そのきゅう
夢小説名前変更
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審神者ネーム:焔[ほむら]
名前:緋来 眞[ひらい まこと]
審神者の友達からの呼ばれ方:ほむほむ
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【助けて】うちの沖田組が突然泣き出した
11:困った328は助けてほしい
うちの沖田組が『五輪』結成を見た瞬間固まって突然号泣しだした助けてくれ
原因も何もわからんし話聞くにしてもしゃべる余裕もなさそうで何も聞けない
13:困った328は助けてほしい
11 >>仲間がいてよかった……
あの、うちは新撰組が全員泣き出しまして……
私が涙もろいから泣くのはわかるんだけど、仕方ないんだけど理由がわからず他の全員が困惑状態で、どうしたらいいかわかんない;;
16:困った328は助けてほしい
うちめちゃくちゃキレてるんだけど……
え、これもしかして俺んとこの本丸以外も沖田組おかしくなってる感じ?バグ?
17:困った328は助けてほしい
うちはフリーズしてる
なんかめちゃくちゃ固まってるし何しても反応無い
20:困った328は助けてほしい
俺ん所もフリーズ
堀川がいれてたお茶膝にだばだばこぼしてる
25:困った328は助けてほしい
20 >>全く同じやつ居て草
うちは机を伝って横で寝てた兼さんが被害にあったよ
でも「うわあっち!!!おいくにひ……は???」って言ってからずっとフリーズしてる
28:困った328は助けてほしい
うち新撰組全員が固まった後に緊急収集で会議始まった
何話してんのかさっぱり
29:困った328は助けてほしい
長曽祢さんが……瞳孔開いて固まってます……怖いです……
31:困った328は助けてほしい
ほとんどの本丸が同じ目に合ってるってこと?
どゆことなのこれ新撰組関連?
34:困った328は助けてほしい
どの本丸も新撰組の刀が固まってるって感じなのかねえ
うちまだ見てないから出先だけど配信沖田組と見てみる
38:困った328は助けてほしい
34 >>おい、やめておけ!
お前の本丸がどう反応するかわからないんだぞ!
うちは号泣しながら俺にしがみついてるからさっきから……首がっ……!
40:困った328は助けてほしい
38 >>さして惜しくもない奴を無くした
万屋で休憩中のワイ、近くの審神者が連れてた沖田組の泣き声が聞こえてきてさにちゃん修羅場スレ立て企ててらたらめちゃくちゃやべえ事になってて草
うちの本丸も沖田組二人して泣いてるらしいんだけど誰か助けて
52:困った328は助けてほしい
40 >>とりあえず帰ってやれよwww
うちはフリーズタイプなんだけど……何しても動かないからどうしようかと
57:困った328は助けてほしい
うち新撰組、見入るようにテレビかじりついてるから何が何だか
59:困った328は助けてほしい
57 >>かじるな
うちは「えっ、嘘……カズネ……?」って2人して言ってるし沖田組以外の新撰組刀も驚いて言葉出なくなってる
60:困った328は助けてほしい
ワイ本丸、新撰組が揃ってお出かけしてるので反応が全くわからんが……カズネって多分この五輪の最後に登場した金髪美人さんだな
63:困った328は助けてほしい
60 >>この人も戦闘系審神者らしいね
そんなことよりうちも「は、え?!?」をずっと繰り返しててうるさいから外追い出しちゃった
65:困った328は助けてほしい
63 >>それは普通に可哀想
誰か原因わかるやついねーの?
