カオスすぎて何が何だか「兄さん、後輩困らせちゃ駄目でしょ?」
和真「いやさっきまで俺も混乱してたからお互いさまというか、それより俺のハニーはなんでここにいんの?もしかして兄ちゃんの雄姿を見に来てくれたとか?」
「兄さんのじゃない。それに雄姿も何もそもそも戦うのは刀剣男士でしょ?そうじゃなくて、蓬さんが連絡しても出ないって言ってたから探しに来たの!」
「……その様子では、和解できたと見てよろしいでしょうか?」
焔「美女増えたなんてこったい目が足りない。女神三柱とか無理尊み秀吉……眼福にも程がありすぎて最早目が潰れる……」
清光「…………
和音?」
ううん兄さんってことは和真さんの妹さんってことなのか、言われてみれば似てるような気がしなくもない。
どちらにせよ美男美女なので私にとっては眼福だが。
それに紬さんに加えてヨモギさんまで現れたとなれば、私の眼球足りない。
今だけで良い、第三の目が開眼してほしい。
というか和真さんの人が完全に変わっていることには誰もツッコミ入れないんですね。
私の時はあんなに大騒ぎになってたのに。解せぬ。
何はともあれ妹さんマジでかわいいですね、女神かな?
なんて考えていたら、うちの新撰組のメンバーの声が聞こえたので。
清光の方を見ると、目を見開いてはいるが、真顔のまま硬直し。
安定に関しては隣で『信じられない』という表情をしている。
その横のほっかわも驚きを隠せてない表情だ。
…………ん?清光、かずねって今、呟いたよね……?
どこかで聞いたことあるような……
和音「あ、初めましての加州くんたちだ。主さんは……あれ、貴女どこかで……」
安定「あああ、あるじ、主!和音さんが!和音さんが!!!」
焔「わ、わかった、わかった、わからんけど分かった餅つけっっい"っ"て"!!!ベロ噛んだ!!!」
清光「和音?……和音なの?」
和音「えーっと、どうしよう加州くん……これは……」
和真「……あー、なんつーかカオス空間……和音、
焔……この審神者には話してもいいと思うぞ。信じる信じないかは別として、話は聞けるし悪い奴じゃない」
焔「おっもいだした!!!清光たちが言ってた沖田さんの恋人の名前カズネさんじゃん!!!あれ?でも何百年前の人……生きて……完全に理解しました、転生というやつですね???」
紬「えっ、なんでわかったの……?」
焔「嘘やんマジで?????」
和真「むしろお前の理解力の速さがこえーよ」
和音「…………えっと、どうしたらいいんだろう……」
私が言ったことにより更なるカオス空間へと発展したこの場所。
ちょっと待って情報量多すぎるごめん待って???
なんてパニックになっていたら、ヨモギさんが「とりあえず自己紹介をされては?」という絶好のパスを送ってくれたので。
大人しくその言葉に従い、私から適当に自己紹介をすると。
一瞬驚いた表情をしたが、すぐににこりと笑ってゆっくりと口を開いた。
和音「えっと、私は
九重 和音。そっちのバカな兄貴の妹です。そして、貴女の言う通り、沖田総司の恋人の生まれ変わりとして……転生?したみたいで……昔の記憶も残ってる。……それで、貴女も戦闘系審神者?」
焔「よろしくお願いします……って、今『も』って言いました?ということは……?」
和音「私もなの。私は弓を使って、刀剣男士たちの手助けをしてる」
焔「……ということは、刀装と似た役割の……遠距離型の戦闘系審神者ってことですね……近接型以外の方初めて見ました……しかも女性……」
和真「それより!なんで和音が転生だって気付いたんだ!?普通言い当てるどころか理解すること自体無理だろ!!」
焔「あー……いや、前例があるといいますか、自分の前世を知っている人が友人というか自分が似たものというかなんというか……」
和音「え?ということは、貴女も転生したとか―――」
「そ・れ・は。アタシがいるからよ!!」
和真「うわあああああ出たあああああああ!!!」
「んもう和真ちゃんったら失礼しちゃうわ!そして妹さん?はじめまして!
