其の一
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「………………………」
「……ん?あれ、大将?たいしょ~。寝てんのか?」
出てきたよ人が。
桜吹雪と共に。
突然のことにびっくりして完全に思考が停止してしまっている。
とりあえず素直な感想を言わせてもらおう。
なんだ、ここはイケメンしかいないのか???
「……?厚?」
「おっ、薬研!それにいちにいも!先に来てたんだな!」
「……何か様子が、前と全然違う」
「??どうしたんだよ2人とも、険しい顔して。なあ、ここの大将はこの人であってんのか?」
「あぁ、そうだよ厚くん。ところで、変なこと聞くかもしれないけど、前の記憶はあるかい?」
「前の記憶?何言ってんだ?」
そう述べる彼は、また不思議そうにこちらを見つめてきた。
今の言葉でとりあえずびっくりしていたのが落ち着いた。
そしてどういうことでしょう。
前の記憶は引き継がれるんじゃなかったの?
訳も分からないけど、このまま硬直しているのも彼が戸惑うだけだ。
「えっと、ごめん、初めて顕現したから衝撃がすごくて。とんでもなくびっくりした。私は円。今日からここの審神者になりました」
「初めて?いちにいも薬研もいるのにか?」
「元々ここは別の主がおったのだ。その引継ぎで参ったのがこの娘でな。俺たちはみな、前の主に顕現された刀だ」
「なるほど、そういうことだったのか!へへ、てことはオレが大将の初鍛刀なんだな!」
「そういうことになりますね!……それにしても、どういうことでしょう」
そういうこんちゃんの声にみんなが一斉に考え出す。
記憶は引き継がれるって言ってたけど、この厚藤四郎くんって子は引き継がれてないみたいだし。
さっきの一期さんと薬研くんの様子から、間違いないと思うんだけど。
……いいや、私はどうせ考えてもわかんない。
と言う訳で、私と同じく何が何だかわからなさそうにしている彼に声をかけにいく。
「た、大将。ひょっとして、オレが来ちゃダメだったか?」
「え、全然むしろ来てくれてありがとう。と言う訳で、貴方にお話があります」
「お、おう。どうしたよ、大将」
「私ね、ここに来たばかりで何にもわかってない。それに加えてここは私が来る前に、何人もが折られたって聞いた。だから私は、みんなとこれから仲良くして、誰1人折れない本丸にしたいと思ってるの」
「……え、そうなのか?」
「うん。だからね、庭もきれいじゃない、家もめちゃくちゃに壊れてる、こんな本丸を、一緒に修復してほしいの。めちゃくちゃ未熟な私と一緒に、戦ってくれる?」
そう言いながら、手を前に出してみる。
訳の分からないこと続きで、まさにこの子が出てきたことも本当に訳がわからないけど。
私にできることをする。
私が生きるためならば、そして楽しく生きるためならば。
何とかするしかないもんね。
その私の手を、最初は驚いたように彼は見つめていたが。
私の顔を見上げたので、軽く笑って首をかしげてみると。
つられたのか、彼も笑顔になり。
「おう!オレに任せな!!」
そう言いながら、私の手を思い切り叩いた。
あ、握手のつもりだったんだけど。
まさかのハイタッチなんだね。
そんな元気なところ、お姉さんは好きですよ。
子供は元気が1番だもんね。
掌、正直ひりひりするけどね。
その後、他のみんなが厚くんの記憶がないことについてや。
あれこれ話している間に。
私は唯一最初から友好的で特に隔たりなく話せる彼と、彼自身について話していた。
「オレは刃がまっすぐ、かつ厚いのが特徴で、兄弟の中だと鎧通しに分類されるんだ。自慢じゃないけど、歴代の主は名将が多くて、なかなかの有名人ばかりだぜ!」
「厚いからあつし、かあ。なるほどね。すごいじゃん。名前は……あつくん、あつしくん?」
「名前は文献によってアツとアツシでマチマチだけど、オレはオレだ。気にすんなって!大将の呼びたいように呼んでくれ!」
