其の二
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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<円 Side>
「…………んあ"……あ"ー。頭超いてえ……クソが」
「おお、寝起きの主は口が相当悪いのだな。ここまでとは思わなんだ」
「…………あ、おじいちゃんおはよ、ごめんなさいでした」
「うむ。よく眠っていたようだな」
「今は……夜か、随分暗くなりましたね」
そう言いながら外の景色を見る。
部屋は電気が付いていて明るいが、外の景色はすっかり夜になっていた。
ここ周りに灯りとかもなさそうだな、ひょっとして星よく見えるんじゃない?
なんてことを考えながら、ちらっとおじいちゃんを見ると。
その顔は穏やかなものの、何か不満を訴えるような顔だった。
「……?なにか、ありました?あ、いや、ひょっとして寝起きの口の悪さです?」
「いや、その逆だ。なぜお主は短刀の厚や薬研には普通に話すのに、俺には敬語なのだ?」
「んえ……と言いますと、ちゃんとみんなと敬語で話した方がいいですか?」
「そうではない。俺とも普通に話してほしいのだ。厚や薬研、加州や和泉守たちだけずるい」
「ずるいて」
思わず三日月さんからでた「ずるい」に突っ込んでしまう。
そんなこと言われるとも思っていなかったので驚くしかない。
まるでうちのじっちゃんみたいなこと言うじゃん、このおじいさん。
そう言えばさっき起きた時、心なしか満足そうにうなずいたような。
……ひょっとしておじいちゃんって呼ばれたの、嬉しかったとかある?
えええ……まじかこのじいちゃん……
「その意見には同意せざるを得ませんね。我々とも普通に話して頂きたい」
「僕も同感だね。何より、主に敬語を使われるのは違和感あるし」
「そもそもお前絶対敬語苦手だろ、とりあえずですますつければいいとか思ってるやつだ」
「やかましわい。その通りですけども。……え、じゃあ使わない方がいいんです?三日月さん」
「厚や薬研、加州は君付けなのに、俺はさんなのか?」
「まさかのそれも嫌なんすね……わかった、わかった。三日月おじいちゃん」
「うむ、それでよし」
何がいいのか私にはさっぱりわからないよおじいちゃん。
これ、三日月さんはおじいちゃん呼びで確定した方がいいかもしれない。
なんて思っていると、いつの間にいたのか部屋の入口に薬研くんが厚くんと一緒にお盆を持って立っていた。
「それを言われると、俺っちもくん付けは少し気になるな」
「と言いますと、逆にさん付けがよろしいと?」
「いや、少しくすぐったくてな。薬研って呼び捨てがいい」
「俺も俺も!くんとかなくていいぜ、大将!」
「それなら私も、さんはいりませぬな」
「もちろん僕も、だよね?」
「どういう理屈よ……わかったわかった、あ、兼さんは兼さんだから」
「なんでだよ、和泉守って呼んでもいいんだぞ?」
「長い」
次の瞬間、私の頭の上に衝撃が走る。
つむじを全力で押されている感覚、ちょっと待て兼さんそれはやめろ!
地味に痛いし下痢ツボとか言われてるんだよそこ!
痛い痛いストップ!
でも兼さんは兼さんしかないって感じするよね。
そういうとまた押されそうになったので、つむじを両手で覆い隠した。
ちなみに薬研く……薬研が持ってきてくれたのはお茶だった。
温かい緑茶が体の中に染み渡る。
あれ、お茶ってこんなに美味しかったっけ、うまし。
なんてことを考えながら、加州くんがいないことに気付く。
あれ、加州くんは?と聞こうとしたとき。
「ふいー。戻り戻り~」
と声が聞こえたので、ちょうど帰ってきたらしい。
そのまま部屋に入ってきたので、「お帰り」というと、少し戸惑っていたが「ただいま……?」と疑問形ではあるが返してくれた。
なんだこいつ、可愛いな畜生。
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「…………どゆこと本当にもう……いや、理解しろって言うのがもうダメ?何も考えるな、感じろ的な?無理に決まってんだろこんちくしょうめ……」
本当になんなんだもう。
本丸ってなんだ、刀剣男士ってなんだ、霊力ってなんだ、私なんなのマジで。
もう何も考えたくない、なんだよ訳わからなさすぎる。
私の予想通り、あちこちに探索に行ってくれていたみんなは。
私が寝ている間に、戻ってくるなりそれぞれ意見交換をし。
とりあえず引っ越ししました?レベルで大変なことになっていることを確認したらしい。
具体的に話すと、まず本丸は依然と全く違うところにある。
後ろが山なのは変わりないが、本丸自体の広さが広がっており。
私が最初に来た広い荒野しかない、と言っていたところには。
山だったり川だったり池だったりと。
明らかになかったものが出現していた。
加えて厚の調査で判明したのだが、少し遠くまで行けば海も見えるという。
いくら何でもそれはやばいでしょ、マジですか??