この感じ、五輪もしくはカズネさんって審神者が間違いなく原因だろ
66:困った328は助けてほしい
新撰組を連れ立ってお出かけのワイ、兼さんと待機中でウトウトしてる兼さんが重い
これ口に出したらやばいかな?兼さんがすっごい覗き込んでくる感じあるから全力で阻止してるんだけど
68:困った328は助けてほしい
演練場襲撃事件経験のワイ、一緒にいた清光が「……やっぱり和音だ、間違いない」と呟いたのでkwskしてみる
69:困った328は助けてほしい
68 >>kwsk
70:困った328は助けてほしい
68 >>kwsk
71:困った328は助けてほしい
68 >>kwsk
80:困った328はkwskしてきた
まあまあそう慌てなさんな
演練場襲撃の時も疑問に思ったらしいけど今日見て確信したっぽい
どうやらこの和音って審神者、新撰組時代に仲良くしてた人に瓜二つレベルでそっくりらしい
しかも同名と来たもんだから偶然じゃなさそうだとよ
訳が分からん教えてエロい人
82:困った328は助けてほしい
エロいけど話が全くわからん
どゆこと???
88:困った328は助けてほしい
それはエロいのではなくただの変態では
沖田組未顕現のワイの本丸堀川くん、わかりやすく解説してくれたけど
「新撰組時代に、僕たちの事が視える人がいたんです。この和音さんって人は、その人と同一人物と思える程に似ている上、審神者名と新撰組の頃の名前が同じなんです。みんな凄く優しくしてもらって。大好きだったんですけど……ある日突然行方が分からなくなってしまって……後で知ったんですけど、殺されたのではないかと思える現場があったので恐らく……大和守さんと加州さんは、特に和音さんと仲が良かったですし……僕たちが話をしていなければ、恐らく真実を知らないまま顕現してるはずですから、他の新撰組刀剣男士に比べて感情的になるのは仕方ないかも……」だってよ
92:困った328は助けてほしい
うちも沖田組未顕現本丸なんだけど、兼さんが「本当同一人物ってくらい同じ顔してやがる。あの2振りがいたら混乱してただろうよ。それに和音は、昔っから霊力が高くて俺たちの事が見えてたくらいだからなあ。主のよく読んでる転生物?ってヤツみたいに、転生して記憶があったりするかもしれねぇな。それくらいそっくりで、かつ可能性があると思わせるくらいだからなぁ」だって
つまり……この和音さんって新撰組関連の人物の転生者……ってコト!?
97:困った328は助けてほしい
ちいかわやめwww
可能性高そうだな、うちも他のみんなが大騒ぎしてる中比較的冷静な長曽祢さんが画面見ながら頷いてるし「もしあの頃に生きていた和音が審神者をやっていたとしたら、俺たちにも思い当たる節があるはずだからなぁ。生まれ変わりと考えるのが妥当だろう。もちろん本人が自覚しているかは別の話で、あの頃の記憶があるかどうかも定かではないが……違う人物とはいえ、元気な姿を見ることができるのは嬉しいものだな」だって……なんか闇深い話っぽい?
99:困った328は助けてほしい
とりあえず五輪の和音さんって人が原因ってのはわかった
102:困った328は助けてほしい
誰だろ?歴史にそんな人いたっけ?
103:困った328は助けてほしい
102 >>新撰組マニアのワイ、初耳
105:困った328は助けてほしい
そもそも新撰組って男だけでは?どっかの乙女ゲームじゃないんだから
108:困った328は助けてほしい
まあ歴史に語られなかった存在だけどって可能性は全然あるよ
別に名前残ってる訳じゃないけど転生前の記憶があるって審神者ごく稀にいるらしいし、やっぱ霊力の影響かねぇ
109:困った328は助けてほしい
待ってうちのやすさだテレビに向かって刀構え始めたんだけど
取り押さえて貰ってるけどめちゃくちゃ殺気漏れてる怖い
112:困った328は助けてほしい
109 >>同士いてよかった……やっぱ各本丸で反応が違いすぎて……
113:困った328は助けてほしい
こんなとこでも個性出るんだなあ
うちも顕現してから一ひっくい声を出した清光が「これ、どこ」って……
すまん政府の中ってことしかわからないんだよおおぉぉ……
114:困った328は助けてほしい
こんだけ騒ぎになりゃ流石に政府から連絡あるだろ、正直パンデミックレベルの騒ぎだぞこりゃ
118:困った328は助けてほしい
それにしてもこのカズネって審神者さんめちゃくちゃ美人だよなあ……お近付きになりたいあわよくば付き合いたい
120:困った328は助けてほしい
コロコロされたいの?
