F.NOZOMI
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ねえ、男役さんに劇団以外の人がチョコとかあげていいものなのかな?
明後日にはバレンタインデーという時に、唐突な質問。
何それ、誰かにあげようとしてるの?
「だめではないと思うけど」
平静を装って答えるけど、内心は気がかりで仕方ない。
だめではないというだけで、私は良いとは思ってない。
簡単に言うとあげて欲しくないってこと。
本当は言いたい
だめ。チョコを貰っていいのは私だけだって。でも自分だって他の娘役さんとかから貰うのにそれを制限するのは束縛以外の何者でもないからぐっと堪える。
「そっか。じゃあ持って行こうかな」
口にはしなくても思わないのはやっぱり無理。
安心したように微笑む顔。
今誰を想って微笑んだの。
しっかりと顔に出てたみたいで、苦笑いした貴美
「真琴さん達にお礼チョコだよ。いつもお世話になってるから」
14日は星組公演を真彩ちゃんと観に行くらしく、その後うちに来てお泊まりの約束をしている。
取材の仕事がなければ私もついていけたのに。
「ふーん」
気にしてません風を装ってるけど内心面白くない。
わざわざ持っていってあげる必要なくない?
「あやちゃんも沢山もらうでしょ?」
貰うけど。貰うけど、そうじゃないじゃん。
欲しいのは一個だけに決まってるじゃん。
いや、もちろんみんなの気持ちも嬉しいけど、1番欲しいのはたった1人のチョコなんだよ。
しかも手作りしてくれるって言ってたよね。
その愛を他の男役にもあげるの
*************************
迎えたバレンタインデー
終演後真彩ちゃんとお茶してから帰ってくると言ってた貴美より私の方が先に仕事終わって帰宅。
シャワーを浴びて、そろそろご飯の支度でもしとくべきかなと考えた時、満足そうに沢山の荷物と共にやってきた貴美。
パンフレットまで購入してきたらしい。楽しかったようでなにより。
「とっても素敵だったー。」
真琴さんのここが素敵でね、なこちゃんがここが可愛くてね、と興奮冷めやらぬ感じ。
でも・・・と続けた貴美。
ことなこさんもすっごく好きだけど、やっぱり私、だいきほさん1番好き。
いや、どっちもそれぞれ素敵なんだよ?あやちゃんの事大好きだから贔屓目で見ちゃってるかもだけどだって。
サラッと大好きとか言われて弛みそうになる頬を引き締めて気になってた事を聞く
「チョコ渡せた?」
今日1日中気になって仕方なかった。
まこっちゃん以外にも誰かにあげたのだろうか。
相手はどんな反応したの。
そのチョコは私の貰う予定のチョコと一緒なの?
ライバル増えたら嫌だなとかいろんな事をもやもやと考えてた。
「うん、皆さん優しいから貰って下さったよ」
優しいとかじゃなくて欲しくて待ってた子だっているはず。
相変わらず鈍感だから、私がこんなヤキモキしなきゃいけないんだよ。
そしてもう一個気になったのが貴美のバックの横の紙袋達。溢れんばかりのラッピングされたチョコらしきもの達が入ってる。
「ねえ、その紙袋どうしたの?」
「渡しに行ったのに、逆に私が貰っちゃってね」
申し訳なさそうに言った後、なんか今時は男役さんもチョコ作る時代なんだって。
と感心してるけど、作らないと思う。
男役はホワイトデーにお返しする位しかしないよ。
それって本命チョコなのでは。
「娘役さん達からも貰っちゃった」
星組の娘役とか、真彩ちゃんからも貰ったらしい。
ホワイトデーのお返しを考えることになるとは思わなかったと笑ってるけど、いやいや貰いすぎでしょ。
「こっちは?」
「えっ。それは何でもない」
そんな慌てられると余計気になっちゃうよ。
チョコが入った紙袋に挟まれて立ってる袋、しかもその袋見たことあるよ
「キャトルで何買ったの?」
「何でも無いの」
もしかして私のグッズとか写真とかだったり?
それなら嬉しいけど、頑なに中身を見せたくなさそう。
何でダメなの?
