F.NOZOMI
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「望海さん最近ピアノ弾いてらっしゃるんですか?」
大劇場公演に向け最終稽古中、袖でお茶を飲んでた望海さんに気になってた事を思い切って聞いてみた
「うん、ipadに楽譜入れてね」
やっぱり。さっきから皆んなのシーン見てらっしゃるとき指が動いてらっしゃったから
「他にも何かいいことがありましたよね?ピアノ関係してますか?」
「そうなの、音楽の音楽の神に愛された人に出会ったの」
「すごい!どんな方なんですか」
気になる、その音楽の天使。
「へえ、すごい。で、望海さんはその方に恋をしてらっしゃるんですね」
「そうなんだよ、ほんとに可愛くてね・・・ってえ?」
「違うんですか?」
「違わない」
やっぱりそうか。薄々気づいてはいた。
最近、望海さんが恋をしてらっしゃると。
一緒にお出掛けしても今までとは違うタイプの物を手に取られる。それを見てる時の望海さんの顔が朗らかでその物の先に思う誰かがいらして
「いいな」
望海さんにそんなに想ってもらえて。
今隣にいる女の子は私ですよ?望海さん。
思わず溢れた私の欲望。望海さんの恋のお相手はどんな方だろう。
望海さんの口から詳しく聞く勇気がなかったから、ある日思い切って咲さんに聞いてみた。
「咲さんはご存じなんですか?望海さんの恋のお相手」
「え?うん。会ったことはないけど話は」
「教えていただけませんかどんな方か」
「あのっ。何か・・・」
「ひゃっ。いっ・・・いえ」
お稽古帰り足が向かった先は例の教室。
思わず教室の中を覗いてしまってた私は後ろから声をかけられてびっくりして飛び上がってしまった。
振り返れば可愛らしい女の人。
この人か、望海さんの好きな人って。
「あ、もしかしてですけど、真彩さんでは?」
私の顔を見てハッとした顔をした後、満面の笑みで言い当てられてしまった。はっ・・・恥ずかしい。
覗いてたなんて望海さんにもバレたら恥ずかしいな。
「そうです。真彩希帆と申します。覗いたりしてすみません」
「いえいえ。高瀬貴美と申します。良かったら寄って行かれませんか?」
「あ、いやあの」
貴美さんとおっしゃるのか。
今日はお休みらしく、ちょうどお買い物から帰ってきたところだからとお邪魔することになってしまった。
どうしようこんなはずでは。
ちょっと見てみたいって思いで立ち寄ってみたはずなのに、今教室の端のテーブルの椅子に腰掛けている私。
お茶の手伝いを申し出たけど、貴美さんはお稽古終わりだろうから気にせず座っててと言ってくださった。
望海さんもこれくらいの時間に来てるのかな。
でも、今日はこの後取材のお仕事があるっておっしゃってたからきっと大丈夫。
望海さんに会ってしまったら絶対怒られる。
「はい、どうぞよかったら」
紅茶と焼き菓子を出してくださって向いに座る貴美さんを見つめる。
「ありがとうございます」
「何かあったんですか?」
「え?」
「何となく思い詰めたような顔されてたので」
望海さんの恋のお相手が気になって覗きに来ましたとは口が裂けても言えませんっ。
「望海さんから音楽の素晴らしい先生がいると伺ったもので」
「あやさんがそんな事を」
びっくりしたような貴美さん。
望海さん、ご本人には言ってないのかな。あやさんか・・・。
私は永遠にそんな呼び方する日は来ないだろうな。
「真彩さんの舞台映像見させていただいたんですけど、本当に素晴らしかったです。」
「そんなまだまだです。あの、ファントムも弾けると伺ったのですが」
「弾けますよ。歌って下さいます?」
あの望海さんが夢中になる、この方の音楽に触れてみたいと思った。
マグカップを両手で包んだままにこりと微笑んだ貴美さんはテーブルの上のクッキーを一個パクリと口に入れて紅茶を一口飲むと席を立ってピアノの方へ向かう。
その背中を追いかけてピアノの横に立った。
貴美さんのピアノは望海さんがおっしゃってた通り、美しく、技術だけじゃない素晴らしさがあった。
心地よい歌の時間。
数曲弾いてもらって存分に楽しんだ私はほんわりしてたからか、足元の段差に気づかず後ろに下がってしまいバランスを崩した私を庇って貴美さんが私の下敷きになって倒れた。
「すっ、すみませんっ。お怪我は」
「大丈夫です。真彩さんこそ大丈夫ですか?」
「あー!やっぱり。って何してんの」
助け起こそうとした瞬間聞こえた声に驚いで入口に目をやれば咲さんが立ってらした。
「今日変だと思ってたんだよ」
