番外編
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夏と言えば何を思い浮かべるだろう、突き抜けるような青空、雨の予感を思わせる入道雲、畑一面に咲いたヒマワリ……。
「いえ、夏と言えば海よ、そして海と言えばサメよ」
「それは分かったけど……この水着は何?」
「夏を感じるのに必要かと思って」
「映画見るのには必要無いよね」
それはそう。
お家でサメ映画を見よう!という話になり、吉野くん宅にて現在サメ映画を見るためあれやこれやと準備中である。
持ち寄ったサメ映画を机に並べてどれから見るか吟味する。
ダブルヘッドジョーズ、トリプルヘッドジョーズ、ファイブヘッドジョーズ……。
頭の数が増える事に評価は下がると定評がある多頭サメシリーズだ。
「多頭サメシリーズ一択かぁ…」
「ロストバケーションもあるけど」
「ロストバケーション見た後に多頭サメはキツくなるね」
二人で仲良く悩み、最終的にはロストバケーションを見た後に吉野くんが持ってるオススメ映画を見ることにした。
アルバトロスのサメ映画はどれもカルト的な人気を誇る作品ばかりだが、見た時間はドブに捨てたようなものだ。唯一嬉しい点は、大体のサメ映画には水着の美女が出てくるという点のみ。往々にして食われるけれど。
お家映画の良い点は、お喋りしても咎められないことだと思う。巻き戻しや一時停止、トイレ休息など…劇場で見るのはそれは格別に楽しいが、お家映画も良いものだ。
吉野くんがディスクの用意をしてくれている間に、お土産に持ってきたスナック菓子の袋を食べやすいように開いておく。
そして、夏を盛り上げるために持ってきた水着を手に取り、一応吉野くんへ尋ねる。
「水着…着る?」
「着なくていいから、身体冷えるよ」
「……浴衣の方が良かったか…」
うーん、しかし浴衣と言えば花火になってしまう。火薬ならあるけど、生憎花火は持って来てはいなかった。
コンビニに行けば売っているだろうけど、買ったところで何処でするかという話だ。
吉野くんと花火、花火と吉野くん……夜空に打ち上げられた大輪の花火に照らされた吉野くん…何か…儚いな?儚いヒロインみたいな絵面が頭に浮かび瞳を平べったくして現実の吉野くんをじっとりとした目付きで見てしまう。
「……どうしたの」
「頭の中の吉野くんが儚くて、ちょっと…」
「この短時間に、君の頭の中で僕は一体どうされたの?」
「花火と吉野くんの組み合わせは混ぜるな危険だったわ、やはり水着しか無い」
「意地でも水着を押すね」
呆れたような目で見ないで、浴衣と水着じゃ儚さのレベルが違うでしょ。
ハッ、でも……待て、仮に吉野くんが水着になったら、それで海やプールに行った日には…大衆の前に吉野くんの肌が晒されることに!?
