其の二
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「…………全然意味が分からない」
いや、本当に。
聞いた話によると、昨日満開の桜を咲かせたことは間違いじゃなかったようで。
私ってすげーのな、とか言ってる場合じゃない。
ここからが本当に意味が分からないところなのだが、私が咲かせた満開の桜の花びらが、私の霊力を持って各本丸のあちこちへと飛んでいき。
あちこち浄化していったという。
そのため庭はほとんどが浄化済み。
空気も風に乗って澄んだ空気に。
裏の山はふもとに集まった霊力から、そこに生えていた木が綺麗になり。
その木がまた私の霊力を撒いて、山へと広がっていったのだとか。
なので実は山の裏から見るとまだ枯れ木が残っているが、それが他の木のように生き生きとしだすのは時間の問題。
昨日の桜さんと少しお喋りしただけで、私の霊力がこの本丸に行き渡ったとのこと。
いや、本当に意味が分からない。
こうなってくると、一体霊力とは何ぞや?という永久に終わらなさそうな問題が現れる。
ちなみに私が昨日そのまま倒れたのは、そんな超広範囲に行き渡らせるほどの霊力を大量消費したかららしい。
ますますわからん、霊力って寝たら直るのか。
夢でエネルギー補充できるみたいなもんなの?霊力。
「それだけ主さまの力が強い、ということです!普通ですとあの桜の木を満開にすることも1日では難しいというのに!」
「ますますわからないよこんちゃん、何、私チートなの?」
「ちーと、はよくわかりませんが、一流の霊力を持っているのは確かです!」
そうか、私すごいのか。
なら審神者でてっぺんとるか、てっぺん何を持ってなるのか知らないしとる気もないけど。
というか昨日から怒涛の出来事ラッシュで何が起こったかもう訳が分からない。
ちょっと色々と整理をさせて、と言った直後。
とんでもなく、大きな、腹の虫が鳴った。
もちろんそれは私の腹で。
そういや昨日から金平糖しか食べてない。
そりゃ腹も盛大になるよ、恥ずかしくて穴でも掘って埋まりたいくらいには。
思わずこんちゃんの顔を見て、そのきょとんとした顔に噴き出してしまう。
そのままこんちゃんにご飯の催促をしようとしたとき。
「そういえば、昨日から何も食べてないもんね。こんのすけくんが持ってきたお弁当ならこっちにあるけど、君は随分たくさん食べるんだね」
と、桜さんの咲いている方からみったださんが歩いてきたため。
とりあえずそこまで移動すると、そこの縁側が直っていて。
花見をしながらご飯が食べれるのか、と内心喜びながら。
とりあえず8つ並んだお弁当の中身を確認した。
唐揚げ入ってる、やったぜ。
「いや、これ全部は無理だから。みんなの分に決まってんでしょ」
「……は」
「でも俺たち食べなくても大丈夫だぜ?」
「いやいや、折角人間の体なんだから。食はこんなに素晴らしいってこと、みんなにも知ってもらいたいからね」
「本当にいいのか?俺達が食べて」
「もっちろん。1人寂しいし、大人数で食べる方がおいしいし。何より、作ってはないけどみんなでご飯食べるって、決めてたから」
そう言って、私は桜さんの正面に縁側から足を下ろして座り。
膝の上にお弁当を用意し、みんなも同じようにするまで待った。
すると隣には私を真似しながら厚くんと加州くんが座ってくれたので。
2人に向かってにーっと笑う。
厚くんはそれに満面の笑みを返してくれて。
加州くんは軽く微笑んでくれた。
……うん、本当に朝はごめんね。
そしてそれぞれ、厚くんの横に薬研くん、一期さんが座り。
加州くんの横には兼さん、みったださん、三日月さんと座る。
みんなが私と同じようにお弁当を膝の上に置いたところで。
私は手を合わせ、いつものように元気よく手を合わせた。
「いっただっきまーす!」
そしてお弁当の包みを開けた。
と、ものすごい視線を感じるもんだから周りを見ると。
みんなが不思議そうにその光景を見るもんだから、少し笑ってしまった。
そっか、お弁当食べたことなさそうだもんね。
頂きますも、よくわからないのかと思い。
食事の仕方についてみんなに説明した。
既に時間が経ってしまい、冷えたご飯や唐揚げを頬張る。
空腹は最大の調味料という奴だろう、普段なら冷めて文句の1つでも言うところだが、醤油の味が染み込んだ、もそもその唐揚げでも美味しかった。
ちなみにみんなは初めての感覚なのか、箸をうまく持てなかったり唐揚げを落としてしまいそうになっていたが。
美味しそうに頬張り、目をキラキラと輝かせていた。
これはいつか、ばっちゃん特製の秘伝だれの唐揚げを作ってやらねば。
そう思ったのも束の間、彼らの背後に桜の花びらが舞っていることに気付く。
あれ、でも桜さんはもう咲いてないよね?