あ、分かった。他の人のなんだきっと。
それで私に知られたくない訳か。
それなら他の日に買ってよ。今日は余計落ち込むから
「怒らない?」
「うん、絶対」
はあ、やっぱり他の子なんだ。
覚悟を決めて貴美の手元を見つめる。
観念したように手に取って開かれたキャトルの袋から出てきたのは私の舞台写真にファイル、四つ切り写真までずらりと。
「素敵な写真ばっかりでなんか一枚手に取ったらあれもこれも欲しくなっちゃって」
本物が目の前にいるのにって怒られちゃいそうで・・・と恥ずかしそうにうつむくけど、こんな嬉しいことないよ?私といるのにそればっかり見てたら嫌だけど。
「これをあやちゃんに。あやちゃんの事大好きなの。いつもありがとう。」
私限定の特別仕様だと差し出されたパステルグリーンの箱。中には綺麗なチョコ達に混ざってぷーさんの顔の形のチョコもある。
99%の愛と1%のチョコで出来てるんだって。
愛がみっちり詰まってるらしい。
「じゃあ、その1%を埋めて」
あーんと口を開けて待てば、戸惑ってるけど箱からぷーさんチョコを手に取り私の口元へ。
真っ赤な顔して手が震えてるし、何故か貴美の方がぎゅっと目をつぶっちゃってる。
それじゃ口がどこにあるか分からないよね。
どうするのかとじっと見つめれば、薄目を開けてちらりと見てぽいっと投げ入れられたチョコ。
すかさずその手を掴んで、引き寄せて軽く口付ける。
他の子にあげた瞬間の記憶は今の一瞬に塗り替えられればいい。
「ありがとう」
口の中の甘く広がるチョコの味、私を想いながらこのチョコを作ってくれたであろう貴美は私の視線に耐えかねたのかテーブルに置かれた私が貰ってきたチョコ達を眺めて、さすがだねー。としみじみ眺めている。
「でもね、この沢山のチョコに負けない愛込めてる自信あるよ。」
でも愛1%足しちゃったから、101%になっちゃったね。と振り向いてにこりと微笑む貴美にどくんと胸が高鳴った。
「愛してる」
「え?」
無意識に口をついて出た言葉。急にそんなこと言ったから目がまんまる
「すっごく愛してるの」
こんなに人を愛おしいと思えるものなのかと言うくらい愛おしい。この子を永遠に手放したくない。手放してあげる気はさらさらないけど。
「あやちゃん。ずっと離さないで」
ぎゅっと抱きついてきた貴美をそっと抱きしめる。
「離れたいって言われても離す気ないけど?ねえ、チョコもう一個食べたい」
「食べて良いよ」
「愛100%のチョコしか体が受け付けないの」
「もう。仕方ないなぁ」
そう言いながらもチョコを食べさせてくれる貴美が嬉しそうだったのは見間違いじゃないと思う。
******************************
次のお稽古日
組子のみんなや真彩ちゃんからもチョコいただいて抱えきれないほどのチョコ達。
抱えて歩いてるとこに劇団に来てた、まこっちゃんと奇跡の遭遇
「あ、まこっちゃん。先日はうちの貴美がお世話になって」
「わあ、望海さん凄い量のチョコですね。貴美ちゃん望海さんとも仲良いんですか」
あれ?私たちの関係知らないのかな
「仲良いというか、仲良い以上の関係ではあるんだけどね」
知らないなら言っておかねば。
後から貴美に文句言われようと構わない。
まこっちゃんもライバルになり得るかもしれないから、芽は摘んでおかなきゃ。
貴美の事となると私は嫉妬の亡者になるらしい。
「あれ?きいちゃんの大事な人って聞きましたけど。」
「はい?いやいや、私の彼女」
なんでそうなるのよ。どういう事
「そうなんですか?よく一緒に観に来てくれるしてっきりきいちゃんのなのかと」
実家に彼女を連れて帰ってくる親の気持ちで見てましたなんて言われたらもう心穏やかにはいられない。
じゃあバレンタインデーに貰って帰ってきたチョコは本命って事?
問い詰めなくちゃと足早にお稽古場に戻るのだった。
どういうこと?
大事な大事なお友達と思ってます。今は
なに今はって。
深い意味はありません、お気になさらないで下さい
その笑顔は余裕の笑みってやつなの?
そういえば望海さんの舞台写真と一緒に月城さんの写真も買ってましたけど
なにそれ聞いてないっ
ライバルは1番近いところに・・・?