側から見れば揉み合って私が押し倒したみたいな格好の私たちを見て咲さんが慌てて割って入って私を立ち上がらせて、貴美さんを助け起こしてくださった。
「彩風咲奈と申します。うちの真彩がすみません」
困ったように眉を下げる咲さん。ごめんなさい、上がり込む予定では無かったんです。でもどんな方なのかどうしても気になって。
「なーんだ、てっきり修羅場かと」
「修羅場?」
「きっ気にしないでくださいっ。」
事情を話せば安心したように笑った咲さん。
そのあと咲さんの分も紅茶を入れてくれて、3人でお茶をしてる。これはなんだろう変な感じ。みんな初対面同士。
しばらくして扉が開く音がして振り返れば望海さんが立っていらした。
「なっ何してんの、2人とも」
「通りかがったのでお茶をご馳走になってました」
がっくりした様子から、きっと誰の目にも触れさせたく無かったのだろう。
「あやさん、お疲れ様でした。お茶飲んで行かれます?」
「うん」
優しい声、愛おしそうに貴美さんを見つめる望海さんを見てるとなんだか切なくなった。
自分から来たくせにこんな事になるなら来なければよかった。
お茶を入れてくれてる後ろ姿を見つめながら私達は小声で尋問にあっていた。
「で、本当に何してんの」
「のぞさんの恋を応援しに」
「やだ、やめてよっ」
真っ赤な顔をして恥ずかしがる望海さんがやけに可愛らしく見える。恋する乙女とはこの事をいうのだろう。
「真彩さん、また歌いに来てくださいね」
洗い物を手伝ってから帰るという望海さんを置いて先にお暇しようとしていた。
これから2人の時間なんだろうな。
何かあった時発散は歌うのが1番ですよ。と別れ際にこっそり言ってくれた。
望海さんの手前私が悩んでるなんて大きな声では言えないって思ってくれたんだろうな。
「はい、今度は貴美さんの歌絶対聞かせて下さいね」
「お聞かせできるレベルではないですけど・・・はい。真彩さんの元気の為なら歌います」
笑った貴美さんはとっても可憐で見惚れてしまった。本当に可愛い人なんだな、中身も。
「ちょっと真彩ちゃん、取らないでよ?」
見惚れてた私に釘を刺すように望海さんがおっしゃる。
「取りませんよ、私の1番は望海さんですもん」
「はいはい、ありがとう」
いつか本気で受け取ってもらえる日まで思いつづけます。望海さん、覚悟してて下さいね。
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大劇場公演に向け最終稽古中、袖でお茶を飲んでた望海さんに気になってた事を思い切って聞いてみた
「うん、ipadに楽譜入れてね」
やっぱり。さっきから皆んなのシーン見てらっしゃるとき指が動いてらっしゃったから
「他にも何かいいことがありましたよね?ピアノ関係してますか?」
「そうなの、音楽の音楽の神に愛された人に出会ったの」
「すごい!どんな方なんですか」
気になる、その音楽の天使。
「へえ、すごい。で、望海さんはその方に恋をしてらっしゃるんですね」
「そうなんだよ、ほんとに可愛くてね・・・ってえ?」
「違うんですか?」
「違わない」
やっぱりそうか。薄々気づいてはいた。
最近、望海さんが恋をしてらっしゃると。
一緒にお出掛けしても今までとは違うタイプの物を手に取られる。それを見てる時の望海さんの顔が朗らかでその物の先に思う誰かがいらして
「いいな」
望海さんにそんなに想ってもらえて。
今隣にいる女の子は私ですよ?望海さん。
思わず溢れた私の欲望。望海さんの恋のお相手はどんな方だろう。
望海さんの口から詳しく聞く勇気がなかったから、ある日思い切って咲さんに聞いてみた。
「咲さんはご存じなんですか?望海さんの恋のお相手」
「え?うん。会ったことはないけど話は」
「教えていただけませんかどんな方か」
「あのっ。何か・・・」
「ひゃっ。いっ・・・いえ」
お稽古帰り足が向かった先は例の教室。
思わず教室の中を覗いてしまってた私は後ろから声をかけられてびっくりして飛び上がってしまった。
振り返れば可愛らしい女の人。
この人か、望海さんの好きな人って。
「あ、もしかしてですけど、真彩さんでは?」
私の顔を見てハッとした顔をした後、満面の笑みで言い当てられてしまった。はっ・・・恥ずかしい。
覗いてたなんて望海さんにもバレたら恥ずかしいな。
「そうです。真彩希帆と申します。覗いたりしてすみません」
「いえいえ。高瀬貴美と申します。良かったら寄って行かれませんか?」
「あ、いやあの」
貴美さんとおっしゃるのか。
今日はお休みらしく、ちょうどお買い物から帰ってきたところだからとお邪魔することになってしまった。
どうしようこんなはずでは。