そう不思議に思っていると、頭の上に乗ったこんちゃんが説明してくれた。
なんでも、刀剣男士たちが幸福を感じたり。
調子のいいときなんかに現れたりするものらしい。
ちなみにこの状態で出陣すれば誉待ったなし、と言っていたが誉とは何ぞや。
反対に調子が悪い時や疲労がたまると、オレンジ色の疲れたマークが出るとか。
それを見た記憶はないな、と考えたが。
怪我の具合と疲労の溜まり具合は別物らしく、時間経過で治るとのこと。
やっぱ休憩とか諸々大事じゃん、めっちゃわかりやすいなそれ。
人間も出るようにしたら過労死問題とか解決しそうだよね。
説明してくれたこんちゃんには好きそうだし油揚げを上げてみた。
刀剣男士に負けないほど桜を咲かせた。
いや、そんな仕様ついてんのこんちゃん、君は一体狐なの?刀剣男士なの?なんなの?
しばらくして箸の使い方に慣れたのか、みんなが夢中でご飯を食べだしたので。
ここで今まで起こった出来事について整理したいと思う。
私は五来 日和、名を改めて、円と名乗ることにした。
昨日から審神者として、こんちゃんに連れられてこの本丸へと来た。
そこで会ったのは刀剣男士と呼ばれる彼ら、兼さん、三日月さん、一期さん、みったださん。
さらに大けがをしていた薬研くん。
まずは顕現している傷ついた刀剣男士たちを治療、もとい手入れをして。
刀の姿のままのみんなの手入れも行った。
それから加州くんにもあって、鍛刀で新しく厚くんも来た。
そしてみんなとも少しずつ距離を縮め……られたのかな?
主って呼ばれてるし、それが彼らなりの信頼の形みたいで。
あ、そうだ執務室ぶち壊した。
あとよくわからん箱も触って訳わからないことになったけど、まあそれはよし。
それから雲さんのことも忘れてはいけない。
最後に桜の木を満開にさせてそのまま爆睡!と、昨日の流れはこんなものかな。
んで、今日の朝はまず加州くんを泣かせることから始め。
昨日の夜の桜はすっかり季節に合った葉桜に姿を変え。
本丸も家の中を覗いてだいぶ綺麗になっていた。
そこで昨日から何も食べてないことを思い出して。
今、みんなとここでから揚げ弁当を食べている。
うん、今思い返しても何が何だか全然わかんない。
これは深く考えるだけ無駄だ、と思った私は。
現実逃避をするように、最後の一口のご飯を口に入れた。
ハッキリしているのは私の名前と。
刀剣男士・こんちゃん・雲さんの名前。
手入れと鍛刀、顕現のやり方。
そして最終目標が政府をぶん殴る、だ。
なんだ、目的はっきりしてるなら何とかなりそうじゃん。
これからどうするかは考えたくないけど。