「では遠慮なく厚くん、と。改めてよろしくね、厚くん!」
「おう!こっちこそよろしくな!大将!」
刀にも種類があることをそもそも知らなかった私は。
その話も厚くんに教えてもらっていた。
見た目や長さ、用途などで細かく分類があるらしいが。
とりあえず簡単な知識として、短刀、脇差、打刀、太刀、大太刀、薙刀、槍が大きい分類になるようだ。
「今いる連中で言えば、オレと薬研は短刀、打刀に加州と和泉守、太刀は三日月と燭台切、それにいちにいだな!」
「確かに似たり寄ったりな身長……刀の長さが身長とか年齢に関係してるのかな?」
「身長はそうかもしれないけど、年齢はなあ……」
「あ、そうか。三日月さんがじいちゃんだもんね。全然おじいちゃんに見えないけど」
「それを言ったら、1番若いのは和泉守だぜ!」
「えっ、まじ、まさかの最年少兼さんなの??」
「……お前らな、人が真面目に話してんのに何楽しそうにしてんだよ」
「……確かに、思い返せば兼さんが1番子供っぽいような」
そう言いながら兼さんの顔をまじまじと見つめると。
怒りマークを浮かべた兼さんに、おでこをズビシと突かれた。
地味に痛い、そういうことするのやめてほしい。
と、思いつつも。
半日でここまでできるようになったのはなんだか嬉しかった。
そう思いながらしみじみとしてると、私の右隣に座って話をしてた厚くんと薬研くんが少し嬉しそうにちょっかいを掛け合う。
……そうそう、そういうの。
私にもやっていいんだよ、薬研くん。
と思っていると、私の左隣に加州くんがちょこんと来たので。
どうしたの?と声をかけてみた。
「……ううん、何でもない」
なんてこったい会話が終了してしまった。
まだ遠慮してるのかな、と思いつつも。
とりあえず隣に座ってくれただけ進歩なのかもなあ。
そう思うことにして、こちらに目線が集まっているのに気付いたため。
少しだけ背筋を伸ばして、センターにいる雲さんを見る。
『さて、厚藤四郎様も顕現されたことだし。俺は一度本部で活動するよ。こんのすけも一度こちらに来てもらおうと思うんだけど、大丈夫?』
「あー……途中から刀剣男士のみんなの方が説明してくれるようになってるしね。あ、でもさっきのお札みたいなやつに出くわしたり何かあったときに連絡とかできないです?さすがに不安なんで」
『ふむ、それなら俺の連絡先を渡しておこう。こんのすけ』
「かしこまりました!主様の携帯とやらに番号を追加しておきましたぞ!」
え、いつの間に私の携帯見たのさこんちゃん。
そんなことを思いつつ、こんちゃんはそれでは!って言って秒で姿を消した。
いやちょっと待って、いくらなんでも早すぎる。
せめて一言ぐらい欲しかったよこんちゃん。
しかも次はいつ来るのかとか、そういうのも一切ない。
せめて次何するか決めてからにしてよ。
と、完全に放置された私は。
とりあえず自分の荷物から金平糖を出して、青い服の妖精さんたちにあげる。
彼らはそれを受け取ると、緑の服の妖精たち同様とても喜んでいた。
……あ、ご飯の話するの忘れてた。
まあいいか、食べないことなんてたまにあるし。
そう思いながら、他の刀剣男士のみんなにも金平糖をあげてみた。
「……大将、こりゃいったいなんだ?」
「金平糖。甘いよ」
「こんぺいとう……?」
そう言いながら私は自分の口に金平糖を放り込む。
私の好物の1つである。
ちなみに食べ物は大体何でも食べるけどなぜか豆腐だけ嫌い。
なんでだろうねえ。
好きなものは金平糖となすびです。
私が食べるのを見て、みんなが口の中に金平糖を放り込む。
人なんだから食べない訳じゃないと思うんだけどな、と思いつつ。
ご飯食べなくてもいいってさっき聞いたし、ひょっとして今まで何も食べたことなかったのかな。
そう思いながら、みんなの柔らかくなった表情を見て、思わずこちらも笑ってしまった。
やっぱり糖分は大事だよねえ。