其の一
夢小説名前変更
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この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
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名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「と、一息ついたのはいいんだけど。次は何をすればいいのやら」
とりあえずみんなの怪我は治った。
初鍛刀として厚くんも来た。
次にすべきなのは果たして、家の掃除かそれとも刀剣男士たちの顕現だろうか。
恐らく家のリフォーム的なのは浄化をすればある程度直るって聞いたし。
その浄化とやらがどれほどかかるものかわからないが、最悪寝るところだけでも確保するべきだ。
とはいえ厚くんを顕現したからには、他の彼らも早めに顕現すべきだと思う。
……顕現されるのを望んでいるかは別だか。
その話をみんなにすると。
「そうさな。浄化してからの方がいいかもしれん。浄化も決してすぐに終わるものではないからな」
「最低限の設備だけ整えても、夜までに終わるかわからないですからね」
「え、そんなにかかるんです?浄化って」
「あー……汚れを落とすときに頑固汚れほど時間がかかるだろ?そんな頑固な穢れがあちこちにあるからな」
「ありがとうめっちゃわかりやすい。となると本当に掃除みたいだな」
「ほどほどに浄化して、最低限の環境が整い次第顕現する。そして本丸の修復作業を手伝ってもらう。この順番がいいかもしれないね」
「……思ってたよりもボロボロなんだな、ここ」
と言う訳で。
浄化を優先して行うことにした。
わからんことは現地の人間を参考にした方がいいもんね。
私じゃ何1つわからないし。
……ところで、浄化のやり方とかしらないけど何するんだろう。
そんなことを考えてると、やはり加州くんが近くに来る。
一体どうしたというのだろうか。
「そういえば大将、近侍は決めなくていいのか?」
「きんじ?とは一体何でしょう。金の……時?ゴールデンタイム?」
「いやなんだごーるでんって。ちょっとかっこいいじゃねえか」
「近侍っていうのは、近くに侍らせると書く。つまり傍で主の仕事を手伝いつつ、守る役目を担う刀だよ」
なるほど、そんなものがあるのか。
と、兼さんの呟きはしれっとスルーしつつ。
とは言えみんなそんな感じだからみんな近侍でいいのでは?
そう思いながらも、兼さんにこの中から1人選んでおけと言われて。
誰にするべきなのかと悩むが。
「じゃあ厚くん、まずはお願いしていいかな?」
「任せとけ!」
1番傍で守ってもらう、という意味があるのなら。
こんちゃんたちが言ってた守り刀として、厚くんを選ぶのが最適だろう。
と思ったのも束の間、一期さんが手を挙げた。
「お、お待ちください。その……厚は来たばかりなので、最初はここの本丸を知っているものを選んだ方がよいのではないかと思うのですが」
少し様子がおかしいような気がするその行動に、疑問を覚える。
……一期さんが動くのは、大体弟絡みのことと判断してよいだろう。
となれば、厚くんの身を案じている可能性が高い。
「私も厚くんも、1番新人で何もわかってないから。ちょうど一期さんたち6人いるし、3人ずつとかであれこれ執務とか教えてもらおうと思ったんだけど、ダメですかね?」
「……なるほど、そういうことであれば。出過ぎた真似をしました」
むしろオッケーどんどん意見聞かせてください、と言いながら。
それだけではないような気がする違和感に、うーんと頭をひねらせる。
一度厚くんを離して、ここは一期さんの意見を聞いてみるか。
「ついでに執務の話とかも聞いておきたいんだけど、ここで1番荒れてない、落ち着いて話せそうな場所は?」
と、その話をするとみんなが固まる。
ん?まずった、地雷踏んだ?
