其の一
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「それはこっちのセリフだ。頼りにさせてもらうぜ、大将」
そう声が聞こえ、その方を向くと。
そこにはさっきまで寝ていたはずの弟くんの姿が。
いつの間に起きていたんだろうか。
と、彼の怪我がすっかり治っていることに気付く。
よかった、あれで治るなんてすごいな。
血まみれの体も、悪かった顔色も、びりびりに敗れていた服も。
全て、恐らく元通りになっている。
「……薬研…………」
「よかった、元気になったんだね。あれで治るってすごいな……あ、妖精さんたちも、ありがとうね」
そう弟くんの後ろにいた彼らにもお礼を言う。
その言葉に彼らはびっくりした様子になったが、少し照れ臭そうにした。
さっきの泣きそうな顔だったり、驚いた顔だったり、怖がらせた顔だったり。
それらから察するに、彼らもあまりいい扱いを受けなかったのだろう。
まだ仕事あるの!?みたいな訴えとか言って本当にごめんよ。
この子たちとも、とも仲良くできるといいな。
「改めて大将、俺っち、薬研藤四郎だ。兄弟ともどもよろしく頼むぜ」
「五来 日和です、こちらこそよろしくお願い申し上げ。えっと、薬研くん?藤四郎、くん?」
「薬研、って呼んでくれ。さっきいち兄も言ったが、藤四郎は兄弟が多いんだ。俺以外のみんなも、大半が藤四郎って名前ついてるからな」
「かしこまり。私も大将じゃなくて日和とか五来って呼んでよ。大将とかってより、友達くらいのノリだと助かる」
「あー……そのことなんだが大将、」
「薬研……本当に、それでいいんですか?」
元気そうな声、子供だと思っていたが思ったよりもある身長に子供とは思えない低音ボイス。
そしてお兄様同様の綺麗な顔たち。
とりあえず、大丈夫そうだ。
ほっとしたのも束の間、お兄さんの方が心配そうな顔をしている。
そりゃまた折られるんじゃないかってはらはらしてるんだろうなあ。
……ん、そういえば夜伽とやらを強制されていた、って言ってたけど。
ひょっとして彼もそうだったのか?
そう思うとぞわっと背筋に寒気が走る。
……それはなかったと、思いたい。
「手入れを受ければわかるぜ。大将が、どんな心の持ち主かってことがな。……それに、俺たちは主を選べない。従うしかないんだ。なら、少しくらい希望を見てもいいと思ってな」
その言葉を聞いて、私が思わず首をかしげると。
膝の上にいたこんちゃんが説明してくれた。
手入れをすると、資源が必要なのだが。
それを刀剣男士に使用する際、私の霊力というものが必要らしい。
霊力をそうやって知らない間に送っていた、ということなのか。
けど、それで私の心が分かるというのか。
すごいな、それまでが殺伐としすぎていて今更だけどファンタジー感戻ってきたぞ。
ところで大将じゃなくてお名前呼んでくださると嬉しいんですけど。
「アンタ、さっきからめちゃくちゃ名乗ってるけど。それまずいって早く言ってやれよ……」
「ん??まずい?名乗りが?……どういうこっちゃね?」
『そうそう。君の名前。こっちでは真名って言うんだけど。それ、刀剣男士たちにばれると神隠しにあうんだ』
ん?神隠し???
なんだそれ、と思っていると。
薬研くんが説明をしてくれる。
彼らは付喪神、神様だから。
自分の神域と呼ばれる、いわゆる誰も入ってこれない異空間みたいなのを作れる力があるらしいんだけど。
気に入った人間がいると、そこに連れ帰ってしまう神様もよくいるらしくて。
そこから出さないように閉じ込めてしまう、それが神隠しである。
……そして、その条件が。
その人の本名、いわゆる真名、私で言う日和。
これを、彼らに、知られること、らしい。
「……なんでそんな大事なこともっと早く言わないかなあああああ!!!!!」
私の絶叫が手入れ部屋に響く。
馬鹿野郎もっと早く言えよそういう大事な事!
あれか、名乗っても気に入られないと連れていかれないから大丈夫ってか!
大丈夫じゃねえわ、あのクソじじいマジで許さねえ!!!
「大丈夫ですぞ!術で彼らには聞こえないようにしておりますので!」
「そういう問題じゃないでしょおおおおお!?!?!なんっでそんな大事なこと最初の最初に言わないの!?!口の動きだけでも何言ってるかわかる時代なんだからね!!??!」
思わずこんちゃんを振り回す。
本当にこの子は、この狐は!!!
いやまあ一番は最初に会ったあの真っ白髭じじいが原因なんだろうけど!
あれが全てダメな使えないお偉い上司なんだろうけど!!!
そう言ってぶんぶん振り回していると。
「……大将、その辺に、しといてやれ。目が回ってる」
「えっマジ?ごめんやりすぎた」
そう言って動きを止めると、確かに目を回してくらくらしているこんちゃんが。
うん、でもこれはこれで済んでよかったと思ってほしい。
私どっちかってと鉄拳制裁マンだからね。
本気でキレたら本気でぶん殴るからね。
なんでそんなこともっと早く言わないかな。
道理で私の名前が聞こえないとかそんな話してた訳だよ!
おじいちゃんとか思ってほんとごめんなさいでした!!!
とか思ってたら、横で薬研くんが少しホッとしたような息を吐く。
その安堵の表情に違和感を持ったけど、ああそうか。
今までは意見すると怒られてたから、勇気を出して止めてくれたのか。
さっきの話を聞いて今の行動は軽率だったかもしれない。
申し訳ない、と思いながらこんちゃんの頭を撫でた。
『あっははは!まさかそれすら聞かされてなかったとは!道理でずっと自分の名前を名乗ってる訳だ!』
「あれ?でも雲さんは雲さんなんでしょ?バリバリ言ってるけど大丈夫なの?」
『本名じゃなければいいんだ。だから俺のも偽名さ。だから審神者には、自分で審神者用の名前を付けてもらっている』
「あ、なる。そういうことね。じゃあ私も??」
『そういうことだ。なんでもいいが、なんにする?』
そう言われてうーむ、と顎に手を当てて考える。
あんまり本名に近くない方がいいってことだよね?
それを言われても思いつかないし。
考えるのもめんどくさいからもう薬研でも藤四郎でも借りたいくらいだ。
それを言うと、薬研くんに苦笑された。
「そうなると、同じ名前が2人で随分ややこしくなるな」
「あ、そうか。名前で呼んでもらうならなおさらか…」
『よくあるのは好きな花の名前を付けたり、色の名前をつけたりするかな』
「じゃあたんぽぽ好きなんだよね。ぽぽんたにするか」
「いやなんでだよ。なんだぽぽんたって」
その意見は黒髪ロングのお兄さんによって一蹴される。
いーじゃんぽぽんた、可愛いのに。
そう思いつつもダメ?と聞いたらもっとかっこいいのにしろって言われてしまった。
ちなみに君の名前はかっこいいのか聞いたら。
「オレは和泉守兼定。かっこ良くて強い!最近流行りの刀だぜ」
じゃあいっちゃんだね、って言うと怒られた。
だって長いから覚えられる自信ないし。
ちなみに彼はとりあえず様子を見させてもらう、とのことで一応付いてきてくれるらしい。
何かあったらたたっ斬るから覚悟しろ、と言われた。
ありがたい、結構はっきり言ってくれるから助かる存在だ。
敬意をこめていずさんと呼ぶことにしよう、と勝手に心の中で決めた。