F.NOZOMI
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んー。どうすべきか。
行きつけのアクセサリーショッのショーケースの前でもう長いこと悩んで、何度も端から端を行ったり来たりしてる。
結局ピンと来るものがなくて店を出て歩き出す。
1ヶ月前
「あーやちゃんっ」
「貴美」
「はい、これ。」
観劇に来てくれた同期元娘役の貴美は楽屋に甘い香りと共にやってきた。
バレンタインに観に来てくれるってことはってやっぱり期待してしまう。
貴美は2年前に退団して今は舞台女優さんとして活躍してる。
同期で末っ子の貴美は昔から天真爛漫で皆んなから可愛がられてて。
いっぱい一緒に笑って泣いた。
いつからか分からない位前から気づけばずっと片想いしてる。
「はい。本命です」
「え?」
真剣な顔して差し出されたチョコに飲んでたコーヒーを吹き出しそうになる。
そんな事言われるなんて思ってもみなかったから、受け取る手が震えそうになる。
いや、返事は決まってるんだけど、かっこよく応えたくて何て言おうかと一生懸命高速で頭をフル回転させたのに笑顔全開で一言
「うそうそ、義理チョコ」
「義理」
手の中のチョコと貴美の顔を見比べてため息を吐く。
文句あるならあげないと取り上げられそうになったので慌てて背中に隠す。
義理だったとしてもわざわざ言わなくても良くない?悲しくなります。
「咲にも渡してね」
お土産感覚でもう一個紙袋を渡される。
何それ、自分であげればいいのに。
何でわざわざ自分の好きな子のチョコを預かって人にあげなきゃいけないわけ。
突き返したかったけど、貴美が去ってく方が早くて仕方なく咲ちゃんのとこに持って行けば会いたかったと嘆かれてなんか私が悪いことしたみたいじゃん。
直接渡さない貴美が悪いと思うんだけど。
本命から義理チョコ貰った場合、お返しはどうすべきか。
無難にお菓子で義理のまま終わるか、戦いを挑んでみるか。
悩んでネット検索してみた。
ホワイトデーで挽回のチャンスもあるとか書いてあったから、こうなったら勢いで行ってしまえとお返しを買いに出掛けたはいいけどいざとなると何が良いかとか、アクセサリーは重すぎないかなとか色々考えて迷ってうろうろしてへとへとになって家路に着いた。
あとは渡すだけ。
きっと貴美はホワイトデーって事さえ忘れてるだろうから何でもないようにお買い物に誘えばきっと大丈夫。
そう思いながらもLINEすれば予想通りあっさりオッケーされた。嬉しいような意識されてなさすぎて悲しいような。
「あやちゃん寒いー」
3月14日。
昨日まで暖かかったのに今日はぐっと冷え込んでいる。
並んで歩く貴美は私の腕にぎゅっと抱きついて暖を取ろうとしてる。冬
は、寒がりな貴美と自然に近づける季節だから好き。
「手、貸して」
貴美の右手を取り、ホッカイロを忍ばせた私の上着のポッケに突っ込む
「あー。暖かい」
さすが!と嬉しそうに左腕は私の腕に絡めたまま更にぎゅっと抱きついてくる。
「こうしたらあやちゃんも暖かいよ」
ほかほかの貴美の指と私の指が絡んでポッケに戻る。
私たちの繋いだ手のひらの中のほっかいろ。
一気に上がった体温はホッカイロのせいではない事だけは確か。
こんな事されたら手を離したくなくなって、ずっと外を歩きたくなってしまう。
**************
買い物で立ち寄ったショッピングモールで渡された福引券。
ガラポンを回せば出た緑色の玉。
当たったのは併設した大観覧車一周券。大はしゃぎで喜ぶ貴美に、4等なんだけどこれだけ喜んでくれたら微妙なくじ運も悪くないかもしれないと思う。
「見て!何て綺麗なんだろう」
向かい側に座る貴美は子供みたいに目をキラキラさせてゆっくりと登っていくゴンドラの中、外の夜景に夢中になってる。
