其の二
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
名前を入力すると、登場人物に自動変換できます。
主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薬研「っ!今すぐ離れろ!」
今剣「いやです!ぼくもいっしょにあそびます!ね、あるじさま!」
おう、これなんて乙女ゲームだ?
まるで攫われた姫を王子が助けるシーンではないか。
敵役が随分と可愛らしいし。
私じゃ姫って柄でもないうえ自分で脱走しそうだけど。
ってそうじゃない、薬研抜刀しそうな勢いだ。
円「薬研、ストップ!刀抜こうとしないで、しまってしまって」
薬研「大将も大将だ!何勝手に顕現してる!」
円「おおっと怒られた。でもごめん、私にも何が何だか」
今剣「そうですよ!ぼくがあるじさまとおはなししたくて、でてきたんですから!」
薬研「……とりあえず大将から離れろ、話はそれからだ」
今剣「やです!ここがいちばんいいんです~!」
そう言いながら、抱き着く腕に力を込めるいまつるくん。
可愛いけど君思ったより腕力ゴリラだな?
ちょっと苦しいぞ今剣くん。
そしてそれを見るなり顔が険しくなる薬研。
落ち着け落ち着け、頼むから落ち着いてくれ。
なんて思ったのもつかの間。
「主に抱き着くとは感心せんな、今剣よ」
そう声が聞こえたのに驚くより先に。
急にいまつるくんの感じがなくなったので、そちらをみると。
なんと三日月のおじいちゃんが今剣をつまみ上げていた。
タオル一枚腰に巻いて。
三日月「主、しゃんぷーとやらが分からぬ。手伝ってはくれまいか?」
円「ちょっと待ってカオスにもほどがある。なんでそれで外に出てきたおじいちゃん」
三日月「これくらいは普通であろう?」
円「普通じゃないし男女が一緒に風呂に入るものじゃないからね!それよりいまつるくん離してあ―――」
三日月「いやだ」
円「なんで!!!しかも即答!!!」
ダメだこれじゃ収集付かない。
いまつるくんは三日月に捕まれながらも逃げようともがいているし。
おじいちゃんも目が笑ってないのにはっはっは、とか笑っている。
薬研はちゃんと服を着ているが、懐で刀がギラリと光っている。
ちょっとカオスにもほどがあるし、なによりおじいちゃん目のやり場に困る。
……こうなれば、もう、仕方ないな。
**************************************
一期「……で、こういった結論に至ったと」
円「本当にすみません、ご協力をお願いします」
燭台切「ごめんね、主。僕がやったげるって言ったんだけど……目を離したすきに……」
円「こちらこそすみません……なので、その、ほぼ全裸の状態で近づかないで頂けると嬉しいんですが」
厚「大将も一緒に入ろうぜ!気持ちいいぞー!」
一期「……あとで聞かせておきます」
よろしくお願いします、と言って一歩後ろに引く。
視界の暴力がえげつなさ過ぎてこれ以上は主無理。
おかげで半分も目を開いてないよ私。
そういうみっちゃんの腕には抱かれたいまつるくんがいて。
バタバタと手足を動かせて抵抗しているが、ムッキムキのみっちゃんに力で叶わないのだろう。
そのまま風呂場の方へと連れ去られていった。
はい、お察しの通り、風呂場なうです。
馬鹿野郎だよ本当に。
あの後これは最終手段だったから、おじいちゃんをなだめてみたり、いまつるくんを取り返そうとしてみたり。
薬研を何とかして落ち着かせようとしたけれど。
どれもダメだったため、私はジャージに着替えて風呂場に乱入した。
もちろん、薬研にもう一度入ってもらって中の様子を確認してもらった。
ちなみに薬研は、初めての事柄に最初はテンションが上がっていたものの、冷静になって私が1人なのは危ないんじゃないかと気付き早めに上がっただけらしい。
さすがアニキ、男前っす。
中にいるみんなには腰にタオルを巻いてもらい。
どうしても私に髪を洗えというおじいちゃんの相手をしに来た。
なんでやねん、自分で洗え、介護がいる年齢でもなかろうが。
とまあそう文句を言えば、ならこれから毎日風呂に入らない、とバカなことを言い出したので。
仕方なく今日だけだと言って髪を洗うことにした。
ちなみに兼さんにはドン引きされて、今私の見えないところで湯船につかっているらしい。
いや、私かて好きで入って来とらんわ、何が楽しくてじじいの介護せないかんのやら。
三日月「すまんな主よ。それ、目に入ると痛くてな」
円「そういうことか。ごめん、当たり前すぎて忘れてたわ」
確かにシャンプーが目に入ると痛い。
でもな、それは目をつぶってる間に誰かに洗ってもらえばいいだけなんだぞ。
次からはシャンプーハットか他の刀剣男士の誰かにお願いしてくれ頼むから。
ちょっと待って、シャンプーハット可愛くない?
めっちゃつけてほしい、よし買おうそうしよう。
円「頼むから羞恥心というものを覚えて頂きたい……薬研やみっちゃん、いち兄はわかってるみたいだけど」
特に厚とおじいちゃんな。
それからいまつるくんも。
おじいちゃんの髪をわしゃわしゃしながら、相変わらずの半開きの目でその頭皮を見つめた。
綺麗な髪と綺麗な頭の形しやがって、本当にじじいか?
