其の二
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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『これ日和!!起きんか!!』
『ああ"……っるせえんだよ……』
『じじい傷ついた謝って』
『んあ……クソが……あれ、じっちゃんおはよ、ごめんなさいでした』
『……お前のその寝起き、何とかならんのか』
そうさせたのはどこのどいつだ。
夜遅くに帰って就寝したのが2時かと思いきや、次に起こされて目を覚ますと4時、もちろんどっちも午前の方。
そんなことを幾度となくしてきたくせに、じじいの大事な3か条は飯・遊び・睡眠!とか言い出す始末。
遊び第一、飯・睡眠その次だろうがと何度思ったことか。
おかげさまで朝は不機嫌に起きるという習慣がついた、どうしてくれる。
と、起きて第一にお腹が鳴るので服を着替えて洗面台。
顔を洗って寝癖を簡単に直し、そのままリビングに行ってばっちゃんに挨拶。
『ばっちゃん、おはよ』
『おはようさん。今日も絶好調だねえ。今日の朝ご飯はカリフワ触感!バターを染み込ませたトーストに目玉焼きを添えたよ』
『ありがと。牛乳チンしていい?』
そういうとレンジからチン、と心地いい音が聞こえる。
それをばっちゃんが取り出すと、湯気の立つ膜の張ったホットミルクが食卓に並ぶ。
さすがばっちゃん、と言いながら片手にはちみつを用意した私は、それをスプーン1杯ぶんに入れてホットミルクへと投入。
ぐるぐるとかき混ぜてチンっと音を立て、軽くスプーンの水分をとると。
そのスプーンをそのまま口に入れた。
ほんのりとした甘みが口に広がる。
『いっただっきまっす』
そして手を改めて合わせ、バターの染み込んだトーストをそのまま頬張る。
うん、よく染み込んでるし確かにカリフワ。
隣に置いてある目玉焼きも、私好みの半熟で周りにしんなりとしたキャベツもついている。
さすがばっちゃん、おかげで今日も私は頑張れる。
そうして朝のニュースを見ながら、私の一日は始まる。
良き睡眠、良きご飯、そして良き遊び。
じっちゃんみたいに遊び優先にはしない、これが私のポリシーだ。
ここでふと気づく。
『あ、これ夢だわ』
「……主!」
「…………ああ"……んだよ……」
いつものじっちゃんの顔かと思いきや。
起きたら急にドアップのイケメン。
赤い瞳が綺麗な君の名は。
そうかじっちゃんは3年前にいなくなったわ。
と、いつもの癖で時計がある場所をダンッと強めに叩く。
あれ、時計がない?
いや、そもそも目覚まし鳴ってないなこれ。
「……っるっせえなぁ……ああ"……クッソが」
あれ、じゃあ今私が起きたのは?
そうか、本丸に来て色々あって、あれ、私いつ寝たの?
執務室をぶち壊したことはよく覚えてるんだけど、それからのことがいまいち覚えてない。
体もなんだかだるいし、熱は……ないな。
私ここ数年風邪にもインフルにもなってない。
えっと、それから浄化するとこを話して、枯れ木に花を咲かせましょ、で?
めっちゃ綺麗な桜を見たような見てないような。
と、混乱していると目の前の赤い瞳の彼が完全に硬直していることに気付く。
…………赤い瞳が綺麗な君の名は、加州清光。
完全に硬直していて、とても、悲しそうな顔を、している。
「加州くんごめええええん!!!!!」
私はがばっと勢いよく起き上がる。
勢い良すぎて彼のおでこに私のおでこが激突する。
あいて、と言いながらおでこを抑える。
それと同時に加州くんを見ると。
彼は表情を変えずにおでこを押さえ。
ぽろぽろぽろ、と大粒の涙を流していた。
「本当にごめんマジでごめん怖かったよね痛かったよね本当にごめん!!!」
「なんだ、朝っぱらから騒々しいな」
「お!大将起きたのか!って、なんだ、どうした?」
「おはようございます。……ところで、一体、なにが」
「おはよう主。今日の調子はどうかな?見たところ絶好調そうだけど」
「はっはっは、主は朝からにぎやかだなあ」
「……ところで、なんで加州は泣いてるんだ?」
「全部私のせいでございます!弁解の余地もございません!本当にごめん加州くん!!!」
思わず泣く加州くんを抱きしめ全力で頭を撫でる。
本当にマジで本当にごめんなさい!!!
