其の一
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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<円 Side>
はーい良い子のみんなー!日和こと円お姉さんだよ☆
今私が何をしてるか、わかるかなー?
正解は、斧を持って執務室に移動中、だよ☆
みんな正解できたかなー?
正解できた人にはなんと!
円お姉さんの好物こんぺいとうをもれなくプレゼント~!
正解できなかった君にもあげちゃう、みんなでハッピー☆
…………なんて冗談はさておき。
なぜ斧を持ってるかというと。
そりゃやたらと綺麗なのが腹立つ木の机と。
座り心地のよさそうないいソファ。
これをぶち壊すためである。
こんな部屋で仕事をする?ふざけるな。
別に潔癖でもないけどそんなの嫌すぎる。
大丈夫、壊しても私の力で直るらしいし。
机もソファも新しくいいヤツ買う予定だから!
だから、ねえ。
「ぶっ壊す!!!」
そう言い大きく振りかぶって。
まずは机を真っ二つ。
あ、なんだこれめっちゃ気持ちいい。
ストレス解消にもってこいだわ最高か?
その勢いで椅子にも思い切り振りかぶってどーん。
いいねこれめちゃくちゃスカッとする。
でもそれだけで私の腹の虫がおさまると思うな馬鹿野郎。
「誰がっ!!そんな破廉恥なこと!!!するかバカあああああああ!!!!!!」
何よりも、何よりもだ。
前の審神者のせいで人間が悪いやつと思われる。
そんなことくらいなら痛くもかゆくもない。
しかし、しかし、だ。
私はこうみえても生まれてこのかた男を作ったことがない。
いや、真面目な話顔が悪くないせいかモテてはいたが。
いや本当に。
性格がこれな上、昔のやんちゃのせいで私より強い男がいないのだ。
だからこそ作らなかっただけで、決してモテなかったわけではない。
…………だからこそ。
誰が、そんな、色欲まみれの猿だ。
一緒にするんじゃねえぞ、この野郎ども。
そんなこと、誰が好んでするかっての。
言ったでしょ、私、こう見えてピュアピュアの超純情ガール。
抱かれるなら、将来を誓った男にのみだ。
「マジでほんとにもう許さんからな!!激おこだかんな!この野郎!!!!!」
そう言いながら部屋の中の道具から何からを次々に破壊していく。
机もタンスも何もかも、めちゃくちゃにぶち壊して、ぶち壊す。
本から何からとにかく壊せそうなものは壊していき。
最初に壊した机と椅子はただの板と棒にしてやった。
超すっきりしたざまあみやがれ。
と、一瞬冷静さを取り戻してふと顔を上げると。
なんとそこには全員集合、外から庭からこちらを見ている。
もちろん全員が驚いた表情で。
何をしているのか全く理解できていない顔だ。
間違いなくドン引かれただろうが気にしない。
先ほどとは打って変わってこちとらすっきりしとんじゃい。
そう思いながら、外の彼らにむかって全力のスマイルを送ってやった。
「あ、ここにあるやつ全部燃やしますねー」
そう言い随分と軽くなった机の塊を外にぶん投げる。
焼却場探さないとなあ、どうしよう。
そんなことを能天気に思いついた時だった。
「……っ、く、くく、っく」
すごく不気味な声が聞こえたのでそちらを向くと。
兼さんが必死に笑いをこらえて体を揺らしていた。
そして、そのまま何もせず固まっていると。
ついにたかが外れたように大声で爆笑しだした。
急に笑いすぎて兼さんむせてるじゃん、大丈夫?
ングッ、ゲホ、とか苦しい声が出てるのにも関わらず、彼はそのまま笑い続けた。
「いいねいいねぇ!気に入った!いっちょやってやろうじゃねえか!」
そういう彼はこちらに来て。
私の頭をガシガシグワシとなでる。
髪の毛がとんでもなくぐっちゃぐちゃになったけど。
初めて見た彼の無邪気な笑顔を見て、どうでもよくなった。
なんだ、ちゃんと笑えるんじゃん。
と思ったのもつかの間。
彼は私が壊した机の残りを掴み。
庭へと出して、そこに思い切り叩きつけた。
……叩きつけた?