121:困った328は助けてほしい
音声出力してたワイ本丸清光抜刀しました
122:困った328は助けてほしい
一緒に見てた大和さんが抜刀した
123:困った328は助けてほしい
待て待て待てうちも新撰組構えた待って
124:困った328は助けてほしい
あやまって!!!はやく!!!!!あやまれ!!!!!
125:困った328は助けてほしい
おい!!!!!まだか!!!!!
126:困った328は助けてほしい
えっ待ってもしかしてアイツタヒんだ?
127:困った328は助けてほしい
惜しくない命だかまやしないさ
129:困った328は助けてほしい
自分の本丸のやつにやられたか
もしくは偶然近いやつが殴り込みに行ったかだろうな
131:困った328は助けてほしい
129 >>ドンマイとしか
他のスレで審神者に対してそれを言うと刀剣男士達が怖いこと学んでこなかったのか
135:困った328は助けてほしい
特に五輪はなあ
周りの刀剣男士絶対ヤバいって話ちょくちょく出てただろうに
136:困った328は助けてほしい
135 >>とはいえそれ目立ってたの焔さんとこと和音さんって人の清光だけどな
和真さんはまあ、男だし
宇宙さんは……うん、刀剣男士が止める側というか
蒼唯さんについては縄文杉のこともあって、クールすぎて近づくのもはばかられるというか
138:困った328は助けてほしい
136 >>マジで縄文杉のせいだよな、それ以前も結構クールな感じあったっぽいし近寄り難いオーラはあるけど
152:困った328は助けてほしい
そう考えると本当新人組って正反対のイメージ強いな
最強の矛盾コンビでもあり火と水、温と冷みたいな
159:困った328は助けてほしい
あの……さっき和音さんと付き合いたいって言った奴なんだけど
163:困った328は助けてほしい
おっ生きてたかよく生きのびたな
164:困った328は助けてほしい
もう忘れてたわ
165:困った328は助けてほしい
そのままくたばれ
168:困った328は助けてほしい
スマン、猛反してるから
それよりあの、それどころじゃないっていうか
169:困った328は助けてほしい
168 >>もったいぶるなあくしろ
170:困った328は助けてほしい
168 >>お前に慈悲は無いはよしろ
171:困った328は助けてほしい
168 >>うちのカンスト刀剣たちを向かわされたくなかったらはやくしろよ
175:困った328は助けてほしい
【速報】和音さん、沖田総司の恋人だったらしい
176:困った328は助けてほしい
177:困った328は助けてほしい
178:困った328は助けてほしい
は?
179:困った328は助けてほしい
は?
180:困った328は助けてほしい
は?
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焔「……これなんてカオス……」
和真「雅審神者の名が廃るぞ」
焔「いや……だって……ねえ?」
蒼唯「狼狽える気持ちはよくわかる私もそうだった」
宇宙「いや、のんびり言ってる場合じゃないわよ!どうするのよ〜!!」
和音「……だから人前に出たくなかったのに」
流石にこれは誰も……いや、和真さんと和音さんは何となく察していたのかもしれない。
現在控え室……と言う名の政府内の一つの部屋。
表彰式が始まり、各々が名前を呼ばれて入る形式だったので。
今いる控え室に各々待機して、自分の番を待っていた。
トップバッターは『遡行軍撃破数最多』として宇宙さんとちょもさんが呼ばれて堂々と入っていった。
さすが宇宙さん、こういうのには慣れてるんだろうなーと鏡で髪を確認している姿を見ながら。
「宇宙さんお綺麗ですね」とちょもさんに言えば「ああ、そうだな。今日は一段と愛らしく見える」と鼻を高そうにしていたし、それに対して宇宙さんも「焔ちゃん!!!」と満更でも無さそうに顔を赤くしていた。ご馳走様です、末永くお幸せに。
