこぼしてしまう好きの言葉も今日は口にできそうもない。
「美味しかったですね」
「うん、ねえ」
「はい?」
「本当に大丈夫?」
お店を出て歩いていると眉間に少し皺を寄せたれいこさん。
私の方を向いたかと思えばスマートに前髪を上げておでこに手を当てる仕草に思わず一歩下がってしまった。
「熱でもあるのかなと思って。いつもなら、好き好きどどーんって感じなのに今日はしおらしいから」
「なんですかそれ。普段重いって事ですか」
「別に重くはないけどさ」
前髪を整えながらいじけたような口調になってしまった私の手を取って歩き出した。
「元気ないと心配になるじゃん」
「・・・ずるい」
「ん?」
「なんでもないです」
***
「貴美」
「ちなつさん」
お稽古に向かう廊下で会ってしまった、私のライバルさま。
いや、勝てるはずもない相手を前にライバルだなんておこがましい話だ。
「こないだ見てたでしょ。ごめんね、れいこちゃんを。それでさ、まだ秘密にしてて欲しいんだ」
見てたのバレてた。どくんと胸が音を立てる。
ごめんねってなに。牽制されてるの?
胸が苦しくなってぎゅっと服を握りしめる。
目を背けてた事実を突きつけられたような気分。
しっかりしろ私。今は私がれいこさんの彼女なんだから。
・・・彼女だよね?
「ちなつさんの方が全然似合って・・・」
分かってる。ちなつさんの方が断然れいこさんとの並びも美しいって。
でも自分で口にしてとても悲しくて苦しかった。
「え、なんで泣くの」
「すっ、すみません。何でもありません。お二人が神秘的過ぎて」
「そう見えたなら良かった」
優しく微笑むちなつさん
ここは私が身を引くべきなんだって分かってる。
でも
「・・・でも、れいこさんの事は諦められません。すみません」
「え?」
「私がちなつさんと張り合おうなんて恐れ多いのは分かってます。でも」
「でも?」
「れいこさんが大好きで。れいこさんを想う気持ちは負けてないと思って・・・え?」
必死過ぎて、でも?の声がちなつさんの声じゃなかった事、向かいあってる筈なのに後ろから声が聞こえた事に気付くのが遅れた。
しかもその声、よく知ってる。
「なに?私の取り合いしてるんですか?」
嘘でしょう。ご本人だった。
でも、顔を見る勇気がなくて振り向けない。
「ちっ、違うんです」
「なんか宣戦布告されちゃった」
おどけて言うちなつさんの様子に顔が熱くなるのが分かる。
張本人お二人を前に私は何してるんだ。
というかこれって修羅場ってやつなのでは。
「貴美、可愛いね」
「私的には顔を見て言って欲しかったですけどね」
「泣いちゃうくらい好きって事でしょう」
私を挟んで2人で楽しそうに話されるけど私はワナワナしていた。
何呑気に笑いあってるわけ。
「ちなつさんはそれでいいんですか」
「なにが?」
「だってれいこさんに二股かけられてるんですよ?しかも私みたいな小娘と」
「ぷっ・・・あははっ」
急に笑い出されるのでちょっとむっとしてしまった。
「なんか変だなとは思ってたんだよ。勘違いしてない?」
「へ?」
「私たちそんな関係じゃないよ」
「え?」
後ろからそっとれいこさんに抱きしめられる。
「何考えてるの。本当」
「だってお二人、あんな格好してキッ、キスを・・・」
「あのさ、今回のショーの場面のお稽古中だっただけなんだけど」