貴美の横顔の方が綺麗だよなんてここで告白したらきっとかっこよくて少しくらいはときめいてくれるのかもしれないけどごめんと言われた時、残りの時間地獄だから意気地のない私には無理。
約15分弱の2人きりの時間。
せめてもここでお返しだけ渡そうかな。
「バレンタインありがとう。これお返し」
「え?そっか、今日ホワイトデーだね、ありがとう。」
いっぱい考えて選んだ結果のマカロン。
食べ物なら消費できるからいくら貰っても困らないだろう。
今日ホワイトデーなのやっぱり忘れてたみたい。
お返しとか期待とかしてませんでしたって顔されるとわかってても悲しくなる。
「ねえ、あやちゃん」
「なあに?」
「私、高いとこだめかも」
「はあ?」
いやいや、今更でしょ。
ロマンティックな雰囲気はどこへ行ったの。
まだゴンドラは10時の辺り。
後何分あると思ってんのよ。
景色と共にみるみる青ざめていく貴美。
乗る前に気づくよね、普通
「あやちゃん、どうしよう」
泣きそうな顔でこっちをじっと見つめるけど、ここから動いたらゴンドラ揺れてもっと怖いだろうから手を握ってあげることしか出来ないけど。
「大丈夫。私がいるから」
「手、離さないでね」
ぎゅっと握り返された手が震えてて。観覧車ってゴンドラ自体が大きいから向かい合って座ってたら手を握るのも頑張って手を伸ばさないと届かない。
「ねえ、ちょっと遠くて手が離れちゃうかも」
「えっ、やだ無理」
「そっち行っていい?」
返事を聞く前に立ち上がる。一瞬揺れるけど我慢して。
揺らさないようそっと立ち上がるけどやっぱり少し揺れて小さな悲鳴が上がる。
さっと横に座って手を握れば体を寄せてくるから手を握って、片手で腰を抱く。
「大丈夫。ここにいるから」
「離れないでね」
うん、ずっとそばにいる。そう言いたいけど、今だけの話だからと期待しそうになる心を鎮めて微笑む。
もう少しでてっぺんに到達しようという時一個前のゴンドラでカップルがキスしてるのが目に入った。
「すごいね。観覧車でキスって憧れるけど、あんな風に他の人から見えてるんだね。」
見てる方が恥ずかしいとキスに夢中なカップルから貴美は目を逸らした。
「ちゃんと頂上ですれば見えないんだよ」
「そうなの?」
そっと握ってた手を解けば離さないでみたいな顔されて可愛すぎて困るよ。
腰に回してた手を上にずらして肩を抱いて、被ってた帽子を取り私たちの口元を隠してそっと口付けた。
火が出そうなほど真っ赤な顔した貴美と見つめ合う
「てっぺん以外のとこでするときはこうしなきゃね」
ウインクしてみせれば口をパクパクさせてる。少しはドキドキしたかな。
「高いとこ怖くなくなるおまじない」
「なっ。」
「大丈夫になったでしょ?」
私の言葉にゴンドラの外に視線を向けてみてるけど、すぐに泣きそうな顔になる。無理そうね。
「無理」
「おかしいな、足りなかったのかな」
返事を聞く前にもう一度だけ口付ける。
ずっと我慢してきたから今だけ許して。
後でたくさん怒っていいから。
名残惜しいけど体を離しバックから小さな水色の紙袋を取り出して渡す。
「そうそう。はい、これ」
今日一日いつ渡そうかとソワソワしてたんだけど、この勢いで今しかない気がする。
受け取った貴美はきょとんとした顔でその紙袋を見つめてる。
あの日いきつけの店を出た後、通りかかったあのブルーが特徴のお店に似合いそうなネックレスを見つけてこれしかないと思って。
「バレンタインのお返し」
「さっき貰ったよ?」
「そっちがほんもの。あ、私のは義理じゃないから」
こないだの私のように私の顔と紙袋を交互に見て困惑したような顔をしている。
地上が近づき、終わりが見えた観覧車。
開かれた扉とともに終了の合図。
「おかえりなさいー」