焔ちゃんの友人で、同じく戦闘系審神者の宇宙でーす♡」
和音「えっ……えっと、よ、ろしく……?」
焔「更なるカオスな空間に発展の予感」
とまあ、ここでまさかのソラさん登場により。
空間がガチで阿鼻叫喚となったので。
ここらで一息つきながら、状況整理をしようと思う。
いや、正直難しいくらいのカオス空間だけど。
ソラさん早速和真さんのとこ行っちゃったけど。
―――まずは
和真さん。
現在ソラさんに迫られて、次郎さんを盾にし必死に逃げている。
私の師匠となった、審神者の先輩。
ちなみに担当官はヨモギさんで、本丸自体は引継ぎ。
今日の部隊メンバーは獅子王さんに沖田組、鶴さんに次郎さん、そして紬さん。
審神者歴は十年ほどのベテランさんで、霊力量は普通なものの、その頭脳で刀剣たちを率いてきた。
ただし中身は重度のシスコンであることがついさっき判明した。
それを見た獅子王さんは遠い目をしていたので、きっといつもの事なのだろう。
―――そして
紬さん。
カズサノシゲカネシゲ……あれなんか違うような?ごめんなさい名前が覚えられてない。
えっと、とにかく新撰組の刀剣で、バグか何かで顕現した刀剣女士らしい。
お顔が美しすぎて直視したら目が焦げそう。
ではなく、新選組の藤堂平助さんの愛刀で、刀種は脇差。
清光ややっさだ、ほっかわとは旧知の仲と思われる。
和真さんの本丸に顕現した刀剣女士なので、和音さんともかなり仲がいいようだが和真さんとこの子である。
―――最後に
和音さん。
今日初めて会った……え?以前甘味処で見かけたって?
まあ今は置いといて……和真さんの妹さんで、私と同じく戦闘系審神者。
ただし遠距離系の攻撃手段であり、得物は弓らしい。
今日一緒にいるメンバーは、清光にやっさだ、ほっかわに和泉守さん。
それと新撰組の刀剣男士らしい、やけに胸元が開いた服を着ている髭の刀剣男士と。
「はっはっは」とこのカオス空間をただ笑って見つめている、青い着物のえらく上品な雰囲気を持った刀剣男士。
そして身長は短刀と同じくらいだが、持っている刀剣のサイズが明らかに大きい刀剣男士を連れているみたい。
それだけでなく、ソラさんと同じく転生して生まれ変わった、元沖田総司の恋人さん。
今現在すべてを思い出していて、なおかつ審神者をしているということになる。
ちなみに先ほどからうちのやっさだが泣きじゃくりながら「和音が生きてるううう」とご迷惑をおかけしている。
幸い私の背中に隠れて号泣しているからよいものの、お前私に鼻水着けるなよ?そんなことしたら歌仙に間違いなく怒られるからな?
清光やほっかわに関しては嬉しそうに和音さんと話をしていた。
……加えて和音さんと一緒に来たらしいヨモギさんと、そのパートナーのホンカさん。
あと先ほど突撃してきた宇宙さんがいる。
……本当にカオスだな……なんだこれ。
なんて思っていたら、ソラさんと一緒に来たと思われる刀剣男士たちが。
私の傍へと寄ってきて、にこにこしながら話しかけてくれた。
……あの、ソラさん、趣味全開の部隊編成やめません?
ムキムキマッチョしかいないよ?雄っぱいすごい人しかいないよ???