その次に呼ばれたのはなんと私、『元凶撃破と冬の演練場の機能回復』が功績として上がっているらしい。
胃を押さえてめちゃくちゃ嫌そうな顔をしている蒼ちゃんを置いて、今日の近侍として抜擢された厚、そして手には燭台切光忠を持って中へと入り、宇宙さんの隣へ並ぶ。
ちなみに二人を選んだ理由は、厚は言わずもがな練度がうちの本丸で一番高い上、室内が予想されるので満場一致だったし。
光忠も清光がダメなら逆に候補に上がるのは光忠だけというくらいだったし、以前の時に光忠を使っていた為「太刀を扱う」というイメージにしていいのでは、ということですぐに決まった。
既に太刀を扱えるという印象はあらかた付いているので、そのまま定着させておけば別の刀を持っていた時に敵の不意を付けるというメリットもある。
ちなみにこれは余談だが、これがあるまでに何度か厚と近侍の座を掛けた決闘があり。
その度に審判として見守ったが、流石は厚、一度も負けることはなかったしなんなら光忠や清光とも手合わせしてたけど勝ってた。
そこまでしてでも譲りたくなかったのだろう、とても胸を張ってるし誇らしげな表情だ。
そんな厚を後ろに中に入ったのはいいが、普通にカメラっぽいのが回っている上、明らかに顔ぶれがお偉い様っぽい人々で。
うっわガチじゃんなんて思ったのを喉元で抑え、あくまで『雅審神者♀』として振る舞うよう厚を真似て胸を張った。
そしてその次に呼ばれたのは和真さん、『元凶特定と審神者の統括』ということで、一緒に連れていた紬さんと入ってきて私の隣に並ぶ。
ちなみに紬さんを連れてきた理由は「ちょっかいかけるやつが多いからな。大勢多数の目に『うちの紬です』ってアピールする、またと無いチャンスだろ?」とのことでした。
珍しい刀剣女士に会場がざわつき、また会場にいる新撰組の刀剣たちが明らかに動揺していたけど……そのまま式は続行するらしい。
対して紬さんは気にしていないのか慣れているのか、凛とした雰囲気で何も言うことはなく。
周囲を警戒しながら近侍としての仕事を全うしていた。あ、その表情、たまりません。好きです。
その次はめちゃくちゃ嫌がってた蒼ちゃんとその近侍の鯰尾さん、『結界の保持による審神者の守護』が功績になっている。
清光が和音さんだったから鯰尾さんにしたのだろう、ずっと胃がキリキリしてて辛そうだった。
というか君演劇部だから人前慣れてるはずでは?と思い立ちさっき聞いてみたのだが「こんな大人数とか知らんあとアドリブ苦手」だそうだ。
確かに規模は違うだろうけど、あんま変わらん気がするなあ……なんて思ったのも束の間、最後に和音さんと加州さんが入ってくる。
『審神者の救助数最多』ということで、これまた乗り気ではない和音さんだったけど……やっぱり凛としてて綺麗なんだよなあ。
そんな能天気な事を思っていたのに、急に進行がストップする。
ーーー和音さんが会場に入った途端、空気が変わったのだ。
それもそのはず、偉い人の周りには新撰組の刀剣男士もいて。
何か問題でも?と思ったそこのあなた、和音さんと初対面の時のうちの安定を思い出して欲しい。
あの大号泣をかまして大迷惑をかけた、うちの安定を。
そう、つまりはそういうこと。
その場にいた新撰組刀剣男士たちが硬直してしまっている。
それだけじゃない、色んな人の携帯は鳴るわ式の途中なのに「和音……?」とあちこちで声が上がるわ。
無意識のうちなのか涙が零れて止まらない子もいれば、明らかに殺気を出しているような子もいて。
これをカオスと呼ばずしてなんと言えと。
私にそれ以外の表現など思い浮かぶわけがない。
―――とまあ、そういう訳でして。
とりあえずは何も出来ないからと、全員控え室に引っ込んだまではよかったが。
だからといってすぐに解決出来る問題でもなくて。
どうすればいいのか、解決策がないかを和真さんに聞いたりもしたが。
返事は「お手上げ」とのことだった。
そもそもこのことについて、九重兄妹は大反対だったらしい。
そりゃそうだ、言われてみればうちの安定もあんなだったし、こうなることは目に見えていたはずなのだ。