「えーっ。キスするんですか」
「しないよっ」
なっ、何それ。
首だけ振り向けばにやりと笑ってらっしゃる。
いや、あんな生々しいの皆さんに見せたら悲鳴どころの騒ぎじゃないよ。
「泣くくらい私の事好きなの?」
泣き顔、見られてしまった。
れいこさんの右手が頬に触れて、親指で瞼の下をそっと撫でられた。
この余裕そうな顔が憎たらしい。
それでも悔しいくらい脈が早くなって胸が締め付けられる。
「大体さ、本気で浮気するつもりならあんなところで堂々としたりしないよ」
「確かに。やるならちゃんと隠しますよね」
「そういう事じゃなくて・・・はあ、つまりは私の愛が伝わってなかって事ね」
「いやっ、あの」
「とりあえず。今日はじっ、くり話し合おうか」
顎を掴まれまっすぐな瞳にじっと見つめられて目が離せない。
綺麗な瞳。
「あんなの貴美にはいつもしてるじゃない、私」
「なっ。サラッとそんな事言わないでくださいっ」
そんな恥ずかしい事大っぴらに言わないで欲しい。
逃げだそうにもがっしり抱きすくめられているので逃げだせない。
「はいはい、誤解も解けた事だし貴美もお稽古行かないと。続きは家に帰ってからにしてね」
「ちぇーっ。またあとでね」
名残惜しそうに腕を緩めてくれたれいこさん
「疑ってごめんなさい」
「いいよ。貴美の熱ーい気持ち聞けたから」
手を引かれ綺麗なお顔が近づいてきて思わずぎゅっと目を閉じる
「今夜は優しく出来ないと思うから覚悟しといて。私が貴美をどれだけ愛してるかじっくり分からせてあげる」
耳元で囁かれ、吐息混じりの声が耳の奥までこだまする。
その後頬に触れた柔らかい唇。
思わず膝から崩れ落ちた。
「はっ、破壊力」
「あ、貴美。おはよー。なにその気の抜けた顔」
向こう側から歩いてきたずんさんが呆れたようにれいこさん越しに声をかけてくださる。
「ずんさんっ、どうしましょう、好きですっ」
「は?私を?」
「ずんちゃんな訳ないでしょ!貴美やめてよ、心配でお稽古行けなくなるじゃん」
「れいこさん過多でしぬ」
「ふふふっ、私でいっぱいになってしまえばいいよ」
「くー。悔しいくらいかっこいい」
しゃがみこんでいる私に目線を合わせ
手を引き、立たせてくださる。離れたくなくてぎゅっと抱きついた。
「好きです」
「知ってる。やっといつも通りに戻った」
くすくす笑いながら背中をぽんぽんとあやすように撫でてくださる。
れいこさんのいい香りが胸いっぱいに広がる。
「いちゃいちゃするのはいいけどさ、家でやってくんないかな」
苦笑いのちなつさんをよそに抱きしめる力を強めたれいこさんの腕の中で幸せを噛み締めるのだった。
もっ、もう大丈夫です
まだ分かってないでしょう?私がどれだけ愛してるのか
いや、充分分かったのでっ
だめ。私にもちゃんと分からせて、貴美がどれだけ私を愛してるのかも
ずるいっ
好きでしょう?そういう私も
見てはいけないものを。
お稽古場の隅の方で寝そべり誘うちなつさんに愛おしそうに覆い被さるれいこさんを見て心がざわざわしている。
あまりに美しくて、神秘的。
その言葉に尽きる。
ガラス越しに見てはいけない世界を覗いてしまった感覚で、もう少しで唇が触れる瞬間見てられなくてその場を立ち去った。
お二人はそういう関係だったの?