とはいえ半分以上は既に話したことのあるの面々だ。
?(宇)「おお!お主か!噂の
焔とやらは!主が世話になっておるな!」
村正(宇)「huhuhu……お久しぶりですね
焔サン……さあ、私たちも主たちのように!ぬ」
蜻蛉(宇)「村正!!!やめんか!!!主とは違って女性なのだぞ!!!」
?(宇)「てっきりもっとごついもんだと思ってたんだが……嬢ちゃん、飯食ってんのか?随分小さいな……」
山鳥毛(宇)「今日は世話になる。お互い精進するとしよう」
南泉(宇)「まだ会ったことないのは……岩融と日本号か。こっちの声も体もでっかいのが岩融。ひげ生えてんのが日本号だ……にゃ」
焔「ご紹介ありがとうございます……飯は通常の女子より食べてるかと……それよりソラさん止めなくていいんです?」
村正(宇)「私たちが止められるなら、そもそもここに突撃していマセン」
獅子王(真)「いや止めてやってくれ!?!和真が食われる!!!」
ガチで狙ってんじゃんソラさん……と思わず和真さんに同情していると。
急に体がふわりと浮き上がり「おわっ!?」と変な声を出してしまう。
よく確認すれば、岩融さん?が私のことを持ち上げている。
いや、なんでだよ。
彼はそのまま私を肩の上に座らせ「ガッハッハ!!」と大きく笑った。
岩融(宇)「主よ!そこらへんにしておけ!でなければ俺がこの女子を振り回すとしよう!」
焔「なぜ?????」
宇宙「だっめだめだめ!!わかったわよぅ、やめるわ!」
岩融(宇)「うむ!よい返事だ!」
焔「いやだからなんでやねん」
それで治まるソラさんもソラさんだけれど。
振り回すってなんだよ振り回すって。
まさかと思うけど足持ってぶんぶん振り回したりしないよね?ね?
いや正直それ楽しそうなんだけど。
……というか、これだけメンバーがそろっているので。
控室というか待合室ぎゅうぎゅうだな。
獅子王(真)「ところでなんでお前らここに?」
和音「私たちは蓬さんの案内。私も兄さんに用あったし……何だったか忘れちゃったけど」
加州(音)「そりゃこんな衝撃だらけじゃね……ところでそっちの安定、いつまで泣いてんの?」
安定「泣"い"で"な"い"っ"!!!」
焔「説得力皆無……じゃあヨモギさんは……?」
蓬「私は和真さんの様子見と言いますか……綱引が動けない今、関係がうまく築けているか見させて頂こうと思いまして」
和真「思わぬカミングアウトで意味が分からないくらいに混乱してるけどな……あの、加州さん、
焔に対して威嚇するの止めない?」
加州(音)「はー?してないんですけどー?」
光忠「君達、確か会議の日にデートしてたよね?ほら、SS会議の日」
和音「あ、うん。
焔ちゃんどこかで見たことあるなーって思ってたんだけど、甘味処で小夜ちゃんと燭台切さんといたよね?」
焔「女神に名前呼ばれて心撃ち抜かれました。というか待って私覚えて無い。女神を見たのに覚えて無いってどういうこと?あ、加州さん安心してください。私はただ可愛い女の子が楽しそうにしてるのを見るのが好きなので、その子が彼氏と幸せそうにしてたら尚GJなだけなので」
加州(音)「……ほんとかなぁ……え、彼氏?」
焔「?違いました?爪紅お揃いですし、お揃いのアクセも……それになんて言えばいいのか、『俺の和音に手を出すな』感がすごいというか」
宇宙「あらほんとね。やだー!青春じゃなーい!!
焔ちゃん、今度三人で女子会しましょ!お姉さん恋バナしたいわ~!」
和真「いやアンタ男だロッなんでもありません」
ソラさんがゆらりと立ち上がる。
なんで和真さんそういうこと呟いちゃうの襲われたいの???
そう思いながらも、これ以上の茶番は話が先に進まないので。
急いで二人の間に入り、和真さんを背に回しながら。
ソラさんの方を向いて、思わず早口で話す。
焔「とっ、ところで!ソラさんはなんでここに?」
宇宙「あらやだそうだったわ。というか
焔ちゃん、気づいてないの?」
焔「え?気付く?何がです?」
宇宙「今回の演練、相手はアタシよ?」
焔「…………え、ん"!?マジですか!?」
※今回登場の和真さん・紬さん・和音さん・蓬さんについては
猫のまにまに みたらし様
『生まれ変わって、もう一度。』『苦境に咲きし夢見草』
以上の作品に登場するオリキャラ&夢主をお借りしています。
パラレルワールド的な設定なので、みたらし様の本作と異なる点があります。
読まなくてもわかるように書いてはいますが、読んだ方が分かりやすい&めちゃくちゃ素敵な作品なのでぜひ読んでという意味でここにも載せておきます。
ちなみに茱萸さんもお借りしているキャラなのでご紹介。
詳しくはキャラ設定資料集を読んでいただけると幸いです。