「ごめんなさい、もう一周いいですか」
「は?何言って」
「いいから。」
あんなに怖がっといてもう一周って何考えてるの。
降りそびれた私達を乗せたゴンドラは二周目に向けて上を目指しだした。
静まり返るゴンドラの中、貴美は伺うように口を開いた。
「私の事好きなの?」
「好き。貴美がくれるのが義理チョコだったとしても私のお返しは本命だよ」
言ってしまった。
でもここまできて好きじゃないなんて臆病風が吹いたとしても言いたくない。
「あやちゃんは私の事何とも思ってないんだと思ってた」
そうかな、結構好きオーラ出してた気がするけど。
ばればれだってカチャにからかわれ続けてた位だもの。
あのまま言い逃げしてしまおうかと思ったんだけどまさか二周目に突入して尋問されるとは思わなかった。
「私もあやちゃんと同じ気持ちだよ」
「え?」
「だーかーらー」
「は?うそうそ、ちょっと待って」
「あやちゃん、やめてっ。揺れちゃう」
思わず後退ってしまったのでゴンドラが揺れてしがみつかれるからなだめるように背中をさする
「ごめんっ。だって義理チョコだって」
「本命だって言って受け取って貰えなかったらもう次から何でもなかったように会う勇気とかないもん。」
それならずっと本心は隠してこの関係を続ければいいと思ってたけど、長い片思いを今年でもう諦めようと思って最後に冗談めかして本命だって言ってみたらしい。
でも私の反応が全然な感じだったから決心がついて友達でいようと決めたとこだったそう。
「諦めようと思ってたんだけど、結局諦めきれなかった」
「私も友達のままじゃいやだ。」
どちらもともなく近づいた顔と顔。
ちょうどてっぺんにたどり着いた私達には帽子は要らない。
手繋いだ時はドキドキしちゃったよ。
手は友達でも繋ぐでしょ
あんな恋人みたいな繋ぎ方しないでしょ
え?するよ。咲とかともするもん
・・・今後は私以外とは禁止
.
行きつけのアクセサリーショッのショーケースの前でもう長いこと悩んで、何度も端から端を行ったり来たりしてる。
結局ピンと来るものがなくて店を出て歩き出す。
1ヶ月前
「あーやちゃんっ」
「貴美」
「はい、これ。」
観劇に来てくれた同期元娘役の貴美は楽屋に甘い香りと共にやってきた。
バレンタインに観に来てくれるってことはってやっぱり期待してしまう。
貴美は2年前に退団して今は舞台女優さんとして活躍してる。
同期で末っ子の貴美は昔から天真爛漫で皆んなから可愛がられてて。
いっぱい一緒に笑って泣いた。
いつからか分からない位前から気づけばずっと片想いしてる。
「はい。本命です」
「え?」
真剣な顔して差し出されたチョコに飲んでたコーヒーを吹き出しそうになる。
そんな事言われるなんて思ってもみなかったから、受け取る手が震えそうになる。
いや、返事は決まってるんだけど、かっこよく応えたくて何て言おうかと一生懸命高速で頭をフル回転させたのに笑顔全開で一言
「うそうそ、義理チョコ」
「義理」
手の中のチョコと貴美の顔を見比べてため息を吐く。
文句あるならあげないと取り上げられそうになったので慌てて背中に隠す。
義理だったとしてもわざわざ言わなくても良くない?悲しくなります。
「咲にも渡してね」
お土産感覚でもう一個紙袋を渡される。
何それ、自分であげればいいのに。
何でわざわざ自分の好きな子のチョコを預かって人にあげなきゃいけないわけ。
突き返したかったけど、貴美が去ってく方が早くて仕方なく咲ちゃんのとこに持って行けば会いたかったと嘆かれてなんか私が悪いことしたみたいじゃん。
直接渡さない貴美が悪いと思うんだけど。
本命から義理チョコ貰った場合、お返しはどうすべきか。
無難にお菓子で義理のまま終わるか、戦いを挑んでみるか。
悩んでネット検索してみた。