「俺にもやらせろ!この部屋は前から気に入らなかったんだ!!」
「そういうことならよろしくどうぞ!!!」
笑顔全開の彼が、こちらを向きながらそういうので。
ならばと兼さんに斧を渡すと。
彼は容赦なく振りかぶって右側の棚を思い切り壊す。
それだけで、私がやるより広範囲に、かつ思い切り壊れる。
私の頭より高かった棚が、おかげで縦に真っ二つだ。
ナイスぶっ壊し。
そういうと目が合ったので、ニヤッとした笑みを浮かべると、それにつられて兼さんも不敵に笑う。
お互いにニヤッと怪しい笑みを浮かべ合い。
さらにあれこれ壊し始めた私たちに。
薬研くんが俺もやりたいとぶっ壊し隊に入隊。
他のみんなも壊したものをさらに細かくする作業を行ってくれた。
元ここにいたみんなは察して手伝ってくれているんだろうが、厚くんが意外にもノリノリで1番楽しそうに分解をしていた。
1番びっくりしたのは、自分はじじいとか言ってた三日月さんが破壊力抜群だったことかな。
それはおじじの破壊力じゃないよおじいちゃん。
そんなことを言いながらドンスカバキと物を壊すと、人数が多かったからなのか。
早く片付き、日が傾き始めるまでには終わっていた。
15時くらいから多分始めたから、色んなものがあった割に上出来じゃない?
めっちゃ動いたせいでめっちゃお腹すいたよどうしよう。
こんなことになるとは思わなかったなあ。
そう思いながら、これ以上の空腹は耐えられないと雲さんに連絡を取った。
もちろんみんなの分も一緒にね。
「あれ、そういえば加州くんは?」
雲さんと連絡を取った後、ふとみんなを見ると。
加州くんだけいないことに気付いたので。
声を出して読んでみると。
「は~い」
と、なんとも言えない可愛らしい返事が返ってきた。
駆け寄ってきた彼を、思わず撫でまわしたくなる衝動を抑えながら。
手に持っていた紙に気付き、何かを確認すると。
なんと、見取り図をきっちりと作ってきてくれていたのだ。
「みんな壊すのやってたし、少し手が空いてたから。頼まれてたのやろうと思って……ひょっとしてだめだっ」
「ハイパーいい子か?大天使カシュエルか?いや神だったわ!加州くん本当にありがとう!!!」
「………へへ」
彼は少し私の言葉が分からないのだろう、首をかしげていたが。
最後のありがとうに反応し、少しふにゃっと笑った。
ありがとう、その笑顔で私もうお腹いっぱいだよ。
めちゃくちゃ元気出たし、ひと段落ついたから休憩がてらこれについて話をしよう。
また金平糖をとりだし、みんなにあげながら座れそうな部屋に移動をした。
「と言う訳で、早速ですが浄化場所を決めていきたいと思います。私にはどこがやばいとか全然わからないので、みんなの意見を聞かせてください」
まずこの本丸にある部屋の整理だ。
先ほどひたすらに壊した執務室をはじめ、鍛刀部屋、手入れ部屋。
それから生活していくうえで必要になってくるトイレ(厠というらしい)、キッチン(厨というらしい)、風呂。
後は本丸でみんなが生活するスペースである各々の部屋と大広間、縁側、資源置き場など。
ボロボロだけど、改めて見ると広いなここ。
さらに庭の方へと行くと。
戦闘で重要になってくる馬小屋(厩というらしい)。
自家栽培で畑、しかも結構広大。
あと手合わせなどに使う柔剣道場。
季節を感じられる日本庭園など。
意外とここ広いのね、ボロボロなもんだからよくわからなかった。
ちなみに焼却場も見つけたので後でまとめて持っていこうと考えながら。
1人だったのにばっちりとその図を作った加州くんを褒めた。
あ、ちょっと照れたな、可愛い奴め。
「で、浄化するべきところって言うのは、いわゆる瘴気っていうものが集まってるところなんだけど」
「当初の話では、生活に必要なところを最初に行うんでしたよね」
「そういうことなら水の確保が一番大事なんだろ?井戸が最優先、だと思うが」
「それを言うなら主にはご飯を食べてもらわないといけないからね。厨も優先してもらいたいな」
「厠も優先的に必要になるな。厨も、作るためには畑から収穫してからだろうが」
「執務って結構頻繁に来るんだろ?なら執務室も早いとこ綺麗にしたいよな!」
「……個人的には、一番瘴気の多いあの部屋からかな、と思ってる」
と、みんなが話を進めていく中で。
私は最悪雲さんに頼めば、食べる飲むはできるから。
みんなのことを優先したことでいいんだけどな、と思いつつ。
珍しく何も話さない三日月さんが気になった。
彼の方を見ると、外を見つめているため。
何か気になるものがあるのかと目線を合わせてみた。
その目線の先には、名前を付けるときに聞いた桜の枯れ木があった。