番外編
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「あ、またコンビニ弁当買って!身体壊すよ」そう言って灰原さんは私が今買って来たばかりの商品を手からかっさらっていった。こ、コイツ……私の飯に文句付けやがって…。
任務後にトイレ休憩でコンビニを利用するために、借りるならば何か買おうと弁当コーナーを見れば安くなっているお弁当を発見したのでラッキー!と思い買ったのだ。ちなみにその間灰原さんは外でお電話されていた、誰宛てかは知らない、興味も無い。
それよか弁当である、何勝手に奪ってるんだ、返せ。
「返してよ、私の夕御飯なのに」
「駄目、ちゃんとした物食べなきゃ」
「コンビニ弁当様をちゃんとしてない扱いやめてよ、怒りますよ」
「たまになら良いけどさ、毎日は身体に悪いよ。七海もそう言って、はい」
灰原さんの使用していたスマホをポンッと手渡される。
…な、七海さんって仰りました?え…普通に喋りたくない、絶対お節介焼かれるじゃん。あの人、自分は規定に沿った冷静冷徹なビジネスマンですって面してるのにめちゃめちゃ世話焼くし、気に掛けてくるから苦手なのだ。
拒否を示すためにスマホを突き返せば、グイッと先程より強く押し付けられる、やめてよ、良い声でネチネチ言われたく無い、仕事終わりで疲れてるのに。
しかし、いつまでもグイグイとスマホを押し付け合っていても待たされてる七海さんが可哀想だ…私は仕方なくスマホを手に取り……そして、通話終了ボタンをタップした。ふう、これで一件落着!
「あ!切っちゃった……」
「車戻りましょう、疲れた」
さっさと車に戻り、後部座席に座れば灰原さんも追ってやって来る。スマホをハンズフリー用にセットすれば、そのタイミングで電話がかかって来た。
七海さんだろうか……寝たフリもこのタイミングじゃ出来やしない。
『もしもし、いきなり切れましたが』
「ごめんね七海、も~…ほら挨拶くらいは頑張ろう」
「七海さんお疲れ様です。コンビニ弁当万歳」
『…はい、お疲れ様です。コンビニ弁当は控えましょう』
2対1になってしまった、どうしたものか。
別に良いじゃないかコンビニ弁当スーパー弁当、何が悪いと言うのだろうか。助手席に置かれた奪われた弁当の入った袋を見ながら沈黙する。
どうせあれだろ、一級術師でグルメな七海さんとその仲良しな灰原さんは毎週良い物食べてるんだろ、身体が喜ぶ食事とか言うのをしてるんだろ、好きなだけすれば良いが私に押し付けないでくれ。趣味趣向は己の中で完結しているべきだ。
『どうしてそう、自炊をしないんですか。せめて一品お惣菜、一品手作り、米を自分で研ぐぐらいは』
「家に匂いを残したくない」
『…手作りや出来立ては作り置きされた物とは違う美味しさがあるものですよ』
「人が作った物なら最近食べたもの」
「えっ、いつ?」
そこに食い付かなくてよろし。
いつって……最近、いや最近だろうか?吉野くんにカレーをご馳走になった時だ。そう、吉野くんの作ったカレー…あの時の吉野くん可愛かったなあ……。思い出していると私は会話をするのをやめ、ぽわわわ~んと頭の中が吉野くんでいっぱいになってしまった。
吉野くん、簡単に押し倒せたな…あれはあのままお母様がいらっしゃらなければ……抱けた…!ああ、惜しいことをしたなと一息ついて「吉野くんのカレーが食べたい…」と思わず緩んだ脳のままに口から漏らせば、三秒程車内が無音になった。
え、なんだ?楽しくお喋りしてて良いですよ?