当然ヨモギさんたちも反対していたが、他の人に色々言われてめんどくさくなったらしく。
「どんなことになっても知らないからな」という感じで半ばヤケクソに今回のことを引き受けたのだ。
その結果がこれなのだから、その役員たちも文句は言えないだろう。
焔「それにしてもカオスもいいとこカオス……うちのやっさだがマシに思える不思議……」
和真「マシというか、お前のとこの大和守がかなり特殊な反応なんだよ。普通はあんなすぐに受け入れれるもんじゃないんだ」
宇宙「そうねえ、うちの沖田組も三日くらいは落ち着きはなかったし……アタシがいるのに転生が受け入れられなかったり、前の時代のことでウジウジしたりねぇ」
和音「うちの沖田組も、私の記憶がない頃からって言うのはあるのかな……加州くんは割と早かったけど、安定くんは色々あったから……」
焔「えっ、うちのやっさだそんな変わった反応なの?」
蒼唯「かもねえ。さにちゃん見たけど、大半は硬直するし受け入れることが出来ないってよ。前世の和音さんの結末を知ってる堀川くんとかはそうでもないみたいだけど、それでもびっくりしてるらしいから」
焔「号泣するし泣きついてたからなあ……その後何事もなく楽しそうに話してたし、本丸帰った後も思い出話に花咲かせてたよ」
紬(真)「……君のところの安定、本当に能天気というか……主サマ、これからどうするんです?」
厚「正直収拾がつく状態じゃ無いだろうな。中止、もしくは延期は確実だろう」
加州(音)「げ。ただでさえこっちが迷惑被ってるのに……これからなんて知らないよ」
山鳥毛(宇)「しかし、折角の『五輪』の結成がこのような形で終わってしまうのも、面白くはないな」
鯰尾(蒼)「どちらにせよ早く終わって欲しいんですけどねえ。主が限界迎えちゃうじゃ無いですか」
蒼唯「ずおちゃん、既にきてるよ」
和真「……流石に対応なんて、俺たちにできることはないからなあ……和音を表舞台に立たせない、が最善だったわけだし」
光忠『困ったねえ、折角の機会なのに。僕たちに出来ることもないわけだし』
だよなあ……なんて光忠に返事をし、控室に置いてあるカップに同じく備え付けられているスティックタイプのコーヒーを淹れ。
しれっと一人でそれを頂くことにする。
それを見た蒼ちゃんも私の横に移動してきて、同じくお茶のティーパックのやつを淹れる。
二人そろって色々考えている三人+近侍たちをおいて、そこで一呼吸置くことにした。
だって和真さんたちが考えて何も出てこないなら、私が何考えたって無理に決まっている。
ならば余計なトラブルを引き起こすことなく、大人しくしているのが得策だろう。
なんてみんなが頭を悩ませているその様子を眺めていたら、隣で蒼ちゃんがスマホを触りだした。
……そう言えば推しのイベント開催中だったような、なんて思えば案の定そのアプリを起動していたので。
いい加減メンタル的にも落ち着かない状況だししゃーないか。
とはいえこのまま解決策がないのも困りものだし。
ひきちゃんにでも連絡とってみる?とも思ったが、彼は彼で他の本丸の対応に追われているだろうから変に連絡しない方が……と思った直後。
「Hello,Everyone!!!いやー、大変なことになっちゃったねえ」
「ま、予想ついてたのに対応しなかった政府側の責任だけどな!今頃大慌てであちこち走り回ってるぜ!」
焔「あ、茱萸さんに相棒さん!」
茱萸「やっはろほむほむ~☆あたしの担当の子が心配で見に来てみたけど……それどころじゃなくなっちゃったねー」
紬(真)「……何か解決策はないの?」
太鼓鐘(茱)「おおっと、焦ってもいいことはないぜ?はい、深呼吸深呼吸!」
和真「というより、わざわざこっちにいらっしゃったってことは……何か案があってこられたんじゃないですか?」
茱萸「おっ、そう思っちゃう?」
元気にドアを開け、控室に入ってきたのは茱萸さんとその相棒の太鼓鐘さん。
あれ?太鼓鐘さん、なんか前見たときと見た目違う気が……気のせいかな?