ホワイトデーで挽回のチャンスもあるとか書いてあったから、こうなったら勢いで行ってしまえとお返しを買いに出掛けたはいいけどいざとなると何が良いかとか、アクセサリーは重すぎないかなとか色々考えて迷ってうろうろしてへとへとになって家路に着いた。
あとは渡すだけ。
きっと貴美はホワイトデーって事さえ忘れてるだろうから何でもないようにお買い物に誘えばきっと大丈夫。
そう思いながらもLINEすれば予想通りあっさりオッケーされた。嬉しいような意識されてなさすぎて悲しいような。
「あやちゃん寒いー」
3月14日。
昨日まで暖かかったのに今日はぐっと冷え込んでいる。
並んで歩く貴美は私の腕にぎゅっと抱きついて暖を取ろうとしてる。冬
は、寒がりな貴美と自然に近づける季節だから好き。
「手、貸して」
貴美の右手を取り、ホッカイロを忍ばせた私の上着のポッケに突っ込む
「あー。暖かい」
さすが!と嬉しそうに左腕は私の腕に絡めたまま更にぎゅっと抱きついてくる。
「こうしたらあやちゃんも暖かいよ」
ほかほかの貴美の指と私の指が絡んでポッケに戻る。
私たちの繋いだ手のひらの中のほっかいろ。
一気に上がった体温はホッカイロのせいではない事だけは確か。
こんな事されたら手を離したくなくなって、ずっと外を歩きたくなってしまう。
**************
買い物で立ち寄ったショッピングモールで渡された福引券。
ガラポンを回せば出た緑色の玉。
当たったのは併設した大観覧車一周券。大はしゃぎで喜ぶ貴美に、4等なんだけどこれだけ喜んでくれたら微妙なくじ運も悪くないかもしれないと思う。
「見て!何て綺麗なんだろう」
向かい側に座る貴美は子供みたいに目をキラキラさせてゆっくりと登っていくゴンドラの中、外の夜景に夢中になってる。
貴美の横顔の方が綺麗だよなんてここで告白したらきっとかっこよくて少しくらいはときめいてくれるのかもしれないけどごめんと言われた時、残りの時間地獄だから意気地のない私には無理。
約15分弱の2人きりの時間。
せめてもここでお返しだけ渡そうかな。
「バレンタインありがとう。これお返し」
「え?そっか、今日ホワイトデーだね、ありがとう。」
いっぱい考えて選んだ結果のマカロン。
食べ物なら消費できるからいくら貰っても困らないだろう。
今日ホワイトデーなのやっぱり忘れてたみたい。
お返しとか期待とかしてませんでしたって顔されるとわかってても悲しくなる。
「ねえ、あやちゃん」
「なあに?」
「私、高いとこだめかも」
「はあ?」
いやいや、今更でしょ。
ロマンティックな雰囲気はどこへ行ったの。
まだゴンドラは10時の辺り。
後何分あると思ってんのよ。
景色と共にみるみる青ざめていく貴美。
乗る前に気づくよね、普通
「あやちゃん、どうしよう」
泣きそうな顔でこっちをじっと見つめるけど、ここから動いたらゴンドラ揺れてもっと怖いだろうから手を握ってあげることしか出来ないけど。
「大丈夫。私がいるから」
「手、離さないでね」
ぎゅっと握り返された手が震えてて。観覧車ってゴンドラ自体が大きいから向かい合って座ってたら手を握るのも頑張って手を伸ばさないと届かない。
「ねえ、ちょっと遠くて手が離れちゃうかも」
「えっ、やだ無理」
「そっち行っていい?」
返事を聞く前に立ち上がる。一瞬揺れるけど我慢して。
揺らさないようそっと立ち上がるけどやっぱり少し揺れて小さな悲鳴が上がる。
さっと横に座って手を握れば体を寄せてくるから手を握って、片手で腰を抱く。
「大丈夫。ここにいるから」
「離れないでね」
うん、ずっとそばにいる。そう言いたいけど、今だけの話だからと期待しそうになる心を鎮めて微笑む。
もう少しでてっぺんに到達しようという時一個前のゴンドラでカップルがキスしてるのが目に入った。