泣く子も黙る蛇睨みとは私の事です、誰が蛇じゃ誰が。
いやいやいやそうじゃなくて本当にごめん加州くんめっちゃ泣いてる本当にごめんなさい笑った君が好きなので泣き止んで!
そうひたすらに謝り続けてると、私がわざとじゃないのがわかってもらえたのか。
加州くんも落ち着いたようで、軽く抱きしめ返してくれた。
本当にごめんよ、あとそれめっちゃ可愛いね。
と、ここでみんなに改めて挨拶をして。
私の寝起きがめっちゃくちゃに悪い事を説明する。
いつもは起こされる5分前とかにアラームセットして起きて、覚醒してから起こされるからまだここまで酷くない。
全てはアラーム掛けずに寝た私のせい、あれこれ結局私のせいだな。
本当に加州くんには悪い事をした、せめて説明してから寝れればこんなことには……!
と、私が昨日の記憶がないことを思い出し。
あれから何があったのかを聞いた。
するとそれはそれは大変だったみたいで。
私は満開の桜を咲かせた後、なんとその場に倒れたらしい。
最初に気付いた兼さんがギリギリで支えてくれたらしく、頭は打たずに済んだとか。
そのまま何をしても起きない、死んだように眠る私を見て一同が大慌て。
そんなところにタイミングよくこんちゃんが来たものだからさらに大騒ぎ。
結局こんちゃんが慌てて雲さんに連絡し、その雲さんの「ただの霊力切れで疲れて寝ているだけ」という言葉でようやく落ち着いたんだとか。
ごめんねそんな大騒ぎしてめちゃくちゃ心配してたのにあんな寝起きだもん。
そりゃ加州くんも泣くわ、本当にごめん心配してくれてありがとう。
これ一生背負うレベルの罪だと思う、本当にごめん。
そういいながら、少しだるい体を起こし。
桜が気になって外の様子を見に行こうとする。
と、周りの雰囲気もなんだか違うことに気付いた。
少し肌寒いけど、外は明るいような。
今日の天気は晴れか、これは幸先良いかもしれない。
なんて考えながら外に出ると。
「…………え」
昨日の殺伐とした空気はどこへやら。
随分と澄んだ空気に綺麗な庭。
緑のみの字もなかった庭には、雑草や花などが生えていて。
何より庭の先には、枯れ木だらけのおどろおどろしい空気を醸し出していた山が。
あちこち色を変えて、赤や黄色のカラフルな紅葉になっていた。
いや、ちょっと待って何があった。
1日で植物が育ってたまるか。
いや、そうではなくてだな。
なんてめちゃくちゃに混乱していると。
昨日からなじみのあるモフモフことこんちゃんが、肩へと乗った。
「主さま!昨日は心配しましたよ!体調の方はいかがでしょう?」
「おはようこんちゃん。ちょっとだるいけど元気。ところでこれは一体なんでっしゃろ、ドッキリなの?」
「こんのすけでございます!!ドッキリではございません!これが主さまの力なのです!」
は?と思わず声を出すと。
背後に気配を感じたのでそちらを見る。
するとそこには三日月さんがいて。
三日月さんはゆるっと笑みを私に向けると。
そのまま目線を庭の方へとやる。
思わずその目線の先を追うと。
そこには、青々と生い茂った大きな木があった。
「………葉桜」
まさか、あれが昨日の桜の木、もとい桜さんなのか。
あまりの衝撃に声が出ず、もう一度三日月さんの方を見ると。
先ほどと同じように微笑んで。
「お主の霊力の温かいこと。例を言うぞ、主よ」
私の頭を、優しく撫でた。