其の一
夢小説名前変更
夢小説名前変更この小説は夢小説です。
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主人公の名前を入力してください。
この小説では
・偶然にも下の名前が真名な主人公です。
・名前を名乗ると神隠しに遭う可能性大です。
審神者ネームは円[まどか](変換なし)
未入力の場合は
名前:五来 日和[ごく ひより]
真名:日和
になります。
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「……えっと、私も、正直よくわからないです。意味わからないかもしれないですけど、いい、ですか?」
「よい。申せ」
「……みんなが別の場所を探してるとき、ここで白い箱を見つけました。何かと思ったら、白い紙、えっと、変な文字の書かれた……短冊、みたいな形の紙がいっぱいくっついてて」
箱を覆うようにして張られていたそれの中身がとても気になったから。
シールみたいにくっついていたそれを1枚1枚綺麗にはがしました。
12枚、だったと思うんですけど。
それをはがし終えて満足すると、急にバチッて言って、私、その箱を投げてしまって。
めっちゃ痛かったので右手を押さえながら箱を見ると、その箱が急に発火して燃え尽きて。
そこの、黒い炭みたいな、あれ?ない。
えっと、黒い灰みたいなものになりました。
あとは、何が起こったかわからなくて、こんちゃんが手に何か張ってくれたり、薬研くんと兼さんが弾き飛ばされたりで……
あ、右手が血まみれになりました。
正直痛すぎて、そこから何が起こったのかあまり覚えてないです。
そう、思ったことをそのまま述べた。
その私の話に、みんなが黙って聞いてくれた。
あれは一体何だったのか。
思わず右手にできた甲の傷を指で軽くなでる。
全然痛くないはずなのに。
じんわりと、何かがにじむ感覚がしたような気がした。
「———ふむ。雲とやら。わかるか?」
『……恐らく呪詛の類かと。呪詛返しで何とかなりそうだったので、簡易的なものを使用しました。そのため、手に少々傷が残っております』
雲さんそんな感じで三日月さんと話すんだね。
突然の敬語に私びっくりだよ。
驚き桃の木山椒の木、ってね。
そんなことを能天気に思ったものの。
雰囲気的にそんなことを言えるタイミングではなかった。
でも本調子に戻った気がする。
ありがとう話を聞いてくれて。
でもじゅそって何でしょうか、私またわかりませんよ。
ぷよ〇よのキャラクターの親戚かなんかでしょうか。
「……呪詛ってのは呪いだ。それでわかるか?」
「あ、はい薬研くんありがとう。藁人形に釘突き刺すやつ、みたいな?」
そう言うと、薬研くんはうなずいてくれる。
へえ、あれ呪いの道具みたいなやつだったのか。
……ん?じゃあ怪我したのはその呪いのせいってこと?
で、治ったのはじゅそがえし?呪いを帰したってこと?
……なら帰った呪詛はどこに家があったのだろうか。
この手の甲の傷は、呪いによるものか。
なるほどなるほど?ところで。
なぜ私が呪われなければ???
「……もう1人、カチコミの対象増えたな」
売られた喧嘩は即買いだ。
呪ったやつ、マジでぶっ飛ばしてやる。
マジで許さんからな、顔面グーパンだこの野郎。
「んで?結局何の呪いだったんだ?」
その問いは私に向けてるのかな兼さん。
何が起こったかもわかってなかった私が分かる訳ないでしょう、本当に。
私が少しため息をつくと、それで察したのか彼もまたため息をついた。
「……すまない、大将」
と、急に私の前で薬研くんが跪き、私に向かって謝る。
何事かと思って彼に近づこうとしたら、こんちゃんがそれを止めた。
結界に触れるとまた怪我をするかもしれないから、と。
そういえばなんか四角いの張ってたな。
ほぼ見えないから忘れてたよ。
「俺は……今ので、大将のことを疑っちまった。あんたが、そんなことしないって、わかってたはずなのに」
そういう薬研くんの顔は、うつむいているので見えない。
そりゃそうだよ、今までが今までだし。
むしろ疑わない方が逆にチョロくてこの子大丈夫かなと不安になる。
現に様子を見ると言った兼さんも自分も謝るべきか悩んでるし。
いやあなたは疑ったままでいるっていったんだからいいでしょうよ。
いやもちろん薬研くんもそんなことで謝らないでいいから。
むしろどんどん疑って、は嫌だけども。
全面的に信頼とか無理な話だから、ゆっくり仲良くなってくれればそれでいいから。
―――だから、顔を上げて。
そういうと少しだけ、顔を上げた薬研くんの鼻は赤くなっていた。
随分達観した男の子だな、とは思ってたけど。
その様子を見て可愛らしい、と考えたのは私だけじゃないだろう。
これがギャップ萌えか、ご馳走様で……え?違う?
『これに関しては俺の方で調べておくよ。呪術に詳しい知り合いがいるから。箱の大きさはどれくらいだった?』
「えーと……こんくらい?」
そういいながら、手で四角形の形を作る。
どれくらいか、と言われるとそうだな……
きのこたけのこ論争の箱をそれぞれ2つずつ重ねたくらいの大きさかな?
ちなみに誰が何と言おうときのこ派です。
え、わかりにくい?
じゃあパ〇の実2箱かな。
ほんとただの木箱って感じで、紙が12枚張ってあったことはよく覚えてる。
「……きっとその紙は、御札でしょう。これと同じでは?」
「あ、そうそう。あれ、でも文字がもっと……こう……ふにゃふにゃだった」
「ふにゃふにゃ」
ふにゃふにゃ。
こんちゃんが言うとなんかかわいいね、と言葉を足すと。
こんのすけにございます、と久しぶりにそれを突っ込まれたような感じがした。
さっきまでぼろぼろ泣いてたのに急に真顔になりおって、ちくしょうモフモフめ。
そういえばこんちゃん、この結界?とやらはいつまで張ってるの?と聞くと。
そうですね、もう大丈夫でしょうとその結界を解除した。
ちなみに薬研くんはまだうつむいたままだったので、つむじをついてみた。
「あでっ」の声と、頭を押さえる姿がまた可愛かった。
「何はともあれ無事だったからよかったものの!もう怪しいものに触るのはおやめください!こんのすけ、心の臓が持ちませぬ!」
「大丈夫大丈夫、あれくらいの出血なら死なないって」
「主よ、呪詛の類はあれで収まらん。あれからどんどん浸食するものもあれば、そもそも触っただけで命を蝕むものもある。折角俺たちの主となったからには、簡単に死んでくれるな」
「あ、うっす、すみませんした」
三日月さん、いつの間に私のこと主って呼び始めたの?
しかもめちゃくちゃ心配してくれてる、本当にすみませんでした。
とりあえず、御札は触る前にこんちゃんたちに確認ね、よくわかりました。