駄目だ、それは絶対に駄目だ。嫁入り前の吉野くんの肌を不特定多数の人間に見せるなんて私が許さない。不埒な視線を向けられてピルピル震え出す吉野くんを見た馬鹿共が盛り始めるかもしれない、そんなことになったら……私は海を赤く染め上げてしまう。
ああ、夏を満喫するって大変だな……。浴衣も駄目、水着も駄目、やはり夏は涼しい部屋でサメ映画とスナック菓子。
ホラーも良いけど、呪術師やってるとリアクションが薄くなるのよね。あとはアイスやかき氷…。
夏はやりたいことが沢山出来る季節なのだろうか、それとも吉野くんと一緒に何かをしたいだけなのか。……後者な気がする、吉野くんと一緒なら音の無い雪景色もきっと特別な物になる。
「やっぱり、水着も浴衣もやめましょう」
そんな物が無くとも、十分過ぎる程にこの時間は幸せな物だ。
「それよりサメと戦う研究の方が大事よね」
「君なら勝てそうだけど」
「流石に頭が5つもあったらちょっと…」
「そっちのサメと戦う気なの!?」
今年の夏の目標、悪いサメから吉野くんを守ることに決定。
来年は劇場で新しいサメ映画を見れますように。
「いえ、夏と言えば海よ、そして海と言えばサメよ」
「それは分かったけど……この水着は何?」
「夏を感じるのに必要かと思って」
「映画見るのには必要無いよね」
それはそう。
お家でサメ映画を見よう!という話になり、吉野くん宅にて現在サメ映画を見るためあれやこれやと準備中である。
持ち寄ったサメ映画を机に並べてどれから見るか吟味する。
ダブルヘッドジョーズ、トリプルヘッドジョーズ、ファイブヘッドジョーズ……。
頭の数が増える事に評価は下がると定評がある多頭サメシリーズだ。
「多頭サメシリーズ一択かぁ…」
「ロストバケーションもあるけど」
「ロストバケーション見た後に多頭サメはキツくなるね」
二人で仲良く悩み、最終的にはロストバケーションを見た後に吉野くんが持ってるオススメ映画を見ることにした。
アルバトロスのサメ映画はどれもカルト的な人気を誇る作品ばかりだが、見た時間はドブに捨てたようなものだ。唯一嬉しい点は、大体のサメ映画には水着の美女が出てくるという点のみ。往々にして食われるけれど。
お家映画の良い点は、お喋りしても咎められないことだと思う。巻き戻しや一時停止、トイレ休息など…劇場で見るのはそれは格別に楽しいが、お家映画も良いものだ。
吉野くんがディスクの用意をしてくれている間に、お土産に持ってきたスナック菓子の袋を食べやすいように開いておく。
そして、夏を盛り上げるために持ってきた水着を手に取り、一応吉野くんへ尋ねる。
「水着…着る?」
「着なくていいから、身体冷えるよ」
「……浴衣の方が良かったか…」
うーん、しかし浴衣と言えば花火になってしまう。火薬ならあるけど、生憎花火は持って来てはいなかった。
コンビニに行けば売っているだろうけど、買ったところで何処でするかという話だ。
吉野くんと花火、花火と吉野くん……夜空に打ち上げられた大輪の花火に照らされた吉野くん…何か…儚いな?儚いヒロインみたいな絵面が頭に浮かび瞳を平べったくして現実の吉野くんをじっとりとした目付きで見てしまう。
「……どうしたの」
「頭の中の吉野くんが儚くて、ちょっと…」
「この短時間に、君の頭の中で僕は一体どうされたの?」
「花火と吉野くんの組み合わせは混ぜるな危険だったわ、やはり水着しか無い」
「意地でも水着を押すね」
呆れたような目で見ないで、浴衣と水着じゃ儚さのレベルが違うでしょ。
ハッ、でも……待て、仮に吉野くんが水着になったら、それで海やプールに行った日には…大衆の前に吉野くんの肌が晒されることに!?
駄目だ、それは絶対に駄目だ。嫁入り前の吉野くんの肌を不特定多数の人間に見せるなんて私が許さない。不埒な視線を向けられてピルピル震え出す吉野くんを見た馬鹿共が盛り始めるかもしれない、そんなことになったら……私は海を赤く染め上げてしまう。
ああ、夏を満喫するって大変だな……。浴衣も駄目、水着も駄目、やはり夏は涼しい部屋でサメ映画とスナック菓子。
ホラーも良いけど、呪術師やってるとリアクションが薄くなるのよね。あとはアイスやかき氷…。
夏はやりたいことが沢山出来る季節なのだろうか、それとも吉野くんと一緒に何かをしたいだけなのか。……後者な気がする、吉野くんと一緒なら音の無い雪景色もきっと特別な物になる。
「やっぱり、水着も浴衣もやめましょう」
そんな物が無くとも、十分過ぎる程にこの時間は幸せな物だ。
「それよりサメと戦う研究の方が大事よね」
「君なら勝てそうだけど」
「流石に頭が5つもあったらちょっと…」
「そっちのサメと戦う気なの!?」
今年の夏の目標、悪いサメから吉野くんを守ることに決定。
来年は劇場で新しいサメ映画を見れますように。