「すごいね。観覧車でキスって憧れるけど、あんな風に他の人から見えてるんだね。」
見てる方が恥ずかしいとキスに夢中なカップルから貴美は目を逸らした。
「ちゃんと頂上ですれば見えないんだよ」
「そうなの?」
そっと握ってた手を解けば離さないでみたいな顔されて可愛すぎて困るよ。
腰に回してた手を上にずらして肩を抱いて、被ってた帽子を取り私たちの口元を隠してそっと口付けた。
火が出そうなほど真っ赤な顔した貴美と見つめ合う
「てっぺん以外のとこでするときはこうしなきゃね」
ウインクしてみせれば口をパクパクさせてる。少しはドキドキしたかな。
「高いとこ怖くなくなるおまじない」
「なっ。」
「大丈夫になったでしょ?」
私の言葉にゴンドラの外に視線を向けてみてるけど、すぐに泣きそうな顔になる。無理そうね。
「無理」
「おかしいな、足りなかったのかな」
返事を聞く前にもう一度だけ口付ける。
ずっと我慢してきたから今だけ許して。
後でたくさん怒っていいから。
名残惜しいけど体を離しバックから小さな水色の紙袋を取り出して渡す。
「そうそう。はい、これ」
今日一日いつ渡そうかとソワソワしてたんだけど、この勢いで今しかない気がする。
受け取った貴美はきょとんとした顔でその紙袋を見つめてる。
あの日いきつけの店を出た後、通りかかったあのブルーが特徴のお店に似合いそうなネックレスを見つけてこれしかないと思って。
「バレンタインのお返し」
「さっき貰ったよ?」
「そっちがほんもの。あ、私のは義理じゃないから」
こないだの私のように私の顔と紙袋を交互に見て困惑したような顔をしている。
地上が近づき、終わりが見えた観覧車。
開かれた扉とともに終了の合図。
「おかえりなさいー」
「ごめんなさい、もう一周いいですか」
「は?何言って」
「いいから。」
あんなに怖がっといてもう一周って何考えてるの。
降りそびれた私達を乗せたゴンドラは二周目に向けて上を目指しだした。
静まり返るゴンドラの中、貴美は伺うように口を開いた。
「私の事好きなの?」
「好き。貴美がくれるのが義理チョコだったとしても私のお返しは本命だよ」
言ってしまった。
でもここまできて好きじゃないなんて臆病風が吹いたとしても言いたくない。
「あやちゃんは私の事何とも思ってないんだと思ってた」
そうかな、結構好きオーラ出してた気がするけど。
ばればれだってカチャにからかわれ続けてた位だもの。
あのまま言い逃げしてしまおうかと思ったんだけどまさか二周目に突入して尋問されるとは思わなかった。
「私もあやちゃんと同じ気持ちだよ」
「え?」
「だーかーらー」
「は?うそうそ、ちょっと待って」
「あやちゃん、やめてっ。揺れちゃう」
思わず後退ってしまったのでゴンドラが揺れてしがみつかれるからなだめるように背中をさする
「ごめんっ。だって義理チョコだって」
「本命だって言って受け取って貰えなかったらもう次から何でもなかったように会う勇気とかないもん。」
それならずっと本心は隠してこの関係を続ければいいと思ってたけど、長い片思いを今年でもう諦めようと思って最後に冗談めかして本命だって言ってみたらしい。
でも私の反応が全然な感じだったから決心がついて友達でいようと決めたとこだったそう。
「諦めようと思ってたんだけど、結局諦めきれなかった」
「私も友達のままじゃいやだ。」
どちらもともなく近づいた顔と顔。
ちょうどてっぺんにたどり着いた私達には帽子は要らない。
手繋いだ時はドキドキしちゃったよ。
手は友達でも繋ぐでしょ
あんな恋人みたいな繋ぎ方しないでしょ
え?するよ。咲とかともするもん
・・・今後は私以外とは禁止
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