れいこさんは私に飽きちゃったのかな。
考えてみれば最近連絡少ない気もするし、あんな魅力的な方から誘われたら私なんかより・・・。
動揺し過ぎたのか私は落ち着こうとリフコでいつもは買わないような甘い飲み物、いちごミルクのボタンを押していた。
「へこむー」
「どうした?」
「わっ、ゆのちん」
そのいちごミルク片手にテーブルに身を預けぐったりとしていれば後ろから声がして顔を上げれば我が同期のゆのちん
「なんかあった?」
「んー。大丈夫」
正直大丈夫ではないけど、ゆのちんに話してもれいこさんと同じ組だし気を遣わせるだけ。
それよりまだ真実を知る覚悟ができていなかった。
「無理せずね」
「うん。ゆのちんだーい好き」
「相変わらずだね」
「え?」
「貴美は本当に。私だから良いけど、そんな事言って誘惑ばっかりしてるとれいこさんに怒られるよ」
誘惑なんてしたことないし、私みたいなのにひっかかる人なんていないと思う。
でも1人くらい誘惑されてくれたられいこさんに少しくらいヤキモチ焼いてもらえるんじゃ・・・なんて、ありえないか。
「誰か誘惑されてくれるかな」
「もういるじゃん、誘惑されてる人」
「え、誰」
「れいこさん」
「・・・ないない」
だっていつもれいこさんは余裕だもの。
好き好き言ってるのは私だし。
れいこさんに好きって言われた事なんて数えるくらいだし。
私みたいな子供より大人の色気のあるちなつさんに惹かれても何にも不思議じゃない。
ゆのちんは大きなため息をついて首を振って苦笑いした。
「まあ、思い知る時がくるよ」
数日後の劇団。
れいこさんとお稽古終わりにご飯を食べて帰る約束をしていた。
あの目撃以来のれいこさんだからなんか変に緊張してしまって私よりもお稽古時間の長いれいこさんを待つ間、無駄にロッカーの片付けとかしちゃって気づけば約束の時間になっていた。
慌てて待ち合わせ場所に行けばれいこさんはやはりもういらしてて慌てて駆け寄る。
立ってるだけで様になるのに更に微笑まれた日には胸が苦しい。
好き。でもどうしてもちなつさんの顔がちらついてしまって、不安定な心を隠してどこでご飯を食べるか話しながら歩き出す。
「どうしたの?」
「へ?」
「なんか上の空って感じだから」
「だっ、大丈夫です」
れいこさんに悟られてはいけない。
私とちなつさんを天秤にかけているのかもしれないのに。
いつもならついこぼしてしまう好きの言葉も今日は口にできそうもない。
「美味しかったですね」
「うん、ねえ」
「はい?」
「本当に大丈夫?」
お店を出て歩いていると眉間に少し皺を寄せたれいこさん。
私の方を向いたかと思えばスマートに前髪を上げておでこに手を当てる仕草に思わず一歩下がってしまった。
「熱でもあるのかなと思って。いつもなら、好き好きどどーんって感じなのに今日はしおらしいから」
「なんですかそれ。普段重いって事ですか」
「別に重くはないけどさ」
前髪を整えながらいじけたような口調になってしまった私の手を取って歩き出した。
「元気ないと心配になるじゃん」
「・・・ずるい」
「ん?」
「なんでもないです」
***
「貴美」
「ちなつさん」
お稽古に向かう廊下で会ってしまった、私のライバルさま。
いや、勝てるはずもない相手を前にライバルだなんておこがましい話だ。
「こないだ見てたでしょ。ごめんね、れいこちゃんを。それでさ、まだ秘密にしてて欲しいんだ」
見てたのバレてた。どくんと胸が音を立てる。
ごめんねってなに。牽制されてるの?
胸が苦しくなってぎゅっと服を握りしめる。
目を背けてた事実を突きつけられたような気分。
しっかりしろ私。今は私がれいこさんの彼女なんだから。
・・・彼女だよね?
「ちなつさんの方が全然似合って・・・」
分かってる。ちなつさんの方が断然れいこさんとの並びも美しいって。
でも自分で口にしてとても悲しくて苦しかった。
「え、なんで泣くの」
「すっ、すみません。何でもありません。お二人が神秘的過ぎて」
「そう見えたなら良かった」
優しく微笑むちなつさん
ここは私が身を引くべきなんだって分かってる。
でも
「・・・でも、れいこさんの事は諦められません。すみません」
「え?」
「私がちなつさんと張り合おうなんて恐れ多いのは分かってます。でも」
「でも?」