「ヨシノくんって……くんって、もしかして」
『……灰原、』
「ッ、でも!」
『そうですね、これはただの確認なのですが…聞いてますか?』
「あ、はい……何でしょうか」
ルームミラーからこちらをチラチラ見る灰原さんと目が合った、なんだそのウキウキ キラキラした目は…口元緩んでますよ、本当にどうしたのだ。
『ヨシノくん、とは…ご友人でいらっしゃいますか?』
「………いらっしゃいますかって…」
「それとも、恋人!?」
『……灰原』
その問いを聞いて思わずシートから背中をガバッと離して「コッッッッッッッ」と音を出して固まってしまった。ハンズフリーのスマホからは七海さんの声で『当たりですかね』と言う声が聞こえるし、運転席に座る灰原さんは「うわー!!どうしよう七海、この後お祝いする?」とわけの分からないことを言っている。
や、やめろやめろやめろ!違う、そういうんじゃない!私と吉野くんはただの友人だ、そんな可愛い甘い関係では断じて無い!!確かに押し倒したり裸を見せてしまったり下着姿のまま抱き締められたけれど、ちょっと盛り上がるな話を聞け大人共!
「違います、違います、友人よ友人…その目をやめて、ねえニヤニヤしないでってば!シート蹴るわよ!!」
「友達が出来たんだね、おめでとう!」
『おめでとうございます』
「おめでとう言うな!!」
心無しかスピーカーから聞こえる七海さんの声が生暖かい、やだもうなんなの、お節介の次は勝手に関係を囃し立てて…さては暇か?ゴシップニュース雑誌でも買って送りつけてやろうか?
「本当に違うったら……」
居心地が悪くなって指先で髪を遊びながら深呼吸した。その間も「家入さんにすら"フリーズ"と言われた子が…」『あんな温度のある喋り方も出来たんですね…』「今、感動してるよ」と大人二人は好き勝手に言ってくれている。
本当に覚えてろよ……とくに七海建人、何が「確認ですが…」だ、ふざけた真似を…。腹の収まりが悪くなって奥歯を噛みしめながら、脚を組み換え窓の外を見る。
腹が立ったから、今日はレンチンもしたく無いので外でご飯を食べてやる。出来立てのホカホカをだ。
お祝いの言葉はいらないから、私を食事に連れて行け。
任務後にトイレ休憩でコンビニを利用するために、借りるならば何か買おうと弁当コーナーを見れば安くなっているお弁当を発見したのでラッキー!と思い買ったのだ。ちなみにその間灰原さんは外でお電話されていた、誰宛てかは知らない、興味も無い。
それよか弁当である、何勝手に奪ってるんだ、返せ。
「返してよ、私の夕御飯なのに」
「駄目、ちゃんとした物食べなきゃ」
「コンビニ弁当様をちゃんとしてない扱いやめてよ、怒りますよ」
「たまになら良いけどさ、毎日は身体に悪いよ。七海もそう言って、はい」
灰原さんの使用していたスマホをポンッと手渡される。
…な、七海さんって仰りました?え…普通に喋りたくない、絶対お節介焼かれるじゃん。あの人、自分は規定に沿った冷静冷徹なビジネスマンですって面してるのにめちゃめちゃ世話焼くし、気に掛けてくるから苦手なのだ。
拒否を示すためにスマホを突き返せば、グイッと先程より強く押し付けられる、やめてよ、良い声でネチネチ言われたく無い、仕事終わりで疲れてるのに。
しかし、いつまでもグイグイとスマホを押し付け合っていても待たされてる七海さんが可哀想だ…私は仕方なくスマホを手に取り……そして、通話終了ボタンをタップした。ふう、これで一件落着!