.
明後日にはバレンタインデーという時に、唐突な質問。
何それ、誰かにあげようとしてるの?
「だめではないと思うけど」
平静を装って答えるけど、内心は気がかりで仕方ない。
だめではないというだけで、私は良いとは思ってない。
簡単に言うとあげて欲しくないってこと。
本当は言いたい
だめ。チョコを貰っていいのは私だけだって。でも自分だって他の娘役さんとかから貰うのにそれを制限するのは束縛以外の何者でもないからぐっと堪える。
「そっか。じゃあ持って行こうかな」
口にはしなくても思わないのはやっぱり無理。
安心したように微笑む顔。
今誰を想って微笑んだの。
しっかりと顔に出てたみたいで、苦笑いした貴美
「真琴さん達にお礼チョコだよ。いつもお世話になってるから」
14日は星組公演を真彩ちゃんと観に行くらしく、その後うちに来てお泊まりの約束をしている。
取材の仕事がなければ私もついていけたのに。
「ふーん」
気にしてません風を装ってるけど内心面白くない。
わざわざ持っていってあげる必要なくない?
「あやちゃんも沢山もらうでしょ?」
貰うけど。貰うけど、そうじゃないじゃん。
欲しいのは一個だけに決まってるじゃん。
いや、もちろんみんなの気持ちも嬉しいけど、1番欲しいのはたった1人のチョコなんだよ。
しかも手作りしてくれるって言ってたよね。
その愛を他の男役にもあげるの
*************************
迎えたバレンタインデー
終演後真彩ちゃんとお茶してから帰ってくると言ってた貴美より私の方が先に仕事終わって帰宅。
シャワーを浴びて、そろそろご飯の支度でもしとくべきかなと考えた時、満足そうに沢山の荷物と共にやってきた貴美。
パンフレットまで購入してきたらしい。楽しかったようでなにより。
「とっても素敵だったー。」
真琴さんのここが素敵でね、なこちゃんがここが可愛くてね、と興奮冷めやらぬ感じ。
でも・・・と続けた貴美。
ことなこさんもすっごく好きだけど、やっぱり私、だいきほさん1番好き。
いや、どっちもそれぞれ素敵なんだよ?あやちゃんの事大好きだから贔屓目で見ちゃってるかもだけどだって。
サラッと大好きとか言われて弛みそうになる頬を引き締めて気になってた事を聞く
「チョコ渡せた?」
今日1日中気になって仕方なかった。
まこっちゃん以外にも誰かにあげたのだろうか。
相手はどんな反応したの。
そのチョコは私の貰う予定のチョコと一緒なの?
ライバル増えたら嫌だなとかいろんな事をもやもやと考えてた。
「うん、皆さん優しいから貰って下さったよ」
優しいとかじゃなくて欲しくて待ってた子だっているはず。
相変わらず鈍感だから、私がこんなヤキモキしなきゃいけないんだよ。
そしてもう一個気になったのが貴美のバックの横の紙袋達。溢れんばかりのラッピングされたチョコらしきもの達が入ってる。
「ねえ、その紙袋どうしたの?」
「渡しに行ったのに、逆に私が貰っちゃってね」
申し訳なさそうに言った後、なんか今時は男役さんもチョコ作る時代なんだって。
と感心してるけど、作らないと思う。
男役はホワイトデーにお返しする位しかしないよ。
それって本命チョコなのでは。
「娘役さん達からも貰っちゃった」
星組の娘役とか、真彩ちゃんからも貰ったらしい。
ホワイトデーのお返しを考えることになるとは思わなかったと笑ってるけど、いやいや貰いすぎでしょ。
「こっちは?」
「えっ。それは何でもない」
そんな慌てられると余計気になっちゃうよ。
チョコが入った紙袋に挟まれて立ってる袋、しかもその袋見たことあるよ
「キャトルで何買ったの?」
「何でも無いの」
もしかして私のグッズとか写真とかだったり?
それなら嬉しいけど、頑なに中身を見せたくなさそう。
何でダメなの?