さすがに動物らしきものの生息が見られなかったのが救いか否か。
命まで作り出したらいよいよ神にでもなったのかって話だから……
ん?植物?知らない子ですね……
兎にも角にもとんでもなくなった、本当に無理。
そして肝心の本丸はというと。
まず意味わからん広い畑が出現。
さらに本丸の中は丸っと変化しまくっている。
そしてなんと、私が寝ていたこの部屋。
元々折れた刀たちがいたあの部屋の場所だという。
マジで燃やして建て直したの?ってレベル。
いや、燃えたから引っ越したみたいな感じに近い。
なのにこんちゃん曰く座標は変わってないとか言ってたらしいし。
もう理解不能すぎるからこれ以上詳しく説明するつもりはない。
いや、説明できるほど理解ができない。
何、私めっちゃすごいの?すげえな、すげえわ。
「とりあえず私がすごいことはわかった、すげえわ私。もう考えるのはやめることにするもう無理です」
「あきらめるなよ大将!大将ならできるって!」
「謎の根拠が私を襲う。残念ながら頭はよくないんだよ私。体が勝手に動いちゃうタイプなんだって」
「まあ、俺たちにもよくわからんことは多い。無理して解明することもなんじゃないか?」
「そうだよね。人生諦めも肝心、気を取り直して次行こう」
「ただ自分をバカと認めただけだな……」
「聞こえてんだよ兼さん、たくあん好きの残念なイケメンに言われたくない」
「それ褒めてんのか?貶してんのか?」
両方だよ馬鹿野郎。
考えても無駄ということが分かったことだけとりあえずよしとして。
私の体は寝たおかげか、心なしではあるが少し軽くなったような気がする。
やっぱ寝るって大事だね、なんて思いながら。
体のあちこちに力が入るかを確認する。
……うん、とりあえずは大丈夫そうか。
よし、ここまでいろいろあったけど。
これからもきっと色々ある。
そして腹が減っては戦はできぬ。
ということで。
みったださんことみっちゃんのご飯を食べよう。
「はは、今日はうどんだよ。おかわりもあるから、たくさん食べてね」
そう言いながら、みっちゃんはお盆にいくつか乗せてこちらに持ってきた。
その後ろに加州くんと一期さんもいる。
出来立てなのか、器が少し熱い。
私は先に食べてしまいそうな厚をなだめながら。
全員にうどんが生き渡ったのを確認して。
「よーしそれじゃいただきます!」
と言い、他のみんなが続いて言う。
そして厚が待ってましたと言わんばかりに食べ始めたのを見て。
立派な月見になっている卵をゆっくり割って、うまく通しながら食べ始めた。
お出しが効いててめちゃめちゃ美味しい。
少し乗ってるお肉がまたうまいし。
シャキシャキ感の残った長ネギがまた甘みが出ていてうまい。
ダメだみっちゃん料理うますぎ、美味しすぎる。
「はは、ありがとう。そう言ってもらえると作り甲斐があるよ」
「……あれ。そういえば、食材とかはどうしたの?何もないんじゃなかったっけ」
「それはこんのすけから、雲殿に頼んで取り寄せて頂きました。献立も雲殿のご提案です」
「なるほどなあ、さすが雲さん」
なんて感心しつつも。
そういえば、ここにきて雲さんと話してはいたけれど。
刀剣男士たちは特に雲さんに対して敵意がないように見えた。
……なんでだろ?
なんて純粋な疑問を持ったのが顔に出てたのか、みっちゃんが「嫌いなものでもあった?」と申し訳なさそうな顔をする。
それに対してごめん考え事、嫌いなものは豆腐ですと付け足し。
その疑問をそのまま聞いてみると。
ああ、それはね、と言葉を続けてくれた。