「れいこさんが大好きで。れいこさんを想う気持ちは負けてないと思って・・・え?」
必死過ぎて、でも?の声がちなつさんの声じゃなかった事、向かいあってる筈なのに後ろから声が聞こえた事に気付くのが遅れた。
しかもその声、よく知ってる。
「なに?私の取り合いしてるんですか?」
嘘でしょう。ご本人だった。
でも、顔を見る勇気がなくて振り向けない。
「ちっ、違うんです」
「なんか宣戦布告されちゃった」
おどけて言うちなつさんの様子に顔が熱くなるのが分かる。
張本人お二人を前に私は何してるんだ。
というかこれって修羅場ってやつなのでは。
「貴美、可愛いね」
「私的には顔を見て言って欲しかったですけどね」
「泣いちゃうくらい好きって事でしょう」
私を挟んで2人で楽しそうに話されるけど私はワナワナしていた。
何呑気に笑いあってるわけ。
「ちなつさんはそれでいいんですか」
「なにが?」
「だってれいこさんに二股かけられてるんですよ?しかも私みたいな小娘と」
「ぷっ・・・あははっ」
急に笑い出されるのでちょっとむっとしてしまった。
「なんか変だなとは思ってたんだよ。勘違いしてない?」
「へ?」
「私たちそんな関係じゃないよ」
「え?」
後ろからそっとれいこさんに抱きしめられる。
「何考えてるの。本当」
「だってお二人、あんな格好してキッ、キスを・・・」
「あのさ、今回のショーの場面のお稽古中だっただけなんだけど」
「えーっ。キスするんですか」
「しないよっ」
なっ、何それ。
首だけ振り向けばにやりと笑ってらっしゃる。
いや、あんな生々しいの皆さんに見せたら悲鳴どころの騒ぎじゃないよ。
「泣くくらい私の事好きなの?」
泣き顔、見られてしまった。
れいこさんの右手が頬に触れて、親指で瞼の下をそっと撫でられた。
この余裕そうな顔が憎たらしい。
それでも悔しいくらい脈が早くなって胸が締め付けられる。
「大体さ、本気で浮気するつもりならあんなところで堂々としたりしないよ」
「確かに。やるならちゃんと隠しますよね」
「そういう事じゃなくて・・・はあ、つまりは私の愛が伝わってなかって事ね」
「いやっ、あの」
「とりあえず。今日はじっ、くり話し合おうか」
顎を掴まれまっすぐな瞳にじっと見つめられて目が離せない。
綺麗な瞳。
「あんなの貴美にはいつもしてるじゃない、私」
「なっ。サラッとそんな事言わないでくださいっ」
そんな恥ずかしい事大っぴらに言わないで欲しい。
逃げだそうにもがっしり抱きすくめられているので逃げだせない。
「はいはい、誤解も解けた事だし貴美もお稽古行かないと。続きは家に帰ってからにしてね」
「ちぇーっ。またあとでね」
名残惜しそうに腕を緩めてくれたれいこさん
「疑ってごめんなさい」
「いいよ。貴美の熱ーい気持ち聞けたから」
手を引かれ綺麗なお顔が近づいてきて思わずぎゅっと目を閉じる
「今夜は優しく出来ないと思うから覚悟しといて。私が貴美をどれだけ愛してるかじっくり分からせてあげる」
耳元で囁かれ、吐息混じりの声が耳の奥までこだまする。
その後頬に触れた柔らかい唇。
思わず膝から崩れ落ちた。
「はっ、破壊力」
「あ、貴美。おはよー。なにその気の抜けた顔」
向こう側から歩いてきたずんさんが呆れたようにれいこさん越しに声をかけてくださる。
「ずんさんっ、どうしましょう、好きですっ」
「は?私を?」
「ずんちゃんな訳ないでしょ!貴美やめてよ、心配でお稽古行けなくなるじゃん」
「れいこさん過多でしぬ」
「ふふふっ、私でいっぱいになってしまえばいいよ」
「くー。悔しいくらいかっこいい」
しゃがみこんでいる私に目線を合わせ
手を引き、立たせてくださる。離れたくなくてぎゅっと抱きついた。
「好きです」
「知ってる。やっといつも通りに戻った」
くすくす笑いながら背中をぽんぽんとあやすように撫でてくださる。
れいこさんのいい香りが胸いっぱいに広がる。
「いちゃいちゃするのはいいけどさ、家でやってくんないかな」
苦笑いのちなつさんをよそに抱きしめる力を強めたれいこさんの腕の中で幸せを噛み締めるのだった。
もっ、もう大丈夫です
まだ分かってないでしょう?私がどれだけ愛してるのか
いや、充分分かったのでっ
だめ。私にもちゃんと分からせて、貴美がどれだけ私を愛してるのかも
ずるいっ
好きでしょう?そういう私も