ちょっと見てみたいって思いで立ち寄ってみたはずなのに、今教室の端のテーブルの椅子に腰掛けている私。
お茶の手伝いを申し出たけど、貴美さんはお稽古終わりだろうから気にせず座っててと言ってくださった。
望海さんもこれくらいの時間に来てるのかな。
でも、今日はこの後取材のお仕事があるっておっしゃってたからきっと大丈夫。
望海さんに会ってしまったら絶対怒られる。
「はい、どうぞよかったら」
紅茶と焼き菓子を出してくださって向いに座る貴美さんを見つめる。
「ありがとうございます」
「何かあったんですか?」
「え?」
「何となく思い詰めたような顔されてたので」
望海さんの恋のお相手が気になって覗きに来ましたとは口が裂けても言えませんっ。
「望海さんから音楽の素晴らしい先生がいると伺ったもので」
「あやさんがそんな事を」
びっくりしたような貴美さん。
望海さん、ご本人には言ってないのかな。あやさんか・・・。
私は永遠にそんな呼び方する日は来ないだろうな。
「真彩さんの舞台映像見させていただいたんですけど、本当に素晴らしかったです。」
「そんなまだまだです。あの、ファントムも弾けると伺ったのですが」
「弾けますよ。歌って下さいます?」
あの望海さんが夢中になる、この方の音楽に触れてみたいと思った。
マグカップを両手で包んだままにこりと微笑んだ貴美さんはテーブルの上のクッキーを一個パクリと口に入れて紅茶を一口飲むと席を立ってピアノの方へ向かう。
その背中を追いかけてピアノの横に立った。
貴美さんのピアノは望海さんがおっしゃってた通り、美しく、技術だけじゃない素晴らしさがあった。
心地よい歌の時間。
数曲弾いてもらって存分に楽しんだ私はほんわりしてたからか、足元の段差に気づかず後ろに下がってしまいバランスを崩した私を庇って貴美さんが私の下敷きになって倒れた。
「すっ、すみませんっ。お怪我は」
「大丈夫です。真彩さんこそ大丈夫ですか?」
「あー!やっぱり。って何してんの」
助け起こそうとした瞬間聞こえた声に驚いで入口に目をやれば咲さんが立ってらした。
「今日変だと思ってたんだよ」
側から見れば揉み合って私が押し倒したみたいな格好の私たちを見て咲さんが慌てて割って入って私を立ち上がらせて、貴美さんを助け起こしてくださった。
「彩風咲奈と申します。うちの真彩がすみません」
困ったように眉を下げる咲さん。ごめんなさい、上がり込む予定では無かったんです。でもどんな方なのかどうしても気になって。
「なーんだ、てっきり修羅場かと」
「修羅場?」
「きっ気にしないでくださいっ。」
事情を話せば安心したように笑った咲さん。
そのあと咲さんの分も紅茶を入れてくれて、3人でお茶をしてる。これはなんだろう変な感じ。みんな初対面同士。
しばらくして扉が開く音がして振り返れば望海さんが立っていらした。
「なっ何してんの、2人とも」
「通りかがったのでお茶をご馳走になってました」
がっくりした様子から、きっと誰の目にも触れさせたく無かったのだろう。
「あやさん、お疲れ様でした。お茶飲んで行かれます?」
「うん」
優しい声、愛おしそうに貴美さんを見つめる望海さんを見てるとなんだか切なくなった。
自分から来たくせにこんな事になるなら来なければよかった。
お茶を入れてくれてる後ろ姿を見つめながら私達は小声で尋問にあっていた。
「で、本当に何してんの」
「のぞさんの恋を応援しに」
「やだ、やめてよっ」
真っ赤な顔をして恥ずかしがる望海さんがやけに可愛らしく見える。恋する乙女とはこの事をいうのだろう。
「真彩さん、また歌いに来てくださいね」
洗い物を手伝ってから帰るという望海さんを置いて先にお暇しようとしていた。
これから2人の時間なんだろうな。
何かあった時発散は歌うのが1番ですよ。と別れ際にこっそり言ってくれた。
望海さんの手前私が悩んでるなんて大きな声では言えないって思ってくれたんだろうな。
「はい、今度は貴美さんの歌絶対聞かせて下さいね」
「お聞かせできるレベルではないですけど・・・はい。真彩さんの元気の為なら歌います」
笑った貴美さんはとっても可憐で見惚れてしまった。本当に可愛い人なんだな、中身も。
「ちょっと真彩ちゃん、取らないでよ?」
見惚れてた私に釘を刺すように望海さんがおっしゃる。
「取りませんよ、私の1番は望海さんですもん」
「はいはい、ありがとう」
いつか本気で受け取ってもらえる日まで思いつづけます。望海さん、覚悟してて下さいね。
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