「あ!切っちゃった……」
「車戻りましょう、疲れた」
さっさと車に戻り、後部座席に座れば灰原さんも追ってやって来る。スマホをハンズフリー用にセットすれば、そのタイミングで電話がかかって来た。
七海さんだろうか……寝たフリもこのタイミングじゃ出来やしない。
『もしもし、いきなり切れましたが』
「ごめんね七海、も~…ほら挨拶くらいは頑張ろう」
「七海さんお疲れ様です。コンビニ弁当万歳」
『…はい、お疲れ様です。コンビニ弁当は控えましょう』
2対1になってしまった、どうしたものか。
別に良いじゃないかコンビニ弁当スーパー弁当、何が悪いと言うのだろうか。助手席に置かれた奪われた弁当の入った袋を見ながら沈黙する。
どうせあれだろ、一級術師でグルメな七海さんとその仲良しな灰原さんは毎週良い物食べてるんだろ、身体が喜ぶ食事とか言うのをしてるんだろ、好きなだけすれば良いが私に押し付けないでくれ。趣味趣向は己の中で完結しているべきだ。
『どうしてそう、自炊をしないんですか。せめて一品お惣菜、一品手作り、米を自分で研ぐぐらいは』
「家に匂いを残したくない」
『…手作りや出来立ては作り置きされた物とは違う美味しさがあるものですよ』
「人が作った物なら最近食べたもの」
「えっ、いつ?」
そこに食い付かなくてよろし。
いつって……最近、いや最近だろうか?吉野くんにカレーをご馳走になった時だ。そう、吉野くんの作ったカレー…あの時の吉野くん可愛かったなあ……。思い出していると私は会話をするのをやめ、ぽわわわ~んと頭の中が吉野くんでいっぱいになってしまった。
吉野くん、簡単に押し倒せたな…あれはあのままお母様がいらっしゃらなければ……抱けた…!ああ、惜しいことをしたなと一息ついて「吉野くんのカレーが食べたい…」と思わず緩んだ脳のままに口から漏らせば、三秒程車内が無音になった。
え、なんだ?楽しくお喋りしてて良いですよ?
「ヨシノくんって……くんって、もしかして」
『……灰原、』
「ッ、でも!」
『そうですね、これはただの確認なのですが…聞いてますか?』
「あ、はい……何でしょうか」
ルームミラーからこちらをチラチラ見る灰原さんと目が合った、なんだそのウキウキ キラキラした目は…口元緩んでますよ、本当にどうしたのだ。
『ヨシノくん、とは…ご友人でいらっしゃいますか?』
「………いらっしゃいますかって…」
「それとも、恋人!?」
『……灰原』
その問いを聞いて思わずシートから背中をガバッと離して「コッッッッッッッ」と音を出して固まってしまった。ハンズフリーのスマホからは七海さんの声で『当たりですかね』と言う声が聞こえるし、運転席に座る灰原さんは「うわー!!どうしよう七海、この後お祝いする?」とわけの分からないことを言っている。
や、やめろやめろやめろ!違う、そういうんじゃない!私と吉野くんはただの友人だ、そんな可愛い甘い関係では断じて無い!!確かに押し倒したり裸を見せてしまったり下着姿のまま抱き締められたけれど、ちょっと盛り上がるな話を聞け大人共!
「違います、違います、友人よ友人…その目をやめて、ねえニヤニヤしないでってば!シート蹴るわよ!!」
「友達が出来たんだね、おめでとう!」
『おめでとうございます』
「おめでとう言うな!!」
心無しかスピーカーから聞こえる七海さんの声が生暖かい、やだもうなんなの、お節介の次は勝手に関係を囃し立てて…さては暇か?ゴシップニュース雑誌でも買って送りつけてやろうか?
「本当に違うったら……」
居心地が悪くなって指先で髪を遊びながら深呼吸した。その間も「家入さんにすら"フリーズ"と言われた子が…」『あんな温度のある喋り方も出来たんですね…』「今、感動してるよ」と大人二人は好き勝手に言ってくれている。
本当に覚えてろよ……とくに七海建人、何が「確認ですが…」だ、ふざけた真似を…。腹の収まりが悪くなって奥歯を噛みしめながら、脚を組み換え窓の外を見る。
腹が立ったから、今日はレンチンもしたく無いので外でご飯を食べてやる。出来立てのホカホカをだ。
お祝いの言葉はいらないから、私を食事に連れて行け。