なにはともあれ今日も眩しい笑顔が最高に可愛らしいですね、最高だと思います。
『主……』って光忠に軽くたしなめられたが無視だ無視、茱萸さんの可愛さに勝るものはなし。
なんて喜ぶ私とは逆で、小さく「げっ」と声を上げた蒼ちゃん。
ああ……確かに、茱萸さんは蒼ちゃんの担当官とはいえ、苦手そうなタイプの人だよなあ……
ひきちゃんも『イケイケ陽キャ』なんて言っていたが、蒼ちゃんもどちらかと言えばぐいぐい来られすぎるのは苦手な部類だろうし。
それを言えば私も苦手な部類だろうけど……さて、絆されるのはいつになることやら。
焔さん知ってる、なんだかんだで蒼ちゃんも断れないタイプなので気づいたころには仲良くなってるだろう。
本当茱萸さんが担当官なのうらやましすぎんか?やっぱうちのと交換しない?いや光忠安心して冗談、冗談だから。
そんなやり取りをしていることは露知らず、話を進める他の人たち。
確かにこうやって茱萸さんが来るときは、何かしらがあるときのイメージが強い。
何より、茱萸さんも演練場襲撃事件で明らかに狙われていたうちの一人なのだ。
政府内を何もないのに歩き回るのは危険行為―――まあサダチャンさんいるから大丈夫だろうけど。
とはいえ無暗に動くのは控えているだろうから、何かしら用があるとみていいと思う。
早々にそれを見抜いた和真さんが、彼女の返事を待つ。
それに合わせて他の人たちも、茱萸さんの言葉を待つようにして口を閉じる。
当然私も―――と言いたいところだが声は出さずに光忠に能天気に話しかけていた。
『茱萸さん今日もめっちゃ可愛いけどちょっとやせた?焔さん心配なんだけど』
『緊張しないのはいいことかもしれないけど、少しは緊張感を持ってね』
『約束できんというかシリアス空気に耐えられん』
『主……うん、君はそのままでいいと思うよ。でもお話はちゃんと聞こうね』
『あいよ。大丈夫、可愛い声を聞き逃すわけにはいかないから』
『主…………』
茱萸「うん、もぎもぎから聞いたときはそんなに思わなかったんだけど……この状況見てふと思ったことがあって」
加州(音)「もったいぶらないではーやーく。俺たちも、和音に危害が及ぶんじゃないかって内心ハラハラしてるんだから」
太鼓鐘(茱)「まーまー!焦ってもなんもいいことはないって!急いでもどうにもならねえわけだしさ!」
山鳥毛(宇)「それはそうだが……して、一体どんな案があると?」
茱萸「ふっふっふー。要は全本丸の新撰組刀剣男士に、彼女の存在を知らしめればいいってわけでしょ?」
和音「……というか、前世の私が死んだ経緯を知ってくれれば、それで何とかなると思います」
茱萸「OKOK!それで、全本丸の刀剣男士たちに確実に情報を知らせる方法なんだけど……」
にこりと笑ってウインクをする茱萸さん。
やっばい可愛い、なんか大事な話をしてる気がするけど頭に入ってこないくらいに『主?』ごめん冗談だって話はちゃんと聞いてるから。
この事態を収束できるならそれに越したことはない訳だし。
私もできればこの事態を早々に終わらせて、できれば早く帰りたいわけで。
私も期待するように、茱萸さんの言葉を待つほかなかったが。
茱萸さんはそこまで貯めることもなく、あっさりとその提案をしてくれたのだった。
茱萸「ずばり、『本霊』に頼っちゃえば?っておねえさんは思ったわけなんですよ!」