其の二
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「……ふーん、雲さんそんな感じなんだ」
「まあ、うまく行ってないみたいだがな。努力に関しちゃこんのすけのお墨付きだ。俺たちとしては、よくわからないがな」
「今の状況ともなれば納得が行きます。主殿のことを考えますと、彼に頼るのが最適とも言えますので」
とまあ、雲さんがこの酷い現状を変えようとしていることが、こんちゃんを通して刀剣男士たちに伝わっているのだということが分かった。
今のところ、努力が実った形跡はないが。
まさかの私の登場で、可能性が見いだされたとのこと。
知らない間に大変なことに巻き込まれてたよ、いやもう慣れたわじっちゃんのせいで。
むしろこれくらいなら可愛いものかもしれない。
……感覚がマヒしてることは、自覚ある。
「……それで、今からなんですけど。今日は遅いので風呂入って寝よう」
「おお、もう寝るのか。俺たちはどうしようか」
「え、風呂入って寝て」
「お風呂、ねえ。実はいまいちわかってないんだ」
と言いますと、入り方がということでしょうか。
そう聞くと、そうそう、と返ってきた。
んーん、ちょっと待てどうしよう。
さすがにそれは見本を見せる訳にもいかない。
簡単に風呂に行って説明したら大丈夫か?
そうなれば善は急げ、風呂場に移動しよう。
既にふらつきなんかは回復していて、1人で歩けるようになったので。
とりあえず移動すると、確かに本丸の中がものすごく変わっていることに目が行く。
これは探検のし甲斐があるぞ、と思いながら。
狭くて汚かったはずの風呂が、綺麗な広い露天風呂に本当に変わっていたことに改めて驚かされる。
ここまで違うとは思わなんだ、え、広すぎません?
「とりあえずここで服脱いで、湯船につかる前に先に体を洗ってね。髪を洗うのはこっち、体はこっちの四角い石鹸ね。間違えると明日の寝癖が大変なことになります」
「大将大将、こっちの色が違うやつはなんだ?」
「それは髪の毛をサラサラにするためのだけど、加州くんや兼さんほど長くないと使ってもあんまり意味ないかな。で、体や髪を軽く濡らしてこんな感じで泡立てて使って髪とか体を洗う。終わったら、ここひねってシャワーを出して泡を全部流す」
そう言いながら、シャンプーと石鹸それぞれの泡だて方を実演しながら簡単に実演する。
これで分かってもらえただろうか。
最後にシャワーを止めて、ゆっくりと湯船につかる。
あんまり長く入りすぎると風邪ひくから注意して、とだけ言うと。
加州くんと兼さんを呼んで2人にコンディショナーの使い方を教える。
興味深そうにみったださんといち兄も覗いてきた、まあ短くても使う分には問題ない。
おじいちゃんと薬研も使った方がいい気はするが……この人たち、使わなくとも髪サラサラなのでは?と言いたい気持ちを抑えてちゃんと教える。
「特に2人は長いから、髪を洗った後に軽く水分をとって、これを毛先の方にだけつけて。で、その後体を洗ったら、泡と一緒に流してね。ヌルヌルが取れてサラサラになったら大丈夫だから」
「髪を洗って流して水分とって、これを毛先に塗って、体を洗って全部流したら終わりか」
「わかった」
「後は風呂から上がって、体や髪の水分をタオルで吹いたら服着てね。最後に髪の毛を乾かしたら終わりでーす」
それについてはお風呂上がりにでも説明します、というと。
厚がさっそく入りたいと言い脱ぎだしたので。
急いでその場を後にした。
厚には私の前ですぐ脱いではダメなことを教えないと……いち兄そこらへん教えといてくれると助かるんだけどな……
なんて考えながら少し歩いた後、ここにきて初めてまともに1人になったことに気付く。
「……さて、どうするか」
とりあえず本丸探索をしたいのもあるが。
これだけ広いと迷子になりそうな気がする。
地図もできてないし、誰か、せめてこんちゃんが傍にいないとさすがの私も不安である。
うーむ、下手に動かない方がいいよな、これ。
そう思いながら、とりあえず元来た道をたどる。
さっきまでいた部屋くらいなら戻れそうだしな、と思いながら歩を進めると。
「あるじさまー!!!」
急に声が聞こえた。
ん?なんだ今の声?初めて聞いたぞ。
元気そうな幼い声だったけど、厚じゃない。
あれ?どっから聞こえたの今の声。
そう思ったのも束の間、後ろを振り返ると同時に。
それはものすごい勢いで私にぶつかってきた。
完全に体調が治っていない私は不意打ちだったのもあり、そのまま床に背中から倒れ込む。
思い切り、頭をぶつけた。
「んぐしっ」などと変な声を上げている場合ではない。
慌てて顔を上げて体を起こし、その正体を確認する。
「あるじさま、ぼくともいっしょにあそんでください!」
私にぶつかってきたのは、厚や薬研より小さく、可愛らしい笑顔を浮かべた幼い男の子。
長くて白い髪が印象的な、赤色の目をした子だった。
「………………ん?」
「ぼくもいっしょにあそびたいです!なかまはずれはいやです!」
「…………えーと?ん、待って理解が追い付かない。君は?」
「ぼくですか?ぼくは、今剣!よしつねこうのまもりがたななんですよ!どうだ、すごいでしょう!」
「よしつね……義経?源の?いまの、つるぎ?」
「そうです!だから、ぼくともあそんでください!」
いやどういうことだよ。
やけに幼いようにしか見えない彼は、無邪気に私に抱き着いている。
何故か腑に落ちているのは、刀剣男士で私の刀であることが感覚的にわかる。
何故か納得しているけど、理解が追い付かなかい。
ん、待ってどういうこと、なぜここにいるんだろう。
あそんで、とせがまれる理由もピンと来ていない。
とりあえず、今剣っていう名前なのはわかった。
源義経の刀だったこともとりあえずわかった。
……なぜこんなに懐かれている?
