このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ハコの先生

昔から絵を描くのが好きだったのだが、中学には美術部がなかった。


なので高校は美術部があるかないかがすごく大事だった。



高校に入り初めて絵を教えてくれた先生。
それがI先生。


ずっと美術室の隣にある準備室で自分の絵を描いていた。
繊細で綺麗な絵だった。



私の通っていた高校はその当時そんなに頭が良くなく、文化部はほぼ帰宅部だった。

そんな中、私は毎日美術室に通っていた。絵を描きたくない日も、行って友達と喋るだけの日でも、毎日。
あの空間が好きだったのだ。


先生は基礎を知らない私にデッサンから油絵、ポスターデザインなどを教えてくれた。シルクスクリーンもしたな。


初めて作成したポスターに面白いと言ってくれた。

今思えば拙い、青臭いポスターだ。


それの可能性を見つけてくれた。


そのお陰なのか、今私はデザインに片足突っ込んだような仕事をしている。




ねぇ、先生。

今会えても、私の作品また面白いって言ってくれるかな。



会えなくなってからなんて、都合よすぎだね。


いつも私は過ぎてから気づくんだ。
2/2ページ
スキ