あ、分かった。他の人のなんだきっと。
それで私に知られたくない訳か。
それなら他の日に買ってよ。今日は余計落ち込むから
「怒らない?」
「うん、絶対」
はあ、やっぱり他の子なんだ。
覚悟を決めて貴美の手元を見つめる。
観念したように手に取って開かれたキャトルの袋から出てきたのは私の舞台写真にファイル、四つ切り写真までずらりと。
「素敵な写真ばっかりでなんか一枚手に取ったらあれもこれも欲しくなっちゃって」
本物が目の前にいるのにって怒られちゃいそうで・・・と恥ずかしそうにうつむくけど、こんな嬉しいことないよ?私といるのにそればっかり見てたら嫌だけど。
「これをあやちゃんに。あやちゃんの事大好きなの。いつもありがとう。」
私限定の特別仕様だと差し出されたパステルグリーンの箱。中には綺麗なチョコ達に混ざってぷーさんの顔の形のチョコもある。
99%の愛と1%のチョコで出来てるんだって。
愛がみっちり詰まってるらしい。
「じゃあ、その1%を埋めて」
あーんと口を開けて待てば、戸惑ってるけど箱からぷーさんチョコを手に取り私の口元へ。
真っ赤な顔して手が震えてるし、何故か貴美の方がぎゅっと目をつぶっちゃってる。
それじゃ口がどこにあるか分からないよね。
どうするのかとじっと見つめれば、薄目を開けてちらりと見てぽいっと投げ入れられたチョコ。
すかさずその手を掴んで、引き寄せて軽く口付ける。
他の子にあげた瞬間の記憶は今の一瞬に塗り替えられればいい。
「ありがとう」
口の中の甘く広がるチョコの味、私を想いながらこのチョコを作ってくれたであろう貴美は私の視線に耐えかねたのかテーブルに置かれた私が貰ってきたチョコ達を眺めて、さすがだねー。としみじみ眺めている。
「でもね、この沢山のチョコに負けない愛込めてる自信あるよ。」
でも愛1%足しちゃったから、101%になっちゃったね。と振り向いてにこりと微笑む貴美にどくんと胸が高鳴った。
「愛してる」
「え?」
無意識に口をついて出た言葉。急にそんなこと言ったから目がまんまる
「すっごく愛してるの」
こんなに人を愛おしいと思えるものなのかと言うくらい愛おしい。この子を永遠に手放したくない。手放してあげる気はさらさらないけど。
「あやちゃん。ずっと離さないで」
ぎゅっと抱きついてきた貴美をそっと抱きしめる。
「離れたいって言われても離す気ないけど?ねえ、チョコもう一個食べたい」
「食べて良いよ」
「愛100%のチョコしか体が受け付けないの」
「もう。仕方ないなぁ」
そう言いながらもチョコを食べさせてくれる貴美が嬉しそうだったのは見間違いじゃないと思う。
******************************
次のお稽古日
組子のみんなや真彩ちゃんからもチョコいただいて抱えきれないほどのチョコ達。
抱えて歩いてるとこに劇団に来てた、まこっちゃんと奇跡の遭遇
「あ、まこっちゃん。先日はうちの貴美がお世話になって」
「わあ、望海さん凄い量のチョコですね。貴美ちゃん望海さんとも仲良いんですか」
あれ?私たちの関係知らないのかな
「仲良いというか、仲良い以上の関係ではあるんだけどね」
知らないなら言っておかねば。
後から貴美に文句言われようと構わない。
まこっちゃんもライバルになり得るかもしれないから、芽は摘んでおかなきゃ。
貴美の事となると私は嫉妬の亡者になるらしい。
「あれ?きいちゃんの大事な人って聞きましたけど。」
「はい?いやいや、私の彼女」
なんでそうなるのよ。どういう事
「そうなんですか?よく一緒に観に来てくれるしてっきりきいちゃんのなのかと」
実家に彼女を連れて帰ってくる親の気持ちで見てましたなんて言われたらもう心穏やかにはいられない。
じゃあバレンタインデーに貰って帰ってきたチョコは本命って事?
問い詰めなくちゃと足早にお稽古場に戻るのだった。
どういうこと?
大事な大事なお友達と思ってます。今は
なに今はって。
深い意味はありません、お気になさらないで下さい
その笑顔は余裕の笑みってやつなの?
そういえば望海さんの舞台写真と一緒に月城さんの写真も買ってましたけど
なにそれ聞いてないっ
ライバルは1番近いところに・・・?
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