ここにきてろくな好感度はなかったはずだ。
強いて言うなら厚が最初から良好的に接してくれているくらいか……
あ、なるほどべっしーくんか。
ひょっとしてあの刀たちから鍛刀してくれた子かもしれない。
顕現していないにも関わらずいるのは、きっと私の霊力とやらのせいだろう。
さっきからよくわからないことだらけじゃない。
うん、今更考えても仕方なかったわ。
「えっと、いまの、つるぎくん。私は円です。よろしくね!」
「はい!あるじさま、よろしくおねがいします!」
「よし、ならさっそく遊ぶか。何したい?」
「おにごっこしたいです!」
「よっしゃ。本丸の中だけで、遠くまではいかない。お風呂の周辺だけって約束できるならいいよ」
「はい!ならぼくからにげます!」
そう言いながら、私から離れ逃げ始める今剣くん。
本当にただ鬼ごっこするだけか、これ。
よし、そういうことなら任せとけ。
そう思い、10秒数えた私は今剣くんを追いかけ始めた。
……いまのつるぎ、って長いな。
いまつるくんと呼ばせてもらうことにしよう。
2人だけで始めた鬼ごっこ。
最初はぴょんぴょん跳ね回る彼を捕まえるのは難しかったが。
次第に動きに慣れてきて、なんとか1回目。
「わー!つかまりました!」
「ぴょんぴょん跳ねて、元気だねえいまつるくん、お姉さんもう結構しんどいよ」
「えへへ、そうです!ぼくはてんぐなんですよ。とんだりはねたりおてのもの!」
捕まえたら喜んで私に抱き着く彼。
少し額に汗をにじませ、ゆっくりと深呼吸すると。
そう言いながらまた、ぴょんぴょん跳ねて見せる。
すばしっこさもそうだが、小さくてあちこち跳ね回る姿がとてもかわいい。
薬研や厚よりさらに背の低い、こんな小さな子も刀剣男士でいるんだなあ。
「やだ可愛い、そんないまつるくんには金平糖を上げよう」
「?なんですか、これ?」
「食べてごらん、甘いから」
「あまい……?」
そう首をかしげながら、彼はそれを口に放り投げた。
ナイスキャッチ、と内心思いながら。
その徐々にぱあっと明るくなる顔を見て、これまた癒された。
嬉しそうに口元を押さえて、にこにこしながら口の中で味わっているのだろう。
なんだ、めちゃくちゃかわいいなこの子。
なんて思いながらも、私が休憩に縁側に座ると。
嬉しそうに私の傍へ寄ってきて、膝の上に座りたいという。
可愛すぎるでしょ、もちろんOKです。
膝の上で嬉しそうにする彼は、前の主である源義経の話を始めた。
嬉しそうに話す姿が可愛くて、その話にのんびりと相槌を打ちながら。
頭をなでてやっていると。
「なんだ、ここにいたのかたいしょ―――」
薬研の声がしたので、やっほ、と振り返ると。
言葉を失った状態で、完全に動きが止まった薬研がいた。
厚が一番早いかな、とか思ってたんだけど以外にも薬研か、烏の行水。
ん?どうした?と再び声をかけようとしたが。
それは先に首元へと抱き着いてきたいまつるくんによって阻まれた。
「えっへへー。どうです?おどろきましたか?」