と考えつつも三日月さんが涼しい顔で、前の審神者の執務室が1番荒れてないと言うので。
とりあえずそこに移動して、一期さんの話を聞くことにしよう。
と、部屋に到着して、内装が他の所より全然綺麗なことに驚きつつ。
厚くんを離すには……そうだな。
「よし、じゃあまず厚くんに近侍としての仕事を1つお願いします」
「おっ!なんだなんだ?」
「薬研くんと兼さんと一緒に、この本丸で優先して浄化するべき場所を探してきてほしいんです」
「俺と和泉守の旦那か?」
「……近侍を離したら近侍の意味がねぇじゃねえか」
「いやいや、役割分担ってやつです。私は先に執務を習うから、その間に元々ここにいたメンバーと、初めてここに来た厚くんとで目線が違うから、ついでに本丸の場所の把握としてあちこち見てほしいんだよね」
「なるほど、役割分担となれば、俺たちにも仕事があるのか?」
「一期さんと……加州くんは私と一緒で、三日月さんとみったださんは私に執務を教えた後に、同じく浄化の優先場所を探してほしいです」
「あいわかった。ならば先に行ってよいぞ。主にみっちり教えてやらんとな」
はっはっは、と笑うおじいちゃん。
それを聞いた厚くんは、行っくぜー!と薬研くんと兼さんの手を引いて移動した。
ばたばたと足音が遠のいたのでとりあえずは成功とみる。
と、恐らくもう話しても大丈夫だろう。
私は近くにあった椅子に腰かけ、一期さんに声をかけた。
「……で、一期さん。本当の理由をお聞きしても?」
「……気づかれておりましたか」
まあ、今回は明らかに動揺してましたから。
そう言葉を足すと、複雑そうに下を向いた。
薬研くんも離したのは正解だったかもしれない。
多分弟さんたちが関係していることに間違いない。
とはいえ、他のみんなもここに入ってから明らかに顔色が悪いため。
絶対にこの部屋なんかあるぞ。
「隠しても意味がないからな。率直に言うと、この部屋は夜伽の時に使用されておったのだ」
「…………よとぎ?」
「そういうことさ。夜に呼ばれることもあれば、近侍に選ばれた刀とは昼夜関係なかったからなあ」
「………………さいですか」
その言葉を聞いて思わず頭を抱えた。
すなわち、ここの部屋は男女のまぐわいの場として使われ。
近侍は昼夜問わず選ばれていれば行為を行うし。
加えて夜にもわざわざ誰かを呼びつけて夜伽を行う。
……いや、色欲にまみれすぎだろ前の主。
そんな調子なら仕事も絶対何もしてないんだろうな。
そう思ったのが見抜かれたのか、加州くんに「執務とかは他の誰かがやってたよ」と言われた。
それを聞いて一期さんが近侍を厚くんにしたことに反応した、と言う訳か。
違うとわかっていてもそりゃそうなるよね、しゃーなし。
と言う訳で何かしら対策を立てなくては。
「まず第一に。私こう見えても純粋なんですよ。一途な超純粋ピュアハート」
「「………………」」
「はいそこ黙らない。なのでそう言ったことは恋愛的に好きな人としかしません。なのでまずすることないです。子供のような彼らなら尚の事」
「……はい」
「いやてか仕事やれよなんなのマジでもう……近侍については、うちの本丸は2人体制にします。見守るかつ私がやらかしたときに怒る係と仕事を手伝ってくれる係です」
あ、あとと言葉を足し。
これだけは聞いておかないと、とずっと思っていたことを聞く。
「……短刀の、薬研くんや前の厚くんも。そういうこと、されてたの?」
「…………はい」
一瞬だけ硬直し、思わず深いため息をついた。
本当にそんなことあっていいと思っているのか。
本当に見境なしで、色欲にまみれ、最低のことをして。
……今、この人たちが私のことを主と呼んでいるのが嘘のように思えるほどだ。
マジでもう、ほんと、やばすぎて語彙力お召しになられたよ本当に。
「わかりました、そこまでわかればとりあえずよし。それではさっき言ったとおりに、三日月さんとみったださんは浄化場所の探索をお願いします」
「ああ、わかったよ」
「一期さんと加州くんは……浄化場所もそうなんですけど。地図を作ってほしいんです」
「地図?」
そう、本丸内の見取り図だ。
どこが何する場所か、大体の間取りを把握したいのと。
浄化場所の優先順位をわかりやすくマッピングしようと思っていたのだ。
なので2人には私の案内も兼ねて一緒に作ってもらおうと思っていたのだが。
……予定変更、やることができた。
「主は?俺たちと一緒って言ってたけど」
「ちょっと、席を外します。本当は案内してもらいつつ私が作ろうと思っていたんだけど。ごめんなさい」
そう言い、私は腕まくりをする。
それに疑問をみんなが首をかしげるが。
ほら、早くここから出るよと急かしたため。
それには賛成なのかみんながささっと外に出たため。
私はそのまま庭に降りた。
そのまま裏の方へと進んでいく。
後ろはみんな……ついてきてないね。
よっしゃ、と声を小さく上げ。
目的の場所へと進んでいく。
さっき加州くんを迎えに行ったときに、たまたま見かけたこれ。
まさかこんなにすぐ使うとは思わなかった。
刀剣男士たちの怪我。
無理な労働と暴力の数々。
折るという死と同類の運命をその手で行い。
物扱いしてる割に肌を重ねて色欲に溺れる。
本当にクソ野郎で腹が立って仕方ない。
そんなやつが前にいた部屋で?
私はこれから働けというのか?
本当にふざけんなよマジで、ぶっ殺すぞ。
と、完全に血が上り切った頭で。
完全に冷静な判断力をなくしている私は。
たまたま庭で見かけたあれに、手をかけた。
「…………ぶっ飛ばす」