うちのじっちゃんの頭皮はもっと寂しかったぞ?
三日月「うむ、これはこれで主に撫でられているようで……なかなか悪くない」
円「え、おじいちゃんなのに撫でられたいの?」
三日月「無論、褒められるのは誰でも嬉しいものだろう?」
円「……そりゃ、まあ、そうか」
年が行けば、もう少し恥ずかしそうにするものだけど。
なんて思いながらわしゃわしゃすると、随分と泡立ちの良いシャンプーだったようで。
瞬く間に三日月の頭は泡だらけになった。
すごいぽふぽふ、我ながらこれはすごい。
三日月「ところで主よ、なぜ俺たちに黙って今剣を顕現したのだ?」
円「え、してないよ。何しようか考えてたら急に飛びついて、遊ぼうって言うから遊んでただけで。てっきり厚と同じくらいの感じだから、べっしーくんが鍛刀したんだとばかり」
燭台切「え?本当に言ってる?」
円「私が隠し事できると思う?てっきり私の霊力がなんかどうかなって、なんかなったと思ってたし。敵意とかも一切なかったから」
顔はそらさずにみっちゃんの声に反応する。
結構近くで声が聞こえたから、きっとそっちを向けばそのムキムキボディが目に入るのは間違いない。
私は三日月の前のシャワーに手を伸ばし、温度を確認してゆっくりと泡を流す。
と、急に背中にドン、と何かがぶつかってしがみついてきた。
この感じは本日2回目、いまつるくんからのタックルで間違いないだろう。
おかげでちょっと自分に水がかかってしまった。
今剣「えっへへー!ぼくはまえからここにいますよ!」
円「……ん?と、いいますと?」
薬研「今剣も俺たちと同じだ。大将が手入れした連中のうちの1振りだぞ。まあ、俺たちと違って顕現が保ててなかったやつらのだが」
円「ええ……?まじ?」
今剣「みかづきさまがあるじさまとなかよくしてたので!ぼくもいっしょにあそびたかったので、あるじさまのれいりょくをかきあつめました!」
円「…………え、霊力ってそういうもんなの?かき集めて何とかなるもの?」
一期「霊力が少なくても問題ない、短刀だからできる技かもしれませんね」
そんな技があるのか、なんて感心しながら三日月の髪を洗い流す。
おじいちゃんは珍しく一言も発しないが、恐らくシャンプーが目や口に入るのが相当嫌なのだろう。
おかげで綺麗なお顔が随分としわくちゃな困った顔になっている。
それにしても、さっきから一切敵意を感じないな、いまつるくん。
元の主の時から居たにも関わらず、どうしてこんなに友好的なのだろうか。
するとその私の疑問に気づいたのか、本人が話を始めた。
今剣「さいしょはもちろんいやでした。ぼくもまた、あのじごくのようなひびがもどってくるのかって、おもいました。けど、あるじさまはちがった」
もんどうむようでみんなのけがをなおしてくれましたし、けんげんしていないぼくたちのけがもなおしてくれました。
それにそのれいりょくからかんじられた、ぽかぽかしたかんじ。
ぼく、とってもすきです!
だからきっと、あるじさまならだいじにしてくれるって、そうおもって。
はやくおあいして、おはなししたかったんです!
そうきらきらした目で告げられた。
そうか、君もチョロゲフンゲフン、素直でかわいい子だったんだな。
お姉さん、君らがいつか攫われそうで心配でならないよ。
そんなに私の霊力は特殊か、前の主の霊力はどんだけ酷かったんだ。
それにしてもかき集めるのはどうなんだ、そういうものなのか。
円「ほい、おじいちゃんもう泡流れたから大丈夫。あとは自分で体洗ってね」
三日月「うむ、助かった。礼を言うぞ」
円「いまつるくんも、よくわかったから。とりあえず、今からはお風呂入って少しゆっくりしておいで。髪の毛は湯船につけないようにくくりなね」
今剣「はーい!おふろはいってきまーす!」
そう言うと、まっすぐ風呂に向かっていった。
本当に素直でかわいい子だな、顕現の方法は納得いかないけど。
さて、私も少し濡れたしこれは明日洗濯しよう。
そう思いながら、長居したいとは思わないので。
風呂からそそくさ立ち去ろうとすると。
「待て」
急に兼さんの声がしたので、何々どうした、と振り向かないままに返事をすると。
軽く袖を引っ張られる感覚がして、後ろから声がした。
兼「……清光がこんでしなーとかいうやつに戸惑ってる。手伝ってやってくれ」
円「ああ、なるほど。兼さんはできた?」
兼「………………」
円「わかったわかった、腰にタオル巻いてます?明日からは頑張って自分でするか協力してよ?」
兼「……巻いてる」
よし、ならとりあえずは安心だ。
そう思いながら、相変わらず半開きの目で兼さんと共に加州くんの元へと向かう。
確かに加州くんは困っていたようで、どれくらいやったり流したりすればいいのかわかっていなかったようなので。
私の説明不足だな!ごめんな!と謝りながらコンディショナーをきっちりと毛先の方へとつけてあげた。
ちなみに兼さんは、シャンプーすらできていなかったので。
しょうがないな、と軽く息を吐きながら。
おじいちゃんみたいにシャンプーハットをする姿を想像しながら、しっかりと洗ってやった。