其の一
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
名前を入力すると、登場人物に自動変換できます。
主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ところで、次は何をすれば?」
「そうさな、ここの空気の浄化でもすればよいではないか」
先ほどとは打って変わった青い着物の彼に、若干戸惑いつつ。
じょうか、と聞こえた聞きなれない言葉を整理する。
「浄化?空気?……空気清浄機?買ってきたらいい?」
「くうきせいじょうき、とはなんだ?」
ええ……とため息をこぼす。
ひょっとして知らない、というか。
ここの本丸の雰囲気から、昔の日本っぽい家なので。
そもそもそういうものがないのかもしれない。
案の定、その横のお兄さんも首をかしげていた。
「……ひょっとして、本当に何も知らないのか?」
急に聞こえた別の声に、思わずそちらを見ると。
先ほど他の怪我人を連れてくるように言った2人が立っていた。
その2人しかいないとなると、他に人はいなかったってことになるのかな。
その黒髪ロングのお兄さんの方は、かなり嫌そうな顔をしている。
お兄さんほんと敵意丸出しだよね。
横の眼帯のお兄さんみたいに隠される方がしんどいけど。
「いや、だから本当に知らないんですって。説明されたのは霊力持ってるから『審神者』になって、『刀剣男士』を生み出して、『歴史修正主義者』と戦い歴史が変わるのを阻止しろ、と。あと給料がめっちゃよくて衣食住も全部別途で政府負担ってことくらいですかね?」
「……お前、真名……いや、名前は?」
「だから五来 日和ですって何回言わせるんですか……」
「……本当に、何も知らないんだね」
そういう眼帯のお兄さんの顔はなんだか暗くて。
少し切なそうな眼をしている。
一体どうしたというのだろうか。
それに名前を何回も聞かれるのはなんで?
あとマナ?とかなんですか、普通の名前じゃないんですか?
聞きたいことが山ほどありすぎる。
私は困ったように眉間に皺をよせる。
すると資源を渡し終えたのか、こんちゃんがまた肩に乗ってきた。
しかしその声は、先ほどとは全くの別物だった。
『こんにちは~!君が新しい審神者か、うんうん、素質は悪くないようだ!』
「えっ、誰こわ」
『あはは傷つく~!俺は君の担当の雲だよ~!』
「えっ、担当?ってかこんちゃんは?」
『こんのすけ、ね。彼は元々ナビゲーターのようなもの。式神と同じようなものさ。管狐、ってあれ、ひょっとしてそれも聞いてない?』
急に聞こえた明るい声は。
どうやら私の上司に当たる人だったらしい。
……つまり、この状況を作り上げた人物、ということか?
ならば話は早い、戦争だ。
とりあえず聞かれたことに先ほど刀剣男士?たちに答えた通りに返す。
それを聞いた彼は小さく舌打ちした。
……ん?舌打ち?
『……ほんと無能上司は……俺と管理職変われっての使えねぇな』
「あ~~~待ってクソかと思ってたけど絶対気が合う。雲さん、改めて五来 日和です。よろしくねしゃっす!!」
『うん、今ので何となく君のことは察せたよ!こちらこそ、って言いたいんだけどその前に』
そういうと雲さんは一度咳ばらいをした。
絶対この人裏表激しいよね!
めちゃくちゃドスの効いた声で周りの人に聞こえてなかったもん。
ちょっと背筋凍りましたよ私。
すると雲さんは私の肩から降りて、近くにあった机の上に乗る。
……待って、そういえば雲さんって人なんだろうか。
そのつもりで話してたけど、こんちゃんって式神だよね?
機械でもないのにどうやって声通してんの?
つまりこんちゃんは2重人格……?
そんなくだらないことを考えている私とは逆に、雲さんは表情が引き締まる。
すごいねこんちゃん、表情も自由自在。
『君の意見を率直に聞きたい。今この現状を見て、どう思った?』
「……現状?それは、私が置かれている立場?それともこの、えっと、本丸?についてですか」
『どっちも。全てトータルして、どう思ったかを聞かせてほしい』
どっちもか。
まあ上司となれば長い付き合いにもなる。
この人は直感的に悪い人ではなさそうだし。
何より今の分からない状態で唯一頼れる存在なんだろう。
ならば遠慮はいらん。
「とりあえず、ふざけんなよ政府かち込むぞボケェって思ってます」
いきなりボロボロの家に連れてこられるわ、刃物は向けられるわ。
自分のことを物だという神様がおるわ、やけにデフォルメな狐はおるわ、絶世の美男子まみれだわ。
更にはその美男子・美少年がめちゃくちゃ怪我してるわ。
とりあえずこの意味の分からん状況を作り上げた時の政府とやらを私はブラック企業だと決めつけるし、いつか泣かすとも思った。
あとこんな状況で色々放置してる上司はきっと無能でクソだし使えない。
あ、やべ上司いるんだったわ、すんません。
まあ兎にも角にも、やっぱ給料よすぎると裏があるもんだわ、本当に。
だからと言って怪我してるのほっといて初日から逃げ出すつもりはないけども。
と、本当に思ったそのままを述べた。
すると興味深そうにうなずき、また別の質問を投げかけられる。
『クソ無能上司は置いといて、なら彼らは?刀剣男士を見てどう思った?』
「……ここのお兄さんたちで間違いないですよね?怪我が本当に痛そうなんで早く治してほしい、あとは……さすが神様顔がいい、ですかね」
『刀を構えられたときは?』
「ん?あ、最初のか。銃刀法違反!!!ですかね」
『……じゃあ、これから彼らとどう過ごしていきたい?一応君が主として主従関係が一般的なんだけど』
銃刀法違反ですごく微妙そうな顔をされたのは置いといて。
どう過ごす、かあ。
物、とか刀、とかすごく言われるけど。
少なくとも私を最初警戒したのも。
兄弟を思ってかばい合うのも。
さっき笑ったのも。
私には、人間と変わらないと思った。
てか人間だよね。
しかもこれから生活を共にするわけだし、主とか聞こえたけど私の方が後に来た上、私が上の人とか絶対向いてない。
なら、そうだなあ……
「……主従関係ってより……友達?共に戦う仲間として、できることはしてあげたい、かなあ」
折角共に暮らすなら。
仲良く過ごせたらいいな、なんて。
こんな状況じゃ難しいだろうけど。
そう呟き顔を上げると。
……雲さんの目からぼろぼろぼろ、と大粒の涙が。
えっっちょっと待ってそんなすぐ泣く人だったの?
てかこんちゃんすごいね表情豊かだね!
デフォルメ狐とか言ってごめん!!
なんて思ったその時だった。
『……待ってたんだ、君のような子を』
「……はい?」
突然ファン、と音がして、雲さんの後ろから小さなスクリーンが現れる。
と思いきやそこには人が映っており。
そこにいたのは少し若そうなグレーの髪のお兄さん。
その人が、優しく私に向かって微笑んでいた。